貧血について
内科2015/06/08
貧血とは、血液の中で身体の各組織に酸素を運搬する役割の赤血球、詳しくはその中の血色素(ヘモグロビン)が不足して、運ばれてくる酸素が減るために組織が酸欠状態となる病気です。動悸(どうき)、息切れ、倦怠(けんたい)感などの症状で出現するのですが、徐々に進行した場合には、かなり悪化するまで気が付かないこともあります。いろいろな原因で赤血球は減少しますが、最も多いのが赤血球の主要な原料である鉄分の欠乏による鉄欠乏性貧血です。この鉄分の欠乏にも、食事での摂取量の不足、腸での鉄分の吸収障害、慢性出血による損失などの原因があります。生理による出血、偏食などで若い女性に出現することも多いのですが、その他では、消化管のがんなどで引き起こされることもあり、放置せずに検査治療を受ける事をお勧めします。
Text by
函館渡辺病院 森本 茂男(
2015年6月8日 「北海道新聞みなみ風」掲載)