■ご訪問者数:26988441
カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

コラムを読む

眼瞼下垂(がんけんかすい)を治して明るい視界を!!

眼科2020/08/24

 眼瞼下垂とは、上まぶたが下がり視界が狭くなり、物が見づらくなる状態をいいます。先天性と後天性があり、後天性では神経・筋肉・腱膜の異常で起こります。アトピー・逆さまつげ・花粉症・長時間のパソコン使用・女性のメイクなどで目をこする人に早く現れます。

 症状が悪化すると、額の筋肉を使って、まぶたを上げようとするため、額のしわも深くなるし、首から肩にかけての筋肉も緊張し、頭痛・肩こり・吐き気・めまいなども起きてきます。

 視界を邪魔するほどの下がり具合の場合は手術が必要となることがあります。手術後1週間で傷も落ち着き、まぶたが自然に上がるようになり、視界が明るくなります。

 チェック方法として、目をつぶり、両人さし指で両方の眉毛の上を強く押さえて、まぶたがうまく開かなければ、眼瞼下垂の可能性があります。眼瞼下垂手術を行っている眼科を気軽に受診し、相談して下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2020年8月24日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

まぶたのふちにニキビのような小さな塊が

眼科2008/08/13

 まぶたに1~2mmのプチプチしたニキビのような塊(かたまり)ができる方がおります。まぶたの際(きわ)にできる黄色っぽいものは「マイボーム腺梗塞(こうそく)」、皮膚の表面にできる白っぽいものは「稗粒腫(はいりゅうしゅ)」といいます。

 マイボーム腺梗塞は脂肪の分泌腺の先端がつまって(梗塞=つまる)黄色い塊になるのですが、だいたいは自然につぶれてしまいます。

 時に、中の脂肪が固まって大きくなると赤目(結膜・けつまく)の方に破れて飛び出してきて急な痛みを生じることがあります。その時には麻酔の目薬を付けて針などでほじくり出してあげると簡単に治ります。

 皮膚の表面にできる稗粒腫は、中にケラチンという白っぽい脂肪のような成分がたまってくるのですが、美容的に気になる時には麻酔をして針で突っついてあげるとすぐに絞り出すことができます。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

最近のレーザー事情

皮膚科2009/03/18

 レーザーというのは光の一種です。自然の光はいろいろな波長の光が混ざり合ったものです。それに対してレーザーとは単一波長の光のことです。

 いろいろな波長が混ざった光を、ある媒体(ルビー、アレキサンドライト、ヤグなど)に当てると単一な波長の光だけを取り出すことができます。
これがレーザーで、その媒体の種類によって、取り出される光には固有の波長があります。
それがレーザーの種類になり、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、ヤグレーザーなどと呼ばれます。

 そして、それぞれ固有の波長があるため、一つのレーザーはある固有の色にしか吸収されないのです。
ですからレーザーは種類によって効く色が違うのです。レーザーを生体組織に当てると単一の色(水、ヘモグロビン、メラニン)に吸収されて熱を出します。
こうして発生した熱によって、メラニンをこわしてシミを取ったり、毛根こわして脱毛したり、毛細血管をこわして赤いアザを取ったりしているのです。
しかし、熱を出すということは、周囲の正常な組織にも熱が伝わるということです。

 近年、この周囲の熱をできるだけ押さえるためにQスイッチといって高いエネルギーのレーザーを極短時間だけ照射する装置ができてきました。
これによって正常組織への熱の影響を減らすことができるようになりました。
さらにIPL(Intense Pulsed Light)といって波長を単一ではなく、ある幅を持った波長に することによって熱による影響をマイルドにしようとすることも考えられました。

 また、皮膚の真皮層に熱を加えることによってコラーゲンの再生をうながすことができることがわかってきました。これによってシワ、ニキビ跡、キズアト、毛穴の開き、を改善し、皮膚のキメを整えることができます。

