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熱傷(やけど)

皮膚科2011/09/26

熱傷(やけど)は日常的に多く見られる外傷の一つです。
熱傷は高温のものが皮膚に一定時間以上付いて起こるものです。
付いたものの温度と付いていた時間によって深さが決まります。
高温のものだと一瞬で深い熱傷になります。
低温のものでも付いている時間が長ければやはり深い熱傷になります。
これは低温熱傷といわれるもので、深い熱傷のことも多いものです。
そして、熱傷はその深さによって1度、2度、3度に分けられます。1度は最も浅いものです。
赤くなるだけで数日で治まります。
日焼けなども1度の熱傷です。2度の熱傷は水疱(水ぶくれ)ができます。
2度の熱傷は深さによって浅いものと深いものとに分けられます。
浅いものは1〜2週間で傷あとにならずに治ります。
2度の熱傷の深いものは治るのにもっと時間がかかり、肥厚性瘢痕というケロイドのように盛り上がった傷あとになることもあります。
2度の浅いものでも炎症が強くなったり、化膿したりすれば深くなることもあります。
3度になるとさらに深くなり皮膚が黒くなったりします。
また、痛みは浅い熱傷の方が強く、深い熱傷になると痛みは弱くなってきます。熱傷を受傷した時は、大切なのは冷やすことです。冷やすことで深いやけどになることを防ぐことができます。
また、痛みも和らげることができます。
水疱(水ぶくれ)がある場合には、できるだけ破らない方が痛みも少なくてすみます。
破れてしまった時には、創傷被覆材といって特殊なシートで覆うことによって痛みを軽減し、早く治すこともできます。
2度の深いもの以上の熱傷になると、治るのに時間がかかりますし、傷あとになったりすることも多く、専門的な治療が必要になります。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡( 2011年9月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

白内障手術をいつするべきか?

眼科2011/07/04

近年TVなどで、日帰り白内障手術が取り上げられ、白内障手術は、誰にとっても楽な手術と思う方も多いと思います。
しかし、手術をする側の眼科医にとっては、手術前後はしっかり感染予防をするなど気をつけることはたくさんあります。
ある程度までの白内障ならば、現在主流の超音波乳化吸引術で行えますが、白内障が進むと、とても硬くなることがあり、超音波乳化吸引術が困難になり、傷を大きく広げる手術に変更しなければならなくなります。
以前言われていたように、「白内障はかなり進んでからじゃないと手術はできない」というのは間違いで、ご自分が不便を感じた時が手術の時期と考えてよいと思います。
白内障は加齢性の変化であり、失明するような病気ではないので、見えづらいと感じたら手術をすればよいのですが、硬くなりすぎる前の方が低リスクで手術を行えます。
あまりに硬く、濃い茶色に濁るまで放置すると手術の危険性が増してしまいます。
見えづらさを感じたら、眼科を受診して、白内障手術が必要かどうかをご相談下さい。


Text by 藤岡眼科 藤岡聖子( 2011年7月4日 「みなみ風」掲載)

増えゆく大腸がん

 平成23年の日本人の死因の第1位は悪性新生物(いわゆるがん)です。
その内訳をみると、胃がんなどが減少傾向にある一方で大腸がんは増えており、男性で第3位、女性では第1位となっています。
このままいけば男女総計では数年後に胃がんを抜くといわれています。
また地域的にも函館市は北海道の中でも大腸がん死亡率の高い地域となっています。
がんは発症臓器によって悪性度が異なるため、死亡率(単位人口あたりの死亡数)が高いがんが必ずしも罹患率(単位人口あたりの新たにかかる患者数)も高いとは限りません。
しかし大腸がんの場合は死亡率だけでなく罹患率も大変高く増加傾向にあり、2020年には胃がん・肺がんを抜いて第1位になると予測されています。
つまり大腸がんは今後ますます身近で一般的な疾患となっていくのです。

