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歯やインプラントを長持ちさせるために

歯科2011/09/10

 歯が無くなった場合、従来では入れ歯、ブリッジが一般的でしたが、それに加えて3つめの方法として、インプラント治療があります。
これは、チタン製の人工歯根を、顎の骨に埋めることによりインプラントと骨が化学的に付着し、歯の代わりとなる画期的な治療法です。 入れ歯が動く、よく外れて噛めない、という悩みをお持ちの方であればインプラント義歯という方法があります。
顎の骨に埋入したインプラントに入れ歯をひっかけ、インプラントを入れ歯の支えにすることで、入れ歯がより噛めるようになります。
また、骨の条件が良ければ着脱式の入れ歯ではなく、固定式の被せ物をインプラントに装着することも可能です。
またブリッジではなくインプラント治療を選択することで、ブリッジの土台となる歯を削る必要が無くなり、歯の寿命を延ばすことにつながります。 しかし、長期的にインプラントをお使いいただいたときにインプラントの周囲の骨を徐々に失っていく「インプラント周囲炎」という症状があります。
これはいわば「インプラント版の歯周病」です。通常の天然歯の歯周病は、
①歯周病菌、②患者様の感染防御機構や免疫防御の問題、③喫煙、ストレスなどの3つの原因が複雑に絡み合っていると言われています。
そのうち、インプラント周囲炎にも1番目の歯周病菌が関わっている可能性が高いことが、我々の臨床研究(※1)などでわかってきました。
つまり、インプラント治療後も歯科クリニックでの定期的なケアが有用であることがわかります。
 患者様の口腔ケアだけでなく、歯科クリニックを上手に活用して残っている歯やインプラントを長持ちさせましょう。1=土永浩史ほか:インプラント周囲炎と歯周病原細菌の関連性についての臨床的検討(日本口腔インプラント学会 21,488-489,2008)


Text by 北斗歯科クリニック 土永 浩史( 2011年2月12日 「青いぽすと」掲載)

それはもしかして胆のうや膵臓(すいぞう)の症状ではありませんか?

内科-2011/08/29

 みぞおちあたりの痛みや不快感は誰もが一度は経験したことのある症状だと思います。
そんな時、皆さんはどこが悪いと考えますか?
「胃の調子が悪い」と考える方が大多数だと思いますが、本当のところはどうなのでしょうか? 病院で胃カメラ検査を受けた結果、胃炎や胃潰瘍など目に見える(この場合は胃カメラで見える)病気が見つかる人もいます。
一方見た目に何も異常がない場合は、胃腸運動の機能的なアンバランスからくる「機能性胃腸症」(いわゆる神経性胃炎)という診断名になることが多くなります。
しかしみぞおちの症状の場合、ここで超音波検査(エコー)を追加して行うと胆のうや膵臓などに異常が見つかる人もいます。
そしてそのような方たちの中には「自分は胃が弱いから」と長年思いこんでいた方が意外に多いのです。 人間の体の中で胆のうは胃よりも右側、膵臓は胃よりも背中側にありますが、近接していて同じような場所に症状がでるために上記のようなことがおこります。
胃の病気の方が世間一般にはなじみが深いため、病院に行って胃カメラ検査だけを受けて「どこも異常ないですよ」と言われ、なんとなくすっきりしないままうやむやになってしまうことが多いのが実情です。 胆のう癌、膵臓癌は癌の中でも特に予後不良でいずれも近年増加傾向にあり、早期発見は大変重要です。
また胆石症や膵炎も重症例では生命の危険があるだけでなく、癌を合併する危険性が高まる疾患のため軽視は禁物です。
これらは胆のうや膵臓の代表的疾患であり他にも様々な疾患があります。 診断は超音波検査と血液検査を組み合わせて行い、異常が見つかればさらにCT・MRI検査なども行われます。
必要に応じて精密検査として超音波内視鏡やERCPと呼ばれる特殊な内視鏡検査を行ったり、同時に内視鏡的に治療まで行う場合もあります。
このように、みぞおちに症状がある場合は必ず専門医を受診して胃カメラと超音波検査の両方を受けることが大切です。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2011年8月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

