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整形外科

整形外科2012/09/29

 整形外科は、姿勢を保持する首から腰にいたる背骨と、手足の運動器官を主な対象とし、それらを構成する脊椎・骨・関節・筋肉・腱・神経などが治療の対象になります。
その内容も肩こり、腰痛や脊椎・末梢神経を原因とする手足のしびれ、スポーツ、交通事故などによる四肢、背骨のけが、五十肩などの関節痛、股・膝関節などの変形性疾患、リウマチ、炎症性疾患、代謝、奇形、腫瘍、特発性疾患など、実に多岐にわたります。

 高齢化社会を迎えて痛みを伴わず歩いたり、身の回りのことが自分でできるように身体的機能を保って老後の快適な生活が送れる生活の質(Quality of life)の維持・改善という点で、腰痛や変形性膝関節症などの関節痛、骨粗鬆症やそれに伴う骨折の予防治療など、我々整形外科医がお手伝いさせていただくことはますます増えています。

 また、スポーツの普及とともに大勢の各年齢層の方が、それぞれのレベルでスポーツを楽しむようになって、スポーツによるけがや使い過ぎなどの障害も増加しています。
特に成長期におけるスポーツ障害は、そのためにスポーツを続けることが難しくなったり、後遺症を残すことがあり我々専門医のもとで早期に診断、適切な治療を受けられることが大切だと思います。
御父兄、指導者の方々と協力をして、楽しくより高いレベルでスポーツが続けられるよう貢献できればと思います。こうした時代・社会の変化とともに、今後ますます専門医として我々整形外科医の役割・責任が大きくなっていくのではないかと考えています。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2012年9月14日 「青いぽすと」掲載)

脳動脈瘤の自然歴

脳神経外科2012/09/24

 病気の「自然歴」とは、その病気を放っておいたらどうなるかということです。
病気は、何でもかんでも治療するわけではなく、自然に治るものや、治らなくても生活に支障なく、寿命を全うできると思われるものもあります。
一方、治療にも危険が伴うことがありますので、放っておいた場合の危険と、治療に伴う危険とを天秤にかけて治療するかどうかの判断をします。

 脳動脈瘤は破れると半数の方が命を落とすとも言われる恐ろしい病気です。
また命が助かっても、多くの方が障害を残します。
その恐ろしさ故に、かつては検査で偶然見つけた動脈瘤に対して、積極的に手術する傾向がありました。
しかし、治療には危険が伴いますから、そのような姿勢に対する批判の声も多数ありました。
また、MRIなどの診断機器の発達に伴い、動脈瘤が発見されることが増えてくる一方で、昔から動脈瘤の自然歴が不明でした。
そうした中、1998年に発表された欧米の研究結果では、脳動脈瘤の破裂の危険性が、年率0.05%と予想外に低かったため、大変な議論となりました。
そこで日本脳神経外科学会が中心となって、2001年から新しく研究を開始しました。
その研究結果が、つい最近発表されました。
全体としての破裂リスクは年率1%程度と、実際に破裂脳動脈瘤を扱っている脳外科医の実感と一致する結果でした。
さらに動脈瘤の場所や大きさ、形による危険性の違いも示されました。

 これまで脳ドックなどで動脈瘤が見つかった場合、治療をどうするか相談するのに、しっかりした根拠に基づくデータがなかったために、脳外科医も困っていました。
今回の研究方法には、まだまだ議論の余地があります。
しかし、その判断を下すための材料として、今までの研究報告よりもしっかりとした根拠が示されたものと考えます。

 個々の患者さんについては、個別の状況から治療方針を決めなければなりませんが、医師として、患者さんに説明するとき、これまでよりも自信をもってお話ができるようになりました。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2012年9月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

皮膚の悪性腫瘍

皮膚科2012/09/24

 皮膚の悪性腫瘍(皮膚のガンです)として代表的なものには次の3つがあります。

 基底細胞癌(きていさいぼうがん):多くは光沢のある青黒い腫瘍です。
潰瘍状にジクジクすることもあります。顔に多く特に目や鼻の周囲に多く見られます。
皮膚癌の中で最も多く見られますが、悪性度は低く、転移はほとんど見られません。

 有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん):比較的多く見られます。
紫外線、慢性の刺激や炎症、放射線などが原因となったり、ヤケドの跡や傷跡から発生してくることもあります。
潰瘍を作ってジクジクしたりします。悪性度は中等度で、転移することもあります。

 悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ):黒い色をしている皮膚の癌で、ホクロとの区別が難しい事もあります。
頻度としては少ないのですが、悪性度は高く、進行が早くて転移することも多く致命的になることも多い癌です。
ホクロなどが悪性化してくるとき、その変化の指標となるのは、

①形がイビツで左右対称でないこと。
②境界が不規則であること。
③色が均一でないこと。(濃い部分や薄い部分がある)
④短期間のうちに大きくなってくること。

などです。

 その他に多いものとして日光角化症があります。
これは正確には悪性腫瘍ではありませんが、有棘細胞癌の前駆症状(そのままにするとガンになる可能性のあるもの)です。
日光によってできるため、顔、耳、手、腕によく見られます。
ほとんどが中高年の方で、日焼けをすると赤くなる人に多いといわれます。
赤や褐色の斑で表面がざらざらして少し硬くなっています。
角のように伸びてくることもあります。
これは焼いて取ったり、軟膏で治療したりできます。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡( 2012年9月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

マイコプラズマ肺炎

内科2012/09/18

 マイコプラズマ肺炎は健康な人もかかる肺炎です。
昨年7月から冬まで猛威をふるい今年はさらに勢いを増しており、8月下旬の時点で去年の1.5倍のペースで増えています。

 病原体は細菌より小さくウイルスより大きい微生物で患者さんの咳の飛沫(ひまつ)に濃厚に接触するとうつります。
このため家庭・職場・学校などで流行することがあります。
感染者全員が肺炎になるとは限らず気管支炎程度で治癒される方もいます。

 特徴的な症状は発熱・頑固な咳・倦怠感などです。
鼻水が出たり喉や耳が痛くなる方もいます。
合併症としてしばしば肝機能障害を認めます。
また、まれに心筋炎、中耳炎、髄膜炎、発疹、ギランバレー症候群(全身の力が入らなくなる神経疾患)を合併する方もいます。

 診断は症状・レントゲン・血液検査などで行います。
治療法は特定の抗生物質を使います。
発見が遅れると重症肺炎になる方もいます。
長引く風邪や咳がひどい時は早目に医療機関を受診してください。


Text by 金井内科クリニック 金井 晶子 医師( 2012年9月18日 「みなみ風」掲載)

浅いシミ、深いシミの治療アプローチ

形成外科2012/09/03

 シミには皮膚の浅いところにあるシミと深いところにあるシミとに分けられ治療方法が異なります。
治療方法を間違えるとかえって色素が濃くなりますので、注意深い診断と適切な治療が必要です。
浅いところの代表的シミには老人性色素斑、脂漏性角化症など、深いところのシミには肝斑などがあります。
シミの深さによって様々な治療法があり、かかる費用も様々です。大切なことは個々の治療方法について専門医と十分に相談したうえで、治療を受けていただくことです。
また、その補助的な方法として、ビタミン、アミノ酸、ミネラルをバランスよく摂っていただき、肌の栄養環境を整えることがキーポイントです。
例えば、栄養環境の悪い砂漠で、植物に光りを照射しても変化がないように、環境をオアシス化してから照射すれば、芽も葉も生えて来ます。

 肌のためにはバランスのとれた食事と規則正しい生活が必要であることは言うまでもありませんが、サプリメントの摂取など、皮膚の栄養環境を整えるためビタミン、アミノ酸、ミネラルをより積極的に摂っていただくための方法もアドバイスできますので、医師にご相談ください。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2012年9月3日 「みなみ風」掲載)

糖尿病の方は歯周病対策を

歯科2012/08/31

 歯周病は成人の9割が罹患する身近な慢性病ですが、一方で糖尿病も増加傾向を示す慢性病です。
我が国の「糖尿病が強く疑われる人」の数は890万人(2007年)、「糖尿病の可能性を否定できない人」の数は1320万人(2007年)です。
これを合わせますと、2210万人となり、今後さらに増加すると見積もられています。2002年の調査ではこの合計が1620万人でしたので約400万人増えたことになります。

 歯周病と糖尿病の関係は従来から、①糖尿病になると歯周病が悪化する、②歯周病が悪化すると血糖値コントロールがうまくいかない、と言われていました。
加えて最近の仮説では、③歯周病が悪化すると歯が失われ、咬めなくなり、糖尿病の食事療法がうまくいかなくて糖尿病の悪化を招くことが示されています。

