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夜も高血圧ですか?

循環器内科2013/04/18

 血圧には日内変動(にちないへんどう)と言うのがあります。
多くの人では、朝、目が覚める直前から血圧が上昇してきて、昼寝をしたくなるような午後2時から4時ころに少し下がります。
夕食のころに少し上昇して、眠くなったころからまた血圧は低くなります。
ところが、高齢者に多いのですが、夜中寝ている間ずっと血圧が高くて、日中の血圧が低い場合があります。
また、明け方、目が覚めるちょっと前から急激に血圧が上昇する場合(モーニングサージ型)もあります。
いずれも、早朝高血圧と呼ばれています。
脳梗塞や心筋梗塞の原因となりやすい状態です。

 心臓突然死の発生時間帯を調べた研究では、午前の時間帯(9時から11時)に突然死のピークがあり、死者の少ない夜間に比べて2倍の人が午前中に突然死していました。
また、サージ型ではない高血圧患者と、サージ型の高血圧患者では、サージ型で脳卒中の発生率が3倍高かったとわかりました。
就寝中の高血圧や早朝の血圧上昇は、心臓病や脳卒中の危険性を高くするのです。

 早朝高血圧に気づくきっかけには、朝起きて1時間以内に、排尿して少し安静を取ってから血圧測定をすることです。
家庭血圧では、135/85を超えていると高血圧ですが、これより大幅に高ければ、夜間の血圧上昇が疑われます。
そんなときには、24時間血圧計で就寝中の血圧測定をします。
寝ているときには120/−程度が望ましいのですが、寝ている間中、あるいは、早朝に急に血圧が上がっていることがあります。
変動のパターンによっては、朝1回飲む長時間作用型の降圧薬だけでは完璧な血圧コントロールは難しいので、寝る前に朝とは違うタイプの薬を加えて、朝の高血圧を下げるように試みます。
ときには、異常が見つけにくいところにあることもあります。
また、治療が容易ではない場合もあります。
根気よく付き合ってもらえると助かります。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨( 2013年4月16日 「青いぽすと」掲載)

認知症の早期発見、早期治療

脳神経外科2010/03/29

どんな病気も早く、軽いうちに治療する方がいいに決まっています。
ですが、最近、認知症を「早期に発見する」難しさを痛感しています。病気の診断には、まず医療機関で診察してもらう必要があります。
ところが、誰だって「認知症」と宣告されたくありません。
だから、患者さん本人も、その御家族もなかなか医療機関に行く決心はつきません。
症状の軽いうちは、本人は「何ともない」と思っているので(病気の自覚がなく)、家族に受診を勧められても拒否します。
家族は家族で、おかしいと思いながらも「年のせいだろう」と考えたりします。
結局、多くの場合、病院や診療所にやってきたときには病気は進んでしまっています。MRIをはじめとする画像検査など、認知症の診断方法も進歩しています。
また、ご存知でしょうが、認知症の中には「正常圧水頭症」のように手術で治るものもあります。アルツハイマー病を治す方法はまだ確立されていません。
昔は、医師でさえも「どうせ治せないのだから、病院にかかるのは無駄だ」と考える人が少なくありませんでした。
しかし、現在では、「根治」はできなくても、進行を遅らせる薬があります。
さらに、新しい薬が続々と承認申請されています。
ワクチンなども研究されています。
今は治せなくとも、数年先には全く新しい治療方法が出現する可能性も十分あります。
「進行を遅らせる」ことは無意味ではありません。治らないと諦めず、また、今は治せない病気だからこそ、早期発見早期治療が重要だと考えます。
是非、「怪しい」あるいは「不安」だと思った時には、医療機関にご相談いただきたいと思います。「上医治未病」。これは中国の古くからの言葉だそうです。
「上医」とは良いお医者さんの意味で、「良い医師は、病気になる前に治す」という意味と聞きました。
「上医」にはまだなれませんが、何とか出来るだけ早く病気を見つけて治したいと、日々考えています。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2010年3月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

