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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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歯磨き粉の選び方について

歯科2017/01/23

 薬局に並ぶ多くの歯磨き粉から自分に合った物を選ぶのは迷うものです。
今回は、歯磨き粉の選び方について書かせていただきます。

 歯磨き粉には大きく分けて、歯磨き類(化粧品)と薬用歯磨き粉(医薬部外品)の2種類があります。
前者の歯磨き類は、基本成分のみの物で比較的安価です。
後者の薬用歯磨き類は、基本成分にプラスして薬用成分配合ですので予防や症状改善が期待できます。
少し高価にはなります。

 また、
(1)虫歯が気になる方はフッ素濃度が高い歯磨き粉とフッ素のジェルとの併用
(2)歯周病が気になる方は殺菌・消炎・血行促進作用のある物
(3)白い歯にしたい方は、清掃剤・研磨剤・ステイン除去剤がある物など、ニーズに合わせて選択するのも良いと思います。

 しかし、(4)口臭が気になる方は、特化した物はないので(1)か(2)プラス洗口剤の使用をお勧めいたします。

 自分の現在の口腔内で注意しなければいけないことをかかりつけの歯科医院でお聞きになり、自分に合った物を使用することをお勧めいたします。


Text by にしかわ歯科本通りクリニック 西川 卓志( 2017年1月23日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

飛蚊症(ひぶんしょう)

眼科2012/05/21

 実際は何も無いのに、視界のなかにふわふわ邪魔なものがみえる症状が飛蚊症です。
細かなゴミのようだったり、点やひも、又はうすい雲の様だったりと、形はさまざまです。
飛蚊症のほとんどは、40~60才代に多くみられる後部硝子体剥離という治療の不要な加齢現象です。
悪化しませんが無くなることもなく、付き合っていかなければなりません。
しかしまれに、網膜剥離(緊急に手術しないと失明する)の前段階である網膜裂孔や、適切な治療を要するぶどう膜炎、硝子体出血などの危険性があるため、精密眼底検査を受けて確認しておくことが必要です。

 精密眼底検査では、散瞳剤を点眼して瞳孔をひろげます。
散瞳効果は点眼後3~4時間持続し、その間眩しく感じたり、焦点があわずものがみづらくなりますから、細かい作業や運転をしないでよい準備をしたほうがいいでしょう。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2012年5月21日 「みなみ風」掲載)

コンタクトレンズと老眼

眼科2008/08/13

 僕が眼科クリニックを開業したのがちょうど十年前になりますが、そのころから遠近両用コンタクトレンズ(以下CL)は、これから使う方が増えてくるだろうと考えていました。ですが、いかんせん、その当時は自分はまだ老眼ではなかったものですから、テストレンズをつけてみてもよく見えているのかどうか実感がありませんでした。ところが、四十五歳にもなってくると自分でも急に老眼になってきました。

 そこで自分でもCLの老眼対策をしなくてはならないこととなり、もう一度遠近両用CLを試してみました。

 するとどうでしょう―今度は遠くはもちろん近くも見やすくなっているではありませんか。改めて遠近CLを見直してみました。

 現在色々な遠近両用CLが発売されていますが、あの小さいコンタクトレンズにどういうふうに遠用度数・近用度数を配置するかというところがみそで、それぞれの見え方の特徴が出ます。例えばコンタクトレンズの中心から、近用・中間用・遠用と順番に度数を変化させたり、遠用・近用・遠用・近用と交互に入れてみたり工夫しています。

 また、小さいコンタクトに遠用・中間・近用の度数を全部入れてしまっているので、CLを通して目の中に入ってくる光の中には、遠くにピントのあう光と近くにピントのあう光の両方があります。遠くを見ようと思った時、近くを見ようと思った時、それぞれに目的の光情報を頭の中でピックアップするというのが遠近両用CLの作り方です。それ故、逆にピントの合っていない光情報も、常に目の中に入っているためちょっとずつにじんだ感じを感じられてしまいます。ですからレンズの大きな普通の眼鏡に比べて全てがすっきりというわけにもいかないのが実情です。

 普通の眼鏡にしても遠近両用眼鏡だとどうしても慣れないという方がおりますが、遠近両用CLも、使ってみてやっぱりうまく慣れないと思う方もおります。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

寝たきりや要介護にならないために何かいい方法はありますか?