 最近では、フラクショナルレーザーといって一平方センチメートルに何十という極細いレーザーを当てて表皮のダメージをできるだけ少なくして、目標とする真皮層に多くの熱を与えるようなものもできてきています。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡(  「」掲載)

一般社団法人日本口蓋裂学会認定師について

歯科2021/07/13

岩手医科大学 歯学部を、1975年に卒業。直後に札幌医科大学口腔外科に、スキー部の先輩の伝手で、入局。その当時、佐々木元賢教授のもとで晩学に励んでいました。

佐々木教授は、九州大学医学部を卒業し、1950年に九州大学医学部を、1953年に東京医科歯科大学歯学部を卒業され、その当時大変難しかった、小児全身麻酔を研究され九州大学医学部助手、講師、助教授を経て、1961年札幌医科大学口腔外科教授。そのご、長崎大学歯学部部長。になられた方です。そのころ、1歳未満の麻酔ができる方はいなかったようで、手術はもっぱら洗濯板に縛り付押さえつけてしていたとのことでした。笑い話で、げんこつ麻酔という言葉があり、子供をげんこつで殴り気絶している間に手術をしたなどの話を聞きました。したがってそのころは札幌医大でも、小児麻酔ができる方が来られたことは大変スクなかったのではなかったと想像します。佐々木元賢先生が唇顎口蓋裂の手術を手掛けたのは、ながれとしては自然だと思います。

私が、札幌医科大学口腔外科に入局したころは、全道からたくさんの患者さんが来られ、月曜木曜が手術日でしたが、3例、週に6例が、唇顎口蓋裂関係の手術でした。ほとんどすべての手術が、教授が執刀されました。我々新入医局員は、手術介助や外来担当でした。当時の記憶では、新卒の私のような歯科医に、40歳前後のお父さんが、「私の子供をよろしくお願いします。」と手術前に必死にお願いされました。あまり大きな声では言えませんが、手術の順番が早くなるようにいろいろなことをした記憶があります。そのころ、函館からもたくさんの患者さんが来られていました。また、いずれは函館に帰り、開業しようと考えていましたので函館に帰ってからこの子らのために、何かできないかと思っていました。またこのころ、苫小牧の口蓋裂の子供と、親が青函連絡船で身投げ自殺をし、記事になりました。そのころは、手術は健康保険適応でしたが、その後の治療の矯正歯科治療は、保険外で、そのころでも2-30万かかる治療のため、ほとんどの子供が受けることができませんでした。毎日新聞、北海道版で「谷間の口蓋裂児ーこの子らに健保を」のキャンペーン記事が連載されました。そのことが、当時の参議院議員コロンビアトップが取り上げ、矯正歯科治療の保険導入が決まりました。私自身は、口腔外科に4年勤務し、佐々木元賢先生が、長崎大学歯学部創設のため、転出された後東京医科歯科大学より来られた小浜先生の元、口蓋裂児の言語を勉強しました。その当時、言語治療室では、、お茶の水女子大出身の伊藤静代先生が、言語治療室を担当していて、一緒にx線テレビ室で、軟口蓋の動きを自作の装置を用いて、観察したことをなつかしく思い出されます。その際、伊藤先生の知識をもっと新人医局員に理解してもらったいいとお話ししたところ、歯科医ではない自分が、歯科医のみんなに説明しても、興味を持っていくれる方がいないと、私に寂しく話されたことを、記憶しております唇顎口蓋裂児の治療は、多くは1歳6カ月まで形成外科医と一部の口腔外科医が手術を担当しており、発語が始まる1歳半以降に言語治療と、乳歯を含めた歯科治療が始まります。また、生後3カ月頃、口唇の部分の手術が必要ですが、顎裂が大きく変位していると、生後1週より、PNAM(術前鼻歯槽形成)が開始されます。現在では当院が担当しております。また、口蓋裂の言語についても、札幌医科大学で一部手掛けておりました。手掛けていないのは、矯正歯科分野でした。このため、矯正歯科の治療技術を得るため北海道医療大学(旧東日本学園大学)歯学部矯正歯科に入局。5年勤務後、函館市立病院歯科の科長として、先代の山田先生の後釜として勤務しました。その当時山田先生の下で、北海道大学歯学部小児歯科出身の渡辺郁也先生【現在花園町で開業)が勤務されており、函館中央病院小児科の医師から、小児歯科治療のため、口蓋裂患者が函館市立病院歯科に紹介、通院されていました。なお、その小児科医の奥様が、北海道大学歯学部小児歯科で、渡辺先生と一緒に勤務されていたとのことです。札幌医科大学で口唇の修正術を希望して受診した担当した10歳の函館の女の子のお母さんが、「この子が私を責めるんです。」と訴えていました。当時の耳鼻科の科長が、岩手医科大学医学部で同期であった、金子先生から、見てほしい患者さんがいると言われ、耳鼻科外来に行くと札幌医科大学で受け持った患者さんでした。矯正治療を終えたことを記憶しております。またみはら歯科矯正クリニックを開業して10年後くらいに、函館中央病院口腔外科に勤務されている札幌医科大学口腔外科出身の辻先生から、当院に軽度の口唇裂の子の矯正歯科治療を、紹介されて女の子が来院しました。すると、その子のお母さんが、札幌医科大学で担当した女の子でした。おばあちゃんも、元気だとのことで、当時のことを思い出されます。いまでも通院しております。なにか、強い運命を感じております。