顕微鏡下精巣内精子回収法など、男性不妊の治療法は飛躍的に進歩しています

産科婦人科2011/08/29

 不妊症の原因の半数は男性側にあります。
男性不妊、とくに精液の中に精子が存在しない無精子症の場合、通常の顕微授精(顕微鏡下で卵子の中に直接精子を注入して受精を促す治療法)では、受精卵を作り、妊娠に結びつけることは非常に難しいのです。 しかし、無精子症であっても、精巣(せいそう/睾丸のこと)の中には精子が存在することも多く、精巣から精子を採取することで顕微授精が可能です。
精巣内精子を回収する方法をTESE(テセ)といいますが、より高度な治療法として、顕微鏡下で精子を回収するMDーTESEが注目されています。 精子は精巣内の精細管(せいさいかん)で作られます。顕微鏡で精細管を緻密に観察し、状態の良い精細管を選ぶことで、受精能の高い精子を回収する確率が高くなります。 無精子症の原因はさまざまです。
大きくは閉塞性無精子症(精巣内では精子は作られているが、精子を運ぶ輸送管が閉塞している場合)と、非閉塞性無精子症(精巣内で精子を作る働きがないか、非常に低い場合)に分類されます。 さて、比較的ポピュラーな男性泌尿器の病気に、精索(せいさく)静脈瘤があります。
精巣内の静脈に血液が逆流して静脈がコブ状になる病気で、精巣の温度が高くなるため、精子を作る働きが低下して男性不妊の原因になることがあります。
精索静脈瘤には手術治療があります。
非閉塞性無精子症と診断された方のなかには、精索静脈瘤が見つかり、手術治療を受けたあとに精子が作られるようになり、顕微授精で赤ちゃんを授かるケースもあります。 以上のように男性不妊は原因も治療法も多種多様です。重要なのは、不妊原因は男性側にあることも多いと認識し、不妊治療で通院中の産婦人科から泌尿器科の検査を勧められた場合は、積極的に受けることです。


Text by 美馬産婦人科 美馬 博史( 2011年8月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

ドライアイ

眼科2011/08/22

 最近物がかすんで見える、なんだか目が疲れやすい、目がごろごろする、痛い、しょぼしょぼする、目が乾いた感じがする、こんな症状がある方はいらっしゃいませんか。 これらは全て、ドライアイの症状です。
他にも、まぶしくて目が開けられない、涙が多いなどさまざまな症状が出ます。複数の症状が出ることもあれば一つの症状しか出ない方もいます。
夕方に症状が悪化しやすいのも特徴です。
高齢の方にも多いですが、コンタクトレンズを装用する若い方などにも見られます。
原因は涙の質の低下、量の低下などです。
放置すると、目の慢性的な疲れから日常生活に支障を来すことがありますので治療が必要となります。
ドライアイの治療はまずは点眼薬で行います。
思い当たることがあればお気軽に近くの眼科においでください。


Text by 江口眼科病院 北 直史( 2011年8月22日 「みなみ風」掲載)

訪問看護師のお仕事をご紹介します

その他2011/08/08

 訪問看護師をご存知ですか。 私たちはご自宅に訪問して、健康管理(血圧脈拍の測定)、身体の清潔(入浴介助、清拭など)、医療器具の管理(吸引、吸入、胃ろう、人工肛門、人工呼吸器、チューブ類のケアと相談)、床ずれの予防・手当、日常生活の介助・介護予防(リハビリ)、内服管理、介護相談・アドバイス、ターミナルケアなどを行っています。 ご本人、ご家族の希望に合わせ「住み慣れた自宅や地域で安心して療養生活を送れるよう」専門的な知識と技術で看護サービスを提供し療養のためのお手伝いをしています。 ご相談がありましたら、担当のケアマネジャーや地域包括支援センター、主治医またはお近くの訪問看護ステーションに電話してみてください。


Text by 函館渡辺病院 訪問看護ステーション あまりりす 森山 浩美( 2011年8月8日 「みなみ風」掲載)

ペットボトル症候群をご存知ですか?