整形外科2010/03/18

ロコモーショントレーニング(ロコトレ)で
運動器全体を動かし予防することをお勧めします

 2005年度における日本人口の年齢構成は、子ども人口(15歳未満)が14%、働き盛り人口(15〜64歳)が66%、高齢人口(65歳以上)が20%でした。
現在の見通しでは、50年後には高齢人口が41%まで増加すると推計されています。
つまり、21世紀半ばには、国民のおよそ2・5人に1人が65歳以上という超高齢社会になることが予測されます。
高齢者の増加に伴い、支援・介護を必要とする人も、02年から06年までに167倍と急増し、440万人を超えています。
75歳以上の高齢者での寝たきりや介護の主な原因のうち、運動器疾患によるものは実に21・5%(転倒・骨折9・3%、関節疾患12・2%)を占めています。
これらの要支援・要介護者を少しでも減少させ、また重症化を防ぐ対応が必要となっています。 そこで、07年に日本整形外科学会では、運動器の障害による要介護の状態や要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉として「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)、運動器症候群」を提唱し、これらの予防や早期治療を広く啓蒙するようにしています。
また、ロコモティブシンドロームの早期診断のため、5つのロコモーションチェック(ロコチェック)を示しました。

  1. 片脚立ちで靴下がはけない
  2. 家の中でつまずいたり、滑ったりする
  3. 階段を上がるのに手すりが必要である
  4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  5. 15分くらい続けて歩けない

——これらのひとつでも当てはまれば、ロコモである心配があります。該当する方には開眼片脚立ちとスクワットによる2つのロコモーショントレーニングが勧められています。 開眼片脚立ちは、床に着かない程度に片足を上げ、左右1分間ずつ1日3回行う。
転倒予防のため、つかまるものがある場所で行うこと。支えが必要な方は、机に手や指をついて行う。
スクワットは、椅子に腰かけるように、お尻をゆっくり下ろす。
膝は曲がっても90度までとし、安全のために椅子やソファの前で行う。
5〜6回を1日3回行う。
支えが必要な方は机に手をついた状態で行ったり、椅子に腰かけ腰を浮かす動作を繰り返す。
これらのトレーニング以外にもストレッチ・関節の曲げ伸ばし・ラジオ体操・ウオーキングや各種のスポーツを症状に合わせ積極的に行うことがロコモティブシンドロームの予防や進行の抑制につながっていきます。


Text by 江端整形外科医院 江端 済( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

手のしびれについて

整形外科2011/10/24

上肢のしびれの原因は多岐にわたり、脳から脊髄の中枢神経、さらに頸部から手までの末梢神経のいずれの部位の異常でも「しびれ」は生じます。ただ手に限った「しびれ」であれば「手根管症候群」と「肘部管症候群」が頻度も高く、代表的な疾患です。「手根管症候群」は女性に多く、手作業の多い職種の方によく見られます。
母指(親指)から示指(人差し指)、中指のしびれが主症状ですが、急性期には痛みを伴うこともあります。
正中神経が手関節の掌(手のひら)側で圧迫されることが原因です。「肘部症候群」は男性に多く、重労働の職種で変形性肘関節症を合併している場合が多くあります。
小指のしびれから始まり、進行すると握力の低下や手指の運動障害が生じます。
尺骨神経が肘関節内側で圧迫されることが原因です。
両疾患とも正しい早期診断と手指の機能障害を来さないように適切な治療が必要です。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2011年10月24日 「みなみ風」掲載)