私が市立函館病院に勤務したと同時期に口蓋裂矯正歯科治療の保険導入が決まり、また、日本矯正歯科学会での認定医審査も始まりました。この間、米国カナダに短期ですが。口蓋裂関係の7施設の見学をしましたが、まだまだ知識不足で、また、日本の口蓋裂の医療レベルも大変低いものでした。私がみはら歯科矯正クリニックを開業した際に函館中央病院形成外科科長 浜本先生が、北大形成外科助教授からこられました。中央病院で面会した際、浜本先生は以前北海道大学k歯学部口腔外科の助教授の経験があり、札幌医科大学口腔外科、旭川医科大学口腔外科3科で、年に数回合同カンファランスをして、いろいろな症例を検討していました。私も何度かスピーチして、浜本先生とお会いしていました。このため、浜本先生は口蓋裂治療に熱心で、中央病院に言語治療室を開設、早坂先生が担当されました。その際、浜本先生は、形成外科と矯正歯科との連携が口蓋裂治療は、非常に大切で、形成外科医と矯正歯科医は、ある意味で結婚するような付き合いになると話されていました。その時に、まだまだ未熟な私を、チームアプローチのメンバーに認めいただけたことは、この面でのすべての始まりだったと感謝しております。その後中央病院の科長は木村先生に交代し、木村先生は、平成2年から浜本先生の後を引き継ぎ、唇顎口蓋裂の面を深く勉強されました。また当時、日本で最も進んでいた東北大学、形成外科、矯正歯科(幸地先生)の治療法の、顎裂部への腸骨海綿骨移植を、提案し、取り入れていただけ、治療した患者さんについて報告しました。この治療法はそのころは北海道では大学を含めても、函館のチームアプローチだけでした。現在は、この治療法が全国的にもルーティンとなっております。また、私の発想で、骨移植した顎裂部に、日本で初めて下顎前歯を歯牙移植した報告を、日本口蓋裂学会に共同で発表しました。それ以降類似の報告が、他機関より多数され、一般化しております。いままで、大学病院がない函館で、大学より早く優れた治療法を手掛け、函館在住の口蓋裂患者により安心していただこうと努力してきました。医療は、最終的には信頼感だと考えております。このため、全国的に認めていただけるよう、10数年にわたり学会報告をしてきました。また、医学博士も勉強の一つとして授与していただくことができました。
また、日本矯正歯科学会認定医および道南地区で唯一の日本成人矯正歯科学会専門医、指導医と認められました。この度、日本口蓋裂学会が、いろいろな科の認定師の制度を作り、昨年募集しました。私も卒業後、45年、口腔外科を経て、矯正歯科に携わり、41年たち、70歳となりました。症例提出、その他の審査を受け、この4月に認定されました。おそらくは唇顎口蓋裂患者さんのほとんどは、大学病院に通院しており、地方都市では、手掛ける矯正医は全国的には少ないと思います。現時点では、矯正歯科分野では全国で134名、北海道では私1名です。いままで、口蓋裂の児に教えられ、治療を続けることができた勲章かなとおもい、いままでお世話になった方へ深く感謝しております。また、唇顎口蓋裂児は、体表の先天異常ではも頻度が高く、知的な問題を持つ子が少ない障害です。函館の人口は現時点で、26万人ほど、周辺をわせて30万人ほどですので、唇顎口蓋裂児の発生頻度0.0018をかけると540人ほどの方がおられることが予想されます。当院に来ていただいている子は、200名以上ですので、ほとんどの方が当院に来ていることになります。市内で出産された唇顎口蓋裂の赤ちゃんのほとんどは、中央病院形成外科を紹介受診し、多くの方々が、チームアプローチ一員としての当院をこの30年にわたり受診しております。15年前には、形成外科科長木村先生より、PNAM(術前鼻歯槽形成)について相談されました。その患者さんは、重い心臓の障害のため、全身麻酔が受けることが出来なかったため、1歳を過ぎるまで口唇顎口蓋裂の手術を受けることが出来なく経管栄養のみで栄養補給をされていました。CTを撮影し、そのデータをもとに。北海道工業技術センターの協力を頂き、当院の上野技工士長とともに、顎の模型を作成し、全道で初めて患者さんに装着したところ、今まで経管栄養だけでミルクを飲んでいた児が、哺乳瓶を吸い始めたことを、喜んだことを思い出しました。その子は、現在問題なく、高校生活を歩んでいます。口蓋裂による障害は、口唇部。から硬口蓋にかけての、骨及び軟組織の欠損と鼻の変形ですが、遺伝的な問題や知的な障害が少ない疾患です。現在では、治療技術も上がり、外見的にも満足できる結果が得られます。しかし、出生時に、母親が受ける心理的な影響や、治療が長期になる、その他、本人の心の問題が一生続きます。このため、一番最初に手掛けた研究は、親と子供の心理についてでした。その結果、この函館ですべての治療が提供できることは、この面で大きな安心を与えることが出来たことがわかりました。出生時の親の落ち込みを、地元で、生後1週でPNAMの装置を入れることが出来、今後の医療体制に安心を、感じる。大学のような大きな組織であれば、担当の医師が変わり、変わるごとに不安をかんじるが、函館では担当が変わらず、通院も楽で、安心感を与えていた。しかし、地方で継続的に医療を提供するためには、最新の治療技術の習得を、継続的に続けなければ、安心感を与えることはできません、この面でも、学会その他などから、知識の継続的な習得が必須です。従いまして、この疾患について継続するには、担当する医療従事者の継続的な努力が不可欠です。これからも可能な限り、努力をしていきたいと考えております。

