メディカルスキンケアと美肌点滴
肌のトラブル『肌の荒れ・しみ・くすみ・しわ』を改善するためには、肌の表面だけの治療ではなく、体内に欠乏している『各種ビタミン、ミネラル』を同時に補給することでより早く効果が期待できます。
点滴によって成分がほとんど、血液にて細胞や組織に直接活性を与えることで、短時間に全身の新陳代謝が盛んになり効果が実感できます。
最近では、ワンランク上の美肌メディカルスキンケアは高濃度のビタミンC、ミネラル、プラセンタ(胎盤エキス)などの点滴療法と同時にしみ・しわのフォトRF治療(IPL・高周波)・レーザー治療(レーザーピーリング・レーザーフェイシャル)でストレスによって疲れた肌の免疫能力を改善させ、くすみのない美しい肌へのメディカルスキンケアと肌老化予防の時代です。
注目されている点滴療法のマイヤーズ・カクテルは、アメリカの開業医で広く行われている高濃度のビタミンC(4000mg)、ミネラルの点滴で、ビタミンB(B1、B2、B5、B6、B12)、ミネラル(Ca、Mg)を症状に応じて全身の細胞に直接送り込み、免疫改善、肌などの老化予防、慢性皮膚炎、慢性疲労、耳鳴り、線維筋痛症など一般的治療に抵抗性のある疾患に効果があります。
また美肌の点滴療法では、この点滴にプラセンタ『人の胎盤から抽出した各種アミノ酸、酵素、核酸、ビタミン、ミネラルなど細胞活性因子』を併用します。
◎こんな所が気になる方に
・お肌のトラブルが気になる方で、仕事が忙しく時間がない方
・最近疲れやすく、お肌の老化が気になる方
通常、週に1~2回のペースで継続されることが理想です。
所要時間は30分程度です。
点滴を定期的に続けることで、しみ、くすみ、しわ、肌の荒れ防止に効果を発揮します。
屈折矯正手術、最近の話題
皆さんの中には今より少しでも見えるようになりたいと考えている方が多いと思います。特に、現在メガネやコンタクトレンズを使用している方は、なおさらでしょう。
それを可能にしたのがレーザー屈折矯正手術、いわゆるレーシック(LASIK)です。レーシックについては以前にこのコーナーでも取り上げられたと思いますが、エキシマレーザーを用いて近視をはじめ遠視や乱視を矯正する手術の事です。実際、この手術を受けたほとんどの方が1.0前後の裸眼視力を得ており臨床的に満足できる方法といえます。ただ、まったく問題がないわけではありません。これは何故でしょうか?
実は、視力とは涙液層(涙の膜)・角膜・水晶体・網膜といった眼球全体が関与しているため、一般に言われている近視・遠視や乱視だけではなく、一人一人違った眼球全体からみた歪み(収差)・光の量を調節する瞳の大きさ(回折力)・物を見るための細胞の数(視細胞密度)のバランスが保たれている必要があります。これに対し、レーシックに限らずメガネやコンタクトレンズを含めた今までの屈折矯正は角膜表面のみで考えられており、また収差による影響によって、にじむ感じや夜間視機能の問題が起きるといわれています。したがって、この収差をも消すことができれば、より安定した視力が得られる訳です。
その方法がウェーブフロントです。この方法は、従来のレーシックに加えて波面センサーという個々の症例の収差を解析できる装置を用いて、より精密に個々にあった照射(カスタム照射)を行うものです。そうすることによって従来の術式では不可能であった
(1)不正乱視の治療
(2)にじむ感じや夜間の視力低下などの改善
(3)理論的には無収差に矯正できるため裸眼視力2.0以上のいわゆるスーパービジョンも可能になると考えられています。
メガネやコンタクトレンズで不満のある方は、一度眼科医にご相談してみてはいかがでしょうか?