胃ろう(PEG)について

高齢化社会を迎え、嚥下障害などにより、食事摂取が困難な方や、誤嚥を繰り返したことにより肺炎(誤嚥性肺炎)を繰り返される方が最近増加していることが実感されます。
いろいろ工夫され、嚥下食の改善、経管栄養、補液の補助などさまざまな試みがなされております。
これらの治療後、どうしてもうまくいかないなどの理由で、胃ろうの造設を依頼されることがあります。
胃ろうは体表から胃内に直接栄養を送り込むための入り口を、腹部に設けるものです。
通常は内視鏡を胃内に挿入したうえで、体表から穿刺したうえで、造設いたします。
合併症には出血、腸管損傷による腹膜炎、術後感染などが報告されており、栄養状態や全身状態の悪い方に行うので慎重に施行する必要もあります。
最近はいろいろ新聞やTVなどでも胃ろうの功罪についての記事や特集を目にします。
胃ろうを他院で造設したが、1回も使わなかったので抜いてほしいとの相談も受けました。
介護施設の入所のために、胃ろう造設が要件であったり、社会的な面で要求されることも増えてきております。
患者さんは判断できない場合が多いですので、ご家族が十分検討、考慮したうえで造設するかどうかを決めていただきたいと思います。


Text by 函館渡辺病院 太田 知明( 2013年11月18日 「みなみ風」掲載)

プラネタリウムと歯科矯正

矯正歯科2012/03/19

 まったく関係のない2つの言葉ですが両方とも子供たちのために歯科医となってから興味を持ち勉強し始めたことです。

歯科矯正学は、一般になじみがあまりないと思いますが、唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)の子どもたちを医科大学がない地方都市の函館でも高度な優れた治療を受けることができるように歯科大学を卒業後、口腔外科と矯正歯科の医局での9年、米国・カナダでの口蓋裂治療現場を回り、経験。
その後、函館に戻ってきたわけです。

 また、プラネタリウムは上映施設のない函館でも子どもたちに自分の技術で見ることができる環境を作ろうと考えて8年前より続けていることです。
両方とも子どもたちに喜ばれている分野ですが、プラネタリウムのほうは、見た子どもから直接、「楽しかった」と言われることが多い分野です。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂( 2012年1月23日 「みなみ風」掲載)

乳がん

2013/04/08

 乳がんは厚労省の調べによると1994年から女性のかかる癌の第1位になり、20年近くその順位は変わりません。
1年間で6万人ほどが乳がんになり、1 万3千人ほどが乳がんで亡くなっています。
乳がんの予後は他の癌に比べれば一般的に良好といわれています。
早期発見、早期治療をすれば決して怖い病気ではないのです。

 日本乳癌学会では月に1度の自己検診と、自己検診で異常がなくても40歳以上の方は1~2年に1回の定期的な乳がん検診を受診することも推奨しています。

 乳がんは20歳過ぎから認められ、30歳代ではさらに増え、40歳代から50歳代がピークです。若い女性にとっても、乳がんは決して他人事ではありません。

 乳がん検診を受けたことのない方はぜひ1度、受けたことのある方は、受けたことのない方を誘って乳がん検診を受けることをお勧めします。

 平日に忙しい方のために日曜日に乳がん検診を行う病院もあります。


Text by 国立函館病院 小室 一輝 医師( 2013年4月8日 「みなみ風」掲載)

屈折と調節

眼科2020/08/31

 眼はよくカメラに例えられます。実際に眼球は角膜と水晶体というレンズによって光を曲げて、網膜というフィルムで光を受け取り、脳に映像を送っています。カメラには焦点距離というものがあり被写体との距離が合わなければフィルムに光が集まらずピンボケしてしまいます。人間の眼にも同様にレンズの屈折によって網膜に光が集まる焦点距離があります。網膜に焦点を結ばないとカメラと同様にピンボケした映像しかみることが出来ません。しかし、水晶体を厚くすることで光の曲がり方を変える調節という機能が人間の眼には備わっています。

 調節をしない状態で遠方からの光が網膜に焦点を結ぶものが正視、5mより近い所からの光が焦点を結ぶものを近視、どの距離からの光も網膜上に焦点を結ばないものを遠視と呼びます。乱視とは、光の入る場所によって光の曲がり方に差ができる為に焦点距離にブレが出ることを言います。

 健康な眼であっても、成長期や加齢によって、屈折と調節も変化していきます。成長と共に近視になっていけば遠くは見えづらくなり、加齢による調節力の低下で老眼になれば手元が見えづらくなって来ます。光が網膜に集まりにくいために起こる見えづらさは、眼鏡やコンタクトレンズで光の曲がり方を矯正すれば 改善することがほとんどです。しかし、年齢とともに変化するのでレンズ作成後も自分の眼とあっているのか定期的にチェックしていただくことをお勧めいたします。また、眼鏡などで屈折を矯正しても見えづらさが改善しにくい場合、白内障や網膜の病気などによって見えづらくなっていることもありますので、そのような時には一度眼科を受診してください。


