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コラムを読む

胃がんになりやすい人って?

 漠然と「胃がんになったらどうしよう」と考えたことはありませんか?
最近、どの程度胃がんになりやすいかを検査できるようになりました。
胃がんリスク検診=ABC検診といいます(健康保険は対象外)。
現在、群馬県全域・東京都の一部の区で実地されています。

 血液を調べて,胃がんの原因といわれるピロリ菌に感染しているかどうかと、胃の老化をペプシノーゲンⅠ・Ⅱという物質で検査します。

A群:ピロリ菌もいない・胃の老化もない状態。この場合ほとんど胃がんの発生がありません。

B群:ピロリ菌がいるけれど、胃の老化は始まっていない。この場合1000人に1人の割合で胃がんの発生があるといわれます。

C群:ピロリ菌がいて、胃が老化しているものでは、400人に1人。

D群:ピロリ菌が住めないくらい胃の老化が進んでいるものでは80人に1人と言われています。

 この検診で胃がんリスクを考え、A群の方は5年に1度程度、B群は3年、C群は2~1年、D群は毎年胃カメラでの精密検査が推奨されています。
この検診結果から分かるように、基本的にピロリ菌に感染しているならば、まず除菌することが勧められます。
ただし、除菌治療は胃潰瘍や十二指腸潰瘍など健康保険で賄(まかな)えるものは限られており、自費で行われる方が多いのも事実です。
また、この検診でA群と診断されても実はピロリ菌に感染していた方も混入することもあったり、胃がん以外の悪性腫瘍(2%前後)、ピロリ菌の感染が背景に無い胃がんがごくわずかに存在することもあります。
この検診は、今胃がんになってるかどうかの判定ではありません。
あくまでも胃がんのなりやすさであり、結果を鵜呑みにすることなく、何か症状があったり不安であれば消化器科専門医に相談してくださいね。


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2012年5月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

ピロリ菌は万病の元?

消化器内科2012/03/19

 「かぜは万病の元」。ささいな病気でも軽く考えず早目に治さなければ、より重大な病気をひきおこすと警鐘を鳴らした言葉です。
胃潰瘍の原因菌として一躍有名になったピロリ菌(正式にはヘリコバクター・ピロリ菌)は1983年にヒトの胃から発見されました。
胃液中の酸はその殺菌作用によって細菌感染に対する防御機構として機能すると考えられており、「胃の中に細菌は存在しない」という当時の医学常識を覆す画期的な発見でした。
日本人は人口の約50%が感染しており、除菌療法が2000年に胃潰瘍と十二指腸潰瘍に、その後胃MALTリンパ腫、早期胃がんの粘膜切除術後の胃などにも保険適用となりました。

消化器系疾患では他にも胃がん、胃ポリープ、萎縮性胃炎などとの関連性が判明しています。

 一方、最近の研究でピロリ菌は、意外な疾患にも関係することが分かってきました。
特発性血小板減少性紫斑病という血液の病気でピロリ菌陽性例に除菌治療を行うと半数以上で病状が改善するため、現在は治療の第一選択となり保険適用にもなりました。
また原因不明の慢性じんま疹はピロリ菌を除菌すると 30%前後の例で症状が改善するとされています。
その他にも、心筋梗塞などの虚血性心疾患、パーキンソン病・アルツハイマー病などの神経疾患、肺がんなどの呼吸器疾患、鉄欠乏性貧血、糖尿病、自己免疫疾患、眼科疾患、婦人科疾患など、当初の想定を超えた広範囲な疾患でピロリ菌感染との関連性を示唆する報告があります。
これらの関連性は現時点ではまだ確定的ではないものもあり、保険適用もない疾患が多いですが、今後の研究が期待されるところです。

 ピロリ菌の除菌療法は一週間の内服ですが、最近は耐性菌の増加により成功率が70%前後に低下しています。
しかし一回目で不成功の場合も二次除菌として有効な治療薬が保険適用となっており、最終的には90%以上の方で除菌は可能です。
除菌を希望する場合は専門医とよく相談するのが良いでしょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2012年2月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