緑内障〜早期発見が視界を守る鍵

眼科2013/04/22

緑内障にはいくつかの異なる病型がありますが、すべてに共通しているのは、視神経が障害されることにより視野が欠けていく病気であることです。

失われた視野を回復させる治療法は現在、残念ながらありません。
しかし、眼圧(眼球の固さ)を下げることで視野欠損の拡大を止めることが可能です。

平成12~13年にかけて岐阜県多治見市で、40歳以上の一般市民のうち4,000人を対象に緑内障に関しての大規模な調査検診が行われました。
その結果、5.0%の市民に緑内障がみつかり、さらに、その中のなんと89%の人々が緑内障の治療を受けていない、つまり、緑内障が初めて見つかった市民でした(詳細は、日本緑内障学会ホームページを御覧下さい)。
この調査結果から、他の地域でも同様に、緑内障に罹患していることに気付かずに、治療を受けていない住民が多数いると推測されます。

仮に緑内障と診断されると、薬、レーザー治療、手術のなかから、病状の重症度に応じて適した治療を選択、行うことになりますが、多くの緑内障患者さんは、点眼薬の使用のみで治療が可能です。

眼科では、視力、眼圧、眼底、視野検査などを行い緑内障かどうか診断します。
これらの検査はいずれも痛みや苦痛を伴わない検査ですから是非受けてほしいと思います。
ちなみに、血圧と眼圧に関連はありません。また、眼を使うことで緑内障が悪化することはありません。

さまざまな治療を行っても進行を止められない緑内障がまれにあることも事実ですが、ほとんどの緑内障は治療を継続していくことで視野欠損の進行を止めることが可能なのです。

緑内障は、潜在患者数が多い、欠損視野を回復できない、治療で進行を止めることが可能という点から、早期発見早期治療が大切です。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2013年4月号 「函楽」掲載)

網膜剥離(もうまくはくり)

眼科2014/10/31

 急いで治療しなければならない目の病気の中に、網膜剥離があります。
網膜とは、神経線維があつまって膜状になった組織で、眼球の内壁に壁紙のようにはられており、目に入ってきた光の情報を脳に伝える大切な役割を担っています。
この網膜が、内壁からはがれるのが網膜剥離です。
網膜は眼球の内壁から栄養を受け取っているため、はがれた状態では栄養が途絶え正常に機能できなくなります。
その期間が長くなると最終的に、治療しても光を感じることができなくなってしまいます。
はがれた網膜は自然に元の位置に戻ることはありません。
そのため、神経線維がダメになる前に手術で眼球の内壁にくっつける必要があるのです。

 網膜がはがれる原因は何でしょうか?

 はがれる前にまず、網膜にきれつ(裂孔)ができ、その裂孔が網膜剥離に進行します。
進行するスピードは目の条件によりさまざまです。
網膜剥離に進行する前の裂孔の段階では網膜光凝固術といって、裂孔の周囲にレーザー光線を照射することで網膜と眼球内壁との接着を強化して網膜剥離に進行するのを食い止める治療が行われます。
この治療は、入院の必要がなく外来通院でできるため、できれば網膜剥離に進行する前にぜひ行いたい治療です。

 それでは、網膜裂孔にはどのような自覚症状があるのでしょうか?

 裂孔が形成される際、網膜がひっぱられることが刺激になり、光がみえることがあります。

 また、網膜が切れる際少量の出血があると、この出血が細かな点や蚊のような虫、ススのように見えることがあります。
出血量が多いと視界の中に墨汁がたれたようにみえることもあります。

 いったん網膜剥離を引き起こすと、入院手術が必要ですし、手術が成功したとしてもはがれた網膜は多少なりともダメージを受けますから、網膜裂孔の段階で治療できるよう、見え方に変化が見られたときには放置せず、できるだけ早く診察を受けることをお勧めします。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2014年11月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

