デンタルインプラントについて
歯科で使用されるデンタルインプラントの素材としては、ほとんどのメーカーでチタンが採用されています。
チタンの性質として金属アレルギーがでにくく、身体に対して有害な作用を及ぼしにくく、海水や酸に対して高い耐蝕性を示すため心臓のペースメーカーや、人工関節などで使用されている素材です。
デンタルインプラントの特徴としては、失った歯の部分にチタン製のデンタルインプラントを埋め入れて、歯本来の機能や見た目を取り戻す治療法のことをいいます。
失った歯の部分を治療しますので、周囲の歯に負担をかけることがなく、これまであった歯と同じような役割を果たしますので、噛む力を分散させ、その他の自分の歯を守ることにもなります(保険適応外の治療になりますので歯科医院にてご確認ください)。
歯磨き粉の選び方について
薬局に並ぶ多くの歯磨き粉から自分に合った物を選ぶのは迷うものです。
今回は、歯磨き粉の選び方について書かせていただきます。
歯磨き粉には大きく分けて、歯磨き類(化粧品)と薬用歯磨き粉(医薬部外品)の2種類があります。
前者の歯磨き類は、基本成分のみの物で比較的安価です。
後者の薬用歯磨き類は、基本成分にプラスして薬用成分配合ですので予防や症状改善が期待できます。
少し高価にはなります。
また、
(1)虫歯が気になる方はフッ素濃度が高い歯磨き粉とフッ素のジェルとの併用
(2)歯周病が気になる方は殺菌・消炎・血行促進作用のある物
(3)白い歯にしたい方は、清掃剤・研磨剤・ステイン除去剤がある物など、ニーズに合わせて選択するのも良いと思います。
しかし、(4)口臭が気になる方は、特化した物はないので(1)か(2)プラス洗口剤の使用をお勧めいたします。
自分の現在の口腔内で注意しなければいけないことをかかりつけの歯科医院でお聞きになり、自分に合った物を使用することをお勧めいたします。
インフルエンザワクチンをうけましょう
今年もそろそろインフルエンザのワクチン接種が始まります。時節に合わせて、今回はインフルエンザとそのワクチンについての解説をします。
インフルエンザのことを日本語で流行性感冒(りゅうこうせいかんぼう)、略して流感(りゅうかん)としているためか、インフルエンザのワクチン接種を「カゼの予防接種」と考え、「ワクチンを受けたのにカゼをひいた」とか、逆に「おかげで今年はカゼをひかなかった」とか考えている人がいるようです。
しかしこれは正確ではありません。インフルエンザウィルスばかりがカゼ症状を引き起こす病原体ではないからです。他にもカゼ症状を引き起こす病原体はたくさんあり、これらに感染して発症すれば、予防接種を受けていても「カゼをひく」ことになるのです。それでも予防接種を行うのはインフルエンザは他のカゼと比べて感染力が強く重症化しやすいからなのです。
しかし、ワクチン接種を受けていてもインフルエンザに罹(かか)る場合があります。厚労省などでワクチンの有効率を発表していますが、そもそも何をもって有効としているのでしょうか。皆さんは常識的に「それはインフルエンザに罹らないことだろう」と考えているかもしれませんが、そうとは限りません。高齢者を対象にした調査によればワクチンを受けていても半数近くの人はインフルエンザに罹るのだそうです。しかし重要なのはワクチンを受けずにインフルエンザで亡くなった高齢者のうち八割はワクチンを受けていれば亡くならずに済んだであろうという調査結果です。つまりワクチンを受けたのにインフルエンザに罹ったとしても効果が無かったとは言えず、重症化を防ぐ効果があったかもしれないのです。
現在のところワクチン以上に有効なインフルエンザへの備えはありません。高齢者に限らずワクチンの有効性は示されています。
皆さんできるだけワクチン接種を受けましょう。
ペットボトル症候群をご存知ですか?
