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がん治療と放射線治療

形成外科2021/07/21

がん治療には手術、化学療法、放射線治療の三種類があり、それぞれの特徴を生かして使い分ける、あるいは組み合わせて行われています。このうち放射線治療には体の奥にある病気を切らずに治療でき、身体への負担が比較的少ないという特徴があります。

放射線によってDNA=細胞の設計図が傷つくことがわかっています。正常細胞は少し損傷しても一部は自己修復され実害は出ませんが、がん細胞はDNAが傷つきやすく修復されにくいという性質があります。これを応用したのが放射線治療です。毎日治療を続けることにより先にがん細胞が弱っていき正常細胞が生き残る、これが基本原理になります。いわば細胞どうしの我慢比べです。

平日1日1回ずつ、2週間から数週間かけて行っていきます。治療一回にかかる時間は数分から数十分です。初回治療時は皆緊張されますが、痛みも何も感じず負担がないのですぐ慣れてきます。

2〜3週経過すると照射された部分に急性期の副作用が出現することになります。皮膚に作用すれば日焼け類似症状、喉に作用すれば風邪のような咽頭痛が出てきます。日光が身体の奥にまで届いたと想像すればわかりやすいと思います。終われば数日〜数週で回復していきます。範囲、強さ、回数を増やせば効果が高くなりますが、負担が過ぎると辛いので、事前に評価し慎重に決めています。

最近は手術、化学療法との協業が発展し放射線治療で根治を狙えるケースが増えています。乳がん手術後は再発予防のため放射線治療がよく選択されています。根治治療でなくとも、進行の一時阻止、縮小が得られればその後の症状は全く違ってきます。特に随伴症状の痛みに対しての効果は絶大です。

もし放射線治療を勧められ迷ったときは一度放射線治療担当医の説明を聞いてみてはいかがでしょうか。


Text by 国立病院機構 函館病院 林 潤一 医長( 2021年4月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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