また、2006年に「谷間のこう蓋裂児ーこの子ら健保をー 再発行 (2006.0224掲載分)」を、当時の5名の歯科衛生士により、発刊できたことを思い出し、うれしく感じております。函館中央病院の方々には、いろいろな面でご協力いただきました。退職された初代言語治療室の早坂先生には、教えて頂ながら、発音補助装置を作成したり、特に形成外科科長の木村 中先生には30年間にわたり、お世話になりましたことを深く感謝しております。
昭和58年、市立函館病院に勤務したと同時期に口蓋裂矯正歯科治療の保険導入が決まり、また、日本矯正歯科学会での認定医審査も始まりました。市立函館病院に赴任する前に、米国カナダに短期ですが。口蓋裂関係の7施設の見学する機会を得ました。医療技術、システムすべての面で、その素晴らしさに感動し、日本に帰って地方都市函館で実現してみようとの思いを持ちました。私がみはら歯科矯正クリニックを開業した際に函館中央病院形成外科科長 浜本先生が、北大形成外科助教授からこられました。浜本先生は以前北海道大学歯学部口腔外科の助教授の経験もあり、その当時、札幌医科大学口腔外科、旭川医科大学口腔外科3科で、年に数回合同カンファランスをして、いろいろな症例を検討していました。私も何度かスピーチして、浜本先生とすでに面識がありました。このため、浜本先生は口蓋裂治療に熱心で、中央病院に言語治療室を開設、早坂先生が担当されました。中央病院で面会した際、浜本先生は、形成外科と矯正歯科との連携が口蓋裂治療は、非常に大切で、形成外科医と矯正歯科医は、ある意味で結婚するような付き合いになると話され、矯正医の立場を、非常に理解していただいておりました。その時に、まだまだ未熟な私を、チームアプローチのメンバーに認めいただけたことは、この面でのすべての始まりだったと感謝しております。その後中央病院の科長は木村先生に交代し、木村先生は、平成2年から浜本先生の後を引き継ぎ、唇顎口蓋裂の面を深く勉強されました。また当時、日本で最も進んでいた東北大学、形成外科、矯正歯科(幸地省子先生)の治療法の、顎裂部への腸骨海綿骨移植を、提案し、取り入れていただけ、治療した患者さんについて報告しました。この治療法はそのころは北海道では大学を含めても、函館のチームアプローチだけでした。現在は、この治療法が全国的にもルーティンとなっております。また、骨移植した顎裂部に、下顎前歯を歯牙移植した報告を、全国の他の機関に先駆けて日本口蓋裂学会に共同で発表しました。それ以降、類似の報告が、他機関より多数され、一般化しております。いままで、大学病院がない函館で、大学より早く優れた治療法を手掛け、函館在住の口蓋裂患者により安心していただこうと努力してきました。医療は、最終的には信頼感だと考えております。このため、全国的に認めていただけるよう、10数年にわたり学会報告をしてきました。また、勉強の一つとして医学博士も授与していただくことができ、日本矯正歯科学会認定医および道南地区で数少ない日本成人矯正歯科学会専門医、指導医と認められました。私も卒業後、45年、口腔外科を経て、矯正歯科に携わり、41年たち、70歳となりました。昨年、日本口蓋裂学会が、いろいろな科の認定師の制度を初めて設立しましたので、よい機会だと考え、昨年、申請しました。症例提出、その他の審査を受け、この4月に認定されました。おそらくは唇顎口蓋裂患者さんのほとんどは、大学病院に通院しており、地方都市では、手掛ける矯正医は全国的には少ないと思います。現時点では、矯正歯科分野では全国で134名、北海道では私1名です。いままで、口蓋裂の児に教えられ、治療を続けることができた勲章かなとおもい、いままでお世話になった方へ深く感謝しております。

