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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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ドライアイ

眼科2008/08/13

 最近、外来では目の乾燥を訴える方を多く見かけます。これはドライアイ(乾性角結膜炎)から来る症状です。

 黒目(角膜)や白目(結膜)は常に涙の膜で保護されております。涙は外からのばい菌をやっつけたり、黒目への栄養を運ぶ働きがあります。ドライアイとは、その涙の量が少なかったり、涙そのものの働きが悪くなるために目の表面に傷が出来てしまう病気で、女性に多いといわれています。

 原因は、加齢性変化はもとより、シェーグレン症候群【自己免疫疾患(膠原病)の一つで、主に唾液腺や涙腺などの外分泌腺が慢性炎症をおこす病気。その結果、主として外分泌腺の機能の低下をもたらす】に代表されるような全身疾患の一症状としてドライアイを呈する場合もあります。精神安定剤やその他の薬によって涙の量が減る事や、中には原因の分からない場合もあります。それに近年、パソコンやTVゲームの普及に伴い目を酷使するため同様の症状を訴えるケースも増えております。

 症状は先に述べた目の乾きはもちろん、ゴロゴロしたり(異物感があったり)、熱く感じたり、充血、かゆみ、目の痛み、目の疲れやまぶしく感じたりと様々です。また夕方になると充血がひどくなったり冬場の暖房などにより悪化する傾向があります。

 治療は人口涙液や角膜保護剤などの点眼を用いるのが一般的です。症状のひどい方には特殊なプラグや外科的処置で涙の排水口である涙点を閉鎖するなどの処置が必要な場合もあります。また、暖房の使用時には室内を充分に加湿したり、夏場でもエアコンの付近を避けるなどの予防策も効果があります。とにかく目を乾燥させない様心掛ける事が大切です。

 北海道は他の地域より乾燥しやすいため外での作業をしたときなど、一年中たえず症状を訴える方も少なくありません。前述のような症状が気になる方は一度眼科での精密検査を受けてみられてはいかがでしょうか?


Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典(  「」掲載)

イボについて

皮膚科2013/11/30

 小さなお子さんから大人まで、イボに悩まされておられる方が多いと伺っています。
皆さんの身近にもいらっしゃいませんか?

 イボには他の部分や他の人にうつるウィルス性のイボと、年齢や紫外線の影響でだんだんに増えてくる種類のイボがあります。
イボは医学用語では疣贅(ゆうぜい)といい、ウィルス性のイボには手足の関節部分や末端に生じる盛り上がっていて少し硬いイボ(尋常性疣贅)や直径1~2ミリの子供に多くでき、潰すと白い塊がでてくるミズイボ(伝染性軟属腫)、手の甲や顔面に多発する扁平性疣贅などがあります。

 ウィルスによる病気には『水ぼうそう』や『はしか』など他にもありますが、これらは1度感染すると体に免疫ができるため、通常一生に1回しか罹りません。
しかしイボのウィルスに対しては、すぐには免疫ができません。

 治療は古くからある漢方薬のハトムギまたはヨクイニンなどがよく用いられますが、イボが増え続けるときや薬を服用しても治りにくいときは皮膚科を受診してください。
尋常性疣贅や扁平疣贅では少し痛みはありますが液体窒素(-196℃)で凍結させる方法が一般的です。
通常1度では治りませんが週1回位通院して手当てをうけていると次第に治ってゆきます。
治りにくい方や痛みを感じやすい方は局所免疫治療法を選択することもあります。
ミズイボの場合は専用の器具を使い内容を圧出します。

 ウィルス性のイボは痛みや痒みがなく、命にかかわる病気でもありませんが、ブツブツは不快なものですし、放置すると増えてきたり他人にうつったりします。
またウオノメやタコと間違えてほじくったりすると、広がってきたり、傷口から皮膚表面にいる細菌が入って二次感染をおこす心配もありますのでご注意ください。


Text by みなとまち皮膚科菊地医院 菊地 誠一( 2013年12月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

かわりゆく糖尿病の食事療法について

内科2012/11/26

 最近テレビなどのダイエット番組で取り上げられている「低糖質ダイエット」。
それに近い考え方の糖尿病の食事指導があります。
カーボカウントといいます。
この考え方を紹介するときに有名な話があります。
アメリカでインスリン治療中の患者が、バーベキューの後で低血糖となるという話です。

 え? あんなに肉の塊を食べたのに??