逆流性食道炎と生活習慣について

消化器内科2010/04/26

食後にちょっと一休み…と横になったときや前かがみの姿勢になったときに、酸っぱいものが上がってくる。
…何となくジリジリと胸やけがする。
最近やたらとげっぷが出る。
…などの症状が起きることはありませんか?これらの症状は胃液(胃酸)が食道へ逆流するために起こるもので、「逆流性食道炎」という病気の可能性があります。
逆流性食道炎とは、胃と食道の境目にある括約筋が様々な理由で緩んでしまうことによって胃から食道へと胃酸が逆流し、食道の粘膜にただれが起こる病気です。
最近は食生活の欧米化に伴い、高脂肪食の大量摂取などが原因で日本人にも逆流性食道炎が増加してきています。
胃酸の逆流を防ぐには、食べ過ぎ・飲みすぎをしないようにし、とくに脂っこい食べ物(フライ・天ぷら)や甘い物(ケーキ・チョコレート・あんこ)、刺激の強い物(香辛料、アルコール、コーヒー、タバコ)などを控えるようにしましょう。
また、お腹を圧迫しないようにベルト・コルセットなどはゆるめにして、あまり前かがみの姿勢にならないこと、食後2時間は横にならないで、眠るときは少し上半身を起こすようにすることなどを心がけてみましょう。
以上の対処法でもなかなか症状が改善しないという場合には、一度医師の診察を受けられることをお勧めします。
当院では問診の結果で逆流性食道炎が疑わしい場合には、患者さんの苦痛が少なく楽にできる鼻からの経鼻内視鏡検査を随時施行しています。
内視鏡検査で食道粘膜のただれの程度を確認し、まずは2ヶ月間、胃酸分泌を抑える治療薬を内服して経過をみることになります。
長年、逆流性食道炎の状態を我慢して放っておくことで、食道粘膜のただれが変化して、稀ではありますが、食道腺癌が発生することも分かっています。
大切なことは、症状のあるときには勇気を持って早めに検査を受けてみる!ということです。
今は、内視鏡検査も昔に比べると格段に楽になってきています。
検査に抵抗のある方も、まずは症状のご相談だけでも受診してみて下さい。


Text by 佐藤内科小児科 内科認定医 中里 諭美(  「青いぽすと」掲載)

胃もたれや胃痛が続く…機能性胃腸症について

消化器内科2010/04/26

数年前、安倍元首相の突然の辞任表明に引き続いて「機能性胃腸症で緊急入院」というニュースがありましたね。
このとき「機能性胃腸症って何?」と思った方も多かったのではないでしょうか?
機能性胃腸症(FD:Functional Dyspepsia)は内視鏡検査などで、胃に潰瘍やがんなどの異常が認められないのに、胃のもたれや痛みを感じる症状のことをいいます。
こうした症状は、昔は胃下垂、胃アトニーと呼ばれ、最近まで胃けいれん、神経性胃炎、慢性胃炎などと診断されてきました。
しかし実際には、胃の粘膜に炎症がないのに「胃炎」というのは正確ではないということから、近年「機能性胃腸症」と呼ばれるようになってきたのです。
その名の通り、胃の機能(働き)が低下することによって、胃もたれや胃痛、腹部膨満感、胸やけ、食欲不振などの様々な症状が起こると考えられています。機能性胃腸症は新しい病気というわけではなく、日本人の4人に1人が経験しているといわれるほどありふれた病気です。
主な原因は精神的ストレスや過労と言われており、ストレス社会を反映した現代病と言っても良いでしょう。
よく「ストレスで胃に穴があく」と言われますが、胃腸は自律神経の働きと密接に関わっており、ストレスによって自律神経が乱れると、胃の動きや胃酸の分泌にも大きく影響が出るのです。
機能性胃腸症は、胃もたれや食後すぐにお腹がいっぱいになるなどの症状が中心の

