白内障手術
少し前、高齢ドライバーの起こした交通事故がテレビで盛んに報道されていました。それに関連し、十分な視力がないにもかかわらずハンドルを握っている高齢者は決して少なくないと日々感じています。
高齢者講習で視力不良を指摘されて来院し、メガネのレンズを調整しても視力が上がらない場合、その原因で最も多いのが白内障です。白内障の他に病気が見つからなければ、手術することで視力を回復させることが可能です。でも、手術は受診してすぐにできるものではなく、検査や全身状態の確認など、手術を成功させるための準備がいろいろ必要です。そのためまれではありますが、免許更新の日程に間に合わないこともあります。
宿題や年賀状、出掛ける支度など、早めの準備が大切なことは誰でも分かってはいるのですが…。
睡眠が及ぼす歯への影響
健康を保つために、良好な睡眠の確保は欠かせないものです。
スマホやパソコンのブルーライトが睡眠に悪影響を与えると言われており、寝る前のスマホ操作を控えておられている方もいらっしゃると思います。
また、睡眠不足が溜まっていくことを「睡眠負債」と言われており、免疫機能の低下や認知症、癌など深刻な疾病につながる可能性が指摘されています。
睡眠の質を高めることは大切で、睡眠が浅いと歯ぎしりが起こりやすくなります。
歯ぎしりはいわゆる就寝中にギリギリと歯をこすり、その大きな音のため周囲の人の睡眠もさまたげるものです。
この時の咬合力は強く、歯が擦り減ったり、欠けたり、割れたり、詰め物が取れたり、知覚過敏を起こしやすくなり、虫歯になりやすく、歯質そのものに大変なダメージを与えます。
また、歯質だけではなく周囲の歯周組織にも悪影響を与えて歯周病が悪化したり、さらに顎関節にも負担が及び、顎関節症が生じることがあります。
睡眠が浅くなる要因のひとつに、いびきや睡眠時無呼吸症候群があります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まることで睡眠が浅くなると言われており、自動車運転時に強い眠気が生じ、事故の原因となり大変危険です。
その他の要因にストレス、寝酒、喫煙(ニコチンの覚醒作用)、逆流性食道炎があげられます。
歯ぎしりに対してはこのような要因を改善すると効果があります。
また、歯や顎そのものを守るためには、ナイトガードと言われる就寝中に装着するマウスガードも効果的です。
ナイトガードの装着は歯ぎしりによる強い咬合力を分散させ、さらにナイトガードは歯よりもやわらかい素材で作られるのが一般的ですので、歯ぎしりが起きたとしても歯に対する外傷的負担は減らすことができます。
歯ぎしりでお悩みの方は歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。
不妊治療における人工授精(AIH)の位置づけ
不妊検査→タイミング法(+排卵誘発)→人工授精(AIH)→体外受精(IVF)というのが現在の不妊治療の一般的な流れだと思います。
AIHは費用、手技の面でタイミング法とIVFの中間的な位置にありますが、運動精子を子宮に入れるだけでその後は自然妊娠と変わりないので、対象を選んで行わないと無意味な治療になってしまいます。
当院ではAIHの対象を
①頸管粘液の性状不良
②精液所見不良(重症例除く)
③ヒューナーテスト(性交後試験)不良かつ抗精子抗体陰性
④性交障害に限定し、原因不明不妊にはAIHより腹腔鏡による原因検索を優先します。
IVFでは卵は卵巣→体外(受精)→子宮と腹腔内を通らず着床に向かうことができるので、卵管因子、子宮内膜症など腹腔内の不妊原因や抗精子抗体の他、顕微授精を併用し重症の男性因子にも対応できます。
妊娠に至らなくても受精の有無がわかるので、受精障害の診断としても有用です。
美しい横顔と矯正歯科
古い話ですが、海外での日本人の特徴は、メガネをかけ、細い目で丸顔、そして出っ歯、と良く言われておりました。顔は、人の前に地肌を直接露出する唯一の体の部分であり、その部分の変化により、好感を与えたり、また逆に不快感を与えることもある重要な部分です。わたしは、矯正歯科医として患者さんと接する機会を多く持てたため、仕事以外でも常に、この方をこう直したら横顔が良くなるだろうとか、ほほ笑んだときにはこのくらい歯が見え、口のカーブが上向きになるだろうとか、治療後における顔について想像してしまいます。周りにいる人がより美しくなってくれた ら自分も幸せですし、その方もより楽しい人生が歩め、自信に満ちた心を持てます。
よいE-ラインとは
