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逆さ睫毛(まつげ)を永久脱毛

眼科2008/08/13

 高齢者の逆さ睫毛(まつげ)は主に2種類有ります。

 一つは瞼(まぶた)の皮が余ってしまうため瞼が内側を向いて睫毛が目にめり込んでしまう<眼瞼内反症:がんけんないはんしょう>、もう一つは瞼の形は普通なのですが目の方向に睫毛が生えてくる異常な毛根ができてしまう<睫毛乱生症:しょうもうらんせいしょう>です。

 眼瞼内反症の場合は、余った皮膚を切除して瞼を外側に向かせる手術をします。細い糸を使って縫合(ほうごう)するので傷口はほとんど残りません。

 睫毛乱生症の場合は、目の方向に生えてくる睫毛の毛根ひとつひとつに細い針を差し込み電気をかけて毛根を焼いてしまう<睫毛電気分解術(毛根破壊)>という処置をします。

 もちろん麻酔をしてからしますので痛みもありません。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

まだまだ、しもやけの季節です

皮膚科2017/03/13

 しもやけは寒さによる末端の血行障害で、厳冬期よりも昼夜の温度差が10度以上ある初冬と初春に多いといわれています。
特に足指や耳、頬が赤く腫れ、時に水疱(すいほう)となり、温めると痛みや痒(かゆ)みが強くなります。
治療は血行を促す外用剤を優しくマッサージしながら、1日に数回塗布します。
炎症が強い場合には、ステロイド剤を使用することもあります。
重症の場合はビタミンEや漢方薬を内服することもありますが、症状が出る前の秋から始めると、予防効果があるといわれています。
手洗いや発汗後の水分が蒸発することで熱が奪われ、しもやけになりやすくなりますので、タオルで水分をしっかり拭き取ったり、靴下を交換することが大切です。
発熱や関節痛を伴ったり暖かい時期でも症状が続く場合には、他の疾患のこともありますので、その時は皮膚科受診をお勧めします。


Text by うめき皮膚科 梅木 薫( 2017年3月13日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

クモの巣状静脈瘤の治療

内科2019/07/29

 下肢静脈瘤(りゅう)は太い血管がボコボコ浮き出ているものばかりではありません。足首周囲、膝裏、ふくらはぎなどに赤紫の細い1㎜以下の血管が見えていることがあります。これがクモの巣状静脈瘤です。皮膚内の毛細血管が拡張したもので、静脈瘤の一種です。

 欧米人では10代の若い頃から大腿部など広範囲に見られることもがありますが、日本人の多くは年齢が高くなるにつれて足首辺りから土踏まずにかけてたくさん出てきます。太い静脈瘤と違いむくみ、だるさ、痛みなどを起こすことはありませんが、まれに局所が火照ることがあります。

 原因は体質や加齢に伴う変化と言われています。ただし注意しなければならないのは太い静脈瘤が隠れている場合です。むくみやだるさを伴う場合は診察を受けられるのが良いでしょう。

 クモの巣状静脈瘤の治療は大きく2通りです。一つは硬化療法、もう一つはレーザー治療(自費)です。硬化療法では血管を固める薬を静脈瘤内に注入します。1㎜以下の血管ですから極めて細い注射針を使いますが、薬液に刺激性があり若干の痛みがあります。また皮膚の体質によっては薬液への反応で色素沈着を来すこともあります。

 レーザー治療は皮膚の表面からレーザーを照射する方法で、施行中はゴムで弾かれるような痛みがあります。いずれの方法も目立ちにくくなるには半年程度かかります。

 クモの巣状静脈瘤は自覚症状が出るものではなく、原則経過観察で構いません。ただし加齢が原因の一つであるため徐々に広がってくる可能性があります。そのため治療の目的は美容的な意味合い(見栄えの改善)が主となります。

 まずは正しい診断と患者さんにあった治療の選択が重要です。赤紫の細い血管が目立ってきたら一度医療機関でご相談下さい。専門科は心臓血管外科です。


Text by こにし内科・心臓血管クリニック 小西 宏明( 2019年7月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