手のしびれについて
「手のしびれ」の原因は様々ありますが、整形外科で多いものとしては肘部管(ちゅうぶかん)症候群と手根管(しゅこんかん)症候群の2つの疾患があります。
肘部管症候群は多くの場合、変形性肘関節症と合併し、肘の内側を通る尺骨(しゃっこつ)神経が圧迫されて発症します。症状は環指(かんし=薬指)、小指のしびれと握力の低下、手指の繊細な動きの障害などで、徐々に進行します。日常生活に支障が出る場合には神経の圧迫を除去する手術が必要です。
手根管症候群は手仕事をする女性に多く、母指、示指、中指のしびれを主症状とします。手関節の掌側で正中神経が圧迫されることが原因です。急性期には疼痛(とうつう)を伴い、神経の圧迫部位を刺激すると指先に放散痛も生じます。
再発をくり返す場合には、掌側手根靭帯を切除し、正中神経の除圧手術を行ないます。
男性の性(27)
勃起機能改善薬(ED治療薬)として世界で最も頻用されているPDE5阻害薬は、現在本邦ではバイアグラ・レビトラ・シアリスの3種が使用可能であると、前回までに書きました。
3種の薬剤とも、特に持病のない人が服用する場合は、ほとんど副作用のない良い薬ですが、安全かつ効果的に利用するためには注意する点もいくつかあります。
まずこれらの薬は、自然な勃起を促す薬で、服用すれば必ず勃起するわけではなく、勃起するためには性的刺激と興奮が必要です。
服用しても性的刺激がなければ勃起しません。
服用後約1時間後から、性的刺激を受け性的興奮すると勃起し、性的刺激・興奮が終了すると勃起は収まります(きわめて稀ですが勃起が4時間以上続き収まらない場合~持続勃起症~は不可逆的なEDとなってしまうことがあるので直ちに医師に連絡することが必要です)。
頭痛や顔のほてり、視覚障害(色が変化して見える)等の症状が現れることもありますがほとんどが軽度で一過性です。
最も重要な注意点は、狭心症などで硝酸剤(ニトログリセリンなど)を服用している人は絶対にこれらの5PDE阻害薬を服用してはいけないことです。
急激に血圧が下がって場合によっては死に至ることもあります。
日本では医師が処方する際にこの重要な注意点を強調するので事故は少ないと思われますが、医師の処方箋なしで購入できる国や直輸入で購入した人、他人から譲り受けた人、などで死亡事故が報告されています。
硝酸剤には飲み薬だけでなく、舌下錠、貼り薬、吸入薬、塗り薬、スプレー薬、注射薬などもあり、また、薬の名前に硝酸とかニトログリセリンとか書いていないものも多数あります。
医師によっては患者さんに、病名も硝酸剤ということも伝えずに投与していることがあり、自分が狭心症で硝酸剤を服用していることを知らない患者さんも多くいますので注意が必要です。
硝酸剤に関連した注意点はもう一つあります。(続く)
糖尿病あれこれ
これから忘年会・クリスマス・お正月、嫌でも食べる機会が増え、体重も増えそうな気配がします。
日本人の糖尿病は、盆と正月に悪くなると言われています。こんな時に、あれこれ考え、できることから実践しませんか?
まずは食事について。時代は低糖質。ご飯1膳=うどん1玉=6枚切りの食パン1枚半=角砂糖14個分の糖質です。
角砂糖に換算されると、とても怖い感じがします。ここで言いたいのは、この程度の糖質は普通の生活で十分消費できるので、ここに糖質を重ねないようにするのがポイントです。まずは500mℓペットボトルの清涼飲料水。角砂糖17個程度の糖質を含んでいます。これは不要ですよね! あとは、外食時のセットメニュー、ラーメン+半チャーハンなど、確かに魅力的ですが、追加した炭水化物が、さらに角砂糖を追加していることになります。角砂糖を20個もいれた紅茶は飲めないですよね?
炭水化物の重ね食いにはご注意を!
運動について。以前は20分以上かけないと脂肪燃焼しないと言われていましたが、現在では10分の運動を繰り返すことでも効果があると分かってきています。
目標は30分を週5日もしくは10分3回を5日間。ハードルが高ければ少なくてもかまいません。バス停1駅手前!少し歩きましょう! また有酸素運動ではなくても筋トレも効果があり、血糖値が下がりやすくなります。歩くのが苦手であれば室内で腹筋や腕立て伏せ、ラジオ体操またはストレッチをして背中の筋肉を大きく動かすのも効果的です。これから雪が降るので、転倒の危険もあり、室内での運動もお勧めです。
最後に毎日体重計に乗りましょう。1日2回の測定がお勧めです。少しでも増えると食事の見直しができて、あまり体重が大きく増えたりしなくなります。体重は、量らないと、あっという間に2~3㎏簡単に増えますよね? 体重が2㎏増えたら2ℓのペットボトルが自分の体についたことになります! このようにしてダイエットのモチベーションを維持し頑張りましょう。
あきらめないこと、少しずつでも変えていけば時間とともに良くなるはずです。
そう!明日からではなく、今日からスタートしましょう!
