思春期の貧血
思春期のお子さんが慢性的な疲労や集中力低下を起こしていることはないでしょうか。
また中学に進学してから学力が伸び悩んでといったことも・・・。
その場合は貧血が隠れている可能性も考えなくてはなりません。
思春期は心も体も大きく成長する時期です。
そのため、酸素を全身に供給するために血液もこれまで以上に増やさなくてはなりません。
ところが女の子は月経も始まりますから出血により鉄分を失ってしまいます。
しかも不適切なダイエットなどをすると更に貧血も進行してしまいます。
思春期の女性のおよそ10%が治療を必要とする貧血、注意が必要な予備軍は20〜30%にものぼると考えられています。
思春期の貧血は意外と多いのです。
鉄分はもともと体内に吸収されにくい栄養素です。
鉄分は2種類あり、肉類や魚介類に含まれているヘム鉄と野菜類に含まれている非ヘム鉄があります。
ヘム鉄は吸収力がよく食べた量の15〜25%が吸収されます。
非ヘム鉄は吸収率は5%と低いのですが、ビタミンCと一緒にとると吸収されやすくなります。
ほうれん草などの青菜類やブロッコリーなどは鉄とビタミンCを両方多く含むのでお勧めです。
また思春期の貧血では「スポーツ貧血」というものがあります。
これは運動によって何度も繰り返し激しい衝撃が加えられることで、赤血球が破壊されて起きる溶血性貧血という状態です。
何度も足の裏に強力な衝撃が加えられるスポーツと言えば長距離走や剣道、バスケットボールやバレーボールなどです。
思春期にある中高生は部活動での運動も活発になるためにスポーツ貧血も考慮しなくてはなりませんし、その場合は運動の休止をすることが貧血の改善につながることがあります。
運動を休みたくないという気持ちもあるかもしれませんが、貧血を改善することで結果としてスポーツの記録向上につながるかもしれません。
慢性腎臓病(CKD)をご存知ですか?
最近、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)という新しい病気の概念が注目されています。この慢性腎臓病とは、様々な原因で(糖尿病・高血圧・腎炎など)腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が3ヶ月以上慢性的に続く状態です。 現在、日本には約1、330万人の慢性腎臓病患者さんがいるといわれていて、驚くべきことに成人の約8人に1人にあたる数です。この慢性腎臓病では
この2点が重要です。 CKD(慢性腎臓病)の初期には、ほとんど自覚症状がありません。
貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、病気がかなり進行している可能性があり、透析療法や腎移植といった治療が必要な末期腎不全に陥っていることもよくあります。 このような自覚症状の乏しい慢性腎臓病(CKD)の早期発見に役立つのが、尿中のたんぱく質の濃度を調べる尿検査と、血液中のクレアチニンを調べる血液検査です。
ぜひ積極的に定期的に尿検査と血液検査をうけてください。 腎臓病の早期診断・治療は腎臓病に対する治療とともに、心臓や脳への治療にも繋がっています。
止まるいびき ZZz~
睡眠時無呼吸の人の多くは、昼間に強い眠気を自覚したり、一緒に寝ている人に大きないびきや呼吸停止を指摘されたりして受診します。
はじめは、交通機関や一般の運転手の居眠り事故を防ぐのが主眼でした。