ここ数日、湿度が高く暑い日が続いていますね。
こんな時、冷たい飲み物をたくさん飲みたくなります。 糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続けると「ペットボトル症候群(正式名称: ソフトドリンク・ケトーシス)」になることがあります。
血糖値を一定に保つホルモンのインスリンの働きが、一時的に低下してしまうことで起こる症状です。 意識がもうろうとしたり、倦怠感が続き、時には、昏睡状態に陥ることさえあります。
糖分の過剰摂取で血糖が急激に上がると、それを薄めようとしてさらに水分が欲しくて喉が渇き、尿の回数も増え、喉の渇きに任せてさらに甘い飲み物を飲む・・、という悪循環に陥ります。 一般的な清涼飲料水には、1リットル当たり100グラム前後の糖分が含まれています。
角砂糖1個が5グラムだとすると、1リットルの清涼飲料水をがぶ飲みすると、角砂糖20個をかじっているのと同じくらいに相当します。
身体にいいと思われているスポーツ飲料やフルーツ果汁の入った野菜ジュースにも糖分が含まれているため、例外ではありません。
夏場に中高生が部活動で水代わりに大量に清涼飲料水を飲んだりすることにも、十分に注意が必要です。 お茶・お水などの糖分の入っていない飲み物でこまめに水分補給をし、下痢・嘔吐後や大量に汗をかいたときなどは、スポーツ飲料を薄めて飲むこともいいでしょう。
糖尿病や糖尿病予備軍と呼ばれる人たちは、インスリンの働きが悪く、よりリスクが高まります。最近では、経口2型糖尿病治療薬としては、10年ぶりに新薬も発売され、糖尿病の治療の選択肢も増えています。 糖尿病は、早期に発見し、適切な対応や治療をすることで上手に付き合っていける病気です。
自覚症状がなくても、糖尿病の検査をしておくことが大切です。
特に、中年以降の方で急激に血糖が高くなった場合、膵がん、肝がんなどの悪性腫瘍が原因となっていることもあります。
また、2型糖尿病では、大腸がんの発生率が高いことも報告されています。
定期的な血糖の検査、そして血糖値が高いことを指摘されたときは、エコー検査やCT検査など、がんの検査もとても重要となります。
困っていませんか? 夜間頻尿
夜中に何度もトイレに起きてしまう。
間に合わず漏れてしまう。
このような症状でお困りの方も多いと思います。
夜間頻尿は前立腺肥大症や過活動膀胱など泌尿器系の病気だけではなく、内科や循環器科など全身的な要素が関連した病態であることが分かってきました。
最近では苦痛を伴わない簡単な検査のみで診断や治療を行うことが可能となってきています。
夜間頻尿は大きく3つの型に分けられます。
①1日を通して尿量が多い型
②夜間の尿量が多い型
③1回の排尿量が少ない型
治療はこの点に着目し、問診や排尿日記をつけてもらうことで診断を行い、採血検査や超音波検査の結果にもとづいてそれぞれの状態に応じて行われます。
実際には内服薬といくつかの生活指導や行動療法を組み合わせた治療を行います。
内服薬としては、夜間に作られる尿量を減少させたり1回にためられる尿量を減少させたり1回にためられる尿量を増やす効果のあるものが主に使われます。
内服薬以外では、排尿を我慢する膀胱訓練や弾性ストッキングによる足のむくみ治療も夜間頻尿改善に効果があることが分かってきており、これらの治療を組み合わせることで、より確実な夜間頻尿治療が行えるよう工夫しております。
その結果、当院で治療を受けた方のうち約9割で夜間頻尿回数が減少し、平均するとひと晩に2回程度排尿回数を減らすことができました。
さらにその後も観察を続け調整を加えることでそれ以上の効果が得られた方も少なくありません。
夜間頻尿は睡眠をさまたげるだけではなく、体調不良や様々な病気を引き起こす原因となることも報告されています。
最近になり症状が気になり始めた方、以前から症状があったのに検査が不安でつい受診ができなかった方は、1度専門医にご相談されることをお勧めします。