脳波検査の復権
以前、この欄の「脳を鍛える」話で、脳を鍛えるには繰り返すしかないと書きました。
実は、「鍛える」目的でなくても、「繰り返す」ことで「身に付いてしまう」ことがあります。
脳は何億という神経細胞が電気信号を伝える回路の塊です。
脳の神経細胞の回路は、繰り返し電気信号が流れることにより、信号が流れやすくなります。
これが「繰り返す」ことで、知識や技術が身に付く基本原理です。
ところが、厄介なことに都合の悪い事まで身に付いてしまいます。
その代表が「てんかん」です。
「てんかん」の発作は、脳の一部から異常な電気信号が生じ、それが広がることで、けいれんを起こしたり、意識を失ったりします。
発作を繰り返すほどに出やすくなってしまいます。
この広がりを抑えるのが薬の働きです。
「てんかん」には、ネガティブなイメージがついて回りますが、新薬が次々に開発されている上に、一生薬が必要とは限らないことも、これまでの経験で分かっています。
時には、異常な信号の発生源が特定できて手術で完治することもあります。
脳の電気活動を見る目的で行われるのが脳波検査ですが、「てんかん」の異常な電気信号を見るのに、この検査が大変役に立ちます。
しかし、近年は、断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)といった形を見る検査方法が発達してきた一方、脳波は判読が難しく、重症の頭部外傷や脳卒中の後遺症を除けば、成人してからの「てんかん」の発症は少ないと考えられていたため、脳波を検査することが減ってきていました。
ところが最近、脳波計もデジタル化して見やすくなり、再び注目されています。
特に成人、それも高齢者では想像以上に、「てんかん」発作が起きていることが分かってきています。
一時的な意識障害、一過性のまひなど、脳卒中の前触れを疑わせるものの中に「てんかん」が潜んでいるらしく、脳疾患急性期の脳波検査が再び注目されています。
CT、MRIで脳の形は見やすくなりましたが、働きを見るには、古くからの脳波検査がまだまだ必要です。
プラネタリウムと歯科矯正
まったく関係のない2つの言葉ですが両方とも子供たちのために歯科医となってから興味を持ち勉強し始めたことです。
歯科矯正学は、一般になじみがあまりないと思いますが、唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)の子どもたちを医科大学がない地方都市の函館でも高度な優れた治療を受けることができるように歯科大学を卒業後、口腔外科と矯正歯科の医局での9年、米国・カナダでの口蓋裂治療現場を回り、経験。
その後、函館に戻ってきたわけです。
また、プラネタリウムは上映施設のない函館でも子どもたちに自分の技術で見ることができる環境を作ろうと考えて8年前より続けていることです。
両方とも子どもたちに喜ばれている分野ですが、プラネタリウムのほうは、見た子どもから直接、「楽しかった」と言われることが多い分野です。
よくある良性皮膚腫瘍 ~石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)と眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ)
■石灰化上皮腫皮膚の下に石灰のような硬いものができる良性の皮下腫瘍です。
毛母腫ともいわれ毛根から発生してくる腫瘍です。
比較的若い人に多く、小児の眼の周囲、腕、頚などによく見られます。
通常は特に症状はなく、皮膚の下にコリコリとした硬いものが触れるだけです。
時に炎症を起こすこともあり、そうなると痛みが出てきます。
この腫瘍は良性で、ゆっくりと大きくなってきますが、自然に治ることはありません。
また、軟膏や内服薬で治ることもありません。
細菌が入って化膿すれば腫れてきます。
治療法は、手術による切除が普通です。
年齢と腫瘍の大きさによりますが、小学生低学年以下では全身麻酔が必要なこともあります。
それ以上でしたら局所麻酔でも可能です。■眼瞼黄色腫まぶたにできる黄色い皮膚腫瘍です。
上のまぶたの内側に出ることが多く、中年以降の年齢に多く見られます。
高脂血症、抗コレステロール血症の方に出やすいといわれています。
炎症を起こしたりすることもないので、痛みなどの症状は特にありませんが、徐々に腫瘍が大きくなってきます。
この腫瘍も良性ですが、薬での治療はできません。
治療は手術による切除です。
まぶたという場所ですのであまりに大きいものはそのまま縫合できなくなり、植皮などが必要になることもあります。
また、良性ですが、再発の多い腫瘍ではあります。
鼻の調子が悪く、いつまでも治りません。単なる風邪ではないのでしょうか?