  1. 運動不全型と、空腹時や夜間の胃の痛みなどが強く出る
  2. 潰瘍症状型、どちらの症状も出る
  3. 非特異型

の3つのタイプに分けられます。治療はこれらの症状に合わせて、消化管運動機能改善薬や胃酸分泌抑制薬、抗不安薬などを用いた内服薬治療と、食生活を含むライフスタイルの改善の両面から行います。
食生活では、3食きちんと食べ、ゆっくり良く噛んで食べること、腹8分目を心がけて食べること、胃に負担がかかる脂っこいものや香辛料やアルコール、コーヒー、緑茶などの摂り過ぎにも注意しましょう。
また、過剰なストレスをためないように休養をとること、趣味や適度な運動などで気分転換をはかることも大切です。
なお、薬を飲んでも良くならない、胃の症状以外に黒い便が出るなど他の症状を伴う時には、胃・十二指腸潰瘍や胆石・膵臓の病気、がんなどの原因となる病気が潜んでいるかもしれません。
自己判断をせずに、消化器病専門医に相談しましょう。


Text by 佐藤内科小児科 内科認定医 中里 諭美(  「青いぽすと」掲載)

ピロリ菌について

消化器内科2010/04/26

ピロリ菌についてご存知ですか?
最近、メディアで耳にする機会も増えてきたピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)。
何となく可愛らしい印象のする名前ですが、実は胃の粘膜に生息して胃潰瘍や十二指腸潰瘍、果ては胃癌まで引き起こす原因にも成り得る恐ろしい細菌であることがわかっています。
感染経路ははっきりとは分かっていませんが、口を介した感染(経口感染)が大部分であると言われています。
また、衛生環境と関係していると考えられていて、上下水道が十分普及していなかつた世代の人で高い感染率となっています。
日本人では、40歳以上の約80%(!)の人がピロリ菌に感染しているとも言われています。
ピロリ菌に感染すると胃の粘膜に炎症が起こりますが、ほとんどの人は症状を自覚しません。
つまり、知らないうちにピロリ菌に感染していて、胃・十二指腸潰瘍を発症したり、一度潰瘍が治っても再発を繰り返したりすることになるのです。
そこで、このピロリ菌を退治する「除菌治療」を行うと大部分の潰瘍の再発が抑えられると言われています。
当院では「尿素呼気試験法」という、紙パックに息を吐いてもらうだけでピロリ菌に感染しているかどうかがわかる簡単な検査を行い、ピロリ菌に感染している場合は、2種類の「抗生物質」と「胃酸の分泌を抑える薬」の合計3種類を1日2回、7日間内服してもらう除菌治療を行います。
正しくお薬を服用すれば、約80%の確率で除菌治療は成功します。(万が一、除菌に失敗した場合でも2回目の除菌治療を受けることができます。)
また当院では、胃痛などの症状の重さにより、必要であれば苦痛の少ない鼻からの経鼻内視鏡検査も随時行えます。
今までに潰瘍になったことがある方や、いつも何となく胃の調子が悪いという方は、一度ピロリ菌の検査を受けてみられてはいかがでしょうか?


Text by 佐藤内科小児科 内科認定医 中里 諭美(  「青いぽすと」掲載)

のどの違和感が続いていませんか?