内科2011/07/25

 ここ数日、湿度が高く暑い日が続いていますね。
こんな時、冷たい飲み物をたくさん飲みたくなります。 糖分の多い清涼飲料水を大量に飲み続けると「ペットボトル症候群(正式名称: ソフトドリンク・ケトーシス)」になることがあります。
血糖値を一定に保つホルモンのインスリンの働きが、一時的に低下してしまうことで起こる症状です。 意識がもうろうとしたり、倦怠感が続き、時には、昏睡状態に陥ることさえあります。
糖分の過剰摂取で血糖が急激に上がると、それを薄めようとしてさらに水分が欲しくて喉が渇き、尿の回数も増え、喉の渇きに任せてさらに甘い飲み物を飲む・・、という悪循環に陥ります。 一般的な清涼飲料水には、1リットル当たり100グラム前後の糖分が含まれています。
角砂糖1個が5グラムだとすると、1リットルの清涼飲料水をがぶ飲みすると、角砂糖20個をかじっているのと同じくらいに相当します。
身体にいいと思われているスポーツ飲料やフルーツ果汁の入った野菜ジュースにも糖分が含まれているため、例外ではありません。
夏場に中高生が部活動で水代わりに大量に清涼飲料水を飲んだりすることにも、十分に注意が必要です。 お茶・お水などの糖分の入っていない飲み物でこまめに水分補給をし、下痢・嘔吐後や大量に汗をかいたときなどは、スポーツ飲料を薄めて飲むこともいいでしょう。

 糖尿病や糖尿病予備軍と呼ばれる人たちは、インスリンの働きが悪く、よりリスクが高まります。最近では、経口2型糖尿病治療薬としては、10年ぶりに新薬も発売され、糖尿病の治療の選択肢も増えています。 糖尿病は、早期に発見し、適切な対応や治療をすることで上手に付き合っていける病気です。
自覚症状がなくても、糖尿病の検査をしておくことが大切です。
特に、中年以降の方で急激に血糖が高くなった場合、膵がん、肝がんなどの悪性腫瘍が原因となっていることもあります。
また、2型糖尿病では、大腸がんの発生率が高いことも報告されています。
定期的な血糖の検査、そして血糖値が高いことを指摘されたときは、エコー検査やCT検査など、がんの検査もとても重要となります。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2011年7月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

歯並びを悪くする癖

矯正歯科2011/07/25

 赤ちゃんがおっぱいを吸う姿は、かわいいものです。
赤ちゃんでは、歯が無いことにも関係しておりますが、舌を丸めながら、突き出し、乳首を包むように飲んでいます。
しかし、大人の場合には水を飲むときには、一度口の中にためて、唇を閉じ、歯をかみ締めて舌と上あごの間を絞り込むように、のどまで運びます。
赤ちゃんの飲みかたは、弱い力でも可能ですが、大人のように飲むには、ある程度、口からのどにかけての筋力と調和した動きを習得しなければできません。
それだけ高度な機能ともいえます。
しかし、大人でも幼児のような、舌の使い方をする人も、たまに居ます。つばを飲み込むときに、上と下の前歯の間に、舌を挟んだり、タ行の音を出すときに、英語で言うTHの発音になってしまう方や、舌っ足らずといわれるようなしゃべり方をされる方には、このような可能性があります。
このような癖を持つ方の場合には、奥歯をかんでも、前歯が開いてしまう開咬(かいこう)と呼ばれる不正咬合(こうごう)が起きます。

●舌訓練法(タングトレーニング) 歯は、硬い骨の中から生えてきますが、最初から、位置が決まっているわけではありません。
口の中に出てから、舌やほっぺたなどの筋力の強さによって、その位置が決まってきます。
また、上の歯とぶつかることにより、その位置が安定して収まります。
つまようじや、パイプなどにより、位置変化を起こすことも良く見られることです。
変な癖が付いている場合には、舌の訓練をして、よりよい口の動きの調和を促す方法も良くとられます。
舌やほっぺたなどの弱そうな筋肉を反復練習して鍛えます。
こうすることにより発音が良くなったり、口から食べ物をこぼすことが少なくなったりしますし、前歯がかみ合わない開咬も直ってきます。


Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂( 2011年7月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

抗生物質~正しく飲んでいますか?

