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コラムを読む

咳でおこまりではないですか?

内科2013/09/30

咳は長引くとつらい症状です。
友人とおしゃべりをしていてもしゃべろうとすると咳こんでしまうとか、授業中や演奏会の最中に咳が出て止まらず退席を余儀なくさせられるとか。
経験のある方もいらっしゃると思います。
咳をひき起こしている原因疾患を診断し、治療していくためには症状の持続期間が重要な手掛かりのひとつになります。
咳がではじめてから3週間以内のものを「急性の咳」、3~8週間ものを「遷延性の咳」、8週間以上を「慢性の咳」と定義されています。
「急性の咳」の多くは風邪などの急性の呼吸器感染症が原因です(ただしマイコプラズマ感染や百日咳感染ですと咳は長引きやすい傾向があります)。
持続時間が長くなればなるほど、原因に急性感染症が占める割合は少なくなってきて、8週間以上続く「慢性の嗽」では急性感染症以外の原因があると考えられています。
長引く咳の主な原因疾患はアトピー咳嗽・感染後咳嗽・咳喘息・気管支喘息・薬の副作用の咳・胃食道逆流症(逆流性食道炎)・喉頭アレルギー・間質性肺炎・心因性咳嗽・肺結核・副鼻腔炎・気管支拡張症・肺癌・肺気腫など多岐にわたります。
たとえばエアコンの風や冷たい飲食物・会話などで誘発され喉がイガイガする咳はアトピー咳嗽であることが多く、風邪の後に咳だけが残ってしまう時は感染後咳嗽を疑います。
また、ぜろぜろする感じを伴う場合は気管支喘息や副鼻腔気管支症候群・肺気腫などを第一に疑います。
体力の消耗が著しい場合は結核や癌・間質性肺炎なども疑われます。
一部の降圧薬・漢方薬・免疫抑制薬などの副作用でも咳が出ることがあります。
呼吸器内科医は患者さんの自覚症状・聴診所見・レントゲン所見・全身状態など詳細に観察し咳の原因を突き止めそれぞれの病態にみあった治療をおこなっていきます。
しつこい咳は専門家に相談しましょう。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長( 2013年10月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

油断できない胃・十二指腸潰瘍~鎮痛剤の服用にはご注意を~

内科2013/07/29

発熱・風邪・頭痛・腰痛・膝関節痛・生理痛などに広く用いられている抗炎症解熱鎮痛剤(NSAIDs)は、病院でも処方されますが、最近では市販薬として、簡単にドラッグストアなどで購入できるようになりました。

NSAIDsは、プロスタグランジンという物質の合成を阻害することで痛みをブロックします。実は、このプロスタグランジンは胃の粘膜で常に作られ、粘液の分泌を増やしたり、粘膜の血流を良くするなど胃粘膜を保護する働きも担っているため、NSAIDsを飲むと胃腸が荒れてしまう人もいます。

胃・十二指腸潰瘍の原因のほとんどがピロリ菌ですが、2番目に多い原因はこのNSAIDsです。特に、50歳以上の中・高齢者では、胃・十二指腸潰瘍、胃がんの原因となるピロリ菌の感染率が高いため、よりリスクが高まります。
また、鎮痛剤以外でも、脳梗塞や心筋梗塞を治療・予防する抗血栓薬・抗血小板薬(血液をさらさらさせる薬)や、風邪薬、咳止め、自律神経薬、降圧剤、ステロイド薬などでも注意が必要です。胃・十二指腸潰瘍は、必ずしも痛みを伴うわけではなく、軽い胃もたれ、吐き気程度の症状しか起きないことがあり、時には、自覚症状もなく、突然、吐血や下血したり、さらには、深い潰瘍の場合は、胃に穴が開いてしまうこともあります。前述の薬に含まれる鎮痛成分は胃の痛みさえも隠してしまうので、そのため発見が遅くなることが多いのです。頭痛、腰痛など一過性の症状であれば、薬を使用せず、身体を冷やしたり、湿布などの外用剤を使用するなどで対処できますが、痛みや炎症の程度によっては、鎮痛剤を服用せざるを得ない場合もあります。その場合、胃薬の併用や定期的に胃カメラ検査を行い、胃腸障害に注意すること、また、ピロリ菌が陽性である場合、多くは胃炎を合併しているため、ピロリ菌の除菌も有効な方法です。ピロリ菌の除菌により、将来の胃がんの発生の確率も低下させることも期待できます。また、頭痛・腰痛は、痛みの原因となる他の病気が隠れていることがあるため、専門医の診療を受けてから、必要最低限の鎮痛剤の使用を心がけましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2013年7月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