 大腸がんで死亡する方はかかる方の約3割といわれており、これは他のがんに比べて治りやすいがんであることを示しています。
実際大腸がんは手術で完治する可能性が比較的高いがんであり、また手術のできない例や再発例でも近年の抗がん剤治療の進歩により長期生存が可能となっています。
しかし100%確実な治療法が存在しない現状で大腸がんで命を落とさないようにするためにはどうすればよいでしょうか?
大腸がんも他のがんと同様に現在でも発病の原因は分かっていませんが、食生活の欧米化による高脂肪食の摂取や食物繊維の不足、さらに運動不足との関係が指摘されています。
まずは日頃の食生活・生活習慣の注意が必要です。
それと同時に、がん検診を適切に受け早期発見・早期治療の機会を逃さないようにすることも大切です。
大腸がん検診は、便潜血検査といって、肉眼ではわからない程度の血が便に混じっていないかどうかを検査します。
この検査は大腸がんを100%発見できるわけではありませんが、1回のみではなく定期的に受けることで大腸がん死亡率を下げる効果が実証されており、毎年受けることが大切なのです。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2013年2月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

知らないと損をする介護保険

介護2016/10/03

 先日、父の介護をしていた母が倒れました。
元気な母と思っていましたが今年で80歳、介護疲れがたまってのことでした。
搬送先の病院の配慮で、父も母の体調が回復するまで入院させていただき、二人そろって退院することができました。

 恥ずかしながら、訪問看護師の私は「大丈夫」と話していた母の言葉をうのみにし介護保険の申請をしていなく、慌てて申請した次第です。

 「転ばぬ先の杖」ではありませんが、「転ばぬ先の介護保険」です。
介護保険は住み慣れた自宅で療養生活を送るため、介護する人の負担を軽くするために作られた制度です。
いろいろなサービスがありますが、訪問看護では健康管理や薬の管理の他、点滴や経管栄養等も行います。
夜間でも心配なことがあれば相談を受けたり、自宅に訪問するサービスもあります。
まずはお近くの包括支援センターや支所にご相談ください。


Text by 訪問看護ステーション あまりりす 森山 浩美( 2016年10月3日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

顔面けいれんと三叉(さんさ)神経痛

脳神経外科2010/09/27

患者さんから時々耳にする言葉に「顔面神経痛」というのがあります。
昔のことは知りませんが、少なくとも私が脳外科を学び始めてからは、正式名称として、このような病気は聞いたことがありません。
一方、顔面けいれん(正しくは半側顔面けいれん)と三叉神経痛という病気があります(さらに紛らわしいものに、顔面神経麻痺というのもあります)。
おそらく、顔面神経痛という言葉は、これらの言葉が混同されて広まったのではないかと考えます。
今回は顔面けいれんと三叉神経痛についてお話します。顔面けいれんは、自分の意志とは関係なく、顔がピクピクとけいれんする病気です。
三叉神経痛は顔が痛くなる病気で、歯科治療のとき、歯の神経に触られた時の刺すような鋭い痛みが、顔に生じます。
顔面けいれんと三叉神経痛は、症状は違いますが、症状が出るメカニズムは似ています。
基本的にはどちらも、頭の中で顔面神経、三叉神経それぞれの神経を血管が圧迫しているために、刺激を受けて勝手に顔がピクついたり、顔が痛くなったりするのです。
したがって、根本的な治療は、手術でこれらの神経と血管の接触を離してやることになります。
しかし、どちらの病気も命を脅かすものではありませんので、頭の手術をためらう患者さんも多くいらっしゃいます。
そこで代わりの治療法として、飲み薬によるものや、放射線照射、注射による方法などがあります。それぞれの治療方法には長所と短所がありますので、どの治療法を選ぶかは、お医者さんと相談するとよいでしょう。
命に危険がない病気といいましたが、顔のけいれんは外見に影響するために、社会生活に大きな影響がありますし、三叉神経痛は、「歯の痛み」と同じ(歯の神経も三叉神経です)ですので、どんなに辛い痛みであるかは、すぐに想像できます。
ごく稀に脳腫瘍が原因となることもありますので、まずは脳外科でキチンと診断を受けることが治療の第一歩です。
つらい症状を我慢しないで脳外科に相談してください。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2010年9月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

自宅で血圧を測りましょう!