また、唇顎口蓋裂児は、体表の先天異常ではも頻度が高く、知的な問題を持つ子が少ない障害です。函館の人口は現時点で、26万人ほど、周辺をわせて30万人ほどですので、唇顎口蓋裂児の発生頻度0.0018をかけると540人ほどの方がおられることが予想されます。当院に来ていただいている子は、200名以上ですので、ほとんどの方が当院に来ていることになります。市内で出産された唇顎口蓋裂の赤ちゃんのほとんどは、中央病院形成外科を紹介受診し、多くの方々が、チームアプローチ一員としての当院をこの30年にわたり受診しております。15年前には、形成外科科長木村先生より、PNAM(術前鼻歯槽形成)について相談されました。その患者さんは、重い心臓の障害のため、全身麻酔が受けることが出来なかったため、1歳を過ぎるまで口唇顎口蓋裂の手術を受けることが出来なく経管栄養のみで栄養補給をされていました。CTを撮影し、そのデータをもとに。北海道工業技術センターの協力を頂き、当院の上野技工士長とともに、顎の模型を作成し、全道で初めて患者さんに装着したところ、今まで経管栄養だけでミルクを飲んでいた児が、哺乳瓶を吸うことが出来るようになり、喜んだことを思い出しました。その子は、現在問題なく、高校生活を歩んでいます。
また、2006年に「谷間のこう蓋裂児ーこの子ら健保をー 再発行 (2006.0224掲載分)」を、当時の5名の歯科衛生士により、発刊できたことを思い出し、うれしく感じております。函館中央病院の方々には、いろいろな面でご協力いただきました。退職された初代言語治療室の早坂先生には、教えて頂ながら、発音補助装置を作成したり、特に形成外科科長の木村 中先生には30年間にわたり、お世話になりましたことを深く感謝しております。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂( 2021年7月13日 「」掲載)

