なかなか治らないニキビ「ピーリング&レーザーピーリング」
ニキビ治療は抗菌剤含有のローション、ジェル、クリーム、時には少量のステロイド含有の軟膏を皮膚に塗り、抗菌剤、ビタミン剤を内服することが一般的に行われている治療です。
20歳以降のなかなか治らないニキビ、特に顎や首に局所的に発生したニキビの多くは、ダイエットによる偏食などによる貧血や女性ホルモン異常、ストレスなどに原因があります。
美容皮膚科的ニキビ治療は、ニキビ自体を治すだけでなく、ニキビ治療の後、黒くデコボコの肌にならないようにする治療です。
このようなニキビ跡(黒くデコボコの肌)が起こらないようにすることで、できるだけくすみのなく、早く化粧のりの良い肌に近づけます。
ピーリング治療は、一般的に治療ではなかなか治らない方やニキビ治療時から美白を考えている方への治療で、また、ニキビ治療後にできるだけニキビ跡が生じないようにする治療です。
そして、レーザーピーリングやメソローラーによる治療は、ニキビ後に生じてしまった黒ずみや陥没した肌を軟化させて改善し、化粧のムラを解消させる美白治療です。
ニキビ治療は保険治療から自費治療までいろいろあります。
また、ピーリングやレーザーピーリング治療でも数回の施術が必要になります。
カウンセリングをお受けになってから、治療後の経過、注意事項をお聞きになった上で、生活様式に合った治療法をお選びください。
かわりゆく糖尿病の食事療法について
最近テレビなどのダイエット番組で取り上げられている「低糖質ダイエット」。
それに近い考え方の糖尿病の食事指導があります。
カーボカウントといいます。
この考え方を紹介するときに有名な話があります。
アメリカでインスリン治療中の患者が、バーベキューの後で低血糖となるという話です。
え? あんなに肉の塊を食べたのに??
患者さんも医師もびっくりです。
低血糖となった患者は、肉を多く食べて、炭水化物~ライスやパンをほとんど食べていなかったそうです。
つまり、食後の血糖の上昇を左右するのは、肉・油(タンパク質・脂質)ではなく、ご飯・イモ・パンなどの炭水化物(糖質)であるということです。
このカーボカウントというのはカーボ(炭水化物=糖質+食物繊維)の量からどのくらい血糖値が上昇するかを考え食事に応用するものです。
はじめは、インスリン依存型の糖尿病の方が、食前の血糖値から、食べる炭水化物の量を考え、食後の血糖値を予測して、基本的なインスリン量に追加インスリンを加え血糖コントロールを行うものでした。
日本人に多い2型糖尿病は、一般的に1gの炭水化物で3mg血糖値が上がるといわれています。
ご飯1膳150gには、55gの糖質が含まれています。
2型糖尿病の人がご飯を食べると理論上は55×3=165mg血糖値が上がる計算になります(実際には、その人のインスリン分泌量によって上下します)。
ところが焼肉(塩)200gでは炭水化物を含みませんのでほとんど血糖値は上昇しないのです(甘いたれは、糖質なので血糖値を上昇させます)。
炭水化物を多く含む食品は、ごはん・パンなどの穀類、豆類、じゃがいも・かぼちゃなどの根菜類、果物、乳製品(乳糖)です。
また炭水化物(カーボ)(g)を、主食の総重量から計算する方法もあり、米飯40%、パン50%、ゆで麺20%を総重量にかけると炭水化物量になるとしています。
このように今後は食事の炭水化物の量を主に考え血糖値と付き合う時代になりつつあるのです。
ただし糖尿病の方は主治医と相談しながら行って下さい。
オグスット病(成長期の膝のスポーツ障害)
近年、広く多くの人々が種々のスポーツを楽しむようになりました。成長期である小・中・高校生のスポーツ活動も学校や地域で益々盛んになっています。小さい頃から高いレベルでスポーツの練習や大会が運営されています。一方で成長期のスポーツ障害で整形外科外来を受診される方も増えています。 その代表的な疾患の一つがオグスット病です。
成長軟骨(骨端線)の骨化によって骨格は成長します。脚の成長の70%は膝を挟む大腿骨遠位・脛骨近位骨端線で行われます。このため、大腿四頭筋を始めとする膝周囲の筋肉・腱の緊張は発育期の急激に増加します。大腿四頭筋は大腿の前方の膝を伸ばす筋で、膝蓋骨に停止し、更に膝蓋腱に続き骨端線を介して脛骨に付着します。走ったり、ジャンプしたり、ボールを蹴る時には大腿四頭筋が働いて脛骨粗面の成長軟骨に大きな力が加わります。スポーツなどの使いすぎで脛骨粗面生じる骨端症が、“オグスット病”です。症状は脛骨粗面の疼痛と膨隆で、痛みは運動後に痛みが生じる程度から階段昇降など 日常生活に支障を生じるまで様々です。X線写真でも異常を認めます。他の膝関節痛をきたすスポーツ損傷・障害の鑑別診断も大切です。