あなたの肺年齢は大丈夫ですか?

内科2013/06/10

 COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは中年以後に発症し、タバコを吸う方に多くみられる疾患です。
初期症状は、カゼをひいているわけではないのに咳や痰が出る、カゼをひきやすく治りにくい、ちょっとした運動で息切れを起こしやすい、などです。
進行すると平地を歩いても呼吸が苦しくなります。
COPDは肺がんとともにタバコが最も悪さをする肺の病気で、息切れが起こる主な原因は気管支が狭くなるためです。一度狭くなった気管支は元に戻らず、禁煙しなければ徐々に進行していきます。
さらに、肺活量は加齢現象の一つとして徐々に低下していきます。
1秒間に吐き出すことのできる空気の量を1秒量といい、これは非喫煙者の場合でも一つ年をとるごとに30mL前後減りますが、喫煙者では70mL前後減ります。
20歳代で1秒量が同じでも、50歳になると喫煙者と非喫煙者では1000mL近く差が出る計算です。
COPDは放置していると日常生活を送ることも困難になることがあります。
あなたの肺年齢は大丈夫ですか?
前述のような症状がある方は、診察をおすすめします。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長( 2013年6月10日 「みなみ風」掲載)

ピロリ菌をやっつけろ!(慢性胃炎編)

内科2013/05/27

朗報です!
ピロリ菌の除菌治療の対象が拡大して、慢性胃炎の方も健康保険で除菌治療が行えるようになりました。
今までは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・早期胃癌の胃カメラ治療後・他の特殊な病気だけが、除菌治療を保険で行うことができました。
それ以外の方は、ピロリ菌がいても自費で除菌を行っていたのです。
ところが、ピロリ菌と慢性胃炎の発癌の問題が、より明らかになったため、厚生労働省も重い腰を上げて除菌治療を慢性胃炎にも適応拡大したのです。
胃癌とピロリ菌について述べますと、ピロリ菌陰性者からは、ほぼ胃癌は発生しません。
ピロリ菌陽性であるだけで1000人に1人、そして慢性胃萎縮性胃炎の所見があれば400人に1人の割合で胃癌が発見されます。
また、萎縮性胃炎が進行するとついにはピロリ菌も胃の中に住めなくなります。
この時期には、ピロリ菌がいないにもかかわらず80人に1人の割合で胃癌ができます。怖いですね!
そうなる前の除菌治療ということです。
除菌治療とは、抗生物質2種類と胃酸を抑えるお薬を1週間飲むだけです。
初回の治療=1次除菌は約70%の除菌率です。
もしうまくいかなければ、2回目の治療=2次除菌を行います。
2次除菌は約90%の除菌率です。
ともに主な副作用は下痢・軟便です。
1次除菌ではまれに味覚障害が起こりますが、除菌治療後元に戻ります。
2次除菌は、薬の作用でアルコールが分解でピロリ菌の除菌後しばらくして胃酸の逆流症状が強くなる方もいます。
除菌治療により発癌リスクは減りますが、癌にならないわけではありません。
ここを間違わないでください。
除菌後も胃癌検診は必要ですよ!
除菌したので胃癌検診を行わず、残念ながら進行胃癌になっている方もいますので除菌後も胃癌検診は怠らないようにしましょうね!
検査の間隔は除菌後の胃炎の改善状態にもよります。
除菌して安心しきっているあなた! 次の胃癌検診はいつですか?
ちゃんと主治医に確認してくださいね!


