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夜間頻尿と塩分の関係

泌尿器科2020/01/27

 最近の研究で、夜寝ている間に作られる尿量と一日に取った塩分量が大きく関係していることが分かってきました。余分な塩分は高血圧やむくみを生じさせ、それが夜間の尿量を増やすことにつながります。昼間はそれほどではないけど夜の頻尿で困っているという方は、塩分摂取を減らすことで夜間頻尿を改善させることができるかもしれません。

 日本では一日の塩分摂取は、男性8g未満、女性7g未満、高血圧症や腎機能障害のある方は6g未満が目安とされます。薄味に感じても含まれている塩分が多い食品はたくさんあります。本やインターネットなどで正しい知識を身につけ食事内容を見直すことで正しい塩分管理が可能となります。ただし高齢者は、塩分を制限したために食欲が低下し十分な栄養が取れず体調を崩してしまう場合があります。無理のない範囲で調整することも大切です。

 取りすぎてしまった塩分を積極的に排泄させる方法もあります。イモ類や緑黄色野菜、ナッツ類などカリウムを比較的多く含む食材を料理に加えると塩分排泄効果があることが知られています。ただし腎臓機能の悪い方はカリウム摂取により不整脈など重篤な合併症を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。多くの場合余分な塩分は水分とともに下半身にたまることが多いため、下肢のマッサージや運動、下半身浴などによるむくみの解消も夜間頻尿対策として効果が期待されます。

 終わりに。腎臓機能障害のある方や加齢により塩分排泄が減少している方では、効率の良い塩分制限ができないことがあります。塩分制限を実施しても夜間頻尿が改善しない場合には医療機関への受診が勧められます。

 また、塩分とは関連のない夜間頻尿も存在します。夜間、トイレに何度か起きるけど一回の排尿量が少ない場合は、ぼうこう機能など下部尿路の異常や睡眠障害など泌尿器以外の異常も考えなくてはなりません。この場合もやはり医療機関への受診が勧められるでしょう。


Text by 美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2020年1月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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