 ところで、糖尿病の数値を示すHbA1c値は過去1~2カ月の血糖の状態を示し、糖尿病治療の基準のひとつになります。
HbA1c値は2012年4月より従来の日本の基準であるHbA1c(JDS値)からHbA1c(国際標準値)に変更されました。
この国際標準値は海外で使用されるNGSP値に相当し、JDS値より0.4%高くなります。
つまり、「糖尿病が強く疑われる」のは従来の「6.1%以上」から「6.5%以上」となりました。

 このHbA1c値は、歯周病が重症化すると上昇すると言われています。
けれども、こういった歯周病の方の治療をすると、0.5%程度のHbA1c値の減少が期待できるという報告もあります。
歯周病治療を行うことで歯の寿命を延ばせるだけでなく、糖尿病を改善する一助になり得ると言えます。


Text by 北斗歯科クリニック 土永 浩史( 2012年8月17日 「青いぽすと」掲載)

この歯、キレイにしたいんです

歯科2012/08/31

 「先生、保険外でも良いので、この歯きれいにしたいんです。」
女子高生の患者さんが親御さんの許可を得たらしく、治療の終わり間際にそう言ってきました。
「そうだね。じゃあセラミックで被せてきれいにしましょう。」
「はい。お願いします。」

 彼女は上の前歯一本の根を消毒している所です。
その歯の表面は以前治療した詰め物が黄ばんでいて、見た目の悪さを気にしていました。
この歯を治す場合、保険では、銀歯の表面に白いプラスチックを貼り付けた被せ物になります。
それは入れた当初はそれなりにきれいですが、時間と共にツヤが失われ、徐々に黄ばんでくる欠点があります。
保険外では、セラミックと金属を組み合わせた冠、或いはセラミックのみの冠があります。
セラミックは透明感があり、とてもきれいで年数が経ってもほとんど変色しません。
金属を使わない場合、本物の歯と光の透過性が似てくるので、より自然な仕上がりになります。
又、彼女の様に詰め物が広範囲に及ぶとか虫歯が大きい時は冠を被せる為の土台を作る必要がありますが、それもセラミック冠では素材を変えます。
白いプラスチックを使い光の透過性を良くします。

 上の前歯は見た目の印象に大きく影響します。
黄ばんだ歯では自信を持って話したり笑ったりできないでしょう。
その部位のかみ合わせが緊密すぎる時には金属を使う必要がありますが、そうでなければセラミック冠が一番理想的な治し方と言えます。
よりきれいにしたい方にはおすすめです。


Text by 吉田歯科口腔外科 寺崎 誠治( 2012年9月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

小児の長引く鼻水、咳 〜診断、治療のポイント〜

耳鼻咽喉科2012/08/31

 風邪という診断で服薬しているもかかわらず数周間も鼻水、咳が止まらないと訴えて来院されるお子さんが少なからずいらっしゃいます。
中には中耳炎も起こしているお子さんや咳が続くというだけで気管支喘息と診断され漫然と投薬されているお子さんもいらっしゃいます。
そうしたお子さんでは多くの場合、膿性あるいは粘調性鼻漏や後鼻漏が認められ、副鼻腔炎になってしまっている場合も少なくありません。
では、なぜ鼻水、咳が止まらないのでしょう? そもそも鼻水や咳は侵入した病原体(細菌やウイルスなど)や異物を洗い流したり吹き飛ばしたりして排除しようとする体の大切な防御反応です。
つまり体から病原体や異物が排除されない限り止まらないわけです。
従って鼻水、咳を止めるためにはいかに除菌をうまく図るかが治療のポイントになります。
また、風邪の症状は1週間から10日程度で治まるのが普通ですのでそれ以上長引いた場合は何らかの慢性的な状態になっていると考えて診断、治療を行うことが必要です。

 鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎を引き起こす病原菌は
①インフルエンザ菌
②肺炎球菌
③ブランハメラ・カタラーリス

があり、これらを三大起炎菌と言います。
これらの細菌を除菌することがポイントですが近年、抗生物質が効きにくい耐性菌が増加していますので有効な抗生物質を選択し新たな耐性菌を増やさない為にも用量用法を工夫する必要があります。
中途半端な抗生物質の使用は効果がないばかりではなく新たな耐性菌を生む原因となります。