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2013年5月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

減塩について

内科2013/04/16

 塩分の摂りすぎが高血圧を引き起こすことは、多くの研究や統計などで指摘されています。
高血圧は脳卒中や心臓疾患などを発症させますので、毎日の食事の減塩は、血圧が高めの人が健康に生活するために必要なことです。
日本人の1日塩分摂取量は、平成7年の13g/日から、平成22年の10.6g/日へと徐々に減少してきてはいますが、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」の中で、食塩摂取目標値を男性9g/日未満、女性7.5g/日未満としています。
また日本高血圧学会では、高血圧の人に対しては6g/日未満とさらに厳しい目標値を定めています。
もともと塩分摂取量の少ない欧米では、3.8g/日を最終目標値と考えており、日本においても、前述の目標値は暫定目標値とし、本来はもっと少ない値に設定すべきだというのが専門家の意見のようです。

 私たちの通常の食生活ではまだまだ塩分を摂りすぎているとは解っていても、梅干し1個の塩分が2g、ほっけ焼き1切れで3.8g、みそラーメンで6g、握りずし一人前で4gなどととても多くの塩分を含んでいる日本の食卓で、一食当たりの塩分量を2gや3g未満にすべきと言われても、それはやさしいことではありません。
急激に減塩食へ切り換えて、食欲をなくし栄養障害になっては本末転倒でしょう。
上手に減塩するには、まずは薄味に慣れて食材本来の味を楽しめるようになることが大事です。
だしや香辛料で味を調え、汁物は具を多くし汁量を減らし、ラーメンや蕎麦はスープやつゆを残し、醤油やソースはかけるのではなく付けて食べるようにするなども良いです。
最近の食品栄養成分表には、食塩相当量の記載があるものも多く、またナトリウム量(g)の記載があれば、それを2.5倍すると塩分含量(g)になりますので、食事前に食塩含有量を確認してみることが良いと思います。
まずは、次の食事から減塩に意識を持つことからはじめてみましょう。


Text by 関口内科 関口 洋平( 2013年2月号 「函楽」掲載)

お腹とストレス

内科2013/04/15

新年度が始まりました。学校や職場など、新しい環境でストレスを感じることもあるでしょう。
中には、お腹の調子が悪くなる人もいるかもしれません。
胃腸はストレスの影響を受けやすい器官です。
脳にある神経と同様の神経が腸にも分布しており、脳と腸の神経は自律神経を介して結びついているため、脳で感じたストレスが腸へ伝わり、腸の動きに異常を来すと考えられています。
腸に直接的な異常はないのに、腸の動きが過剰になったり、動きが悪くなることで、下痢したり便秘したり、お腹がすっきりしない、痛くなるなどの症状が出ます。
これを過敏性腸症候群といい、ストレスの関与がいわれています。
ただし、腸に炎症が起きて腹痛や下痢などを繰り返す病気もありますので、まずは病院できちんと診断を受けましょう。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2013年4月15日 「みなみ風」掲載)

大人の喘息って?

内科2013/04/02

 成人喘息は過去30年間で約3倍にも増加しているといわれ、都市部に多い傾向にあるため文明病とも呼ばれています。
小児喘息から持ち越す人や再発する方もいますが、40~60代で発症する方も少なくありません。
実は成人喘息の発症パターンのうち最も多いのは成人になってから初めて発症するケースなのです。
小児喘息の9割以上でアレルギーの関与が認められるのに対し、成人の喘息においてアレルゲン(アレルギーの原因物質)を発見できるのは5割程度で残りの5割はアレルゲンを発見できない非アトピー型です。
しかし気管支の慢性的な炎症、ぜん鳴(呼吸のたびにぜいぜいする症状)が出て息苦しくなるという点では小児喘息と変わりありません。
成人喘息の悪化の原因はひとによってさまざまです。
以下に主なものをあげます。