耳鳴りへの対処の仕方

脳神経外科2020/09/28

 耳鳴りは患者さんにとって、大変つらい症状ですが、医者泣かせの症状でもあります。いろいろ検査しても、原因を特定することはできず、治療薬も全くないと言ってもいいでしょう。何件も医療機関を受診したけど、何処へ行っても原因は分からず、処方された薬を飲んでも、さっぱり改善しないという声をよく聞きます。

 最近、テレビ番組でも取り上げられていましたが、耳鳴りへの対処方法は、耳鳴りを忘れることに尽きます。耳鳴りのある方は、そのために眠れないと訴えますが、耳鳴りがうるさくて眠れないのではなく、「何か悪い病気ではないか」という不安のために眠れないのです。MRI検査を受けたことのある方は御存じでしょうが、MRIの装置はかなり大きな音を出します。初めての方はびっくりしますが、慣れるとその騒音の中でも寝入ってしまう方が多いです。実は、人間は完全な静けさの方が苦手で、寝付けないものです。静かすぎると神経が研ぎ澄まされて敏感になり、眠れないのです。

 一方、耳鳴りに悩まされている方は、耳鳴りの音に気持ちが集中してしまい、気になって仕方がないのですが、そういう方でも、多くの場合、日中、何かに集中している時には耳鳴りを忘れています。世間には色んな音が溢れていますが、それらの音全てに気を使ってはいません。人は、自分が聞きたい音に集中することができます。或いは何かに気を取られると周囲の音は忘れていたりします。これが究極の耳鳴りに対する治療です。つまり、寝るときには耳鳴り以外の音を聴くようにして、耳鳴りから注意を逸らすのです。もしくは、音でなくても、何か別なことに注意を向けて、耳鳴りを忘れることです。

 ただし、此の対処方法は、耳鳴りの原因になる明らかな病気がないことを確認した後の話です。例えば、音を聴く神経に腫瘍があると、耳鳴りを伴うことがあります。そういった病気がないと診断されてからの対応だということを付け加えておきます。


Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税( 2020年9月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

LEDディスプレイから出る『ブルーライト』は何が悪い?

眼科2016/05/30

 最近、ブルーライトカット眼鏡が売り出されていますが、ブルーライトとは、バックライトにLEDを使う液晶モニターから多く発せられている光です。モニターは明るいほうが見やすいと思われがちですが、明るいとブルーライトがいっぱい入っているわけで、それが「眼精疲労」を引き起こします。また、肌にとっても、紫外線同様に悪影響を及ぼし、くすみやクマができると言われています。

 一方、ブルーライトによる良い面もあります。ブルーライトは、身体のリズムにも関係しています。海外旅行の時差ボケを解消するためには、太陽の光を浴びた方が良いのですが、これは「明るい=朝=目覚める」「暗い=夜=眠る」という体内のリズムに大きな影響を与えているのです。このリズムにちゃんと従い、昼間に太陽の強い光を浴びると、夜ぐっすり眠れます。しかし、現代社会では、朝から晩まで長時間パソコンやスマホなどをずっと触っているので、パソコンを長時間やった後に寝ようと思っても寝付けないことがあります。
ご自分では、頭を長時間使っていたからだと思うでしょうが、実は長時間ブルーライトを見ていたせいで、まるでずっと昼間の明るい中にいるように体内リズムがなってしまい、今が夜だとは認識できなくなってしまうせいなのです。