耳鼻咽喉科2011/07/19

 耳鼻咽喉科には中耳炎、風邪、急性鼻炎、副鼻腔炎、咽喉頭炎、気管支炎などの多くの感染症の患者さんがいらっしゃいます。
ほとんどが細菌感染ですので抗生物質を処方することが必要になります。
病状によって原因菌を推定し有効と思われる抗生物質を処方しますが抗生物質にも作用の面で特徴があります。 その特徴は大きく次の2つに分かれます。

①細菌に高い濃度で作用することで高い効果を発揮するもの。
②細菌に長い時間、有効な濃度で作用することで高い効果を発揮するもの。

 例えば①の特徴のあるものは1日量を一度に服用した方が有効ですが1日量を分けて服用してしまうと抗生物質の血中濃度が十分に上がらず同じ1日量を服用しても効かないことになります。
従って、効果を十分に発揮するためには指定された服用回数は変えないことが大切です。


Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩( 2011年7月19日 「みなみ風」掲載)

白内障手術をいつするべきか?

眼科2011/07/04

近年TVなどで、日帰り白内障手術が取り上げられ、白内障手術は、誰にとっても楽な手術と思う方も多いと思います。
しかし、手術をする側の眼科医にとっては、手術前後はしっかり感染予防をするなど気をつけることはたくさんあります。
ある程度までの白内障ならば、現在主流の超音波乳化吸引術で行えますが、白内障が進むと、とても硬くなることがあり、超音波乳化吸引術が困難になり、傷を大きく広げる手術に変更しなければならなくなります。
以前言われていたように、「白内障はかなり進んでからじゃないと手術はできない」というのは間違いで、ご自分が不便を感じた時が手術の時期と考えてよいと思います。
白内障は加齢性の変化であり、失明するような病気ではないので、見えづらいと感じたら手術をすればよいのですが、硬くなりすぎる前の方が低リスクで手術を行えます。
あまりに硬く、濃い茶色に濁るまで放置すると手術の危険性が増してしまいます。
見えづらさを感じたら、眼科を受診して、白内障手術が必要かどうかをご相談下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2011年7月4日 「みなみ風」掲載)

慢性腎臓病(CKD)をご存知ですか?

泌尿器科2011/06/27

 最近、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)という新しい病気の概念が注目されています。この慢性腎臓病とは、様々な原因で(糖尿病・高血圧・腎炎など)腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が3ヶ月以上慢性的に続く状態です。 現在、日本には約1、330万人の慢性腎臓病患者さんがいるといわれていて、驚くべきことに成人の約8人に1人にあたる数です。この慢性腎臓病では

①早期の段階から診断し治療を開始する
②慢性腎臓病の患者さんは、心臓病や脳卒中といった心臓や脳の病気(心血管疾患)にもなりやすいことが分かってきています。そのため腎臓を守ることは、心臓や脳を守ることにつながります。

この2点が重要です。 CKD(慢性腎臓病)の初期には、ほとんど自覚症状がありません。
貧血、疲労感、むくみなどの症状が現れたときには、病気がかなり進行している可能性があり、透析療法や腎移植といった治療が必要な末期腎不全に陥っていることもよくあります。 このような自覚症状の乏しい慢性腎臓病(CKD)の早期発見に役立つのが、尿中のたんぱく質の濃度を調べる尿検査と、血液中のクレアチニンを調べる血液検査です。
ぜひ積極的に定期的に尿検査と血液検査をうけてください。 腎臓病の早期診断・治療は腎臓病に対する治療とともに、心臓や脳への治療にも繋がっています。


Text by 北美原クリニック 秋濱 寿賀子( 2011年6月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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