血圧管理が基本
病院を受診した時、ほとんど必ず血圧測定を受けると思いますが、この血圧の重要性がまだ十分に理解していただけていないようです。
血圧が高くても自覚症状がないせいでしょうか、薬を自己判断で中止する方をよく見かけます。
血管がつまらないように「血液をサラサラにする」薬を飲んでも、血圧が高いままでは、逆に脳出血の危険が高まります。糖尿病で血糖に気を配っていても、高血圧があれば糖尿病による眼や腎臓の合併症の危険は低下しません。
また、血圧の薬は「一度飲んだら、止められない」という誤解をしている方も多いようです。
塩分摂取量を減らし、日常生活に運動を取り入れるなど生活習慣を改善することで、血圧が下がれば薬は止められます。
脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞など生活習慣病の予防に、高血圧の治療は非常に大事なのです。
歯並び、噛み合せの治療時期について
乳歯は、胎生六週ころに歯の芽がおかあさんのおなかの中で、出来始め、子供が生まれてから六ヵ月目で下の前歯が生え始めます。永久歯は、第一大臼歯(だいきゅうし)が胎生三ヵ月ころ歯の芽が出来始め、六歳ころに歯肉をわって口の中に出てきます。そうしてこの歯が根を含めて完全に出来上がるのは、おおよそ十歳です。
また、親知らずといわれる第三大臼歯を除いたすべての永久歯が生えそろうのは十三歳以降です。従って、永久歯のみを対象にする矯正歯科治療であれば、十三歳以降が望ましいと考えられます。
しかし、反対咬合(こうごう)や、上顎前突(じょうがくぜんとつ)のうち、歯の向きだけでなく歯が生えて来る土台となる骨に、問題がある場合にはより早い時期から治療が開始されます。つまり、骨がまだ成長している時期より治療が始まり、可能であれば下顎(かがく)前突の場合には、下あごの骨が大きくならないように抑えたり、上顎前突の場合には、より大きくなるようにコントロールを試みます。骨のコントロールは成長している間は、可能であると考えられていますので、七歳ころ前歯が生えそろったころより始まります。
しかし、その程度が著しく強い場合には、乳歯の時期から始めることもまれですがあります。一般的には以上のとおりですが、バラエティが多いことから、個々の歯列不正を十分把握し、すべての面を可能な限り考慮し、最もよい治療時期を決めることが必要です。また、歯並びの治療は、永久歯が生えそろってしまえば何歳でも治療は可能ですが、美しい笑顔が描かれているポスターには、必ずきれいな歯並びが写っておりますように、審美性も歯科矯正治療の目的の大きな部分を占めております。かつ、この治療は、普通は一生に一度しか受けませんので、治療時期については社会性も考慮にいれ、十分考える必要があります。
歯科矯正治療を受けられるかどうかは、治療時期を含めて、患者さんが治療後によくなった状態を喜んでいただけるかどうかの価値観によると考えております。
毛穴、ニキビ跡の治療
ニキビ跡の治療としてケミカルピーリングがよく行われるようになりました。
美白的な効果はありますが、毛穴への効果には時間がかかりますし、ニキビ跡のクレーターのような陥没への効果は満足の頂けるとことではありません。 毛穴の治療としてメソローラーはメソセラピーの原理(薬液を皮下や皮内に注入する治療法)でビタミンC,ヒアルロン酸、皮膚成長因子(EGF)を細かな針が付いたローラーで皮膚表皮に注入する方法で皮膚表面の毛穴、小じわに有効な方法です。
この方法の特徴は表面麻酔を使用するため痛みが少なく、2~3日赤みがあり、化粧がしづらいかもしれませんが、1~2週間程度から皮膚の張り、柔らかさ、美白効果が実感できます。 ニキビ跡のクレーターのような陥没はメソローラーと共にピンポイントのピーリングを行うことで、良好な効果が認められるようになってきました。
この治療法ではピンポイントの患部にかさぶたが生じますので施術後7~10日間部分的に化粧が出来ないなどの制約がありますが、クレーターのような陥没が改善され化粧がしやすくなります。 これらの治療方法はそれぞれに特徴があります。
