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糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

眼科2013/04/30

 事実、年間約3,000人が糖尿病が原因で視覚障害の認定を受けています。

 また、厚労省によると「糖尿病が強く疑われる人」は890万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は全国に1320万人いると推測されています。
 糖尿病による眼の合併症は糖尿病網膜症ですが、急に悪くなるのではなく、初期の単純網膜症から、中期の増殖前網膜症を経て、末期の増殖網膜症に段階的に進んでいきます。
ただ、自覚症状は増殖網膜症まで進行しないと現れ難いので注意が必要です。

 単純網膜症とは、高血糖により目の中の細い血管が障害された病期です。
壁が膨らんでコブ状になった血管や、小出血が眼底検査で発見されます。
この段階では、血糖を良好に維持することで網膜症を悪化させないことが可能ですから、眼科で定期的に眼底検査を受けながら、内科治療を継続してください。

 血管の損傷がさらに進み血流が途絶え、網膜内に酸素不足の場所ができると、増殖前網膜症です。
まだ自覚症状に乏しい時期ですが、この酸素不足状態を放置すると末期の増殖網膜症に確実に進行します。
至急、レーザー光線による網膜光凝固術を行い網膜の酸素不足を解消する必要があります。

 最終段階の増殖網膜症は、正常眼では存在しない新生血管が発生した網膜症です。
この新生血管は壁がもろいため容易に破綻し、眼のなかで出血、視力低下や飛蚊症をひき起こします。
また、網膜がひっぱられ、網膜剥離を起こすこともあります。
失明をまぬがれるためには多くの場合、手術が必要です。

 糖尿病網膜症を生涯にわたって悪化させないことは、特に働いている世代にとって容易なことではありませんが、網膜症による視覚障害は日常生活を大きく制限します。
医師のアドバイスに耳を傾け内科の治療をしっかり行い、定期的に精密な眼底検査を受けることが大切です。眼底検査の間隔は個人個人により異なります。
眼科で受け取る『糖尿病眼手帳』に次回来院日が記載されていますので、是非参考にしてください。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2013年5月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

春の健診で視力の結果が悪かったら

眼科2013/04/22

 新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供たちは学校からもらってきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方も良く理解出来ないかもしれません。
そのため本来の視力より低く出ただけということもあります。

 しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視や乱視のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だともいえます。

 簡単にいうと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目に入るので弱視になることはありません。
それに対し強い遠視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけてしまいます。
いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。
そのため放置するとメガネで矯正しても視力が出ない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。

 用紙に斜視と書かれている時もあります。
斜視は片目が正面を見た時に、もう一方の目が他の方向を向いてしまって視線が外れている場合です。
常に視線が外れている場合や、時々外れている場合、また、疲れた時などにちょっとだけ外れる場合など程度はさまざまです。
視力を矯正するだけで治ることもあり、早期に検査・治療が必要な場合もあります。

 健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2013年4月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

成人の注意欠陥・多動性障害

心療内科2013/04/22

 そわそわ、もじもじしてじっとしていられない、手足をいつも動かしている、ぼんやりして忘れっぽい、かんしゃくを起こしやすい、というような症状があり、それが生活に差し支えるほどであれば、注意欠陥・多動性障害と診断される場合があります。

 注意欠陥・多動性障害というのはもともと子供の障害ですが、成人にもあります。症状は大まかに不注意、多動性、衝動性、に分けられます。
不注意の面では、仕事でのミス、忘れ物、約束や期日を守れない、片付けるのが苦手、仕事や作業を順序立ててすることが苦手、などの特徴があります。
実例をあげますと、ある人はこのように言っています。

 「会議の時に困ることがあります。時々、会議中に別のことを考えてしまい、気が付くと何が話題になっているのか分からなくなっているのです」と。
そういうわけで、突然まとはずれな発言をしてしまうことがあります。
また、ある子供は「終業式の日、帰りにブランコがあるのが見えた。
ブランコに乗っていると、もう、そばに置いてある通信簿の入ったもののことはまったく頭になくなっていた」と言っています。
大変大事なものだとは分かっていても、家に帰ってから持っていないことに気が付いたのです。
多動性について大まかには、落ち着きがないタイプとぼんやりしやすいタイプがある、といえますが、多動が目立たないといっても、よく観察するとしばしば手足を動かしていたり、あまり長い時間はじっとしていられなかったりすることがあります。
衝動性というのは、思ったことをすぐ口に出して相手を傷つけてしまう、衝動買い、かんしゃく、というようなことです。