 病院や健康診断でドキドキして測る血圧~これだけでは高血圧の診断・治療は不十分です。病院だけで血圧測定をしていると、白衣高血圧と呼ばれる病院で測定するときだけ高くなる現象や、逆に仮面高血圧と呼ばれ、病院では正常であるが自宅で血圧が高い状態を見逃してしまいます。その結果、正しい血圧を知らないで薬を飲むと血圧が下がりすぎたりしてめまいを訴えたり、逆に血圧が正常だと思っていても実は不十分だったということになりかねません。

 2004年の日本高血圧学会のガイドラインでも、この家庭血圧測定が大きくとりあげられています。装置は上腕カフ・オシロメトリック法を用いたものが推奨されています。

 測定部位は、手首や指先のものではなく、上腕部分で測定するものが良いです。測定時間は朝と夜の1日2回。朝は、起床一時間以内、排尿後、服薬前、朝食前に座位1~2分安静にしてから測定。夜は、就寝前に座位1~2分安静にしてから測定します。腕の高さは、枕やタオルを使ってできるだけ心臓の高さに合わせましょう。測定回数は、朝晩少なくとも1回ずつ、できるだけ連日測定しましょう。ここで問題なのは、測定回数が決まっていないことです。朝1回だけ測るのか、2~3回測定して平均値を出すのか?

 この疑問については、未だ学会でも答えが出ていません。ですので、血圧の数字を直接高い低いと一喜一憂するのではなく、朝と晩でどちらが高めか? いつもより高くなっているのか? というような傾向を見ることが大切です。

 また、自宅で測定する血圧で、135/80mmHg以上は確実な高血圧として降圧治療の対象とする、となっています。昔に比べ血圧を低めに維持することが非常に大切であるというのが現在の高血圧治療の考えです。僕が医師になったときは血圧が160/90mmHgを超えたときから治療開始することになっていましたから意外に厳しい数字ですよ!

 「血圧が高めだけど…病院へ行くのは…」というそこのあなた!

 まずは、自分で血圧を測ってみてはいかがですか?


Text by はら内科クリニック 原 信彦(  「」掲載)

夏に向けての美容形成

形成外科2010/03/21

 五稜郭大村美容形成クリニックって何をやっているのですか???
漠然とした質問ですが、一番大切かもしれません。

 治療の対象は小さい子供のあざやケガからご高齢のしみやしわ、たるみ等…そして抗加齢治療(肌の老化予防)です。

 治療はまず、ご本人のお話をお聞きしてから、治療方針のお話をして、保険治療・自費治療・年齢・仕事・生活形態によって治療の方針が異なります。
はじめての診察では約30分程度かかります。

 では、年齢別にどのような治療をしているかお話をしましょう。

 小さい子供は青あざ・赤わざなど、中学生から高校生になってくると、ニキビ・多汗症・ワキガ・二重まぶた。
成人・大学生は脱毛・ピアス・ニキビ・ニキビ跡・毛穴ケアー・多汗症・ワキガ・二重まぶた。
30〜40才代は脱毛・しみ・しわ・毛穴ケアー・多汗症・ワキガ。50才からはしみ・しわ・たるみなど最近話題になりつつあり、これから一般的になっていくアンチェイジング治療(抗加齢治療)が行われています。

 また、徐々に暑くなってくるこれからの季節は脱毛や多汗症・腋臭症の治療が多くなってきます。
脱毛は最近、フォトRFやレーザー脱毛が主体で、ワキなどは両側で10分程度で安全・迅速に行えます。
同時にフォトRFは肌の美白などスキンケアーにもなります。

 そして、ワキの多汗症・腋臭症に関して効果はほとんどですが、傷がなく、短時間で治療ができ、日常生活に支障をきたさない電気分解法や同様に短時間でできるBTXA(眼科で斜視、整形外科では斜頸などの治療に使用されるボツリヌスA型毒素)を使用した安全で無麻酔の多汗症の治療がよく行われるようになって来ました。
十分な効果を期待する方は、どうしても1〜2週間の安静固定が必要な治療方法になります。

 『しみ・しわの治療はレーザー治療、何でもレーザー治療』というのは過去のお話で、現在様々な医療機器を用いた治療や優秀な機能性化粧品を使用したスキンケアーが行われ、これからはアンチェイジングを中心に健康維持と老化予防を柱とした楽しみながら行う多角的な一環治療が行われていくでしょう。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2005年6月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