鼻の先端と下あごのおとがいを通る線を、Eラインといい、唇がその線より一~二ミリ内側にあるのが美しい横顔といわれています。矯正治療後の横顔をより美しくするため、日本人の場合は、唇をなるべく下げるような目標を立てます。従いまして、上下の前歯を後方に移動するように治療します。
ガミー(歯ぐき)スマイルとは
笑うと上の前歯の歯ぐきが著しく見えてしまう状態をガミースマイルと呼びます。この場合も、やはり、大きな口を開けて笑うことができなくなりますので、手やハンカチなどで、口元を隠してしまいます。このような場合は、矯正歯科治療により、上の前歯を後ろに移動させながら上のほうに圧下させ、歯の位置を変えることにより改善します。このような治療は、成人を過ぎた方でも十分に可能であり、歯を削ったり、あるいは手術による方法では改善が難しく、矯正歯科治療のみが最も適しております。
矯正歯科治療は、顎(がく)変形症や奇形を除き、ほとんどが、健康保険では受けられない治療です。従いまして、治療を受ける際には、十分なコンサルタントが大切です。
花粉症と予防
花粉症とは、草木から飛び散った花粉が鼻や目に入り、アレルギー性反応(過敏性反応)を起こす病気です。花粉(抗原)が繰り返し入る(曝露)ことで、徐々にその花粉抗原にのみ反応するもの(抗体)が作られていきます。たとえば、スギ花粉症の方では、体内にスギにのみ反応する抗体がつくられていて、スギ花粉が体内に入ることで、さまざまな反応(くしゃみ、水溶性鼻漏、鼻閉の症状)を引き起こします。これらの症状は、鼻に入ってきた花粉を吹き飛ばし(くしゃみ)、鼻粘膜表面に付着した花粉を洗い流し(鼻汁)、さらなる花粉の侵入を防ぐ(鼻閉)といった防御反応ともいえます。このような花粉症の症状は原因抗体である花粉の飛散時期にのみ認められるわけですから、毎年のようにほぼ同じ時期にくしゃみ、鼻汁、鼻閉、目のかゆみなどがみとめられます。
スギ花粉症は、すでに本州では始まっておりますが、函館地方は3月下旬から4月下旬にかけて花粉が飛びます。その後、4月中旬からシラカバ、ハンノキ、ナラなどの樹木、5月中旬よりカモガヤなどのイネ科植物の花粉も飛ぶようになります。
花粉症の予防は、まず花粉を回避することが大切ですので、
1.花粉情報に注意する
2.飛散の多いときは外出を控える
3.飛散の多いときは窓、戸を閉めておく
4.飛散の多いときは外出時マスク、メガネを使う
5.外出から帰宅したら、洗眼、うがいし、鼻をかむなどに注意して下さい。
また、花粉が飛散する2~3週間前より、抗アレルギー剤を予防服用することにより発症が抑制されます。あらかじめ、耳鼻科医を受診されて御相談してください。
本当にただの脂肪肝ですか?
GWはいかがお過ごしでしたか? まさか体重が増えたりしていませんよね?
そろそろ健康診断の検査等が行われると思いますが、脂肪肝と書かれそのままにしていませんか?
たかが脂肪肝でも進行する脂肪肝があります。まずは、脂肪肝でお酒を飲む方は、飲み方を変えましょう。健康飲酒量は、缶ビールは500mℓ、日本酒・ワインは1合、焼酎は25度なら0・6合、ウイスキーはダブル60mℓが適量と言われています。少なく感じるかもしれませんが、これに近づける努力は必要ですし、場合によっては、休肝日を週に1~2日設ける必要もあります。
お酒を飲まない・ただ少し太っているだけという脂肪肝の多くは、単純性脂肪肝と言って進行しないものが多いのですが、中には非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれ、痛くもかゆくもなく、徐々に、肝硬変・肝臓がんと知らないうちに進行する肝炎も隠れていますので気を付けなければいけません。日本での検診受診者を100とすると脂肪肝が35%そのうちNASHは2%程度といわれています(※1)。病態については、生活習慣病が基本にあり、内臓脂肪の蓄積から肝臓の細胞にも脂肪沈着が起こり、脂肪肝となり、そこに鉄の代謝障害・酸化ストレス・脂質過酸化等の要素が加わり悪循環を形成し、NASHという進行性の肝障害がおこると考えられています。頻度は多くありませんが、症状がなく気が付くと進行しており確立した治療法がいまだにありません。まずは、減量が一番効果的です。肥満大国アメリカのガイドラインでは単純性脂肪肝は3~5%の減量・NASHの時は、10%の減量を目標にします。薬物ではEPA製剤(青魚の油)・ビタミンE(抗酸化治療薬)・インスリン抵抗性改善薬等の治療報告はあるもののいまだ内服治療のみでは十分な治療効果はなく、減量を行ったうえで内服治療を行うと効果が表れやすいようです。まずは、節酒・減量・そして検診結果を放置せず、再検査・定期検査を忘れずに!