歯の浮く話

歯科2011/12/05

 皆さんの中には疲れたりすると歯が浮いてくる方もいらっしゃると思います。
これは歯の根の部分と骨の間に歯根膜という緩衝材の役割をする膜があります。 歯が浮いたり噛むと痛いという症状は、歯根膜の毛細血管がうっ血して炎症を起こしている場合が多いようです。
歯根膜は周りを骨で囲まれているので、腫れると歯を持ち上げるので歯が浮いてしまうのです。
疲れた時には血行障害を起こしやすいので歯の浮く原因になります。
また、硬い物を食べた時や歯を食いしばる様な運動をした時などにも浮くことがありますが、一過性のものであればあまり心配はいりません。 しかし、虫歯や歯周病が原因で浮いている場合は、菌の活動が活発になって症状を悪化させる場合もありますので、長引いたり、頻繁におこるようであれば、かかりつけの歯科医に相談してみて下さい。


Text by かも歯科クリニック 加茂 勝巳( 2011年12月5日 「みなみ風」掲載)

みずむしのお話

皮膚科2012/05/31

 暖かい季節になると足の裏や指の間がムズムズとかゆくなってきたり、皮がむけてきたりすることはありませんか?
今回はみずむしのお話です。

 みずむしは白癬菌というカビが皮膚に寄生することによりおこる感染症です。
この菌は高温多湿の環境で活発になるため今の時期に目立ってくるのです。

 『足の裏や指の間の皮がジクジクしてめくれてくる』、『カサカサして皮が厚くなる』、『爪が変色してくる』などが代表的な症状です。
かゆみは無いこともあり、また上記の症状があってもみずむし以外の皮膚病であることもあり、診断は顕微鏡検査で行います。
治療はタイプよって異なり、外用剤だけの場合、飲み薬を併用する方法、専用の機器で爪を削るなどさまざまです。
治りにくいと言われていた爪みずむしに効果のある治療法も出て来ました。

 白癬菌自体の感染力は強くはありませんが、みずむしの人が素足で使用したスリッパや浴室の足ふきマット、カーペットなどは感染源となります。
スリッパは共用しない、マットやカーペットはこまめに取り替えたり掃除機をかけるなど、感染を広げない注意が必要です。
足以外にも手や股、体や頭にみずむしが出ることもあります。
自分の足からだけではなく、飼っている動物や、最近では格闘技などのスポーツ中に試合相手から感染する外国からきた白癬菌もあります。

 近年では女性のみずむしも増加しています。
温泉やスポーツクラブに行ったり、ブーツを履いたりなど、ライフスタイルを反映してのことと推察します。
みずむしは放置すると傷口から雑菌が入り足が腫れてしまったり、爪みずむしの場合では歩きにくくなったりなど生活に支障がでることが少なくありません。
感染するかどうかは白癬菌に対する免疫力の違いによるもので、みずむしイコール不潔ということではありませんので恥ずかしがる必要はありません。
疑わしい症状のある方はお早めに検査、治療を受けられることをお勧めします。


Text by みなとまち皮膚科菊地医院 菊地 誠一( 2012年5月31日 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

風邪の季節になりました

内科2012/11/30

 風邪は、鼻やのど・気管支などの粘膜の炎症の総称です。
高齢者や、糖尿病・がんなどの病気を持っている人は細菌感染が原因となる確率が高くなるといわれていますが、一般的にはウイルス感染が原因です。
風邪の原因となるウイルスは何百種類もあり、インフルエンザなど一部を除いては、予防や治療をすることは出来ません。
細菌感染が原因の場合は抗生物質で効果がありますが、ほとんどの場合はウイルス感染が原因であるため、風邪の初期には抗生物質を飲んでも効果は期待できません。

