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子供の目の病気を見つけてあげましょう

眼科2019/04/22

  生まれたばかりの赤ちゃんの視力はまだ非常にわずかです。生まれたばかりのときの視力は0・01ぐらいで、1年後には0・1前後に育ちます。その後4~5歳で1・0となり視力の発達が完成します。
この視力の発育段階に、なにかの理由で網膜にはっきりと像が写らず刺激が加わらなかった場合、視力が育ちません。
この時期を逃すとあとで病気を発見し治療しても、遅れた分は失われたまま追いつけないことが多いのです。これを「弱視(じゃくし)」と言います。

 3歳児検診では簡単な絵視標を使った視力検査が含まれています。この時期視力はまだ0・6くらいでも正常です。検診のあと眼科で精密検査を受けた場合、1・0のような良い視力が出るかどうかではなく、きちんと目に病気がないかどうかをこの段階で発見してあげることが重要です。

 視力を測るまでもなく、白内障などの目の病気がないかどうか、視力異常による斜視がないかどうかなどを発見するために、子供の日常生活の癖から読みとってあげる方法がありますのでご紹介します。

◆目の大きさが左右で違う、目の表面が濁っていたり、瞳の中が広く光って見える。
◆両目が寄って見えたり、逆に片目が外側に向いている。目が細かく振るえて見える。
◆ものを見るときに片目を細めて見る。本やテレビを極端に近づいて見る。
◆顔を傾けて見たり、片方の目を隠すと極端に嫌がる。

  小さなお子さんの場合、目が内側に寄っている〈内斜視〉を疑って来院される方も多く見られますが、目頭のまぶたの形のせいで内斜視に見える場合も多くあります。そういう状態を「偽斜視(ぎしゃし)」と言います。

 赤ちゃんやお子さんの目つきなどが気になるようならば、念のため眼科を受診してみてはいかがでしょうか。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2019年4月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

緑内障について

眼科2019/03/18

 先週の11日、12日に五稜郭タワーが緑にライトアップされているのをご覧になりましたか? 世界緑内障週間の一環としてライトアップinグリーン運動が行われ、日本全国でランドマークや病院が緑にライトアップされました。
これは緑内障にとって、早期発見・継続治療がとても大切であることを広く知って欲しいという思いが込められています。

 緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝える視神経が傷んでしまい、見える範囲が狭まってしまう病気です。
進行はゆっくりですが自分では気付きにくく、気付いた頃にはかなり進んでいることが多い病気で、治療せず放置しておけば失明する危険もあります。
40歳以上では20人に1人が緑内障を発症すると言われています。

 緑内障の早期発見のためにも、40歳を過ぎたら定期的な目の検診をお勧めします。


Text by 江口眼科病院 杉浦 彩( 2019年3月18日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

雪目・目の日焼け

眼科2019/02/25

紫外線の暴露が原因

 大量の紫外線を浴びた目は急性の角膜炎をおこし、目が充血したり、強い痛みが出たりすることがあります。いわゆる「雪目」がこの状態で「目の日焼け」と言われることもあります。顔に日焼け止めを塗るだけではなく、目の紫外線(UV)対策も忘れてはいけません。夏に比べて紫外線量は少ない冬でも、目にとっては危険がいっぱい潜んでいます。特に危ないのは雪山です。目に入る紫外線量を夏の浜辺と冬の雪山で調べたところ、沖縄県のビーチより石川県のスキー場のほうが2・5倍も高いことが分かったという調査があります。

 また、溶接作業を防護マスクなしで行うと同じような症状を起こすことがありますが、これも紫外線の短時間での大量暴露が原因です。角膜炎だけではなく「強い紫外線を浴び続けると、白内障や翼状片になるリスクが高まる」とも言われています。紫外線の害は蓄積するため、紫外線量が少なくても安心はできません。