治療は、運動後のみ疼痛がある程度の軽症であれば、運動後のアイスィングで十分ですし、運動中の疼痛や日常生活にも支障があればスポーツの制限・中止が必要になります。制限期間は疼痛やX線所見で判断します。また、装具の使用も有効です。
オグスット病は、スポーツが好きで一生懸命に練習をする子供に発症します。我々、整形外科専門医・スポーツ医は、予防の点でも、1日も早く良い状態で競技に復帰できるよう、常に競技者の良き理解者、協力者でありたいと考えています。
いつでもお気軽にご相談ください。
逆流性食道炎と生活習慣について
食後にちょっと一休み…と横になったときや前かがみの姿勢になったときに、酸っぱいものが上がってくる。
…何となくジリジリと胸やけがする。
最近やたらとげっぷが出る。
…などの症状が起きることはありませんか?これらの症状は胃液(胃酸)が食道へ逆流するために起こるもので、「逆流性食道炎」という病気の可能性があります。
逆流性食道炎とは、胃と食道の境目にある括約筋が様々な理由で緩んでしまうことによって胃から食道へと胃酸が逆流し、食道の粘膜にただれが起こる病気です。
最近は食生活の欧米化に伴い、高脂肪食の大量摂取などが原因で日本人にも逆流性食道炎が増加してきています。
胃酸の逆流を防ぐには、食べ過ぎ・飲みすぎをしないようにし、とくに脂っこい食べ物(フライ・天ぷら)や甘い物(ケーキ・チョコレート・あんこ)、刺激の強い物(香辛料、アルコール、コーヒー、タバコ)などを控えるようにしましょう。
また、お腹を圧迫しないようにベルト・コルセットなどはゆるめにして、あまり前かがみの姿勢にならないこと、食後2時間は横にならないで、眠るときは少し上半身を起こすようにすることなどを心がけてみましょう。
以上の対処法でもなかなか症状が改善しないという場合には、一度医師の診察を受けられることをお勧めします。
当院では問診の結果で逆流性食道炎が疑わしい場合には、患者さんの苦痛が少なく楽にできる鼻からの経鼻内視鏡検査を随時施行しています。
内視鏡検査で食道粘膜のただれの程度を確認し、まずは2ヶ月間、胃酸分泌を抑える治療薬を内服して経過をみることになります。
長年、逆流性食道炎の状態を我慢して放っておくことで、食道粘膜のただれが変化して、稀ではありますが、食道腺癌が発生することも分かっています。
大切なことは、症状のあるときには勇気を持って早めに検査を受けてみる!ということです。
今は、内視鏡検査も昔に比べると格段に楽になってきています。
検査に抵抗のある方も、まずは症状のご相談だけでも受診してみて下さい。
メディカルスキンケア
美容外科・形成外科では、二重まぶた・眼瞼(がんけん)下垂・フェイスリフト・粉瘤(ふんりゅう)などはもとより、シミシワ・ニキビ・ニキビ痕などの治療においても、IPL,レーザー、レーザーピーリング、そしてRF(高周波)による治療が行われています。このような治療は数週間から数カ月経過を診ていかなければなりません。その間の日常のスキンケア、治療が終了してからのスキンケアは質の高い一貫性を持ったケアが必要になります。
また、医学的スキンケアトレーニングを受けた医療関係者の下、医学的な理論のもとに質の高い一貫性を持った化粧品(老化予防化粧品・美白の化粧品)を提供します。
そしてレーザー、IPLなどの後治療や単独の治療としてメディカルスキンケアが充実している医療機関で相談されることをおすすめします。
親知らずについて
一番最後に生えてくる歯、それが親知らずなのですが、歯科医院や病院の口腔外科で抜いたご経験のある方も多いと思います。
できれば、抜くというような外科処置はさけたいものですが、親知らずの生え方が通常の歯とは異なるときは、ブラッシング清掃がしにくくトラブルが起こりがちです。
中途半端に生えることにより歯肉が腫れて痛み出したり、知らぬ間に大きな虫歯になっていてズキズキ痛みが出たり、歯並びに影響を与えるなどのさまざまな症状が出ることがあります。
こういった場合には抜歯が治療の選択肢に入ります。
逆にこれを放置して、親知らずやその手前の歯の歯周病が進行し、骨が吸収し、事態がさらに悪化する場合があります。 一方でこういった悪い状態でなく、正常な歯の向きに生えていて、反対側の歯と咬み合っているのであれば抜歯の必要性は少ないといえるでしょう。 親知らずはただ抜いて無くすだけではなく、抜いた後に活用できる場合があります。
親知らず以外の奥歯が無くなった場合、その部分の骨が十分残っていて、歯肉の状態も健康であるなど条件が整えば、その部分に親知らずを移植する「自家歯牙移植」という方法があります。
また、親知らずを再生医療に応用する動きがあるなど、あらためて新しい話題を提供しています。
まずはご自身の親知らずの状態は虫歯や歯周病になっていないか、残すべきかどうかを、機会がありましたら歯科クリニックで相談してみてはいかがでしょうか?