 患者さんも医師もびっくりです。
低血糖となった患者は、肉を多く食べて、炭水化物~ライスやパンをほとんど食べていなかったそうです。
つまり、食後の血糖の上昇を左右するのは、肉・油(タンパク質・脂質)ではなく、ご飯・イモ・パンなどの炭水化物(糖質)であるということです。
このカーボカウントというのはカーボ(炭水化物=糖質+食物繊維)の量からどのくらい血糖値が上昇するかを考え食事に応用するものです。
はじめは、インスリン依存型の糖尿病の方が、食前の血糖値から、食べる炭水化物の量を考え、食後の血糖値を予測して、基本的なインスリン量に追加インスリンを加え血糖コントロールを行うものでした。

 日本人に多い2型糖尿病は、一般的に1gの炭水化物で3mg血糖値が上がるといわれています。
ご飯1膳150gには、55gの糖質が含まれています。
2型糖尿病の人がご飯を食べると理論上は55×3=165mg血糖値が上がる計算になります(実際には、その人のインスリン分泌量によって上下します)。
ところが焼肉(塩)200gでは炭水化物を含みませんのでほとんど血糖値は上昇しないのです(甘いたれは、糖質なので血糖値を上昇させます)。
炭水化物を多く含む食品は、ごはん・パンなどの穀類、豆類、じゃがいも・かぼちゃなどの根菜類、果物、乳製品(乳糖)です。
また炭水化物(カーボ)(g)を、主食の総重量から計算する方法もあり、米飯40%、パン50%、ゆで麺20%を総重量にかけると炭水化物量になるとしています。
このように今後は食事の炭水化物の量を主に考え血糖値と付き合う時代になりつつあるのです。
ただし糖尿病の方は主治医と相談しながら行って下さい。


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2012年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

血管拡張性肉芽腫(けっかんかくちょうせいにくがしゅ)

皮膚科2014/03/24

 血管拡張性肉芽腫という名前はすごいのですが、良性の皮膚の腫瘍です。

 体に急にできてくる赤い皮膚の腫瘍で、よく血管のかたまりなどといわれることもあります。
あまり大きくはなりません。
直径は5mm~2cmくらいで、色は赤色か暗赤色で、柔らかくて盛り上がっています。
基部がくびれていることもあります。
男女ともに発症しますが、子どもや若年者、または妊婦の方にも多いようです。

 子どもでは顔に多く、大人では四肢や体幹に多いようです。
急にできてきて大きくなりますが、だいたい2~3週間で大きさは一定になります。
痛みやかゆみなどの症状はありませんが、血管のかたまりですので、傷つけると出血しやすく、出血するとなかなか止まりません。
腫瘍の表面にカサブタが付いたり、ジクジクしたりしていることもあります。
悪性の皮膚腫瘍との鑑別が必要なこともあります。

 原因としては、細かいキズや感染が引き金となって毛細血管が反応して拡張してきたものです。
妊婦に多いことからエストロゲンによる血管の拡張が原因と考えられています。
血管拡張性肉芽腫であれば、自然に治ることはほとんどないので、何らかの治療が必要になります。

 治療は小さいものは、電気メスなどで焼いてしまいます。
大きなものは切って取ることになります。
十分に取らないと再発することもあります。
電気メスで焼いたり、切除したりするときは局所麻酔が必要になります。

 ごく小さいものであれば液体窒素で患部を凍らせて壊死させ、新たな皮膚が下から再生してきて押し上げることにより、患部をカサブタ状にして治すこともありますが、数回の治療が必要になることもありますので、専門の医師にご相談ください。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡( 2014年3月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

帝王切開

産科婦人科2010/03/19

 分娩には、膣からのお産と、お腹を切る帝王切開があります。

  • 骨盤の大きさが、赤ちゃんの頭より小さい。
  • 胎盤が子宮の出口をふさいでいる前置胎盤。重症妊娠高血圧症候群。
  • 常位胎盤早期剥離。
  • 骨盤位「さかご」。
  • 分娩中に赤ちゃんの心拍が下がって、児の生命が危険になったとき。
  • 分娩の進行が、途中で止まった時。
  • 破水して陣痛が付かないとき。
  • 前回の分娩が帝王切開だった。