中年人口の数パーセントに見られる病気だと思われていましたが、職域団体の男性従業員を対象に行った調査では、30%以上に睡眠時無呼吸が見られました。
近年、こうした睡眠時無呼吸は高血圧、不整脈、心不全、無症状の脳卒中、肥満、糖尿病などの生活習慣病や心血管系の病気と密接な関係があることが分かりました。
また、反対に、薬を飲んでもなかなか血圧が下がらない治療抵抗性の高血圧や夜間に脈が遅くなってペースメーカーを植え込み手術されるような人に、睡眠時無呼吸が合併していて、無呼吸の治療をすると血圧が下がったり、不整脈が改善したりすることも認められます。 血圧が上がる原因としては、呼吸が止まると酸素が足りないので、息苦しくなります。
水の中で溺れている時のように何とか息を吸おうと緊張します。
夜間の血圧は日中に比べると低くなるのが一般的ですが、夜の血圧がこうした緊張感と浅くなった睡眠で高くなります。
この結果、日中の血圧も高くなるように悪影響します。
呼吸を再度始める時には、過度に胸の中の圧が変化するので、血管を傷めるような化学物質が放出されたり、酸化ストレス物質が増えたりして動脈硬化を進めます。
これも血圧を高くします。不整脈や心不全も同じように無呼吸のために悪化するメカニズムが分ってきました。
また、心不全を治療するとよくなる無呼吸もあります。
循環器の病気と睡眠時の呼吸障害は密接に関係していました。
気楽な独り寝も結構ですが、たまには、一緒に寝るのもよいことです。
循環器を受診している人の中には、予想以上に睡眠時無呼吸が隠れていることが明らかになりました。
無呼吸と不整脈や突然死の関連はまだよく分からないことが多く、今後、次第に明らかにされてくると期待されます。
目の病気の回復について
今回は、目の病気がどこまで回復するのか4つほど紹介します。
○先天色覚異常
いくつか区別しにくい色がありますが、決して色が分からないのではありません。
そのため、日常生活で不自由を感じることはほとんどないでしょう。
ただし、本人や家族、学校関係者が自覚しておくことは大切です。
残念ながら、有効な治療法はありません。
○白内障
治す薬はありませんが、手術により落ちた視力を元に回復させることが可能です。
○緑内障
視野が狭くなる病気です。
失った視野を戻すことはできませんが、進行を抑えることが可能です。
そのため早期からの治療が望まれます。
○翼状片
黒目(角膜)上に白目の結膜組織が侵入してくる病気です。
手術で取り除くことができますが、角膜に不整な場所が残るため、視力に影響が出る前に治療する必要があります。
涙道(るいどう)内視鏡を用いた新しい治療
最近では、涙目の原因である涙道閉塞(へいそく)症の治療に涙道内視鏡が登場し、従来の治療に比べて、安全で成功率が高い治療が可能となってきています。 涙が目から鼻へ流れる道がつまる病気を涙道閉塞症といい、涙が自然とあふれ出てきたり眼やにが出たりします。
たかが涙目・眼やにですが意外と不快感があり、患者さんは『いつもハンカチで涙を拭かなければいけない』などと訴えて来院されます。 以前は、ブジーという針金で盲目的につまった部分を突き破っていましたが、正常な涙道以外に穴を開けることもあり、治療成績は良くはありませんでした。 最近では涙道内視鏡というとても小さいカメラを使用してつまった部分を直接見ながら治療することができるようになり冒頭で記したように安全性・治療成績ともに高くなってきています。 気になる症状がありましたらお近くの眼科医に相談してみて下さい。
『NASH』(ナッシュ)という用語を聞いたことはありますか? 〜脂肪肝との違いは?