検診結果が引き出しに入れたままになっていませんか?
食生活の欧米化などにより、右肩上がりで患者数が増加している生活習慣病。あまりにも身近な存在になりすぎて、脳梗塞や心筋梗塞といった命を脅かす病気の原因になることもある、怖い病気であることを忘れてはいませんか?
「糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「高血圧」は、患者数の多さから3大疾患と呼ばれる生活習慣病の代表格です。その他心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血、がんなども生活習慣病に入ります。
心臓病や脳卒中(脳梗塞・脳出血)は、私たち日本人の死因の3分の1を占める病気であり、これらの大きな引き金になるのが「動脈硬化」です。
生活習慣病になると、自覚症状がないまま、この動脈硬化が急速に進行し、血液の流れが悪くなるだけではなく、重症化すると血栓(血のかたまり)ができて血管をふさいでしまうことがあります。
その結果、ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞を起こすといった、最悪の事態を招きかねないのです。
そこで重要なのが検診です。
働いている方は職場での検診、退職後や働いていない方は「特定検診」を利用するのも1つの方法です。
40歳以上が対象の特定検診は、生活習慣病予備軍といわれる「メタボリックシンドローム」の発見を目的としたものです。
また、検診を受けた方も、検診結果をきちんと読み解くことが大切です。
毎回の結果に一喜一憂するのではなく、過去の結果と比較して、数値がどのように変化してきたかを観察することです。
また、もう1つ忘れてはならないことは、検診で全ての異常が見つかるわけではないということです。
例えば、検診では空腹時の血糖値を調べますが、糖尿病には「隠れ糖尿病」と呼ばれる、食後にのみ血糖値が上昇するタイプがあります。
ほかにも、検診時の血圧は正常でも、家庭や職場で測ると高くなる「仮面高血圧」があり、いずれも検診で発見することはできません。
また、様々ながんも進行がんにならない限り、検診だけでは発見できない場合も多々あります。
自分の健康状態にマッチした、より実践的なアドバイスを求めるなら、検診結果を持参して、かかりつけ医に相談してみましょう。
コレステロールについて
食生活が豊かになり、コレステロール値の高いことを心配する人が増えています。
高コレステロール血症が心筋梗塞や脳卒中の危険因子であることは、すでに確立された事実です。
肥満や運動不足から血中コレステロール値が高くなると、動脈硬化が引き起こされ、心臓(冠動脈)や脳(脳動脈)の血管が詰まることになります。
日本人の死亡原因の2、3位は、これらの疾患ですから、何か特別に不摂生な生活をしている人にだけ起こる、自分とは無縁な病気と考えるわけにはゆきません。
コレステロール値や中性脂肪の増加が比較的若い人たちにも見られるようになり、動脈があちらこちらで細くなってる人が増加しているのですから。
コレステロールの正常値は220mg/dl以下とされていますが、低ければ低いほど冠動脈疾患の危険度は低くなるとわかってきました。
血液に含まれるコレステロールの20%は食べ物由来で、80%は肝臓で合成されたものです。
コレステロールが高い場合には、まず、食事療法(卵、バターを減らし、野菜を多く食べる)と運動療法(朝夕に20分程度速く歩く)を行いますが、動脈硬化の危険因子の多い人は、コレステロールがあまり高くないうちに薬で治療を開始することが必要です。
家族性高コレステロール血症の場合には、遺伝子の持ち方で、300mg/dl以上の高コレステロール血症になる場合もあり、食べ物のせいばかりでコレステロールが高くなるとは限りません。
最近、コレステロールや中性脂肪を下げる薬には、これらを下げる作用だけではなく、血管壁に直接働く抗酸化作用や抗炎症作用があって、動脈硬化の進行を止める働きもあることがわかってきました。