成人の8人に1人が慢性腎臓病!? 身近に潜むサイレントキラー(沈黙の殺し屋)
ある日の泌尿器科外来
「どこも痛くないし具合が悪いわけでもないのに私の腎臓が悪いって本当ですか?」
夜間、トイレに起きるようになってきたため泌尿器科へ受診された患者さんです。
超音波検査で腎臓を見ると少し小さい。
念のため検査をしてみると腎臓機能低下が判明しました。
腎臓機能が徐々に低下してくる慢性腎臓病。
多くの場合は本人が自覚するような症状がありません。
それゆえ病気が分かった時にはすでに末期腎不全ということもあり慢性腎臓病はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)とも呼ばれます。
そんな病気が実は身近に多く潜んでいることが分かっています。
日本では成人の8人に1人が慢性腎臓病と報告されています。
さらに高血圧症や糖尿病、脂質異常症などメタボリック症候群の人では、その頻度は更に上昇すると言われます。
「私の腎臓、治るのですか?」
慢性腎臓病は、いったん腎機能低下が進むと元に戻すことができません。
しかし発見が早ければ病気の進行を抑えることが可能で末期腎不全の危険を回避することができます。
「私、どうして腎臓病になったのかしら?」
慢性腎臓病はメタボリック症候群以外にもリウマチなどの膠原(こうげん)病、排尿障害、喫煙習慣、あるいは遺伝が関係している場合もあり原因は多種多様です。
それゆえ多くの人が腎臓病になる可能性があるのです。
慢性腎臓病は早期発見がとても大切です。
定期的な検査が重要なのです。
自覚症状のない早い段階でも健康診断などで採血や採尿検査、血圧検査をすることで診断することができます。
また次のような症状には注意が必要です。
夜トイレに起きるようになった、手の指や足がむくんで指輪や靴がきつく感じるようになった、以前にくらべて疲れやすく体がだるい、時々立ちくらみがある。
慢性腎臓病も腎機能低下が進んでくると自覚症状が出てくることがあります。
このような症状に気が付いたら医療機関にご相談下さい。
成人の8人に1人が慢性腎臓病なのです。
クラミジア感染症について
以前にも「クラミジア感染症」をテーマに書いたことがありますが、依然として10代~30代の女性に多い疾患なので、もう1度書きたいと思います。「クラミジア感染症」とは、「クラミジア・トラコマティス」という微生物(細菌)が主に性行為により感染する病気のひとつです。
恐ろしいことに自覚症状がほとんどないため、感染に気がつかない人が少なくありません。
そのため知らないうちに病気が進行したり、パートナーを感染させてしまいます。
放置しておくと、男性では尿道炎から精巣上体炎(副睾丸炎)になることがあります。
女性では感染がお腹の中に広がり、子宮頸管炎から卵管炎をおこし不妊症の原因となったり、妊娠後も子宮外妊娠や流産・早産の原因にもなります。
出産時に感染していると母子感染をおこし、赤ちゃんが結膜炎や肺炎になる可能性があります。 さらにエイズや淋菌などの性感染症にかかりやすくなるといわれていますので、注意が必要です。 男性では、尿道からの分泌物や排尿時の痛み、尿道のかゆみ・不快感、精巣上体の腫れ、発熱など。
女性では、おりものの増加、不正出血、下腹部痛、性交痛などの症状がありましたら、検査を受けたほうが良いと思われます。 検査は採血や子宮頸管の分泌物を採取して簡単に調べることができますので、何かいつもと違うとか症状はないけれど気になるという方は、受診をおすすめします。 治療は、抗菌薬を医師や薬剤師の指示に従って正しく服用することで、通常は完治させることができます。
感染を繰り返さないためにも必ず、パートナーの方も一緒に検査・治療を受けましょう。
肺炎に気をつけましょう
今ちまたでは新型インフルエンザが問題になっていますね。
日本国内でも発病した人が多数報告されていますが、皆さんが快方に向かってくれることを願っています。
またメキシコではかなりの死者が出たとのことですが、その理由は何だったのでしょうか。