紫外線は反射する

 浜辺における紫外線の反射率は約25%ほどですが、雪面では80%以上と高率で反射します。顔の形に合わないサングラスでは紫外線が隙間から入り込むため、冬の雪道では夏のビーチでサングラスをつけていない時と同じくらいの紫外線量を目が浴びていることも分かっています。

紫外線暴露軽減にゴーグルやサングラス、眼鏡が効果的

 目を保護するのにもっともいいのはゴーグルですが、サングラスならしっかりと目を覆うものを使うといいようです。UVカットのコンタクトレンズや帽子も一緒に使えばさらに予防できます。雪が積もれば雪山だけでなく街中でも同じことです。雪の降る冬は日ごろから目のUV対策を考えた方がいいでしょう。

 「目がごろごろして涙が出る」などの症状が気になる方は、一度、眼科医にご相談ください。


Text by はこだて港町眼科 松下 知弘( 2019年2月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

目の病気の回復について

眼科2019/01/21

 今回は、目の病気がどこまで回復するのか4つほど紹介します。

○先天色覚異常
いくつか区別しにくい色がありますが、決して色が分からないのではありません。
そのため、日常生活で不自由を感じることはほとんどないでしょう。
ただし、本人や家族、学校関係者が自覚しておくことは大切です。
残念ながら、有効な治療法はありません。

○白内障
治す薬はありませんが、手術により落ちた視力を元に回復させることが可能です。

○緑内障
視野が狭くなる病気です。
失った視野を戻すことはできませんが、進行を抑えることが可能です。
そのため早期からの治療が望まれます。

○翼状片
黒目(角膜)上に白目の結膜組織が侵入してくる病気です。
手術で取り除くことができますが、角膜に不整な場所が残るため、視力に影響が出る前に治療する必要があります。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2019年1月21日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

スマホ老眼が急増!!

眼科2018/12/10

 人間の目の構造は、カメラに似ています。

 水晶体はカメラのレンズにあたり、遠くを見る時は薄くなり近くを見る時は厚くなるように調節しています。
老眼とは、この調節力が衰えてくる状態で40歳前後から始まります。
しかし、最近は近くが見づらい、かすんで見える、夕方になると物が見づらい、頭痛、肩凝りなどの老眼の症状が小学生から30代までの若い方にも出てきているのです。

 スマホの普及によりスマホゲームをやる人も多く、若い人は1日平均7時間以上、10人に1人は15時間以上もスマホを見ているとの調査結果もあります。
こんなに長時間スマホを見ていると、調節力が衰えて老眼と同じ症状が出る、いわゆる「スマホ老眼」になってしまいます。
また、下向き姿勢で頬やあごもたるみ、老け顔になるとも言われています。

 ぜひ眼科で正確な視力検査を受けてみましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年12月10日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

つらいですね!ドライアイ!

眼科2018/11/26

 ドライアイとは、涙の量が減り、涙の質が変化して、目が乾いた結果、さまざまな症状が起きる病気のことです。
 日本のビジネスマンやOLの4分の3が潜在的ドライアイ患者で1600万人以上と考えられています。
特に最近は、スマートフォンのゲームの流行により、子供から老人まで、眼精疲労と共に目の渇きを訴える方が増えています。

①本当のドライアイとは
「目の乾き」を俗にドライアイと言いますが、診断名としての「ドライアイ」は、医師がいろいろな検査をしてから診断するものです。
逆に実際ドライアイの人でも「目の乾き」の自覚症状が全くない人もいるのです。

②ドライアイ簡単チェック
10秒間まばたきをせずに目を開けていられますか?
開けていられなくて、「目の乾き」「目の疲れ」「かすみ」の症状があれば、ドライアイを疑います。