「NASH」という用語を聞いたことはおありでしょうか。
「非アルコール性脂肪性肝炎(non alcoholic steato hepatitis:頭文字でNASH)」のことで、これはアルコールによらない脂肪肝が肝炎に進展した状態です。
これまで、普通の肥満や糖尿病などのメタボリック症候群で起こる単純な脂肪肝は、それ以上進行しないとされていましたが、その中で10人に1〜2人はナッシュを引き起こし、さらには肝硬変・肝がんへと進行する例があることが分かってきました。
単純な脂肪肝では肝臓の細胞に中性脂肪が貯まっているだけで、肝細胞の壊死や炎症、線維化は見られず、原因が無くなれば改善し元に戻ります。
一方ナッシュではアルコール性肝炎と同様の肝炎が起き、一部は肝硬変・肝がんへ進行する例も出てくるわけです。
単純な脂肪肝の1〜2割が、どういう場合にナッシュに進展するのか、まだはっきりとは分かっていませんが、脂肪の沈着に続き内蔵脂肪細胞から分泌される「サイトカイン」と呼ばれる因子や肝細胞での活性酸素の発生、さらに鉄蓄積などが加わった場合に発症するのではないかと推測されています。
診療において具体的に単純性脂肪肝からナッシュへの進展を疑うのは、肝機能のAST/ALT比の上昇(AST優位)に加え血小板の減少やヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲンなどの線維化マーカーの上昇があります。
さらに専門的には、超音波により肝臓の硬さ・線維化を測定するエラストグラフィー(硬度画像診断)も開発されています。
治療としてはインスリン抵抗性改善薬や肝庇護剤、坑酸化作用のあるビタミンE、高脂血症治療薬などが試みられています。
日常的には適正体重の維持、メタボリック症候群の是正が重要です。
不妊治療ではカウンセリング療法が有効なケースがあります
お子さんができにくい不妊症の女性は、強い精神的ストレスを抱えがちです。赤ちゃんに恵まれないのが最大の悩みであり、ストレスですが、さらに追い討ちをかけるのが周囲のプレッシャーです。
同じ年頃の女友達が次々妊娠した、自分より後に結婚した妹夫婦にコウノトリがやってきた、義妹も妊娠して姑が「あなたのところはまだ?」と聞いてくる・・・。
困ったことにこのような悩みやストレスは、女性の体をより妊娠しにくい体にしてしまいます。女性の卵子と男性の精子が出会い、受精するのが妊娠の第一歩ですが、その卵子を排卵させるホルモンの働きを乱し、排卵障害を進行させるからです。何故なら、排卵をコントロールするホルモンの中枢は精神的ストレスの受け皿のすぐ隣にあって、心の悩みやストレスの影響を受けやすいのです。
こうした排卵障害にはホルモン療法と合わせたカウンセリング療法が有効です。主治医に心の悩みを吐き出し、受け入れてもらうと心が軽くなり、ホルモン環境も整うことが多いのです。テレビに赤ちゃんが映るとポロポロ涙ぐむ、月経がきて今度も妊娠できなかったとわかるとヒステリーが起きる、赤ちゃんのいる友人夫婦は顔も見たくないなど、心の症状がある場合は、ぜひ早めにカウンセリング療法を受けるようにお勧めします。
男性も精神的ストレスの影響を受け、性欲減退によるセックスレスや心因性のED(勃起障害)などが起こってきます。とくに、仕事や職場の人間関係などで強いストレスを感じている男性の場合は、これらの症状に悩まされがちです。赤ちゃんを作る最初の段階でつまずいてしまうのは困りものですが、治療にはカウンセリング療法と併せて、EDの治療薬(バイアグラ)の服用が有効です。
最近は、心の問題を重視してカウンセリング療法を積極的に行う不妊治療施設が増えています。積極的に相談するといいでしょう。
メディカルスキンケアと美肌点滴 高濃度ビタミン点滴療法と肌老化予防・光・レーザー治療
肌のトラブル『肌の荒れ・しみ・くすみ・しわ』を改善するためには、肌の表面だけの治療ではなく、体内に欠乏している『各種ビタミン、ミネラル』を同時に補給することでより早く効果が期待できます。
点滴によって成分がほとんど、血液にて細胞や組織に直接活性を与えることで、短時間に全身の新陳代謝が盛んになり効果が実感できます。