 最近では抗生物質の特性にあった用法で高用量を使用し確実に除菌を図ることが推奨されています。
誤った用法で使用すると同じ1日量を服用したとしても効果が低下しますので用法は変えないことが大切です。
抗生物質の使用を嫌う風潮もありますが適時に適切な選択、使用をすることで最大の効果を発揮し副作用も軽減できます。
病原菌を把握し抗生物質を使うべき時に思い切って使うことが重要です。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2012年9月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

眼科の疾患について

眼科2012/08/27
  1. 白内障
    白内障とは水晶体の濁る状態です。
    水晶体は瞳孔のすぐ後にあるので、濁りが強くなると瞳孔が白くなるので、「白そこひ」ともよばれています。
    視力が低下し、かすんでみえることが特徴です。
    原因は不明ですが、若い方にもみられます。
    60歳では約半数の方が多少なりとも白内障にかかっていると言われています。
  2. 緑内障
    「あおぞこひ」ともよばれます。基本的には眼が硬くなる病気です。
    すなわち眼圧の上昇する病気です。
    眼圧は21mmHgまでが正常です。
    房水という透明な水が眼内を還流していますが、この水が眼外に排出されにくくなることで眼圧上昇がおこります。
    その結果視神経が圧迫されて、次第に視神経の機能が低下して視力や視野といった機能を失います。
    眼圧が高くないにもかかわらず、視神経がこのように萎縮をきたす正常眼圧緑内障もかなりの頻度でみられることも分かってきました。
    その場合、眼圧値そのものより、視神経周囲の血液循環障害によることが原因とされ、注目を集めている病気のひとつです。
  3. 糖尿病眼症
    眼症の代表は糖尿病網膜症、白内障、眼筋麻痺です。
    年齢、罹病期間、血糖の状態、腎合併などが加味されると多彩な所見がみられます。
    糖尿病でみられる黒目の表面、角膜の上皮障害は、末梢神経障害が基盤になって生じると考えられており、糖尿病に罹患したため生じた知覚低下が原因です。
    また、神経症状として複視や眼瞼下垂症状で受診し、眼科で初めて糖尿病の存在を知ることも少なくありません。
    水晶体に糖が蓄積すると白内障が進行します。
     他にも網膜剥離、高血圧網膜症、流行性角結膜炎、季節性アレルギー結膜炎、春季カタル、結膜結石、結膜下出血、近視、老視などがあります。

Text by 江口眼科病院 昌原 英隆( 2012年8月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

たかが便秘、されど便秘

消化器内科2012/08/27

 便が硬い、出づらい、なかなか出ない、などいわゆる便秘症は罹患している方の大変多い疾患といえます。
高齢者に多く、またホルモンや体の構造の影響から男性よりも女性が多くなります。
便秘はその原因から続発性便秘と特発性便秘の二種類に大別されます。
続発性便秘は薬剤の副作用や大腸癌など特定の原因があるもの、特発性便秘は大腸に目に見える異常はなく腸の動きや機能の異常が原因のものです。

 便秘になった時まずなにより大切なことですが、大腸癌など大腸の通過障害が原因の場合は腸閉塞になる危険が迫っているサインのため、専門医を受診してそのような異常がないことを確認する必要があります。
特に、最近急に便秘になった、便が細くなった、血便がある、などの場合は大腸癌の症状の可能性がありますので早急に専門医を受診しましょう。
続発性便秘の原因となりやすい薬剤の種類は広範囲に及びますが、精神・神経系に作用する薬剤などではその頻度が高くなります。
他にも甲状腺ホルモンや電解質異常などの隠れた病気が便秘の原因の場合もありますので、担当の先生とよく相談しましょう。

 一方便秘の大多数は目に見える異常のない特発性便秘ですが、これはその方の体質だけでなく生活習慣とも密接な関係があります。
水分や野菜・果物・穀物など繊維分の多い食物を十分にとり便の性状を良くする、十分な運動をして腸の動きを高める、などが大切です。
それでもうまく便が出ない場合は下剤を服用することになります。
下剤は大きく分けて塩類下剤(便を柔らかくする薬)と刺激性下剤(腸を刺激して動かす薬)に分類されます。
それぞれの方の便秘の性状によって使い分けることが有効ですが、両者を併用することもあります。

 便秘が高度になると、糞便性イレウスといって硬くなった便自体が原因となって腸閉塞となり重症化することもあります。
「たかが便秘」と軽く考えず毎日排便があるよう日頃から調整を心がけましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2012年8月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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