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軽症うつ病が増えていると聞きますが、従来のうつ病とどう違いますか?

心療内科2010/03/18

頭痛や腹痛など身体的症状を訴えて、
実は軽症うつ病ということがあります

 近年、うつ病は増加傾向にあり、中でも軽症のうつ病(仮面うつ病)が話題になっています。
これまで典型的なうつ病患者は人口の3〜5%、約500万人ほどといわれていました。
それに軽症のうつ病を含めると、10%以上、10人に1人はうつ病を発症しているといわれています。
その原因として注目されているのが、脳の中の神経伝達物質(セロトニン)の機能異常によるというものです。
この物質が不足しているとうつ状態になり、過剰になると躁状態になるといわれています。 うつ病は原因もなく突然起こる場合が一番多く(内因性)、他には悲しい出来事などによる心因性のもの、疲労が蓄積してストレスに対する抵抗力が落ちたとき、また糖尿病や心臓疾患、脳疾患などを抱えた身体的要素、さらにステロイドや血圧降下剤などの薬によって発症することもあります。
これらいろいろな要因が重なって、うつ状態になると考えられています。 軽症うつ病の場合は、頭痛や動悸、背中や腰が痛いなど、身体的症状がまず表面にでてきます。
意欲がなくなる、悲しい気分といった典型的なうつの症状は仮面に隠れているわけです。そのため、身体疾患とまちがわれ内科や外科を受診するのですが、検査をしても異常が見つからず、最後に精神科を受診するといったケースが増えています。 またこれまで、うつ病の発症年齢は40代、50代が中心となっていましたが、最近は20代、30代など若年化が進んでいます。
小学生や中学生にもみられます。
引きこもりや登校拒否など行動障害として現れてきたり、腹痛などの身体的症状を訴えることもあります。
周囲からは怠け者と見られがちですが、うつ病が隠れている場合もありますので注意が必要です。 改善には休養と薬物療法が治療の中心となります。
最近では副作用の少ない非常に効果的な薬がありますので、できるだけ早く受診することが大切です。
うつ病の半数は一生で1回のみの発症ですみますが、残りの半数の人は再発を繰り返します。
ですからきちっとした治療を受けることが必要です。
また抗うつ薬には痛み(頭痛・腰痛ほか)にも効果があります。
実際の痛みのほかに、精神的なことで痛みを倍増させていることもあるのです。 うつ病は本人よりも周囲が先に気づくことがあります。
あまり話をしなくなった、元気がないなど、家族や会社の上司などが気づいて精神科を受診するよう勧めたり、一緒に訪れることもあります。
軽症の方は治りは早いといえますので、やはり早期の受診をお勧めします。


Text by 富田病院 植田 裕之( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

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