①ダニはやペットの抜け毛やフケ、花粉、カビの胞子など(これらをふくむ室内埃をハウスダストといいます)。

②消炎鎮痛薬を飲んだり注射をした後で非常に重篤な喘息発作を起こされる方も成人喘息の約1割に認められ、これをアスピリン喘息とよびます。

③ストレス

④運動誘発喘息といって運動によって短時間喘息発作を起こすことがあります。これは発作が起きたからといってスポーツをやめる必要はなく適切な投薬でコントロールができます。

⑤室内空気汚染物質(たとえば石油暖房器などから発生する窒素酸化物や一酸化炭素、建材などから発生するホルムアルデヒドなど)が発作の誘因になることがあります。大気汚染も同様です。最近ではPM2.5なども問題になっています。

⑥たばこの煙。

⑦かぜや気管支炎などの気道感染。長引く咳や痰で悩んでいらっしゃる方はもしかしたら成人喘息かもしれません。適切な治療で驚くほど症状が改善することもありますので、そのような方はぜひ専門医を受診してください。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長( 2013年4月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

むくみ(浮腫)

内科2012/12/17

 「先生、毎年冬が近づくと靴が履けないくらいに両足がぱんぱんにむくむのですが…」と、心臓疾患で通院中のAさんは、困った顔をして聞いてきました。
どうやら、体重も2、3Kgは増えているとのことです。

 人の身体の水分量は体重の60%といわれています。
その配分は、細胞内に40%、血管内に5%、組織液に15%となります。
組織液とは、間質液とも呼ばれ、動脈の血管の壁を通り抜けて血管外の間質組織へ出た液体のことです。
血管の外側にある細胞に栄養や酸素を配ったり老廃物を流し去る役割があります。
増えた組織液は静脈の壁を通り血管へ戻り、また戻りきらない水分はリンパ管を通って排水されます。
体重50Kgの人であれば7・5Lもの組織液を保有していることになり、むくみ(浮腫)は、その組織液が何らかの原因で産生量が増加するか排水系に障害が起こる場合に出現します。

 浮腫を起こす原因疾患は、心臓疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、妊娠中毒、血管やリンパ管の炎症や閉塞、貧血、脚気などたくさんあります。
Aさんのように心臓疾患がある人が、暑い夏の間に脳梗塞や熱中症の予防目的で水分や塩分を多めに摂っていた場合、秋になり発汗量が減少しているにもかかわらず同様に水分や塩分を多めに摂り続けていると、腎臓からの排尿だけでは摂取した水分量を排水しきれなくなり、身体に水分を貯め込んでしまうために浮腫が起こります。
1日にたった100mlが身体に残ったとしても、1ケ月間続くと3Lの水が身体に残り浮腫として現れ、その時に体重は3Kgも増えていることになります。
このようなケースでは、利尿薬を内服することで改善する場合が多いのですが、まずは摂取水分量の見直しが大事です。

 浮腫の予防には、水分塩分を摂り過ぎない、長時間立ち続けるや座り続けることをしない、運動不足にならない、ふくらはぎの筋肉を動かし筋力を維持する、アルコールを摂り過ぎない、寝不足やストレスで自律神経バランスを崩さないなどが重要です。


Text by 関口内科 関口 洋平( 2012年12月17日 「北海道新聞夕刊」掲載)

風邪の季節になりました

内科2012/11/30

 風邪は、鼻やのど・気管支などの粘膜の炎症の総称です。
高齢者や、糖尿病・がんなどの病気を持っている人は細菌感染が原因となる確率が高くなるといわれていますが、一般的にはウイルス感染が原因です。
風邪の原因となるウイルスは何百種類もあり、インフルエンザなど一部を除いては、予防や治療をすることは出来ません。
細菌感染が原因の場合は抗生物質で効果がありますが、ほとんどの場合はウイルス感染が原因であるため、風邪の初期には抗生物質を飲んでも効果は期待できません。