症状が2週間も続くならアレルギー性鼻炎の可能性も。
子どもの場合には続発する中耳炎も心配。早期受診が大切
冬といえば風邪の季節ですが、その中で一見風邪の症状だと思っていたものが、実はアレルギー性鼻炎による症状の悪化である場合が意外と多く見られます。
風邪だと思っても、症状が2週間も続くようであれば何らかの慢性的な状態が考えられます。
また、必ずしもアレルギー性のものではない場合もあるため、いずれにしても医療機関で検査してみる必要があります。 通年性のアレルギーは基本的にハウスダストやダニが原因で、すでに鼻は過敏な状態にあります。
そこに冬場は寒暖差や湿度差が激しいなどの物理的刺激が多くなるため、鼻の調子が悪くなりがちになるのです。
経験的に秋口から寒くなって、乾燥が進む季節に入ると調子を悪くして不安定な状態に陥る人が多いので、その季節から注意が必要です。
ただアレルギー性鼻炎の発症を予防することは難しく、すでにアレルギー性鼻炎と診断されている人であれば、事前に薬を飲むなどの対策もとれますが、既往症がない人ではいかに初発症状を見逃さず、少しでも早く専門医を受診することが大切といえます。 特に注意しなければならないのは、子どものアレルギー性鼻炎で、意外と放置された状態のままの子どもが多いのです。
鼻の状態が悪いと風邪をひきやすく、またアレルギーなどで鼻の状態が常に悪ければ、いずれ鼻の機能がまったく失われてしまいます。
例えば鼻から空気を吸った際に、鼻の中で粉塵(ふんじん)や細菌を取ったり、空気を加湿化し肺に送るという大事な機能がまったく破綻してしまうわけです。
当然あらゆる感染症にも罹りやすくなってしまいます。 さらに鼻の状態が悪いと、結果的に中耳炎にも罹りやすくなるのです。
中耳炎が子どもに多いのも、そういったことが関係していて、多くの場合、風邪から鼻の調子を悪くしてしまい、続発的に中耳炎を起こしているのです。
そのため中耳炎の発症も冬場に多く見られます。
その意味では、中耳炎の治療のポイントは、鼻の状態のコントロールにあるということがいえるわけです。
また、治療には抗生物質の適切な使用が重要です。
一般的風潮として抗生物質は敬遠されがちですが、特に幼少期に起こす中耳炎や鼻炎の細菌の種類は決まっていますので、その動向を見極めて適切な抗生物質を選び使用することで、それぞれの症状も速やかに改善されます。 耳鼻科は基本的に感染症外来です。風邪も感染症ですので、鼻の調子が悪いなどの症状が長く続く場合や、特に学童期以下の子どもの場合には、まず耳鼻科への受診をお勧めします。
耳鼻科医のつぶやき
日常診察で耳鼻科医が困ってしまう疾患を二つ挙げてみましょう。 一つは、のどに何かがつかえている、ひっかかっている感じがする。
これは咽喉頭異常感症と言います。
診察しても器質的には何もないので、何ともないと話しても患者さんは納得してくれません。
多くの場合、患者さんはのどにがんができているのではないかと思い悩み、おそるおそる来院します。 この疾患の特徴は、食事中や何かに集中しているときは気にならないことです。
50歳前後の更年期の女性に圧倒的に多く見られます。 更年期なので仕方がないというと怒る方もいますので、慎重に顔色を伺いながら原因となるさまざまな要素、例えば鉄欠乏性貧血や胃下垂はないかと聞き出していくわけです。
十分説明し、画像を供覧することで安心させてやることが一番の薬だと思います。 しかし、実際はかなり困難で、こちらも穏やかな気持ちで真摯(しんし)な態度で時間をかけて接しなければならず大変な労力を費やすことになります。
へたをすると患者さんと医師との信頼関係は崩れ、口論となってしまいます。
説明を聞いて安心したと言って帰っていただくまで気は抜けません。 同じ症状の患者さんが続いてこられますと疲れは頂点に達し、また同じ話を最初から始めなければなりません。
テープに録音しておいて渡して終わりにしたくなることもありましたが、そうはいきませんよね。
同じ症状でも患者さんは一人ひとり違うんですから。 もう一つ困ってしまう疾患に舌がピリピリする、舌が痛むと申す患者さんがいます。
これは舌痛症と言います。
これも器質的には何もできてはいないのですが、本人は痛いので何とかしてくれと申します。 原因としては現在内服している薬の副作用や義歯が合わないためなど考えられ、よくお話を聴いてさしあげるしかないのですが、すぐには治りがたい疾患なので苦労します。
耳鼻科医は外科医でもあり内科医神経科医の両面を持っていますが、神経科医的な立場にある時こそ、しっかりしなければいけないと日々心掛けてはいるのですが…。 私の診察室に1枚の大きな教会の絵が壁に掛かっています。
10数年前に亡くなった叔父の遺作です。
その絵の中からいつも叔父が私を見つめていて、仕事でいらついたり、患者さんに冷たく当たったりする自分を怒鳴りつけて説教してくださるんですよ。
真面目にヤレと!