専門医に十分説明を受けた上で治療方法を選択してください。
ストレスについて
ストレスによってさまざまな精神的不調や身体的不調が起こされることは良く知られています。
日常のできごと、たとえば死別、離婚、健康上の不安などの不幸なできごとだけでなく、結婚、就職、出産、昇進、子供の独立や、家の新築などの一見幸せなできごともストレスの原因となり得ます。
日常の変化が、ある人にとってはストレスになるということです。
また、例えば「試験には合格したいが、勉強はしたくない」というような心の中の相反する要求やかっとうやさまざまな対人関係、トラウマもストレスの原因になります。
ただし、ストレスのもとがあっても、受けとる人の感じ方が影響するので、ある人は不調になり、ある人はならないということがあり得ます。
ストレスによって起こる不調には精神的なものと身体的なものがあります。
精神的な不調としては不安、怒り、抑うつ、燃え尽きなどがあり、ストレスが軽減された後にも長期間続くことがあります。
身体的な不調としては、血圧の上昇、偏頭痛や筋緊張性頭痛、下痢、便秘、胃のびらんや胃潰瘍、ある種の関節炎、大腸炎、乾癬(かんせん)、鼻炎などが起こります。
対処方法としては薬物療法のほか、自己コントロールが必要です。例えば、緊張、不安が強い場合にはリラックス・トレーニングという方法があります。
拳を握って緩めると筋肉が緩むのを感じることができますが、それを全身の筋肉に応用します。
また、過去のリラックス場面を思い浮かべる、イメージを使う方法もあります。
次に、「完全にできなければ意味がない」など、自分が苦しくなるような考え方やマイナス思考を変えていくことが必要となる場合が有ります。
また、「(直面している)問題を解決できない」と思い込んでいるだけの場合がありますので、その際には問題を解決する訓練が適しています。
その人のストレスの特徴に合わせた対処が必要となります。
『めまい』を考える
「めまい」は医者泣かせの症状です。他覚的には、「眼振」という特徴的な目の動きやふらつく姿も見られず、自覚症状だけのこともあり、原因がわからないこともしばしばです。今回は、この厄介な「めまい」を考えます。
「めまい」とは、体のバランスをとる働きの不調と表現できるでしょう。
体の傾きや動きを感じるには、「視覚(物を見る)」「平衡感覚(耳の奥にある三半規管などによる)」「深部感覚(筋肉や、関節からの感覚)」、これらの感覚を脳に伝える「神経経路」、そして最終的に全ての情報を統合する「脳」が関わっています。このどこに障害が起きても「めまい」が生じます。
しかし、「深部感覚」や「神経経路」の障害による「めまい」は、注目されることが少ないような気がします。
医師からでさえ、「首や腰、膝や足の病気でめまいなど起きない」と言われることが多いのですが、耳や脳を検査して「異常なし」とされた「めまい」の患者さんの中には、頸椎や腰椎に原因が疑われる方がいらっしゃいます。
偉い先生の書いた「めまい」についての分厚い本にも、背骨を支えている筋肉の感覚異常から「めまい」が生じることが書かれています。
体の重心を支えている関節や筋肉に異常があれば、ふらつくのは当然です。頸椎や腰椎に病気があれば、その両脇の筋肉に負担がかかることも納得できます。
さらに、糖尿病でも末梢神経障害が生じることがありますが、このとき「平らなところを歩いていても、砂利の上を歩いているみたい」と表現されることがあります。
こんなときも「めまい」という自覚症状となることがあります。
「めまい」は強い恐怖を感じるものです。実際、脳卒中の場合は命の危険もあります。
頸椎、腰椎の病気や末梢神経障害の場合、比較的「めまい」が軽い印象がありますが、不快なことに変わりません。
耳や脳に異常が見つからないとき、頸椎・腰椎などの脊椎や末梢神経の障害を疑うことも必要でしょう。
虫歯はうつる?