 現在、風邪薬として市販されていたり病院で処方したりする薬は、風邪そのものを治療するのではなく風邪の症状を和らげる薬で、本当の意味で風邪を治すのは自分自身です。
私達の体はウイルスが体の中に侵入すると、いろいろな手段を使って排除しようとします。
鼻や喉から侵入したウイルスを排除するために鼻水や、咳や痰(たん)が出たりします。
ウイルスを攻撃する白血球やリンパ球は温度が高い方が活発に活動するため、活動しやすいように体温を上昇させます。

 逆に、インフルエンザも含め、風邪のウイルスは温度があまり高いところでは増えにくいということがわかっています。
熱が出るのは、体温を上昇させて効率よく免疫細胞を働かせ、ウイルスの増殖を抑えるという効果があるのです。
ですから、熱が出たからといってあわてて解熱剤を飲んで体温を下げると、逆にウイルスを増やしてしまい、風邪の治りを遅くしてしまう場合があります。
ウイルスとの戦いにエネルギーを消費するため、だるさが出たり、消化の働きがわるくなるため、食欲が落ちたりもします。
そんなときには無理をせず、水分補給だけにするか、消化のよいものを摂った方がよいでしょう。
風邪のひき始めは暖かくして、しっかり休養をとることが大事です。

 薬はあくまでも症状を和らげることが目的ですから、薬を飲んでいるからと安心して無理をすると、逆効果になってしまいます。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2012年11月30日 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

かわりゆく糖尿病の食事療法について

内科2012/11/26

 最近テレビなどのダイエット番組で取り上げられている「低糖質ダイエット」。
それに近い考え方の糖尿病の食事指導があります。
カーボカウントといいます。
この考え方を紹介するときに有名な話があります。
アメリカでインスリン治療中の患者が、バーベキューの後で低血糖となるという話です。

 え? あんなに肉の塊を食べたのに??

 患者さんも医師もびっくりです。
低血糖となった患者は、肉を多く食べて、炭水化物~ライスやパンをほとんど食べていなかったそうです。
つまり、食後の血糖の上昇を左右するのは、肉・油(タンパク質・脂質)ではなく、ご飯・イモ・パンなどの炭水化物(糖質)であるということです。
このカーボカウントというのはカーボ(炭水化物=糖質+食物繊維)の量からどのくらい血糖値が上昇するかを考え食事に応用するものです。
はじめは、インスリン依存型の糖尿病の方が、食前の血糖値から、食べる炭水化物の量を考え、食後の血糖値を予測して、基本的なインスリン量に追加インスリンを加え血糖コントロールを行うものでした。

 日本人に多い2型糖尿病は、一般的に1gの炭水化物で3mg血糖値が上がるといわれています。
ご飯1膳150gには、55gの糖質が含まれています。
2型糖尿病の人がご飯を食べると理論上は55×3=165mg血糖値が上がる計算になります(実際には、その人のインスリン分泌量によって上下します)。
ところが焼肉(塩)200gでは炭水化物を含みませんのでほとんど血糖値は上昇しないのです(甘いたれは、糖質なので血糖値を上昇させます)。
炭水化物を多く含む食品は、ごはん・パンなどの穀類、豆類、じゃがいも・かぼちゃなどの根菜類、果物、乳製品(乳糖)です。
また炭水化物(カーボ)(g)を、主食の総重量から計算する方法もあり、米飯40%、パン50%、ゆで麺20%を総重量にかけると炭水化物量になるとしています。
このように今後は食事の炭水化物の量を主に考え血糖値と付き合う時代になりつつあるのです。
ただし糖尿病の方は主治医と相談しながら行って下さい。


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2012年11月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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