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屈折矯正手術、最近の話題

眼科2008/08/13

 皆さんの中には今より少しでも見えるようになりたいと考えている方が多いと思います。特に、現在メガネやコンタクトレンズを使用している方は、なおさらでしょう。

 それを可能にしたのがレーザー屈折矯正手術、いわゆるレーシック(LASIK)です。レーシックについては以前にこのコーナーでも取り上げられたと思いますが、エキシマレーザーを用いて近視をはじめ遠視や乱視を矯正する手術の事です。実際、この手術を受けたほとんどの方が1.0前後の裸眼視力を得ており臨床的に満足できる方法といえます。ただ、まったく問題がないわけではありません。これは何故でしょうか?

 実は、視力とは涙液層(涙の膜)・角膜・水晶体・網膜といった眼球全体が関与しているため、一般に言われている近視・遠視や乱視だけではなく、一人一人違った眼球全体からみた歪み(収差)・光の量を調節する瞳の大きさ(回折力)・物を見るための細胞の数(視細胞密度)のバランスが保たれている必要があります。これに対し、レーシックに限らずメガネやコンタクトレンズを含めた今までの屈折矯正は角膜表面のみで考えられており、また収差による影響によって、にじむ感じや夜間視機能の問題が起きるといわれています。したがって、この収差をも消すことができれば、より安定した視力が得られる訳です。

 その方法がウェーブフロントです。この方法は、従来のレーシックに加えて波面センサーという個々の症例の収差を解析できる装置を用いて、より精密に個々にあった照射(カスタム照射)を行うものです。そうすることによって従来の術式では不可能であった

(1)不正乱視の治療

(2)にじむ感じや夜間の視力低下などの改善

(3)理論的には無収差に矯正できるため裸眼視力2.0以上のいわゆるスーパービジョンも可能になると考えられています。

 メガネやコンタクトレンズで不満のある方は、一度眼科医にご相談してみてはいかがでしょうか?


Text by 吉田眼科病院 岡田 佳典(  「」掲載)

うつ病③(経過と再発予防)

心療内科2013/10/28

 うつ病がどういう経過をたどるか、どのように再発を予防するか、というお話です。
3カ月から4カ月で症状が消失し、1年ほどで薬も中止することができる、というのが普通の経過かもしれません。

 しかし、いろいろな要素が影響して必ずしもこのようにはいかない場合も多く見られます。
なかなか改善しない場合、薬を減らしたり中止したりするとすぐに悪化する場合、一時軽快してもある期間でくり返される場合など、様々な経過があります。
その要素とは、ごく簡単に言えば、体質といわれるもの、性格、ストレス、嫌な記憶(「トラウマ」と呼ばれることがあります)などですが、これらが微妙に影響しあって先行きの違いが生じてきます。
また、一度うつ病が起こると、回数を重ねるごとにうつ病が起きやすくなる、ということもいわれています。

 さて、このようにさまざまな経過がある中で、どのように再発を防いだら良いのでしょうか。
服薬を続けることが一つの方法ですし、もちろんストレスは小さいのに越したことはありません。
また、物事の考え方、感じ方にあまり大きな偏りはない方が好ましいことも分かります。
状況の変化に柔軟に対処できる方がより良いでしょう。
しかし、うつ病の場合、一つ大切なことがあります。状況に応じて、あるいは状況に関係なく、以前の「抑うつ」が浮かんできて、それに引きずられる場合があるのです。
それは気分であったり、考えであったり、不快な身体の感覚であったりするわけですが、このような再体験に引きずられないようにすることが必要です。
それには不快な体験をただ避けるのではなく、例えば良く観察し、それを言葉で表す、その上で今していることに集中する、という仕方が最近勧められています。

 このような方法は、実は大昔から東洋で行われていたものなのですが、様々な状況に応用されるようになってきています。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2013年10月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

診察室で

産科婦人科2010/03/19

 婦人科は一番受診しづらい病、医院のようです。
ではどういう事で来られるのでしょう。

 下腹の痛み、頭痛、おりものが多い、臭う、かゆい、月経の異常。
「遅れている。量が多い。少ない。不規則。痛い。期間が長い。短い。」月経と違う出血がある。
妊娠、不妊、外陰部のできもの、前の病院での診察の結果への確認、治療法の確認、などです。