まぶたが腫れました

眼科2010/05/24

 『瞼(まぶた)が腫れました』と眼科を訪れる患者さんは非常に多くいらっしゃいます。
一番多いのはやはりものもらいでしょう。
瞼の縁には脂肪の分泌腺がいっぱい並んでいてそこが炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴います。
これを霰粒腫(さんりゅうしゅ)または麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と言いますが、特に函館では[めっぱ]と言い、関西地方では[めばちこ]と言うようです。腫れ始めて2〜3日のうちにお薬を使うとお薬だけで引く場合もありますが、数日たってしまった場合は切開して膿を出さないと引かない状態になってしまいます。
一度炎症を起こしたけれど引いてきたので放っておいたところ、内側(赤目の方)にでこぼこした物が飛び出してくることもあります。
これは霰粒腫性の肉芽(にくげ)と言い、痛みが無くてもお薬では引かないので切除が必要になります。
突然瞼全体が腫れて痛みや赤みが無くて少しぷくぷくした腫れ方をQuinke浮腫(クインケふしゅ)と言います。
血管からの水分が異常に漏れ出すのが原因で抗アレルギー剤を使うと引いてきます。 朝、瞼(まぶた)が腫れたけれど昼から少し引いてきたという方に意外と多いのがいつもより枕が低かっただけだったという場合です。
しかし、足のすねも腫れているという時には内科的な病気がないかも調べてみる必要があります。 両上瞼の目頭よりがぽこっと腫れている方も多くいらっしゃいますが、これは年齢的なことが多くあります。
脂肪の付き方でそう見えることが多いのですが、黄色く平坦な状態の場合は仮性黄色腫ということもあります。 赤く腫れた中心部にぷつんと茶色い点がある場合もあります。
痛痒かったりする時には虫さされの場合もありますが、よく見るとダニがくっついていることもあります。 一見ものもらいのように腫れていて切った物を検査に出してみると腫瘍、特に高齢者の場合悪性腫瘍と言うこともありますので、まず眼科で診てもらいましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2010年5月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

長引く鼻水、咳(せき)〜『本当に風邪ですか?』

耳鼻咽喉科2010/11/16

風邪を引いて2〜3週間、風邪薬を飲んでも鼻水や咳が治らないと来院されるお子さんや大人の方が多くいらっしゃいます。一般的に風邪とは鼻やのどの炎症である急性上気道炎の総称で1週間から10日くらいで治ってしまうのが普通です。
2〜3週間も症状が続くことはまずありません。10日以上鼻水、咳が続く場合は副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などを考える必要があります。
副鼻腔炎では鼻水がノドに下がり炎症が続くことで咳がでます。
副鼻腔炎の診断にはX線写真を撮ることが必要です。
1ケ月程度の服薬でほとんどの場合完治します。
アレルギーは粘膜の上で起こります。
アレルギー性鼻炎の場合はノドの粘膜でアレルギー反応が起こることで咳が出ます。
アレルギー性鼻炎の診断ではまず鼻汁好酸球検査を行いアレルギー反応の有無を確認し、血液検査でアレルギー反応を確認して確定診断に至ります。
服薬でアレルギーを抑え症状を緩和します。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2010年11月16日 「みなみ風」掲載)

春、学校健診の季節ですが

眼科2008/08/13

 新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供達は学校から頂いてきます。その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方もよく理解出来ないかも知れません。大勢のお友達の中で検査に集中出来ないこともあるでしょう。そのため検査結果が実際より悪くなりA(1.0以上)にならないと言うこともあります。

 しかしながらこの年齢では結果が悪い場合、遠視の場合が多く見受けられます。そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この1年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。

 簡単に言うと、近視は近くは見えて遠くがピントがぼやけてしまう状態です。少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目に入るので弱視になることはありません。

 それに対し遠視の場合、もし度数が強ければ近くも遠くもはピントが常にぼやけてしまいます。いつもはっきりしない画像しか見えていないため、視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。そのため放置するとメガネで矯正しても1.0が出ない弱視になってしまうことがあります。また、斜視を来すこともあるのです。子供の視力は生まれたときは0.01しか有りませんが、次第に発達して4~5歳で1.0となり、視力が完成すると言われています。ですから6歳になっている小学校1年生は視力にとって非常に大事な時期といえるのです。

 視力の結果が悪いとき、斜視の疑いがある場合には必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

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