 現在、風邪薬として市販されていたり病院で処方したりする薬は、風邪そのものを治療するのではなく風邪の症状を和らげる薬で、本当の意味で風邪を治すのは自分自身です。
私達の体はウイルスが体の中に侵入すると、いろいろな手段を使って排除しようとします。
鼻や喉から侵入したウイルスを排除するために鼻水や、咳や痰(たん)が出たりします。
ウイルスを攻撃する白血球やリンパ球は温度が高い方が活発に活動するため、活動しやすいように体温を上昇させます。

 逆に、インフルエンザも含め、風邪のウイルスは温度があまり高いところでは増えにくいということがわかっています。
熱が出るのは、体温を上昇させて効率よく免疫細胞を働かせ、ウイルスの増殖を抑えるという効果があるのです。
ですから、熱が出たからといってあわてて解熱剤を飲んで体温を下げると、逆にウイルスを増やしてしまい、風邪の治りを遅くしてしまう場合があります。
ウイルスとの戦いにエネルギーを消費するため、だるさが出たり、消化の働きがわるくなるため、食欲が落ちたりもします。
そんなときには無理をせず、水分補給だけにするか、消化のよいものを摂った方がよいでしょう。
風邪のひき始めは暖かくして、しっかり休養をとることが大事です。

 薬はあくまでも症状を和らげることが目的ですから、薬を飲んでいるからと安心して無理をすると、逆効果になってしまいます。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2012年11月30日 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

肝臓が悪いと言われたら

内科2014/08/25

 健診の結果で「肝臓が悪い」と言われたことのある方もいらっしゃると思います。
同時に「精密検査を受けてください」とも言われると思いますが、それにはれっきとした理由があります。

 肝臓が悪くなる原因は数多くあります。
脂肪肝、アルコール、薬剤などが代表的な原因ですが、最も問題となるのはB型肝炎・C型肝炎などの肝炎ウイルスが原因の場合です。
わが国ではB型肝炎ウイルスに130万人、C型肝炎ウイルスに180万人が感染しているといわれています。
これらのウイルスが感染して慢性化すると長年にわたって肝臓を痛めつけ、肝炎から肝硬変へと進行した末に肝臓がんが発生します。
肝硬変は肝臓全体ががん発生の予備状態になっているため、がんは1個ではなく複数個できる場合もあります。
したがって、感染していることをできる限り早期に発見して、その一連の進行を食い止めることが極めて重要なのです。

 これらのウイルスは主に血液を介して感染します。
母親からの出産時の感染、輸血、入れ墨、薬物乱用、性行為などさまざまな経路がありますが、実際にはいつどこから感染したのか経路がはっきりしない場合も少なくありません。
感染は一過性で終わる場合もありますが、慢性的な感染状態になっても厄介なことに数十年にわたって症状を現わさないため、採血での肝臓の数値異常から偶然発見される場合も多いのです。
精密検査を勧められながら「肝臓が悪いのはお酒のせい」などと自己判断で放置すると、重大な結果を招くことになりかねません。

 精密検査は採血で肝臓のより詳しい状態と肝炎ウイルスの有無を確認し、さらにエコー・CT検査で肝臓の形の異常や腫瘍の有無などを評価して総合的に診断します。
万一肝炎ウイルス陽性だった場合はウイルスの種類や肝障害の程度、患者さんの年齢などを勘案して抗ウイルス療法を検討することになります。
精密検査を勧められた時は決して放置せず、必ず消化器内科専門医を受診しましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2014年8月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

ちょっと待って、その寝酒

 職場での健康診断が多くなる時期には、肝臓の検査値異常や中性脂肪の高値を指摘された方がちらほら来院されます。

 お話を聞いてみると、眠るためにお酒を飲んでいると言う方も少なくありません。
この場合、寝酒が体を悪くしていることも考えられます。

 眠る事ができれば、お酒は飲まなくても良いというお話をされますので、睡眠導入剤(眠り薬)の服用を勧めるのですが、多くの方は躊躇(ちゅうちょ)されます。癖になるのではないか、副作用が出るのではないかと心配されるようです。

 でも、考えてみてください。寝酒は癖になっていませんか?
 肝臓の異常や中性脂肪の高値というお酒の副作用は出ていませんか?