 この体内リズムの崩れによって「①睡眠障害②肥満③がん④精神不安定」などの影響がでます。
また、20年前に比べると、LEDディスプレイの普及により、あらゆるデジタル機器からブルーライトを知らぬ間にたくさん見ているので、目にも影響があり「①網膜へのダメージ②目の疲れ③目の痛み」などを引き起こします。以上のことから「パソコン作業は、なるべく長時間しないように控える。ディスプレイの輝度を調整する。ブルーライトカットのフィルターやメガネを使用する」などして健康的な生活を送れるように心掛けましょう!!

 パソコンやスマホ使用の多い方で症状がある方は、眼科にご相談下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子( 2016年5月30日 「北海道新聞夕刊」掲載)

最近よく耳にするようになった『過活動膀胱』 前触れもなく起こる急な尿意を感じたら泌尿器科へ!

泌尿器科2018/01/29

 過活動膀胱(ぼうこう)は男性、女性、若年、高齢にかかわらず誰もがなりうる病気です。
40歳以上では8人に1人が過活動膀胱の症状を持つと言われています。

 間に合わずに漏れそうになる、人よりもトイレに行く回数が多い、夜中に何度もトイレに行くので眠れない、おしっこをした後なんとなく気持ち悪い、などの症状があればそれは過活動膀胱かもしれません。

 泌尿器科には行きたいけどちょっと恥ずかしいし、どんな検査をされるのか不安。
こんな思いをされている方は多いと思います。しかし排尿に関する医療の進歩により、難しい検査をしなくても診断や治療ができるようになりました。

 泌尿器科を初めて受診された方へまず行うのは問診です。
症状や普段の状況を詳しく伺います。
そして病気に関連するいくつかの質問をさせていただき診断を導きます。
診断が確定できない場合には検査を行うことになりますが、その場合も尿検査や超音波検査など苦痛の少ないものを優先的に行うので心配はありません。
治療が始まった後は、症状の変化を確認し無理なく続けられる方法を相談しながら決定していくので不安なく継続していくことができます。

 過活動膀胱の原因はいくつもあるため治療によって効果が表れるまでの期間に数日から数週間以上と大きな差がみられます。
過去に泌尿器科を受診したが良くならず治療をやめてしまった方はいないでしょうか。
もしかすると治療期間が十分ではなかったことも考えられます。
また最初の診断では見つからなかった原因が他にもまだ残されていた可能性もあるでしょう。

 初めての方も、過去に治療がうまくいかなかった方も、排尿の症状で困っている方は泌尿器科へご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2018年1月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

何のために薬を飲むのか

 今に始まったことではありませんが、「高血圧の薬は一度飲むとやめられない。だからなるべく飲まないほうがよい」という噂が流れています。すでに高血圧の治療を開始されている方々には「そんなバカな」と思える噂かもしれませんが、高血圧を指摘され新規に受診される方々の約半数はこの噂を口にします。そんな時、詳しく聞いてみると、皆さんに共通する二つの誤解があるようです。

 ひとつは薬への誤解です。病気に縁の無い人は薬といえば風邪薬や頭痛薬など、治ってしまえばもう飲まなくてよい薬を想像するでしょう。しかし高血圧の薬はそうはいきません。そもそも高血圧症を「治す」薬ではないからです。血圧を下げる働きがあるだけで、薬を飲んでいる間は血圧を下げられますが飲まなくなれば元の高血圧になります。無症状でも血圧を下げたほうが良いのは動脈硬化の進展を防ぎ、心筋梗塞や今話題の脳卒中になる危険性を減らすためです。

 もうひとつの誤解は「一度飲んだら」という部分にあります。先に述べたように血圧の薬は頭痛薬などと違って長期間飲む必要がありますが、その理由は「薬を飲み始めたから」ですか? そうではありませんね。先のお話を踏まえれば高血圧が治っていないから飲み続けるということがわかると思います。