薬を飲むことに抵抗を感じるのは自然ですが、250mg/dl以上で、食事に気をつけても低くならず、ストレスに感じる時には、薬物療法も利点が多いので勧めています。
血管に張り付いた脂肪がやわらかいうちなら、はがれてきれいになることもあるので、健康診断などで異常を指摘されたら、放っておかないようにしてください。
不妊症早めの発見・治療が理想
現在、日本では何らかの原因により不妊症で悩んでいるご夫婦が全体の10~15%を占めるといわれています。
妊娠を望み、普通の夫婦生活を営んでいても2年以上妊娠に恵まれない場合を不妊症といいます。2人目以降のお子様に恵まれない方も含まれます。もしこれに該当するようならば、一度受診をお勧めします。できるだけ若いうちに不妊の原因を特定し治療を開始した方が妊娠の可能性が高いと考えられるためです。主な理由は以下の通りです。
・卵巣機能は年齢とともに低下傾向。特に内分泌機能障害がある場合更に強まる。
・卵子の質は年齢とともに低下。卵子の遺伝子異常は加齢により増加。
・受精卵の子宮内膜への着床率が加齢により低下。
・高齢出産を避ける。
不妊治療の現状から見ると、ほとんどの患者さんが、若いうちに子供ができなくてもいつかできると思い、自分が不妊症である現実を自覚せずその結果治療が遅れ、30代後半になりあわてて診察に訪れます。早めに不妊症を発見し適切な治療を受けることは妊娠できる可能性が高まることへつながります。原因に合う治療法は様々ですが不妊治療の主な内容は一般不妊治療の性交タイミング指導、人工授精、また高度不妊治療の体外受精、顕微授精等です。体外受精や顕微授精というと、理解不十分から、人為的に遺伝子を操作するものと理解する方が少なくありません。実はこれによ り生まれた赤ちゃんは自然妊娠の場合と何ら変わりはありません。
不妊というとその原因は全て女性側という古く誤った考えが多いのですが、実はその原因は男女ほぼ半々なのです。従って、不妊の検査は男性の協力も必須です。
社会生活の様々なストレスにより不妊になる方が増えているのが現状です。もし不妊に直面しても、早めに立ち向かうことでいつか赤ちゃんに恵まれることでしょう。
ワキガ・多汗症の手術治療
夏、汗をかくことは自然現象で熱射病を防ぎ、体温調節を行う大切な体の機能です。 汗を罪悪視する風潮は困ったものです。汗をイメージするとワキガ、多汗症のイメージに誘導する商業的イメージ戦略も問題だと思います。
しかし、現実に脇のにおいに悩み、ワキガなのか多汗症なのか分からず、またはワキガだと思い込んでいる方も沢山いることも事実です。
ワキガ、多汗症にお悩みの方はデオドラントを使用しながら、非常に気を使い、綿の下着を避け通気性の良い素材を注意しながら使用して生活しています。においが気になってしまうと日常生活に支障をきたしてしまう方も多いのです。
ワキガ・多汗症の治療法は施術後生活に支障がきたさない電気分解法や主として多汗症の治療としての短期間効果(6ヵ月程度)のボトックス注射治療があります。電気分解法は麻酔が必要ですが、ボトックス注射では麻酔必要がありません。どちらも施術時間は30分以内です。
外科的治療は長期間の高い効果を期待する方法として、保険診療で、切開法の皮弁法、皮膚有毛部切除法などがあります。このような方法は切開した傷跡も大きく、入院が必要です。
自費治療による方法で、マイクロキューサー(超音波メス)、クアドラカッターによる吸引治療は 手術後の傷跡が小さく、事務的仕事が可能な安静度です。入院する必要はありません。手術時間は両脇で2~3時間かかります。
最近は、電磁波(マイクロ波)を使用する方法もありますが、まだはっきりとした実証は分かりません。
治療方法は効果の程度、効果期間、安静度、傷跡の大きさ、施術時間が異なります。形成外科医、美容外科医など熟練した専門医のアドバイスを受けてから治療方法を決めて下さい。