 原因について確かなことは分かっていませんが、脳内の神経伝達物質であるドパミンとノルアドレナリンの問題が推定されています。
現在使用されているのは、ノルアドレナリンの問題を改善する薬で、最近処方できるようになっています。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2013年4月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

緑内障〜早期発見が視界を守る鍵

眼科2013/04/22

緑内障にはいくつかの異なる病型がありますが、すべてに共通しているのは、視神経が障害されることにより視野が欠けていく病気であることです。

失われた視野を回復させる治療法は現在、残念ながらありません。
しかし、眼圧(眼球の固さ)を下げることで視野欠損の拡大を止めることが可能です。

平成12~13年にかけて岐阜県多治見市で、40歳以上の一般市民のうち4,000人を対象に緑内障に関しての大規模な調査検診が行われました。
その結果、5.0%の市民に緑内障がみつかり、さらに、その中のなんと89%の人々が緑内障の治療を受けていない、つまり、緑内障が初めて見つかった市民でした(詳細は、日本緑内障学会ホームページを御覧下さい)。
この調査結果から、他の地域でも同様に、緑内障に罹患していることに気付かずに、治療を受けていない住民が多数いると推測されます。

仮に緑内障と診断されると、薬、レーザー治療、手術のなかから、病状の重症度に応じて適した治療を選択、行うことになりますが、多くの緑内障患者さんは、点眼薬の使用のみで治療が可能です。

眼科では、視力、眼圧、眼底、視野検査などを行い緑内障かどうか診断します。
これらの検査はいずれも痛みや苦痛を伴わない検査ですから是非受けてほしいと思います。
ちなみに、血圧と眼圧に関連はありません。また、眼を使うことで緑内障が悪化することはありません。

さまざまな治療を行っても進行を止められない緑内障がまれにあることも事実ですが、ほとんどの緑内障は治療を継続していくことで視野欠損の進行を止めることが可能なのです。

緑内障は、潜在患者数が多い、欠損視野を回復できない、治療で進行を止めることが可能という点から、早期発見早期治療が大切です。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利( 2013年4月号 「函楽」掲載)

夜も高血圧ですか?

循環器内科2013/04/18

 血圧には日内変動(にちないへんどう)と言うのがあります。
多くの人では、朝、目が覚める直前から血圧が上昇してきて、昼寝をしたくなるような午後2時から4時ころに少し下がります。
夕食のころに少し上昇して、眠くなったころからまた血圧は低くなります。
ところが、高齢者に多いのですが、夜中寝ている間ずっと血圧が高くて、日中の血圧が低い場合があります。
また、明け方、目が覚めるちょっと前から急激に血圧が上昇する場合(モーニングサージ型)もあります。
いずれも、早朝高血圧と呼ばれています。
脳梗塞や心筋梗塞の原因となりやすい状態です。

 心臓突然死の発生時間帯を調べた研究では、午前の時間帯(9時から11時)に突然死のピークがあり、死者の少ない夜間に比べて2倍の人が午前中に突然死していました。
また、サージ型ではない高血圧患者と、サージ型の高血圧患者では、サージ型で脳卒中の発生率が3倍高かったとわかりました。
就寝中の高血圧や早朝の血圧上昇は、心臓病や脳卒中の危険性を高くするのです。

 早朝高血圧に気づくきっかけには、朝起きて1時間以内に、排尿して少し安静を取ってから血圧測定をすることです。
家庭血圧では、135/85を超えていると高血圧ですが、これより大幅に高ければ、夜間の血圧上昇が疑われます。
そんなときには、24時間血圧計で就寝中の血圧測定をします。
寝ているときには120/−程度が望ましいのですが、寝ている間中、あるいは、早朝に急に血圧が上がっていることがあります。
変動のパターンによっては、朝1回飲む長時間作用型の降圧薬だけでは完璧な血圧コントロールは難しいので、寝る前に朝とは違うタイプの薬を加えて、朝の高血圧を下げるように試みます。
ときには、異常が見つけにくいところにあることもあります。
また、治療が容易ではない場合もあります。
根気よく付き合ってもらえると助かります。


Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨( 2013年4月16日 「青いぽすと」掲載)

減塩について

内科2013/04/16

 塩分の摂りすぎが高血圧を引き起こすことは、多くの研究や統計などで指摘されています。
高血圧は脳卒中や心臓疾患などを発症させますので、毎日の食事の減塩は、血圧が高めの人が健康に生活するために必要なことです。
日本人の1日塩分摂取量は、平成7年の13g/日から、平成22年の10.6g/日へと徐々に減少してきてはいますが、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」の中で、食塩摂取目標値を男性9g/日未満、女性7.5g/日未満としています。
また日本高血圧学会では、高血圧の人に対しては6g/日未満とさらに厳しい目標値を定めています。
もともと塩分摂取量の少ない欧米では、3.8g/日を最終目標値と考えており、日本においても、前述の目標値は暫定目標値とし、本来はもっと少ない値に設定すべきだというのが専門家の意見のようです。

 私たちの通常の食生活ではまだまだ塩分を摂りすぎているとは解っていても、梅干し1個の塩分が2g、ほっけ焼き1切れで3.8g、みそラーメンで6g、握りずし一人前で4gなどととても多くの塩分を含んでいる日本の食卓で、一食当たりの塩分量を2gや3g未満にすべきと言われても、それはやさしいことではありません。
急激に減塩食へ切り換えて、食欲をなくし栄養障害になっては本末転倒でしょう。
上手に減塩するには、まずは薄味に慣れて食材本来の味を楽しめるようになることが大事です。
だしや香辛料で味を調え、汁物は具を多くし汁量を減らし、ラーメンや蕎麦はスープやつゆを残し、醤油やソースはかけるのではなく付けて食べるようにするなども良いです。
最近の食品栄養成分表には、食塩相当量の記載があるものも多く、またナトリウム量(g)の記載があれば、それを2.5倍すると塩分含量(g)になりますので、食事前に食塩含有量を確認してみることが良いと思います。
まずは、次の食事から減塩に意識を持つことからはじめてみましょう。


Text by 関口内科 関口 洋平( 2013年2月号 「函楽」掲載)

お腹とストレス

内科2013/04/15

新年度が始まりました。学校や職場など、新しい環境でストレスを感じることもあるでしょう。
中には、お腹の調子が悪くなる人もいるかもしれません。
胃腸はストレスの影響を受けやすい器官です。
脳にある神経と同様の神経が腸にも分布しており、脳と腸の神経は自律神経を介して結びついているため、脳で感じたストレスが腸へ伝わり、腸の動きに異常を来すと考えられています。
腸に直接的な異常はないのに、腸の動きが過剰になったり、動きが悪くなることで、下痢したり便秘したり、お腹がすっきりしない、痛くなるなどの症状が出ます。
これを過敏性腸症候群といい、ストレスの関与がいわれています。
ただし、腸に炎症が起きて腹痛や下痢などを繰り返す病気もありますので、まずは病院できちんと診断を受けましょう。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2013年4月15日 「みなみ風」掲載)

乳がん

2013/04/08

 乳がんは厚労省の調べによると1994年から女性のかかる癌の第1位になり、20年近くその順位は変わりません。
1年間で6万人ほどが乳がんになり、1 万3千人ほどが乳がんで亡くなっています。
乳がんの予後は他の癌に比べれば一般的に良好といわれています。
早期発見、早期治療をすれば決して怖い病気ではないのです。

 日本乳癌学会では月に1度の自己検診と、自己検診で異常がなくても40歳以上の方は1~2年に1回の定期的な乳がん検診を受診することも推奨しています。

 乳がんは20歳過ぎから認められ、30歳代ではさらに増え、40歳代から50歳代がピークです。若い女性にとっても、乳がんは決して他人事ではありません。

 乳がん検診を受けたことのない方はぜひ1度、受けたことのある方は、受けたことのない方を誘って乳がん検診を受けることをお勧めします。

 平日に忙しい方のために日曜日に乳がん検診を行う病院もあります。


Text by 国立函館病院 小室 一輝 医師( 2013年4月8日 「みなみ風」掲載)