等の時帝王切開となります。

 30年以上前には帝王切開は5%前後で、10%もあればその施設はおかしい、切りすぎだと言われていましたが、現在は10ー20%は普通で、ハイリスクの妊娠分娩を扱う周産期センターなどでは40%を超える施設もあります。

 これは麻酔の進歩。術式の変化。手術材料の進歩などにより手術が安全になってきたこと。
社会情勢の変化により、陣痛の痛みに対する恐怖から。
不妊治療の進歩により妊娠できた妊婦さんや、高年妊婦のようやくできた大事な児を安全に産みたいということで、帝王切開を希望する方が増えていること。
また医療訴訟の増加から医師が無理をしなくなった事が増加の理由です。

 上に述べた帝王切開の適応の中で、骨盤位。前回帝王切開については従来より意見の分かれているところですが、骨盤位に関しては2000年に大規模な比較対照調査の結果が発表になり、明らかに帝王切開の方が、児の経過がよいと言う結果が出て流れとして骨盤位は帝王切開となっています。

 前回帝切後の経膣分娩については、問題は分娩中に子宮破裂がおきる可能性が0.5ー1%有るということです。
破裂がおきる前に知る方法はなく、おきてしまったら、児の死亡率も高く、子宮を取ることも多く、母体も危険になることから、またトラブルが起きた時の訴訟。警察の介入などで、反復帝王切開がまた増えてきているようです。

 帝王切開には、

  • 手術中の出血。
  • 隣接臓器の損傷。
  • 感染。
  • 術後の血栓形成による肺塞栓

などのリスクがあり、今でも日本での妊産婦死亡の大きな原因の一つとなっています。


Text by 松浦 敏章( 2007年7月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

食育と横顔

矯正歯科2008/08/13

 最近話題に挙げられるフェイスニングは、いわゆる顔の筋肉の体操ですが、小顔や表情の豊かさが得られ、しわが目立たなくなり、すばらしい笑顔を得ることもできるといわれています。

 食育といえば、基本法においても、食糧の自給率、あるいは、朝食を摂るという面が強調されています。しかし、よく噛(か)んですり潰してから飲み込むことが肥満を防ぎ、過不足のない食料の摂取が達成され、結果的に食糧危機を解消する方法であると、フレッチャー氏(米国の『噛む健康』提唱者)は述べております。

 イヌイット(北米大陸などに居住するアジア系民族)や、オーストラリアのアボリジニー(オーストラリア先住民)の調査で、硬く噛み切ることが容易ではない食物をとり続けると、丁度よく歯がすり減り、口の周りの筋肉が発達して、歯並びがよくなり、バランスの取れた横顔や効率的な舌機能や、嚥下(えんげ=食物が咽頭から食道に送り込まれること)が起こることが、前述の調査をはじめ、いろいろな研究からわかってきました。

 このように、良い噛み合わせは、健康や美容に大きく関与しております。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(  「」掲載)

冬季は、ドライアイが辛いですね!

眼科2014/02/10

 室内も乾燥しやすい冬季は、ドライアイの症状が出やすい時期です。
ドライアイの症状としては、眼が乾くだけではなく、疲れる・痛い・充血・痙攣・涙が出る・目が開けていられない・などの場合もあります。

 日本では、オフィスワーカーの3人に1人がドライアイといわれており、パソコン作業により年々増加しています。

 対策としては①目を休める、②睡眠不足をなくす、③加湿器などで部屋の湿度を保つ、④コンタクトレンズの人は時間や期限を守り、入れっ放しにしない、⑤濃いアイメイクで涙の油分を分泌する腺(穴)が塞がれないようにする、⑥たばこの煙を避ける、などがあげられます。

 ドライアイがひどくなると、目の表面に傷がついていることがありますから、眼科を受診して、症状に合った点眼を処方してもらいましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( Array 「みなみ風」掲載)

のどの違和感が続いていませんか?