 眠るためにだったら、上手に睡眠導入剤を利用したほうがお酒より体に害は無いのです。

 『眠るため』というのを言い訳にして寝酒を飲むお父さんも、もう言い訳は無理ですよ。


Text by はらだ消化器科クリニック 原田 博幸(  「」掲載)

妊娠中のサプリメント「葉酸」

産科婦人科2010/03/21

 妊婦さんに、サプリメントについて質問されます。
実家から送られてきたのですが飲んでもよいでしょうか。
夫が買ってきたのですが、カルシウムを摂るように、鉄を摂るように等々です。

 今は飽食の時代と言われており、余程の偏食の方以外は太りすぎのための難産が問題になっているのですから殆ど必要ありません。
但し葉酸だけは別です。

 2000年12月28日に、厚生労働省から先天異常『神経管閉鎖傷害』の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性に対する葉酸の摂取に係わる適切な情報提供の推進についてという通達が出されています。

 それは妊娠1ヶ月前から妊娠判明後3ヶ月の間、毎日食事で摂取する葉酸“通常、食事では200マイクログラム”に加えて400マイクログラム葉酸を摂取することで、神経管閉鎖傷害の発症リスクを低減することが期待できる。という情報です。

 葉酸とはほうれん草から分離された、ビタミンB群の一種で体内で代謝され細胞増殖や成長に不可欠な補酵素として働きます。
盛んに細胞分裂を繰り返し成長を続ける胎児にとって重要な栄養素です。
葉酸は生体内では産生できないため、必要な量を対外から摂取しなければなりません。
また体内では非常に不安定なため毎日一定量以上の補充が必要です。熱に弱く、食物を加熱すると含有量が減少してしまいます。
葉酸の不足によって起きるのは神経管閉鎖傷害ですが、妊娠中毒症、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児発育遅延、口唇、口蓋裂等の妊娠合併症にも関与していると考えられています。

 神経管閉鎖傷害とは無脳症、二分脊椎、髄膜瘤、脳瘤、等です。

 他に動脈硬化、心筋梗塞、血栓症、脳血管障害、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、白血病との関連も指摘されています。


Text by 松浦 敏章( 2005年7月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

妊娠と薬

産科婦人科2010/03/19

 妊婦さんから受ける質問で多いものに薬の事があります。
妊娠中の薬の服用に関して、サリドマイドによる薬害「サリドマイドという睡眠薬やサリドマイドを含む胃腸薬を、最終月経より32日目以降52日までに服用した妊婦さんが、特有の特徴をもった奇形児を出産した。」後、医師も一般の人達にも慎重を要する事が認識されて来ました。そのため妊娠がわかる前に知らないで飲んだ薬のために中絶を希望される方もいます。
また、妊娠がわかった後で治療が必要になっても、産科医が処方する薬まで拒否する方もいます。

 妊娠中に頻繁に使用する薬は消炎、鎮痛薬、総合感冒薬、抗生物質、胃腸薬、抗ヒスタミン薬などです。
これらの薬には催奇形性はありません。
但し、鎮痛薬には妊娠末期に使用すると、胎児循環に悪影響を及ぼすことがあります。

 産科医が薬を処方する時は、その薬の胎児への影響、妊娠がどの時期かを考慮して処方します。
妊娠4週から16週までが一番慎重を要する時期、特に4週から7週末までが胎児の中枢神経、心臓、消化器、四肢などの重要臓器が発生。
分化し催奇形という意味でもっとも重要な時期です。

 妊娠がわかる前に使った薬、他科の先生が処方した薬などが心配であれば、薬の名称、内容が書かれた箱、薬の入れものなどを持って産科医に相談してください。

 慢性の内科疾患、糖尿病、甲状腺疾患、高血圧、膠原病、やてんかん、精神科疾患などで薬を常に服用している方は、妊娠してから悩むのではなく、妊娠を希望するのであれば、主治医の先生にその薬を服用したままで妊娠していいのか相談してから妊娠するようにしてください。


Text by 松浦 敏章( 2006年7月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

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