③眼精疲労と共通の症状
「かすみ」「まぶしさ」「充血」など眼精疲労と症状がたいへん似ています。

④ドライアイ特有の症状
「ゴロゴロする」「目の乾き」は眼精疲労にはなく、ドライアイの症状です。

⑤ドライアイの原因
いろいろありますが・・・バッチリのアイラインが涙の成分の油の分泌腺をふさいでしまい、蒸発しやすい涙になってしまうことも大きな原因と言われています。
またソフトコンタクトレンズは、自分の涙を吸ってしまうので、「シリコンハイドロゲル」や「ハイパージェル」素材のレンズがおすすめです。
その他、まばたきに影響する眼瞼痙攣(がんけんけいれん)や結膜弛緩症・加齢・ストレス・内服薬の副作用も原因になることがあります。

⑥こんなあなたも要注意
コンピューター作業が多い人(4時間以上)、車の運転が長い人、ゲームや携帯を長くする人、冷暖房のきき過ぎた部屋にいる人などもドライアイになりやすいのです。

⑦まとめ
ドライアイは、その人の状態に合った点眼を使わないと症状が悪化する場合がありますので、必ず眼科医の処方した点眼薬で治療しましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

乾き目なのに涙目 結膜弛緩症

眼科2018/10/29

 白目(強膜 : きょうまく)の表面は結膜(けつまく)という薄い膜で覆われています。その結膜は黒目(角膜 : かくまく)から始まって外側へのび、数センチ外側でUターンして赤目(瞼 :まぶた)の表面から瞼の縁まで戻ってきます。両手で薄い透明なビニール袋を持っている状態を想像してみてください。そのビニール袋の中に涙がたまっていて瞬きをする度に角膜の表面を涙が覆って潤してくれます。
 年齢とともにこの結膜が緩んでだぶついてきてしまう方があります。この状態を結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言います。結膜弛緩症になると緩んできた結膜は、下瞼の縁からはみ出して角膜の上まで飛び出して、下瞼の縁から白目の固まりが盛り上がって見えるようになっています。
 この状態になると、結膜の折り返し部分に涙をためることができないため涙があふれて涙目になってします。でも逆に、折り返し地点に涙がちゃんとたまっていないということは瞬きをしたときに涙が黒目をきれいに覆うことができず、すぐに涙が蒸発してしまいます。ですから、結膜弛緩症の方の問診票を見ると、「涙が多い」、「目が乾く」の両方に丸がついている場合がよく見られます。
 そのほかに、シブシブする、イズい、目やにがたまる、涙が目尻にあふれるので目尻の皮膚が肌荒れする、といった症状も出てきます。
 治療法としては、結膜を引っ張って張りを持たせた状態で強膜に縫い付ける結膜縫合術(けつまくほうごうじゅつ)を行います。程度の重い場合には結膜を一部切り取ってから縫い付ける場合もあります。
 涙目だけれど乾き目、シブシブする、朝目やにがたまっているという方は一度眼科を受診して結膜の状態をチェックすることをお勧めします。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2018年10月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

飛蚊(ひぶん)症・光視症

眼科2018/10/15

☆こんな症状、ありませんか?

糸くずや虫のような影が飛んで見える、稲妻が光って見える。

・見え方は人それぞれ違う
 眼球の内部にシミやしわができることで、突然、糸くずや虫のようなものが浮かんで見えることがあります。
シミの形や大きさ、数も人によってまちまちです。
また、キラキラと光を感じたり、墨をまいたようなものが見えたりすることもあります。

・放っておいていいものか、自分では分からない
 加齢の変化により生じてくるもので放っておいても大丈夫なものもあれば、眼底出血や炎症、網膜に穴が開くことなどでも見えることがあり、徐々に悪化し視力低下を来すものもあります。
診察を受けなければ良しあしは分からず、自分では判断できません。

 「虫のような影が飛んで見える」などの症状が気になる方は、一度、眼科医にご相談ください。


Text by はこだて港町眼科 松下 知弘( 2018年10月15日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

目元を洗う新習慣! リッドハイジーン!