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯菌はいません。
では、いつ頃から、どうして虫歯菌が住みついてしまうのでしょうか? それは残念なことに、いつも身近にいるお母さんからもらってしまうのです。
お母さんのお箸で一緒に食べさせていませんか? 自分の食べているものをかみ砕いて赤ちゃんに与えたりしていませんか? こんな所からお母さんの虫歯菌が赤ちゃんの口の中に移っていきます。
虫歯は遺伝するのではなく虫歯菌に感染するのです。 そこで、感染源である周りの人達の口の中の虫歯菌をなるべく少なくする事で対処していく方法があります。
虫歯の治療及び定期的にクリーニングする事によって虫歯菌を減らす事が重要です。
少しの努力で可愛い赤ちゃんを虫歯から守ってあげましょう。
ワキガ・多汗症の手術治療
夏、汗をかくことは自然現象で熱射病を防ぎ、体温調節を行う大切な体の機能です。 汗を罪悪視する風潮は困ったものです。汗をイメージするとワキガ、多汗症のイメージに誘導する商業的イメージ戦略も問題だと思います。
しかし、現実に脇のにおいに悩み、ワキガなのか多汗症なのか分からず、またはワキガだと思い込んでいる方も沢山いることも事実です。
ワキガ、多汗症にお悩みの方はデオドラントを使用しながら、非常に気を使い、綿の下着を避け通気性の良い素材を注意しながら使用して生活しています。においが気になってしまうと日常生活に支障をきたしてしまう方も多いのです。
ワキガ・多汗症の治療法は施術後生活に支障がきたさない電気分解法や主として多汗症の治療としての短期間効果(6ヵ月程度)のボトックス注射治療があります。電気分解法は麻酔が必要ですが、ボトックス注射では麻酔必要がありません。どちらも施術時間は30分以内です。
外科的治療は長期間の高い効果を期待する方法として、保険診療で、切開法の皮弁法、皮膚有毛部切除法などがあります。このような方法は切開した傷跡も大きく、入院が必要です。
自費治療による方法で、マイクロキューサー(超音波メス)、クアドラカッターによる吸引治療は 手術後の傷跡が小さく、事務的仕事が可能な安静度です。入院する必要はありません。手術時間は両脇で2~3時間かかります。
最近は、電磁波(マイクロ波)を使用する方法もありますが、まだはっきりとした実証は分かりません。
治療方法は効果の程度、効果期間、安静度、傷跡の大きさ、施術時間が異なります。形成外科医、美容外科医など熟練した専門医のアドバイスを受けてから治療方法を決めて下さい。
歯列矯正治療の流れについて
夏休みが始まりました。学校検診の結果も行き渡り、虫歯や不正咬合(ふせいこうごう=悪い歯並び)を指摘されたお子さんもいらっしゃると思います。
今回は、不正咬合の治療の流れについてお話します。
(1) 矯正相談
お口を拝見させていただき、おおよその治療方法、期間、費用についてのご説明をします。
(2) 検査
(3) 診断
(4) 治療
(5) 治療終了・保定開始
歯並びが整い、うまく咬み合うようになったら矯正装置を取り外します。しかし、これで矯正治療は終了ではありません。治療直後の歯並びは不安定ですので後戻りが無いように保定を行います。
(6) 保定完了・矯正治療終了
保定期間が終了して、矯正治療は完了となります。
矯正治療は虫歯の治療と違い、治療期間が長く、また費用も自費となりますので、歯科医師と十分に相談して、納得してから治療を受けることが重要です。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
腰部脊柱管狭窄症とは、腰の神経の通り道が狭くなることをいいます。
腰の靭帯(じんたい)や椎間板や骨が神経を圧迫することによって起る病態の事をいいます。
症状としては、数メートルから数十メートル歩くと下肢に痺(しび)れや痛みを伴い、座るなど腰を丸めることによって症状が回復するのが一般的です。
腰を曲げていると症状が現れないため、自転車に長時間乗っても下肢の症状は出現しません。
症状が進行すると、下肢に力が入りづらい、足の裏に餅がついている、あるいは玉砂利の上を歩いているというような感覚や排尿後の残尿感などの症状が出現してきます。
治療は症状によって異なりますが、基本的には内服薬、外用薬、リハビリなどの治療から開始し、効果がない場合はMRI、CTなどの精査を行います。同じような症状がある方は、整形外科医にお気軽にご相談ください。
「ロコモティブシンドローム」とは?
「ロコモティブシンドローム」は「ロコモ」と略し、2007年に日本整形外科学会が提唱した概念です。
日本語にすると「運動器症候群」となります。
具体的には、骨・関節・筋肉といった運動器の機能が衰えることにより、日常生活の自立度が低下し、介護が必要となる状態のことです。
「ロコモ」になっているかどうかのチェックポイントが3つあります。
- 15分以上続けて歩けない。
- 階段で手すりが必要。
- 片脚立ちが30秒以下。
このうち一つでも当てはまれば要注意です。
「ロコモ」の予防には、体幹筋力・下肢筋力・バランス機能の保持が大切です。
そのためのリハビリテーションでは、一人ひとりの原因疾患・基礎体力・骨粗鬆症の状態・その他の合併症の有無などを考慮して、慎重に行うことが必要です。