 親しい人から聞いた噂を初対面の私が打ち消すのは容易ではありません。診察時に噂が正確でないことを説明しますが、半信半疑の方も多いようです。

 そこで皆さんにお願いです。身近に未治療の高血圧の方がいませんか? きっと噂を信じているはずですからそれは誤解だと説明してください。噂のために身近な人が心筋梗塞や脳卒中になってしまっては後悔しますよ。


Text by はらだ消化器科クリニック 原田 博幸(  「」掲載)

寒くなってきたので

循環器内科2008/08/13

 階段を上がる時や荷物を持って歩く時に、胸が締め付けられるように苦しくなる、
「狭心症(きょうしんしょう)」と言う病気があります。

 冬の寒い朝、出かける時になって初めて、胸が苦しくなるのが、最初の症状としては多いようです。普通、運動をする前には準備運動をするように、心臓も朝はウオーミングアップが必要です。部屋が寒い時には、フトンの中で3~4回寝返りを打ってから起きるとか、寝坊をしてバタバタと出かけなければならない時も、少しだけ時間をとって、体が温まってから出かける方が、心筋梗塞などの心事故を予防できて、安全な暮らし方です。

 症状が軽い時は、5~10分で胸痛が鎮まりますが、それは「そのまま放って置かずに専門医にかかってネ」と言う心臓からのメッセージです。耳を傾けて、専門医に相談されることをお勧めします。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨(  「」掲載)

頻尿や尿もれを減らす方法

泌尿器科2019/01/28

 トイレが近い。
急にもよおして我慢ができない。
尿意を感じてからトイレまで間に合わない。
これは過活動膀胱(ぼうこう)と呼ばれる状態です。

 緊張した時やトイレの心配をした時にすぐにしたくなってしまう。
あるいはそうならないよう常に早めにトイレへ行ってしまう。
これは習慣性・心因性頻尿と呼ばれる状態です。
これらの頻尿や尿もれは膀胱訓練により改善される可能性があります。

膀胱訓練とは

 トイレに行きたくなっても我慢をする訓練です。
最初のうちは毎回5分くらいをめどに我慢することを心掛けます。
5分の我慢ができないこともありますが、その場合はその時できる時間で我慢を繰り返しましょう。
尿意が強い場合は尿道やお尻の穴を締めるよう力を入れたり、服の上から尿道出口を手で押さえるようにしながら慌てずゆっくり深呼吸をすると尿意がおさまり我慢がしやすくなることがあります。

 5分の我慢が容易にできるようになれば、その後の膀胱制御はより確実なものになるでしょう。
あとは無理をしないで少しずつ10分、15分と時間を延ばしていきます。
毎日繰り返し実行することで、やがて尿意は弱くなりトイレの心配もなくなります。

 膀胱訓練の治療効果を高めるためには生活習慣の改善も必要になります。
まだもよおしてもいないのに念のためにトイレへ行く習慣はなるべく控えましょう。
少ない尿量で排尿を繰り返すと次第に尿意は強くなり、もっと少ない尿量でもトイレに行きたくなってしまいます。

 膀胱訓練は過活動膀胱診療ガイドラインなどでも高く評価されている優れた治療方法です。
ただし、頻尿や尿もれを来す病気には膀胱炎や膀胱がん、尿路結石症など膀胱訓練が不向きなものもあります。
血尿や排尿痛、腹痛など頻尿以外の症状を伴っている場合は、まず医療機関へ相談しましょう。
また、膀胱訓練によっても全く効果が得られない場合は、薬物療法の検討や他の病気の可能性がないか評価する必要があります。
このような場合にも医療機関への受診がすすめられます。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬( 2019年1月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

はこだて医療情報に登録されている詳細ページリスト(50音別)

医科 歯科  
医科 歯科  
医科 歯科  
医科
医科 歯科  
医科 歯科  
医科 歯科  
医科