 医師はまず、症状は、月経は何時有ったのか、今飲んでいる薬は、妊娠、分娩の経験は、と聞いていき、その後検診台で外陰を見て何か出来物が出来ていないか、ヘルペスやコンジロームの有無を見て赤くただれていないかを見ます。
次に膣の中を見ておりものの状態を見て必要に応じて細菌の検査、クラミジア、トリコモナス、カンジダの検査。膣粘膜、子宮膣部を見てポリープの有無、子宮癌検査等をします。
次に内診。経膣超音波で子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍、妊娠、子宮外妊娠等を調べます。

 その結果を話し、こういう病気があります。
こういう事が疑われるので、尿検査、血液検査、ホルモンの検査、レントゲン検査、MRI、CTなどの検査も必要ですと話します。

 治療はこういう風にします。
あるいはいくつか治療の方法があります。それぞれの長所、短所、その方の生活環境などから、どれが今いいのかと話していきます。

 大事なことは自分が納得いくよう分かりやすく説明してもらう事です。
納得できない、理解出来ない時は他の医師を受診する事も必要です。

 もちろん症状や年齢などにより、内診せずにお話だけや、他の検査だけで済ませる事もあります。


Text by 松浦 敏章( 2007年3月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

整形外科

整形外科2012/09/29

 整形外科は、姿勢を保持する首から腰にいたる背骨と、手足の運動器官を主な対象とし、それらを構成する脊椎・骨・関節・筋肉・腱・神経などが治療の対象になります。
その内容も肩こり、腰痛や脊椎・末梢神経を原因とする手足のしびれ、スポーツ、交通事故などによる四肢、背骨のけが、五十肩などの関節痛、股・膝関節などの変形性疾患、リウマチ、炎症性疾患、代謝、奇形、腫瘍、特発性疾患など、実に多岐にわたります。

 高齢化社会を迎えて痛みを伴わず歩いたり、身の回りのことが自分でできるように身体的機能を保って老後の快適な生活が送れる生活の質(Quality of life)の維持・改善という点で、腰痛や変形性膝関節症などの関節痛、骨粗鬆症やそれに伴う骨折の予防治療など、我々整形外科医がお手伝いさせていただくことはますます増えています。

 また、スポーツの普及とともに大勢の各年齢層の方が、それぞれのレベルでスポーツを楽しむようになって、スポーツによるけがや使い過ぎなどの障害も増加しています。
特に成長期におけるスポーツ障害は、そのためにスポーツを続けることが難しくなったり、後遺症を残すことがあり我々専門医のもとで早期に診断、適切な治療を受けられることが大切だと思います。
御父兄、指導者の方々と協力をして、楽しくより高いレベルでスポーツが続けられるよう貢献できればと思います。こうした時代・社会の変化とともに、今後ますます専門医として我々整形外科医の役割・責任が大きくなっていくのではないかと考えています。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2012年9月14日 「青いぽすと」掲載)

矯正歯科の認定制度について

矯正歯科2008/08/13

 昨日、道東にお住まいの患者さんが、地元には大人の矯正治療をしてくれる歯科医がいないと、ご主人に縁のある、函館の当院に来られました。 患者さんが電話帳等で調べたところ「矯正歯科」と表示している歯科医院は多いものの、電話してみると「大人は扱っていない」と断られたようです。

 矯正歯科を手がける歯科医でも一部、入会していない方がおられますが、ほとんどの歯科医が入会している日本矯正歯科学会では、「矯正歯科医療の水準を維持し向上を図ることにより国民に適切な医療を提供するため」と謳っており、認定医制度を設け、矯正治療に関して適切かつ充分な学識と経験を有するものを「学会の認定医」として、ホームページに2077名公開しております。

 また、日本成人矯正歯科学会では、ホームページで矯正歯科専門医68名についても、閲覧できるようになっております。

 医科、あるいは歯科の他の分野では、すでに専門医制度が厚生労働省から認定され、広告その他により告示できるようになっています。

 矯正歯科分野では日本矯正歯科学会が最も会員数が多く歴史が長い学会で、認定医制度も最も早くから設立しておりました。

 現在、日本矯正歯科学会、日本成人矯正歯科学会、日本矯正歯科協会は、それぞれに専門医制度を定めておりますが、他の学会のように認められてはおりません。

 それぞれの学会の、その審査基準は厳しく、過去の治療模型や写真、その他の資料を整え、それぞれの学会で審査が行われております。また、5年に1度、再審査も行われております。