消化器内科2010/01/25

 「風邪でもないのに、のどがつまる。違和感が続く」、それは「胃食道逆流症」かもしれません。

 「胃食道逆流症」は、欧米に多く日本では比較的少ないと考えられてきましたが、食事の欧米化・高齢化社会・診断の進歩等により日本でもこの病気に悩まされている人が急増していることがわかってきました。

 年末年始の多忙やストレス、食べすぎ・飲みすぎも原因の一つと言われています。

 症状が悪化すると、胸やけやげっぷ、声枯れ、口の中にすっぱい水が上がる、さらには動悸(どうき)や胸痛、長く続く頑固な咳、がんや不眠症まで引き起こすことがあります。

 それらを引き起こす犯人の一つが「胃液の逆流」です。
胃液は強い酸性のため、胃酸と混ざり合った食べ物により食道の粘膜を刺激することから起こります。

 本来は、食道と胃のつなぎ目にある筋肉の働きによって、一度胃の中に入った食べ物が食道に逆流することはほとんどありません。
しかし、加齢や喫煙・飲酒、食道や胃の機能の低下、肥満や重いものを持つことなどによる胃の圧迫、胃酸の分泌の増加等が、胃液を逆流させてしまうのです。

 また、逆流した胃液を洗い流している「唾液」の分泌低下も一因です。
一般的には、診断のときは胃カメラで胃酸の逆流に伴う食道の発赤やただれをチェックします。
他には機器を使って、食道への胃酸の逆流の程度を調べるペーハーモニター検査もあります。

 治療は、内服によるものが主となります。
薬は、胃酸の分泌を抑える「胃酸分泌抑制剤」、胃酸を中和する「制酸剤」、食道や胃の働きを促す「消化管運動機能改善剤」等です。

 それと共に日常生活の改善が最も重要です。

 肥満や便秘、ベルトやコルセットでの締めすぎも腹圧を上昇させ、逆流を起こしやすくします。
また胃を圧迫するような前かがみでの長時間の作業は、控えましょう。

 脂肪食を制限し、食べすぎ・飲みすぎ・早食い・夜食は控え、食後2時間は横にならないことも大切です。

 胃食道逆流症は、「食道がん」の原因にもなる要注意の病気でもあります。

 症状が続く時には専門医へ相談してみてはいかがでしょうか?


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2010年1月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

お腹が張っていませんか?

消化器内科2008/08/13

 「お腹の張り」は、食べたものが腸内で発酵し、ガスが発生する事によって起こる場合があります。

 食べたものは、主に小腸で必要な栄養素が吸収され、ドロドロの残りカスが大腸へと送られます。大腸では水分が吸収され次第に便を形づくり、直腸に送られて最終的には体外へ排出されます。しかし、便秘をした時など、内容物が腸内に長くとどまると、菌の増殖によって、ガスが発生するため、お腹が張った感じになるのです。

 便秘の他、下痢の時にもお腹が張ります。お腹が張るからといって、下剤を飲みすぎたりする事は、逆に症状を悪化させます。

 この他、胃の機能の低下が原因となることもあります。私達は、食事をしている時、一緒に飲み込んだ空気を、胃の蠕動(ぜんどう)運動によって吐き出しています。しかし、胃の働きが弱くなると、空気を吐き出す事ができずに胃にたまってしまい、げっぷが多くなります。

 まずは、生活習慣や食生活の改善ですが、ストレスが原因となる事もあるため、ストレスをためないよう心がけることも大切です。それでも改善しない時は、大腸癌や過敏性腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)なども疑わなくてはなりません。

 大腸の検査というと、「検査の朝には、たくさん(二リットル)の下剤を溶かした洗浄液を飲み、のた打ち回るような痛みをこらえて・・・」というイメージがありますが、洗浄液はレモン味やグレープフルーツ味に改善されていますし、最近では、お茶や水で飲むことのできる錠剤もあり、かなり飲み易くなり、好みによって使い分ける事が可能になりました。また、カメラの性能が良くなり、検査の苦痛はかなり軽減されています。

 胃腸以外の病気でもお腹が張る事があります。腹水がたまっていたり、卵巣に腫瘍ができることでも同じような症状になるので注意が必要です。

 長期間、お腹が張る症状が継続している方は、専門医に相談をする事をお勧めします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

美味しく食べていますか?

(1)食べ物がつかえる
(2)酸っぱい物がこみ上げてくる
(3)胸やけがする
(4)胸が痛んだり、苦しくなる
(5)咳が続く
(6)声がかすれる

などの症状に悩まされた事はありませんか?