予防と早期発見

-禁煙2008/08/13

 病気は予防することができればそれに越したことはありません。高血圧や糖尿病など生活習慣病と呼ばれる疾患(しっかん)の多くは食事療法や適度な運動を行うことによって予防したり発症を遅らせたりすることができます。また最近増えている慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)や肺がんは禁煙することにより予防することができます。

 ガンについては食生活の欧米化に伴い乳ガン、大腸ガンが増えています。日本食にすればこれらのガンは予防することが可能かもしれませんが、逆に胃ガンが増えるとも言われています。

 大切なことは40歳を過ぎたら定期的にガン検診を受けることです。生活習慣病にしてもガンにしても早期発見、早期治療により生活の質を落とすことなく楽しい生活を送ることができますので、ご自分のかかりつけ医を決めて気軽に健康についての相談をしましょう。


Text by 北美原クリニック 岡田 晋吾(  「」掲載)

昼間は大丈夫なのだけど夜が近い

泌尿器科2023/08/01

泌尿器科診療をしていると毎日必ず耳にするフレーズです。夜のトイレの話です。
泌尿器科患者さんの受診理由で最も多いのが夜間頻尿です。夜間頻尿にはいくつか原因がありますが半数以上の患者さんに夜間多尿がみられます。夜間多尿とは、夜間につくられる尿量が増える病態です。言い換えれば昼間に効率よく尿をつくることができない病態ともいえます。

主な原因の一つとしてふくらはぎの筋力低下が挙げられます。ふくらはぎは第2の心臓といわれ、その動きで下肢の静脈やリンパの流れを生み出します。筋力低下を来せば流れは停滞して下半身にたまりやすくなり、その分だけ日中の尿量が減少します。
そしてもう一つ、食塩摂取も大きく関わっています。余分な塩分は水分と一緒に尿として排出されますが、夜間多尿では塩分排せつが低下しているため食塩摂取が多いほど日中の尿量が減少します。 昼間に十分な尿をつくれないまま夜眠りに就くと、下半身にたまった水分が上半身へ戻り腎臓を経て尿量が増えます。
また、上半身の体液量が急に増えることで、それを是正するために脳や心臓から利尿ホルモンが分泌されて夜間の尿量がより急速に増えることになります。

では、これを改善させるにはどうしたら良いか。まずは下肢筋力低下を補うため筋肉を積極的に動かすことが必要です。
かかとを上げ下げする体操が効果的です。1分間に20~30回のリズムで上げ下げします。立って行うのが難しい方は椅子に座ったままでも効果があります。
併せて行うのが塩分制限。目安は1日食塩6g未満。食品表示を参考にしながら少しずつ塩分を減らしましょう。

ただし、下肢のむくみや頻尿は夜間多尿と関連しない場合もあります。持病のある方や症状が改善しない場合には、主治医やかかりつけ医に相談してください。


Text by たんだ泌尿器科 田崎 雅敬( 2023年7月18日 「北海道新聞夕刊」掲載)

傷痕の思わぬ色素沈着(黒ずみ)

形成外科2019/04/15

 春になると屋外で活動することが多くなり外傷が増加します。外傷には切創、挫創、擦過傷(擦り傷)などがあります。
その中で傷の周囲や辺縁が挫滅(外圧で皮膚が損傷を受けること)した挫創、擦過傷の場合には傷をきれいに洗浄して必要であれば縫合しますが、一般的に傷が治っても創周囲は、数カ月、赤みや色素沈着を起こします。
この時期に日に当たると(紫外線を浴びること)色素沈着を長期化させる原因になります。

 また、注意しなければならないことは顔面など露出部のちょっとした擦過傷(擦り傷)や人や猫などの引っかき傷の時など傷を洗浄しないで雑に傷を処置していると、その後に線上や帯状の思わぬ色素沈着(黒ずみ)が起こることになります。

 このような小さい傷の場合は流水洗浄した後に清潔なガーゼで拭き、保湿性のあるジェル基材の絆創膏(ばんそうこう)でカバーするようにしましょう。毎日交換する必要はありません。不安を感じた時や痛みや腫れが出てきたときは専門医を受診して下さい。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2019年4月15日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

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