消化器内科2010/01/25

 「風邪でもないのに、のどがつまる。違和感が続く」、それは「胃食道逆流症」かもしれません。

 「胃食道逆流症」は、欧米に多く日本では比較的少ないと考えられてきましたが、食事の欧米化・高齢化社会・診断の進歩等により日本でもこの病気に悩まされている人が急増していることがわかってきました。

 年末年始の多忙やストレス、食べすぎ・飲みすぎも原因の一つと言われています。

 症状が悪化すると、胸やけやげっぷ、声枯れ、口の中にすっぱい水が上がる、さらには動悸(どうき)や胸痛、長く続く頑固な咳、がんや不眠症まで引き起こすことがあります。

 それらを引き起こす犯人の一つが「胃液の逆流」です。
胃液は強い酸性のため、胃酸と混ざり合った食べ物により食道の粘膜を刺激することから起こります。

 本来は、食道と胃のつなぎ目にある筋肉の働きによって、一度胃の中に入った食べ物が食道に逆流することはほとんどありません。
しかし、加齢や喫煙・飲酒、食道や胃の機能の低下、肥満や重いものを持つことなどによる胃の圧迫、胃酸の分泌の増加等が、胃液を逆流させてしまうのです。

 また、逆流した胃液を洗い流している「唾液」の分泌低下も一因です。
一般的には、診断のときは胃カメラで胃酸の逆流に伴う食道の発赤やただれをチェックします。
他には機器を使って、食道への胃酸の逆流の程度を調べるペーハーモニター検査もあります。

 治療は、内服によるものが主となります。
薬は、胃酸の分泌を抑える「胃酸分泌抑制剤」、胃酸を中和する「制酸剤」、食道や胃の働きを促す「消化管運動機能改善剤」等です。

 それと共に日常生活の改善が最も重要です。

 肥満や便秘、ベルトやコルセットでの締めすぎも腹圧を上昇させ、逆流を起こしやすくします。
また胃を圧迫するような前かがみでの長時間の作業は、控えましょう。

 脂肪食を制限し、食べすぎ・飲みすぎ・早食い・夜食は控え、食後2時間は横にならないことも大切です。

 胃食道逆流症は、「食道がん」の原因にもなる要注意の病気でもあります。

 症状が続く時には専門医へ相談してみてはいかがでしょうか?


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2010年1月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

急にわきばらやしたっぱらが痛くなったら

泌尿器科2011/10/03

 今回お話するのは、この痛みがからだの中心よりも左右どちらかに寄った場合です。 転げまわるような、死ぬかと思うような激しい痛みが急にやってきたら…尿管結石も考えなくてはいけない病気のひとつです。 いわゆる七転八倒の苦しみですが、慌てて救急車を呼んで病院にいくものの、着いたらけろっと治まってしまい、ばつの悪い思いを経験したかたもいるかもしれませせん。
このように痛みがあっても、30分以内にすっかり治まることも特徴のひとつです。
痛みが長時間に及んだり、高熱を伴うことも稀にありますが、ほとんどの結石は、正しい診断と鎮痛処置などをおこなっていけば大事には至らず、治療できます。このような痛みの際は、泌尿器科もお忘れなく。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2011年10月3日 「みなみ風」掲載)

月経痛には昔からの知恵を

産科婦人科2008/08/13

 男性にはわからない若い女性の悩みに月経痛があります。

 20代以上の女性で月経痛がひどい場合には子宮内膜症や子宮筋腫を疑わなければなりませんが、10代の女の子の月経痛には生活習慣が原因と考えられる患者さんが増えています。

 悪い生活習慣の一番手は「寒い季節のなま足」です。

 下半身を冷やすことが月経痛をつらくしていることに気づかず、堂々となま足で受診し私から説教される女の子は後を絶ちません。昔から「女性は身体を冷やすとよくない」と言われていますが月経が近づいたら、冷たい食べ物、飲み物を避け、暖かい食事、暖まる食材(ネギやショウガなど)を取るだけでも月経痛が軽くなる可能性があります。

 意外と知られていませんが、喫煙や受動喫煙も月経痛悪化の原因になります。お父さんのたばこで娘が月経痛なんてかわいそうですね。


Text by 湯の川女性クリニック 小葉松 洋子(  「」掲載)

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