また、定期的に続けることで、しみ、くすみ、しわ、肌の荒れ防止に効果を発揮します。体力の衰え、若返りにプラセンタ点滴、健康維持などに、ビタミンB(にんにく点滴)、ひとりひとりの肌の状態や悩みなど、美容効果だけではなく疲労回復などの健康づくりにも効果があります。
今、一番必要としている『ビタミン・ミネラル』など生理活性物質を選択して処方します。
注目されている点滴療法のマイヤーズ・カクテルはアメリカの開業医で広く行われている高濃度のビタミンC、ミネラルの点滴で、ビタミン・ミネラルを症状に応じて全身の細胞に直接送り込み、免疫改善、肌などの老化予防、慢性皮膚炎、耳鳴り、線維筋痛症など一般的治療に抵抗性のある疾患に効果があります。
また、美容の点滴療法では、これらの点滴にプラセンタ『人の胎盤から抽出した各種アミノ酸、酸素、核酸、ビタミン、ミネラルなど細胞活性因子』を併用してさらに大きな効果を得ております。
こんなところが気になる方に
- 不規則な生活による慢性的栄養不足の方
- お肌のトラブルが気になる方で、仕事が忙しく時間がない方
- 最近疲れやすく、お肌の老化が気になる方
- その他いろいろ試してなかなか効果が見られない上記の疾患
で悩んでいる方
通常、週に1〜2回のペースで継続されることが理想です。所要時間は2〜30分程度です。
ワンランク上の美肌メディカルスキンケアは高濃度のビタミンC、ミネラル、細胞活性因子の点滴療法と同時にしみ・しわのIPL(光)・RF(高周波)・レーザー治療でストレスによって疲れた肌の免疫能力を改善させ、くすみのない美しい肌へのメディカルスキンケアと肌老化予防の時代です。
がん治療と放射線治療
がん治療には手術、化学療法、放射線治療の三種類があり、それぞれの特徴を生かして使い分ける、あるいは組み合わせて行われています。このうち放射線治療には体の奥にある病気を切らずに治療でき、身体への負担が比較的少ないという特徴があります。
放射線によってDNA=細胞の設計図が傷つくことがわかっています。正常細胞は少し損傷しても一部は自己修復され実害は出ませんが、がん細胞はDNAが傷つきやすく修復されにくいという性質があります。これを応用したのが放射線治療です。毎日治療を続けることにより先にがん細胞が弱っていき正常細胞が生き残る、これが基本原理になります。いわば細胞どうしの我慢比べです。
平日1日1回ずつ、2週間から数週間かけて行っていきます。治療一回にかかる時間は数分から数十分です。初回治療時は皆緊張されますが、痛みも何も感じず負担がないのですぐ慣れてきます。
2〜3週経過すると照射された部分に急性期の副作用が出現することになります。皮膚に作用すれば日焼け類似症状、喉に作用すれば風邪のような咽頭痛が出てきます。日光が身体の奥にまで届いたと想像すればわかりやすいと思います。終われば数日〜数週で回復していきます。範囲、強さ、回数を増やせば効果が高くなりますが、負担が過ぎると辛いので、事前に評価し慎重に決めています。
最近は手術、化学療法との協業が発展し放射線治療で根治を狙えるケースが増えています。乳がん手術後は再発予防のため放射線治療がよく選択されています。根治治療でなくとも、進行の一時阻止、縮小が得られればその後の症状は全く違ってきます。特に随伴症状の痛みに対しての効果は絶大です。
もし放射線治療を勧められ迷ったときは一度放射線治療担当医の説明を聞いてみてはいかがでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は睡眠中に何度も呼吸が止まった状態(無呼吸)が繰り返される病気です。
本人の自覚がなく周りの人から大きないびきや無呼吸を指摘され本人が気付くことが多いといわれています。
多くの場合は空気の通り道である気道が部分的あるいは完全に閉塞してしまうことにより起こります。
SASの代表的な症状はいびきです。
また、良質な睡眠がとれず日中の眠気や物覚えが悪くなるなどの精神的な症状も出てきます。
高血圧や心筋梗塞や脳卒中などを併発することもあります。
SASの検査はご自宅にて行っていただくことが可能です。
SASの治療法はいくつかあり、個々の患者さんにあった治療法を決定することになります。
心当たりの症状がある方は是非医療機関を受診してください。