(※1 日本消化器病学会誌47 2012年)
人には聞けない『痔(じ)』の話
冬の寒さが原因で痔が悪化することが多いこの時期ですが、20歳以上の日本人の10人に1人は痔だといわれています。
痔であることが恥ずかしい、まだ痛くはない、お尻を見せたくないと病院を受診しないため、早期のうちに治療できずに悪化してしまうことが多いようです。
痔は男性の方が多いイメージがありますが、実際は女性にも多く見られます。
女性が痔になりやすい要因として、便秘があります。女性は便意を我慢したり、生理前に女性ホルモンの影響で便秘を起こしやすくなること、また、出産時に強くいきむことにより痔を発症したり、悪化させたりする方も多く見られます。
これから痔にならないように、またこれ以上悪化させないポイントが三つあります。
①トイレで3分以上いきまない
トイレに新聞や雑誌を持ち込んでいる方はいませんか?
必要以上に時間をかけていきんでしまうこと、また、ウォシュレットで肛門を刺激して無理に便を出そうとすること、肛門を洗いすぎることも肛門に負担をかける原因になります。
まとめて便を出してしまおうと頑張りすぎないことが大切です。
②便秘や下痢をおこさない食生活・生活習慣を心掛ける
いつもより、30分早起きをして朝食をしっかりとることも大切です。
朝、空の胃の中に食べ物が入った瞬間に、前日まで腸の中に溜まっていた便が肛門の近くの直腸に下りてきます。
そして、直腸の壁を便が圧迫することによって脳に便意が生じます。
するとほんの少しのいきみで便を出すことができます。
少し早起きをすることで、学校や職場へ行く前に、自宅で排便する時間の余裕が生まれます。
③ゆっくりお風呂に入る
簡単にシャワーで済ませず、入浴して肛門付近の血行をよくすることも大切です。
痔の治療には、生活習慣の改善、薬物治療、手術がありますが、まずは生活習慣を改善し、痔となった原因を踏まえて治療していくことが重要です。
しかし、肛門からの出血は痔だけが原因とは限りません。
出血の1割は、大腸ポリープや大腸・直腸がんが原因の場合があります。
出血や肛門の異物感などの自覚症状が続く時は、きちんと検査をしましょう。
電動歯ブラシについて
電動歯ブラシと一口に言っても種類も値段も様々で、どれを選んで良いのか分かりづらいと思います。
電動歯ブラシは大きく分けると3つの種類に分けられます。
高速電動歯ブラシ、音波歯ブラシ、超音波歯ブラシの3つです。
高速電動歯ブラシはブラシが横や縦に振動又は回転するタイプです。
ブラシの振動数は概ね8000回/分前後のものが多く、手で磨くより汚れの除去の効果は高いと思います。
ただし歯と歯の境目や歯と歯茎の境目まできれいに磨けるかというと、少し物足りないという気はします。
次に音波歯ブラシです。高速電動歯ブラシとの違いはなんといっても歯ブラシの振動数です。
音波ブラシの多くが30000回/分前後です。
単純に振動数が4倍も違うため汚れを除去する能力が高いと思われます。
毛先が高速で振動するので軽く当てるか若干浮かせる様な感じで磨かなければいけない為、多少テクニックがいります。
もう一つの超音波歯ブラシですが、こちらは他の電動歯ブラシのように毛さきがブルブルと派手に動くことはありません。
160万ヘルツの超音波を発生することによって、歯に付着した細菌を破壊するそうです。
超音波で歯の汚れが浮きあがったあとは普通の歯ブラシのように動かして汚れを除去する必要があります。
よって、超音波歯ブラシを口に入れたまま待っていても汚れが落ちるわけではありません。
以上のように便利な電動歯ブラシですが、これらに共通した弱点があります。
手磨きの歯ブラシに比べてヘッドがでかくて分厚いことから、奥歯の更に後ろなどもともと磨きにくい場所に関しては手磨きに劣ります。
また、歯と歯の間の汚れに関して効果があるという製品でも、その効果はあくまで補助的なものと思います。
ですから歯間ブラシやフロスを使わないでも良いというわけでもなさそうです。
皆さんもご自分の生活に合わせた使い方を試されてはいかがでしょうか?