 道南地区では、日本矯正歯科学会の認定医は7名、登録されております。矯正歯科分野では、歯科衛生士のための「認定矯正歯科衛生士制度」や一般の方が勉強できる「歯並びコーディネーター」の制度などがあります。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂(  「」掲載)

迅速かつ的確な初期診断に定評。在宅医療にも尽力する信頼のかかりつけ医

病院紹介2011/03/07

 1973年の開業以来、38年の歴史を持つ「ごとう内科胃腸科」。
地域のかかりつけ医として、プライマリーケア(初期診断)医療に力を入れ、後藤琢院長の専門である消化器疾患を中心に、内科全般にわたる的確な診断に定評がある。
また糖尿病患者も多く、長年の信頼を得ている。 また、同医院は在宅療養支援診療所に登録されており、往診による在宅医療に力を入れているのも大きな特徴だ。
がんのターミナルケアから、通院が困難な人、足腰の悪い高齢者、冬場に雪の影響で来られない人などを対象に、訪問看護師と連携して積極的に取り組んでいる。
さらに、09年にリニューアルした院内ではスタッフによるイラストなどを使って分かりやすく解説した医療情報の発信や、年1回の健康教室では、患者からのさまざまな質問に答えるなど、まさに地域に根差した頼れる存在となっている。 診断には胃内視鏡や経鼻内視鏡、超音波エコーなどを完備。地域連携にも積極的で、総合病院など診療科の枠を越えた医療ネットワークシステム「道南メディカ」に参加し、CTやMRIなど高度医療機器による画像連携も可能な体制を整えている。
「患者さんに最善で良質な医療を提供するためにも地域連携は重要で、当医院は今後とも迅速かつ的確な初期診断の役割を担っていく考えです」(後藤院長)。


Text by ごとう内科胃腸科( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

大腸カプセル内視鏡

内科2014/02/24

 年輩の方なら1966年公開のSF映画「ミクロの決死圏」をご存知の方も多いと思います。
医療チームを乗せた潜航艇を縮小して体内に注入し、脳の内部から治療を行うという当時大変話題となった米国の傑作映画です。
しかし今、実際に人間は乗っていないなどの大きな違いこそあるものの、当時は夢物語であった技術が現実のものとなりつつあります。

 カプセル内視鏡といって、薬のような形をした小型のカプセルを飲み、便と共に排泄されるまでの間に胃腸の中をくまなく撮影し、体表に装着した装置に送信するものです。
送信された画像をモニターで確認して診断します。
小腸用には2007年に実用化され保険認可もされていましたが、今年1月に大腸でも保険適用となりました。
適用症例に条件がついているためすべての方に使えるわけではありませんが、小腸と比べると大腸は疾患人口が大変多いため、日常の大腸診療は大きく変貌すると思われます。
これまでの肛門からの大腸内視鏡検査は痛みを伴うこともあり、また恥ずかしいなどの理由で進んで受けたいと思う方 が少ないのが現状でしたが、カプセル内視鏡の場合はそのような問題を克服できることになり、大腸がん死亡率の低下を目指して検診への応用なども期待されています。

 もちろんまだ開発されて日の浅い検査法なので、洗浄機能がないので下剤の量が多く必要となる、国内の治験では6%ほどの見落としがある、カプセルは使い捨てなので検査費用が高くなる、などの問題点もあります。
また何か病変が発見された場合はまだ映画のように治療はできませんので、ポリープの切除などは、これまで通り肛門から内視鏡を挿入して治療する必要があります。

 SF映画もいつの日かは現実のものとなるという見本のような技術といえますが、今後はさらに診断も治療も可能な超小型医療ロボットへ進化していくことでしょう。
医療は日進月歩で患者さんの体の負担の少ない方向へと進んでいるのです。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2014年2月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

百日咳にご注意を

小児科2018/12/17

 今年に入って関東地域を中心に百日咳(ぜき)の報告が相次いでいます。
全国ではこれまでに9500件以上の報告があり、道南地域でみると市立函館保健所管内で14件、渡島保健所管内で3件、江差保健所管内で4件の報告があります。

 百日咳とはどんな病気なのでしょうか?

 皆さん過去の病気と思っていませんか?