眼科2018/10/12

 「ハイジーン」とは「清潔にする」という意味であり、「リッドハイジーン」は「目元を洗う=眼瞼清拭」のことです。皆さん髪の毛を洗う習慣はありますが、毎日まつ毛は洗っていますか? 実は目の周り、まつ毛の根元も意外に汚れているのです。

 目の縁のまつ毛の根元にマイボーム腺という脂肪の分泌腺があり、涙に油分を与えて涙の蒸発予防や、涙の安定を保つ働きをしています。ここに汚れがたまるとマイボーム腺の働きが悪くなり、目のゴロゴロ感・痒み・かすみ・ものもらい・ドライアイ症状などさまざまなトラブルを引き起こします。女性の場合はエクステ・つけまつ毛・マスカラ・アイラインなどで不衛生になりますし、男性も不衛生な状態からマイボーム腺が機能しなくなることもあります。そして不衛生になったマイボーム腺付近には0.4mm以下のまつ毛ダニがすみつくことも多くなります。実際、日本人の5人に1人にまつ毛ダニがいると言われております。まつ毛ダニがいると目の縁が赤く腫れて痒くなったり、まつ毛が抜けたり、切れたりもします。

 このように、まつ毛の生え際周囲が不潔になると、色々な不調を引き起こすので目の周りを清潔にするリッドハイジーンが大変重要です。

 目の周りの皮膚は身体の中で1番薄い皮膚で、大変傷つきやすいので、オイルクレンジングなどでゴシゴシこするのは禁物です。女性はなるべく濃いアイシャドウ・アイライン・マスカラ・つけまつ毛・エクステなど控えて、自分のまつ毛が傷まないような手入れをして、近づいて見られても、いつも美しい目の周りの健康を保っていくのがよいと思います。

 そのためのリッドハイジーンの専用アイテムもあります。目の周りの病気のみならず、美容の面からも大切なリッドハイジーンの正しいやり方などについては、専門医にご相談ください。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年10月12日発行号 「青いぽすと」掲載)

糖尿病網膜症診療の現況

眼科2018/08/27

 現在、糖尿病とそれを強く疑う患者さんは1000万人を超えるといわれています。
糖尿病になると網膜血管の細胞が高血糖になって障害され、糖尿病網膜症になります。
糖尿病網膜症は糖尿病の最も怖い合併症の一つで、糖尿病患者の15~30%に生じます。
初期には自覚症状がなくじわじわ進行し、網膜症が起こるのは糖尿病発症後平均7~8年です。

 1992年に糖尿病網膜症は視覚障害の原因の1位でしたが、2017年には3位となっています。
これはこの25年で内科の先生による血糖コントロールがより良好に行われるようになったことと、早期に糖尿病網膜症の診断・治療がされるようになったこと、そして眼科診療の進歩によると思われます。

 糖尿病網膜症に対する病態の把握はこれまでの眼底検査や眼底造影検査に加えて、光干渉断層計(OCT)や広角眼底検査によってより正確にされるようになりました。
また、糖尿病網膜症の治療は網膜レーザー光凝固や硝子体(しょうしたい)手術の普及により失明に至る患者さんは減少しました。

 重度の視力障害になる患者さんは減少しましたが、現在糖尿病黄斑浮腫による視機能の低下が問題になっています。
黄斑浮腫の治療はこれまでの網膜レーザー光凝固、硝子体手術に加えて、ステロイドの眼局所投与、VEGF阻害剤硝子体投与が行われています。
以前より視機能の改善が期待できるようになりましたが、まだまだ限界があります。

 さらに最近ではOCT Angiography という造影剤を使わない検査やパターンスキャンレーザー、小切開硝子体手術のような低侵襲の治療が行われています。
診療はより進歩していますが、早期発見、早期治療が重要です。血糖検査を行い、糖尿病と診断されたら眼科を定期的に受診することをお勧めします。


Text by 江口眼科病院 森 文彦( 2018年8月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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