Text by 江口眼科病院 良田 浩氣( 2020年8月31日 「北海道新聞夕刊」掲載)

安定性の高いインプラントや歯周病除菌療法。正しい咬み合わせを構築し全身の健康を守る。

病院紹介2011/03/09

 2011年4月で開院から丸19年目を迎える前多歯科クリニック。
構造医学の見地から、体全体のバランスを考慮し、その人にとって本来あるべき正しい咬み合わせを基本とした歯科診療に取り組んでいる。
「歯はもとより顎の関節や筋肉は、体のバランスをとるうえで大きなウエートを占め、咬み合わせは食べることだけでなく、肉体や精神にまで大きく影響を及ぼします」と話す前多壯晃院長。
例えばスケートのオリンピック銀メダリスト、伊藤みどりさんが1回の咬合調整だけで11・8%も握力が向上したなど、今なお現役で活躍するアスリートも同クリニックを受診しており、その意味でも、咬み合わせの大切さを物語っている。 前多院長は、矯正治療をはじめ、入れ歯などの補綴治療やインプラント、歯周病治療において、各専門分野の大家に師事し、長年にわたって研鑽を積み、特にインプラントと歯周病治療に力を入れている。
インプラントは、一般的なチタンのインプラントでは患者の骨と結合する表面積が2%に過ぎないのに対し、チタンの表面に人工骨を加工したものを採用することで、表面積95%が骨に結合するインプラントを実践している。
そのため歯周病にもなりにくく、仮に骨や歯茎が弱っても、簡単にグラついたり、抜ける心配もなく、より長くしっかり咬むことができる。
さらに、MRI検査にも影響のない安全な材質のインプラントを提供している。また前多院長は、日本において確実にインプラント治療を行える歯科医師の育成を目的に、古くから日本と交流のあるインディアナ大学が創設したIUSDにおいてジャパンプログラムの指導医でもあるほか、ドイツインプラント学会の認定医の資格も有していることも、インプラント治療に対する信頼の裏付けになっている。 歯周病治療では、口腔内細菌検査を行って、口腔内にいる歯周病の原因菌の種類や病態に合わせ、保険診療はもちろん、今話題の免疫機能代用療法(除菌療法)も行い、効果をあげている。「歯周病菌は心臓疾患や動脈硬化、糖尿病にも関係していると言われていますので、その意味でも適切に除去することが大切です」と話し、歯や口腔内のみならず全身の健康を大切に考える。 さらに患者が安心して治療を受けられるよう、アメリカの施設安全基準を採用し、徹底した消毒滅菌を行っている。
例えば切削器具(タービン)は、国内唯一のタービン類自動洗浄器と高圧蒸気滅菌装置による2重滅菌を患者ごとに実施。
ユニットには、ドイツ製の逆流防止機能が付き、診察台内の滞留水にバイオプロテクターから通電を行うことで、血液や唾液の逆流を防ぎ、1中細菌数「0」個無菌状態を達成している。
このほかにも診察室及び待合室における空気の滅菌・消毒のための各種機器を完備するなど、徹底した衛生管理も大きな特徴だ。
「歯や口腔内に関する何でも屋です。どんなことでも気軽にご相談ください」(前多院長)


Text by 前多歯科クリニック( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

気になるにおい…わきと足のスキンケアと治療

形成外科2010/04/12

 わきや足などにおいの気になるにおいのスキンケアは、まず、汗に対するスキンケアです。
汗はエックリン腺トアポクリン腺から分泌されますが、アポクリン腺からたんぱく質や脂質がたくさん含まれた汗が出ます。
その汗の成分が肌の表面で肌に居る細菌に分解されて独特の臭いにおいを発生させます。最近は、わきや足に適量のデオドラントクリーム塗ったりスプレーするだけで長時間効果があるスキンケアが行われています。しかし、においが強く気になる方や根本的な治療をお望みの方には多汗症や腋臭症の治療があります。
形成外科・美容外科で行なわれている多汗症と腋臭症の治療方法には