疲れる前に休む
ストレスを受けると、まず免疫力が低下しもともと体内に潜伏するウイルスが活性化します。代表的な病気が帯状疱疹(ほうしん)です(今は予防のワクチンがありますので50歳を過ぎたら接種をお勧めします)。
免疫力が低下すると防衛本能が働き、さまざまな免疫物質が作り出されますが、一方で神経や内分泌系の働きが乱され、自律神経のバランスが崩れ、疲労・倦怠(けんたい)感や抑うつ感や不安感、体の痛みなどを感じやすくなります。
予防のためには、まずは規則正しい生活習慣です。夜は、温かいお風呂にゆっくりと入り、入浴後は軽いストレッチをすることで副交感神経を優位にして、良い睡眠へ導きやすくなります。寝ながら、又は寝る直前までテレビを見たり、パソコンやゲームをしたりせず、部屋は暗く静かな場所で睡眠をとれるよう寝室の環境を整えましょう。夜遅くまで起きていると、おなかが空いて夜食やおやつを食べたくなるものです。寝る前に飲食したもののほとんどは、おなか回りの余分な脂肪となってしまいます。夜11時には就寝して、残っている仕事や家事は朝早めに起きてこなしてみませんか。疲れて眠い目をこすりながらの仕事より、朝の方が能率よくできることもあるかもしれません。
もうひとつ、仕事や家事・子育て以外の生きがいや趣味を持つことも大切です。自分のための時間を1週間のうち、ほんの少しでも持つことでリフレッシュすることができます。気軽にできることでも構わないので、これがあるから1週間頑張ろうと思える何かを探してみませんか。
しかし、休んでも取れない疲労が1週間以上続くようであれば、何か病気の前兆かもしれません。長引く疲労感や頭痛、睡眠障害、食欲不振、微熱などが続く「慢性疲労症候群」という疾患もあります。肝機能異常や貧血、甲状腺などのホルモンのバランスが崩れている場合は血液検査で簡単に診断することができます。明らかな症状がなくても徐々に進行する「がん」の可能性もあります。健康診断で異常がなくても精密検査をしないと分からない場合もあるのです。疲労は脳から発生される「SOS」です。疲れる前に休むことが大切です。また、長期間の疲労が続く時は、お近くの病院で相談されることをお勧めいたします。
美肌・クスミ対策 若さを維持するための『サプリメント外来』
自分の肌の乾燥や赤さや痒さが、洗顔や化粧の問題、原因不明のストレスだと思っていませんか? 食が豊かになった現代ですが、ストレスや忙しい毎日できちんとした食事を摂らなかったり、自分は適度に食べているつもりで、甘いお菓子やパンなどの炭水化物ばかりを食べたり、ダイエットを意識したベジタリアン的食事とストイックな運動による「自分の体の栄養的バランスの悪さ」が肌の異常(乾燥や赤さや痒さ)やクスミを生じさせていることに気づいていますか。 また、今までの一般的なサプリの使い方は、いろいろな情報の中で人気のあるサプリに雪崩式に進んでいく、あまり理論的ではない主観的傾向がありました。 今までは、かかった病気の血液などのデータ的状態からお薬を処方することが多かったのですが、当クリニックのサプリメント外来では、一般的な栄養状態を血液で検査をして栄養学的(分子整合性医学)に健康状態を管理して、美肌、美白(シミ対策)、老化防止(若さ維持)を中心に、病気を少なくして楽しく生活を送れるように科学的に、医学的にアドバイスします。
必要であれば、医学的に信頼のある成分のサプリメントを処方します。 堅苦しい言葉で言えば、今まで自己診断していたあなたの栄養状態を血液検査に基づき科学的に解析して、あなたに必要な栄養素(高濃度高吸収率で信頼度の高いドクターズメイドサプリメント)を提供し、栄養面から健康を数ヶ月間サポートするシステムです。