記事を見ると、多くの人が重症肺炎にかかっていたとのこと、さらに免疫力の低下した人も相当含まれていたそうです。
これらのことから新型インフルエンザに感染した後、重い肺炎になってしまったことが死亡の原因だったのかもしれません。
二十世紀初頭に『スペインかぜ』が流行し、日本でも約五十万人が亡くなったと言われています。
亡くなった方の多くが細菌性肺炎を併発していたとの報告もあるようです。
つまりインフルエンザウィルスで弱ったところに細菌が入り込んで肺炎を引き起こすことが問題ということです。
日本人の病気による死因の第一位は「がん」ですが、肺炎も高位を占めており、油断できない病気です。
慢性の呼吸器疾患を持っている方は肺炎にかかりやすく、さらに重症化もしやすいと言われています。
また高齢者では嚥下(えんげ)機能(ものを飲み込む機能)が低下しており、食物が食道ではなく、気管支に入り込むことによっておこる、嚥下性肺炎にも注意が必要です。
肺炎を予防するためには肺炎ワクチンをうつことも有効といわれています。
ただし肺炎の原因菌すべてに効くわけではないので注意が必要です。
さらに嚥下性肺炎を予防するコツは、食事をとるときの姿勢です。
背もたれに寄りかからずに座り、あごを引いた状態で飲み込むようにします。
また、のどにつまりやすいものは避けましょう。
トロミがあると飲み込みやすいので、片栗粉やトロミ剤を使うのもひとつの方法でしょう。
また食後すぐに口の中をキレイにしましょう。食後すぐ横にならないことも重要です。
以上を実行すると嚥下性肺炎もかなりの確率で予防できるようになるでしょう。
白目が真っ赤! 結膜下出血
「目が赤いよ!」と、突然家族や友人に指摘された経験がある方はいらっしゃいますか?鏡を見ると白目が真っ赤になっておりびっくりされたことと思います。
この白目がべったりと赤く染まることを「結膜下出血」と呼び、結膜(白目を覆う膜)の血管が破れて、結膜の下に出血が広がった状態です。小さな点状のものから、斑状のもの、時には眼球結膜全体を覆うような広範囲なものもあります。
強い痛みやかゆみ、目やにといった症状は伴わず、誰かに指摘されて気が付くことも多いようです。出血量が多く、結膜に血腫を形成した場合は違和感、異物感を覚えることがあります。
結膜下出血の原因はさまざまです。眼局所の要因(眼外傷、手術によるものや急性結膜炎によるもの)や、全身性疾患(動脈硬化、高血圧、糖尿病、出血性素因、腎炎、急性熱性疾患など)に伴うものもありますが、思い当たる誘因がなくても出血することがあります。
発症後は1〜2週間程度で自然に出血が吸収され元の状態に戻ります。しかし、出血量が多いと吸収されるのに時間がかかる場合もありますが少しずつ吸収されていきますので心配はいりません。
基本的には眼科受診が必須な状態ではありませんが、
①眼外傷を受けた場合、②痛みやかゆみ、目やにを伴う場合、③頻繁に繰り返す場合、④熱を伴う場合。
これらが当てはまる場合は結膜下出血ではない可能性、全身疾患に伴う結膜下出血の場合もあり、眼科精査・加療が必要なこともありますので眼科を受診してください。
不妊症の検査
避妊せず1年間妊娠に至らなければ不妊症と診断します。
まず基礎体温を測定・記録して、原因検索のため検査を行います。
必須項目は①内診・超音波・子宮がん検診・クラミジア抗原(初診時)②ホルモン・子宮内膜症マーカー(月経中)③子宮卵管造影(月経後)④頸(けい)管粘液検査・ヒューナーテスト(排卵期)⑤黄体機能検査(高温期)⑥精液検査です。
必要に応じホルモン負荷試験、クラミジア抗体、子宮内膜組織診、子宮鏡、抗精子抗体などを追加します。
卵巣予備能をみるAMHというホルモンが話題になりましたが、その値が低くても治療法はなく、体外受精の排卵誘発時に参考にする程度です。
子宮内膜症性不妊には腹腔鏡検査が治療効果もあり有効です。
不妊期間が短い方はブライダルチェックとして①を受け、基礎体温でのタイミング法を指導してもらうとよいでしょう。









