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尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)がありませんか?

皮膚科2023/01/30

いぼには大きく分けて、感染しない老人性疣贅と感染する尋常性疣贅、伝染性軟属腫(いわゆる水いぼ)、扁平疣贅などがありますが、今回取り上げるのは、感染するいぼで最も多い尋常性疣贅です。

尋常性疣贅(以下、イボ)は、ヒト乳頭腫ウイルスが感染して起こります。ウイルス性疾患で薬があるものは、エイズ、水ぼうそう、ヘルペス、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザくらいで、残念ながらイボに対して直接的に効果がある内服薬と外用薬はありません。

現在外来で行われている主な保険治療は、液体窒素と漢方薬(ヨクイニン)内服とスピール膏貼布で、液体窒素が治療の中心です。液体窒素はマイナス196度の液体を付けてイボを凍結し、イボに感染した細胞を破壊、壊死させる物理的作用と、凍結で壊死した細胞に対する免疫反応作用により効果を発揮します。施術時には痛みがあり、後日水膨れができることもあります。

ヨクイニンは、イボに対する抵抗力を上げる働きがあります。スピール膏は皮膚を軟らかくするシート状の薬で、イボの部分に貼って1週間後くらいで削りますが、薬がずれて正常の皮膚が剥がれたり化膿してしまうこともありますので、清潔な状態できちんと固定して貼ることが必要になります。

イボは皮膚だけに感染し、他の病気を引き起こすことはありません。ただ、足底のイボが深くなってくると、うおのめのように痛みが出てきますし、指や顔に出てしまうと外見上気になると思います。イボは人から人へ接触して感染しますが、いつどこで誰から感染したのか不明であることが多いので、たまに足底や指を見る習慣をつけていただき、もし、何か見つけた時は早めに皮膚科を受診して下さい。


Text by うめき皮膚科 院長 梅木 薫( 2023年1月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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