 百日咳は10日ほどの潜伏期の後、普通の風邪のような症状から始まり、次第に激しい短い咳を立て続けにするようになります。
咳の後は大きく息を吸いその時に笛のような音を出すという咳発作が起こります。
咳をするときに息を詰めるようにするため顔が赤くなる、出血斑が出る、目の結膜にも出血するなどの症状を伴うことが多いといわれています。

 激しい咳は2ないし3週間続きます。
その後は次第に少なくなりますが、時折発作性の咳が出るなどの症状が続き、最終的に3カ月ほどでようやく咳が収まります。
このため百日咳と言われるようになりました。

 1歳未満で発症すると特徴的な咳はなく呼吸を止める無呼吸発作やチアノーゼで気付かれることが多いようです。
まれに低酸素性の脳症を起こすことがあり、注意が必要です。

 成人の場合は特徴的な咳があまり明らかではなく、採血や病原体の検査を行い診断されることが多いようです。

 子どもの場合、乳児期から4種混合ワクチンをしているために、5歳未満の流行はあまり多くはありません。

 年齢的に多いのは20代から50代の成人で、ワクチンをしていても抗体の低下に伴い発症している例が多いといわれています。
11月の報告例では市立函館保健所管内で10代の男女各1人、30代の男性となっています。

 治療は適切な時期に抗生剤を飲むことです。
抗生剤を飲むことで、菌の排出が止まります。

 予防はワクチンをしっかりすることです。
特に4回目の4種混合を忘れていることが多いので、今一度母子手帳をお確かめください。
7歳半までであれば無料で接種可能です。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2018年12月17日 「北海道新聞夕刊」掲載)

C型肝炎の治療は新時代へ

内科2015/08/31

 肝臓病の原因は数多くありますが、B型肝炎・C型肝炎に代表されるウイルス性の慢性肝炎は特に気を付けなければならない病気です。
これらは主に輸血など血液を介して感染しますが、感染ルートが不明の場合も少なくありません。
この病気の怖いところは、感染後長年症状のないまま肝硬変や肝臓がんになっていくことです。
今から30年ほど前までは有効な治療法がなく、肝機能をできるだけ維持する治療を行うのが精一杯の時代が続きました。
1980年代にウイルスの排除(追い出すこと)を目的とするインターフェロン治療が始まりました。
しかしインターフェロンは長期間頻回の注射を必要とする上に副作用も多く、その上ウイルス排除の成功率も低かったため満足できる状況とは言えませんでした。
B型肝炎については2000年頃よりウイルスの増殖を抑える内服治療が登場し現在も多く使われていますが、C型肝炎の方はインターフェロンを必要とする時代が長く続きました。

 しかし昨年その状況に風穴があくことになりました。
C型肝炎に対して副作用も少なくウイルス排除の成功率が85%から100%という内服治療薬が登場したのです。
インターフェロン時代の苦労を考えるとまさに夢のような数字といえます。
C型肝炎ウイルスにはいくつかの型があり、発売当初は日本人に最も多い1型に対する薬でしたが、今年に入って2型に対する治療薬も登場し日本のC型肝炎のウイルス型をほぼ網羅できるようになりました。
さらに治療期間も当初の6カ月間から3カ月間に短縮されつつあるなど、次々に新薬が登場しています。
C型肝炎はまさに治る時代に入ったといえるでしょう。

 医療の進歩というよりメーカーの開発競争の成果としての側面も大きいわけですが、結果として多くの患者さんがその恩恵をうけ健康を取り戻せるようになります。
治療には国や道の医療費助成を受けることができますので、消化器病・肝臓病の専門医によく相談しましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2015年8月31日 「北海道新聞夕刊」掲載)

女性に多い甲状腺(こうじょうせん)の病気

内科2008/08/18

 甲状腺は頚部(けいぶ=くび)の正面、のどぼとけのやや下にあって、体の活動性を保つのに大切な「甲状腺ホルモン」を分泌する小さな臓器です。甲状腺の病気は甲状腺ホルモンが増えすぎたり足りなくなったりする甲状腺機能異常(はたらきの変化)と、腫瘍や、のう胞ができる場合(かたちの変化)に分けられます。いずれの場合も女性に多いようです。

 甲状腺ホルモンが増えすぎると、暑がり・汗かきになり疲れやすい、イライラする、動悸がする、手(指)が震える、食欲はあるのに体重が減る、などさまざまな症状が出ます。

 逆に、甲状腺ホルモンが足りない場合は寒がりになり、むくみが出やすくなりますが、症状に気づきにくいことも多いようです。

 思い当たる方は、一度、甲状腺ホルモンのチェックを受けられてはいかがでしょうか。お近くの内科、または外科の先生に相談してみてください。


Text by あんざいクリニック 安斎 治一(  「」掲載)

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