 これらは逆流性食道炎の症状です。特に甘い物を食べた後に起こりやすく、胃酸が食道へ逆流することにより起こる病気です。胸痛があるのに心臓は異常がないと言われていたり、喘息がなかなか治らない方に、この病気を合併している場合が多いと言われます。偏食でストレスの多い方、肥満気味の方や高齢者によく見られます。
逆流性食道炎をそのままにしておくと、いずれ食道がんに移行したり、高齢者の肺炎も起こりやすくなります。これは胃カメラで診断しますが、検診などで行うバリウム検査ではほとんどわかりません。治療は胃酸を抑える薬の内服や、腹腔鏡での簡単な手術で症状は著明に改善されます。他の病気の早期発見も含めて、専門医での胃カメラ検査をお勧め致します。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子(  「」掲載)

「胸やけ」と「ムカムカ」

 「痛い」とか「かゆい」という言葉のように、「胸やけ」や「ムカムカ」もどんな感覚なのか誰にでも通用する言葉だと、今まで私は思っていましたが、どうもそうではないようです。

 「胸やけ」は文字通り胸が焼け付く感覚で、「ムカムカ」は強くなれば吐き気につながる感覚と私は考えていました。しかし最近、患者さんの訴えに違和感を感じたので、「胸やけ」を訴える患者さんに「別の言葉で言えばどんな感じですか?」と質問してみたところ、40代以上の患者さんのほとんどは私と同じように「胸やけ」を捉(とら)えていたのですが、30代以下の患者さんには「ムカムカ」を「胸やけ」と表現する患者さんが少なくありませんでした。

 問診は難しいですね。

 まさか若い世代の使う「痛い」とか「かゆい」とかいう言葉は、私とは違う感覚を指していることはないと思いますが(ちょっと不安)。


Text by はらだ消化器科クリニック 原田 博幸(  「」掲載)

インフルエンザワクチンをうけましょう

 今年もそろそろインフルエンザのワクチン接種が始まります。時節に合わせて、今回はインフルエンザとそのワクチンについての解説をします。

 インフルエンザのことを日本語で流行性感冒(りゅうこうせいかんぼう)、略して流感(りゅうかん)としているためか、インフルエンザのワクチン接種を「カゼの予防接種」と考え、「ワクチンを受けたのにカゼをひいた」とか、逆に「おかげで今年はカゼをひかなかった」とか考えている人がいるようです。

 しかしこれは正確ではありません。インフルエンザウィルスばかりがカゼ症状を引き起こす病原体ではないからです。他にもカゼ症状を引き起こす病原体はたくさんあり、これらに感染して発症すれば、予防接種を受けていても「カゼをひく」ことになるのです。それでも予防接種を行うのはインフルエンザは他のカゼと比べて感染力が強く重症化しやすいからなのです。

 しかし、ワクチン接種を受けていてもインフルエンザに罹(かか)る場合があります。厚労省などでワクチンの有効率を発表していますが、そもそも何をもって有効としているのでしょうか。皆さんは常識的に「それはインフルエンザに罹らないことだろう」と考えているかもしれませんが、そうとは限りません。高齢者を対象にした調査によればワクチンを受けていても半数近くの人はインフルエンザに罹るのだそうです。しかし重要なのはワクチンを受けずにインフルエンザで亡くなった高齢者のうち八割はワクチンを受けていれば亡くならずに済んだであろうという調査結果です。つまりワクチンを受けたのにインフルエンザに罹ったとしても効果が無かったとは言えず、重症化を防ぐ効果があったかもしれないのです。

 現在のところワクチン以上に有効なインフルエンザへの備えはありません。高齢者に限らずワクチンの有効性は示されています。

 皆さんできるだけワクチン接種を受けましょう。


Text by はらだ消化器科クリニック 原田 博幸(  「」掲載)

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