痛風と高尿酸血症について

整形外科2013/04/02

 「通風」はかつては「美食病」ともいわれごく一部の人の病気と思われてきました。

 しかし1970年代以降、食事の欧米化に伴い、日本でも急速に痛風の患者さんが増えてきています。
「痛風」の原因は血中の尿酸という成分が増加し、それが関節に尿酸結晶として出現する事が主因です。
この結果、「痛風発作」といわれる急性関節炎が発症します。
「痛風発作」は足の母趾に起きることが非常に多く、かなりの激痛のため、歩行困難になることもあります。

 「高尿酸血症」は尿酸値7.0mg/dl以上のものをいい、「痛風発作」がなければほとんど自覚症状がありません。
しかし尿酸値8.0mg/dlを超えると急に「痛風発作」を発症する割合が増加します。
まだ症状が出ていなくても、尿酸値のコントロールを開始したほうがいいでしょう。

 「高尿酸血症」は痛風の原因となるだけではなく、腎機能障害、尿路結石症の原因にもなります。
さらに高血圧症、高脂血症、肥満のいわゆる「メタボリック症候群」とも密接に関係していると言われています。
加えて「高尿酸血症」そのものが、狭心症などの心血管系の疾患のリスク要因となるという報告もあります。

 結論として現在、尿酸値は6.0mg/dl以下を目標にして治療しています。治療は生活指導と薬物療法を並行して行います。
生活指導の基本はアルコール摂取の制限と肥満の予防です。
特に内臓脂肪型肥満と尿酸値上昇との間には密接な関係があると言われています。

 薬には尿酸生成抑制剤と尿酸排泄促進剤とがあり、症状でとくに腎機能を評価した上で使い分ける必要があります。
 「痛風発作」がなくても「高尿酸血症」は放置せず、合併症を予防するためにも適切に治療しましょう。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2013年4月号 「Dr.Dr.プリーズ」掲載)

大人の喘息って?

内科2013/04/02

 成人喘息は過去30年間で約3倍にも増加しているといわれ、都市部に多い傾向にあるため文明病とも呼ばれています。
小児喘息から持ち越す人や再発する方もいますが、40~60代で発症する方も少なくありません。
実は成人喘息の発症パターンのうち最も多いのは成人になってから初めて発症するケースなのです。
小児喘息の9割以上でアレルギーの関与が認められるのに対し、成人の喘息においてアレルゲン(アレルギーの原因物質)を発見できるのは5割程度で残りの5割はアレルゲンを発見できない非アトピー型です。
しかし気管支の慢性的な炎症、ぜん鳴(呼吸のたびにぜいぜいする症状)が出て息苦しくなるという点では小児喘息と変わりありません。
成人喘息の悪化の原因はひとによってさまざまです。
以下に主なものをあげます。

①ダニはやペットの抜け毛やフケ、花粉、カビの胞子など(これらをふくむ室内埃をハウスダストといいます)。

②消炎鎮痛薬を飲んだり注射をした後で非常に重篤な喘息発作を起こされる方も成人喘息の約1割に認められ、これをアスピリン喘息とよびます。

③ストレス

④運動誘発喘息といって運動によって短時間喘息発作を起こすことがあります。これは発作が起きたからといってスポーツをやめる必要はなく適切な投薬でコントロールができます。

⑤室内空気汚染物質(たとえば石油暖房器などから発生する窒素酸化物や一酸化炭素、建材などから発生するホルムアルデヒドなど)が発作の誘因になることがあります。大気汚染も同様です。最近ではPM2.5なども問題になっています。

⑥たばこの煙。

⑦かぜや気管支炎などの気道感染。長引く咳や痰で悩んでいらっしゃる方はもしかしたら成人喘息かもしれません。適切な治療で驚くほど症状が改善することもありますので、そのような方はぜひ専門医を受診してください。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長( 2013年4月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

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