  1. 絶縁針を使用した電気凝固法(自費適用)
  2. ボツリヌスA毒素による治療方法(自費適用)
  3. クアドラカッターによる吸引法(自費適用)
  4. 剪刀法(保険適用)

があります。(1)電気分解法と(2)ボツリヌスA毒素による治療方法は日常生活に支障なく、誰にも治療したことが分からない、短時間(10~30分)で治療可能な方法です。
よく言われているプチ手術的方法なので、改善度や効果期間が限定されます。
(3)クアドラカッターによる吸引法、(4)剪刀法は手術後の創固定期間がありますが、長期間治療効果が安定していることがメリットです。
(3)のクアドラカッターによる吸引法はわきに7mm程度の非常に短い切開を入れ、高速回転するカッターが装着された吸引管にて、汗腺を切除吸引する方法です。
手術的治療方法として、固定期間4~7日と短く、安定した効果があり、傷跡が1cm以下と目立たないことが大きなメリットです。
(4)の剪刀法は以前より行なわれている方法でわきに3~5cmの切開を1~2ヶ所を入れ、汗腺を切除する治療方法で、傷跡が目立ちます。創の固定期間は10~14日必要です。多汗症・腋臭症の治療方法はいろいろな方法があり、カウンセリングを受けた上、生活実情にあった治療方法を決めることが大切です。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二(  「」掲載)

頭痛を見直す

脳神経外科2008/08/13

 日本では、片頭痛よりも肩こりなどによる緊張型頭痛が多いと言われていましたが、実は片頭痛で悩んでいる方が大勢いることが分かってきました。

 日本社会では「頭痛ぐらい我慢しなさい」という雰囲気が強いのですが、我慢しすぎるとかえって鎮痛剤が効かなくなることもあります。早く的確な診断と適切な治療を行うことが大事です。有効な薬も開発されています。

 診断には、腫瘍(しゅよう)や脳卒中などの病気がないことを確認しなければなりません。そのためには頭痛に詳しい医師の診察と検査を受けることが大事です。

 片頭痛は、小さなお子さんにもあります。その場合、お母さんにも片頭痛があることが多いようです。

 お子さんが頭痛を訴えるとき、我慢を強いていませんか?

 お母さんご自身も頭痛で悩んでいませんか?

 もう一度見直してみましょう。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(  「」掲載)

つらいですね!ドライアイ!

眼科2018/11/26

 ドライアイとは、涙の量が減り、涙の質が変化して、目が乾いた結果、さまざまな症状が起きる病気のことです。
 日本のビジネスマンやOLの4分の3が潜在的ドライアイ患者で1600万人以上と考えられています。
特に最近は、スマートフォンのゲームの流行により、子供から老人まで、眼精疲労と共に目の渇きを訴える方が増えています。

①本当のドライアイとは
「目の乾き」を俗にドライアイと言いますが、診断名としての「ドライアイ」は、医師がいろいろな検査をしてから診断するものです。
逆に実際ドライアイの人でも「目の乾き」の自覚症状が全くない人もいるのです。

②ドライアイ簡単チェック
10秒間まばたきをせずに目を開けていられますか?
開けていられなくて、「目の乾き」「目の疲れ」「かすみ」の症状があれば、ドライアイを疑います。

③眼精疲労と共通の症状
「かすみ」「まぶしさ」「充血」など眼精疲労と症状がたいへん似ています。

④ドライアイ特有の症状
「ゴロゴロする」「目の乾き」は眼精疲労にはなく、ドライアイの症状です。

⑤ドライアイの原因
いろいろありますが・・・バッチリのアイラインが涙の成分の油の分泌腺をふさいでしまい、蒸発しやすい涙になってしまうことも大きな原因と言われています。
またソフトコンタクトレンズは、自分の涙を吸ってしまうので、「シリコンハイドロゲル」や「ハイパージェル」素材のレンズがおすすめです。
その他、まばたきに影響する眼瞼痙攣(がんけんけいれん)や結膜弛緩症・加齢・ストレス・内服薬の副作用も原因になることがあります。

⑥こんなあなたも要注意
コンピューター作業が多い人(4時間以上)、車の運転が長い人、ゲームや携帯を長くする人、冷暖房のきき過ぎた部屋にいる人などもドライアイになりやすいのです。

⑦まとめ
ドライアイは、その人の状態に合った点眼を使わないと症状が悪化する場合がありますので、必ず眼科医の処方した点眼薬で治療しましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2018年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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