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カワムラ歯科クリニック  たからまち総合診療クリニック 

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携帯のメールを打つときはドライアイに注意

眼科2008/08/13

 涙は眼球表面全体を覆い、それを潤し、眼を守るバリアとして働いています。涙の量が減ったり成分が変化すると、角膜や結膜が乾燥し、傷つきます。これがドライアイです。といっても、「目が乾く」と感じることより、目が疲れる、目がしょぼしょぼするなどの目の不快感が主な症状です。疲れ目を訴えて眼科を訪れる人の約6割はドライアイが関係しているという調査もあります。

 目が疲れやすい/目が乾いた感じがする/目がしょぼしょぼする/目がゴロゴロする/目が重い/目が痛い/なんとなく目に不快感がある/目ヤニが出る/目が赤い/まぶしい/目がかゆい/物が霞んで見える/涙が出る。
この中で五つ以上あてはまれば、ドライアイかもしれません。

 ドライアイになる原因には次のような要因があげられます。

(1)

空気の乾燥(秋から冬にかけて空気が乾燥していると、目の表面から涙液が蒸発しやすくなります)

(2)

瞬きが少ない(読書やパソコン操作に集中していると、瞬きの回数が減ります。最近では携帯のメールを打つときにも多く見られVDT症候群と呼ばれています)

(3)

コンタクトレンズの装着(コンタクトレンズが水をはじくため、目が乾燥することがあります)

(4)

シェーグレン症候群(中年の女性に多い病気で、目や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります)

 ドライアイの治療には、

(1)

点眼薬で目を潤す(人工涙液や保水効果のあるヒアルロン酸という薬を点眼して直接、眼の表面を潤すことが、ドライアイの基本的な治療法です。なるべくこまめに点眼します)

(2)

涙点を塞いで涙の排出を減らす(涙を排出する涙点に小さなプラグを差し込んだり、涙点を閉じる手術をして塞いでしまえば、涙を眼球表面に長く留めることができます)

(3)

フード付き眼鏡の利用(自分の眼鏡にフードを取り付けたり、フード付きドライアイ専用眼鏡で涙の蒸発を防止)などがあります。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(  「」掲載)

妊娠中毒症 2

産科婦人科2010/04/02

 前回は浮腫(むくみ)のお話をしました。
今回は高血圧と蛋白尿、その予防法についてのお話です。

 妊娠中は胎盤から黄体ホルモンと卵胞ホルモンが大量に作られ、分泌されます。
この二つのホルモンは腎臓や肝臓を介して血管のれん縮(血管の内腔を縮めて細くする)を起こす物質を刺激し、血圧を高める作用があります。
一方、血管壁にはこの血管のれん縮に対抗して血管をやわらかくして、血管壁を弛緩させ、血管の内腔を広くして、血液の流れを速く良くする物質を出す働きがあります。
そのどちらの働きが優位かにより高血圧になったりならなかったりします。

 妊娠中毒症で高血圧になる方は、後者の物質の分泌が少ないのです。

 血管がれん縮して細くなっていると、子宮内の胎児への血流も少なくなって胎児の発育も悪くなります。

 妊婦検診ではおしっこの検査をして、蛋白が出ているか調べます。
これも妊娠中毒症のチェックです。

1mlあたり30mgまでは正常です。
200mg以上になれば入院が必要になります。

 妊娠中毒症は妊娠によって大きくなった子宮により起きる病態なので、その発症を100%防止することはできませんが、発症の確率を減らすことはできます。

 体重の増えすぎに注意しましょう。
8kg前後の増加に、65kg以上の方は、体重をそれ以上にしないよう努力。
そして、適度な運動をしましょう。
散歩や水泳等20分以上、毎日続けること。
急激に体を動かすものは避ける。
安静の時間を作ること。

 安産のため、元気な赤ちゃんを産むためには、妊婦さんの努力も必要です。


Text by 松浦 敏章( 2004年12月 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

正常な尿回数、頻尿(ひんにょう) とは?

泌尿器科2011/02/07

 さて、1日の正常な排尿の回数というのはどのくらいなのでしょう? 水分の摂取量にもよりますが、起きている間にだいたい7〜8回が通常です。
これより回数が多いと頻尿といいます。   また、夜間は睡眠を十分にとれるように、尿を作ることを控えるようにできています。
夜間に一回でも排尿のために起きるようなら、頻尿の症状がでてきていると考えます。 頻尿をきたす原因となる病気は、男性なら前立腺肥大症、女性なら過活動膀胱(ぼうこう)が代表的ですが、気をつけないといけないのが薬剤の副作用によっても頻尿になることがあるということです。
抗精神薬、不整脈やアレルギーに対する薬による頻尿があります。 症状や経過をよく聞かせていただき、簡単な検査をするだけでも、頻尿の原因の見極めや治療ができます。 是非、お近くの泌尿器科を受診してみてください。


Text by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一( 2011年2月7日 「みなみ風」掲載)

おしっこの悩み、歳のせいだとあきらめていませんか?

泌尿器科2014/10/27

 おしっこをしても、またすぐにトイレに行きたくなる。
急に尿意をもよおして我慢ができない。
夜中たびたびトイレに起きる。
このような症状でお困りの方は、原因を正しく調べることで症状を改善させることができます。
泌尿器科ではどんな検査が行われるのか不安な方も心配はいりません。
問診と腹部超音波など苦痛の少ない検査で簡単に診断することができます。
また、これらの検査とは別に排尿日記をつけてもらい、頻尿の種類を分類して、それぞれの場合にあった治療方法が選択できるような工夫もしています。
また当院ではこれまでに治療を受けていただいた方々の治療結果分析を行って、その分析結果を提供しています。

 おしっこのことが気になって乗り物に乗れない、買い物の途中でしたくなったらどうしよう、夜中何度もトイレに起きるので昼間眠くてたまらないなど、頻尿は日常生活に大きな支障をきたします。
そして夜間の頻尿は体の健康状態にも悪影響を与えることが知られています。
現在は原因や症状に合わせた様々な薬が使えるようになりました。
また薬以外にも普段の排尿習慣を少し変えてみたり、むくみを抑える靴下を使うことで症状をやわらげることもできます。
おしっこでお悩みの方は、歳のせいだとあきらめないで、気軽に専門医にご相談ください。


Text by 医療法人社団美原腎泌尿器科 田崎 雅敬(  「青いぽすと」掲載)

日本脳炎ワクチン B型肝炎ワクチン

小児科2016/06/27

 6月に入って函館近郊は暖かい日差しに包まれ、子どもたちにとって楽しい夏がもうすぐです。
楽しいことばかりであればいいのですが、水ぼうそうやおたふくかぜが久しぶりに流行していて、ワクチン接種をしていないお子さんを中心につらい時間があるのは、ちょっと切ないですね。

 2年ほど前から市民の皆様にいろいろとお願いしていた日本脳炎ワクチンがこの4月から公費接種として開始になりました。
3歳から20歳未満の全てのお子さんが対象です。
7歳半から9歳までのお子さんは予防接種法の規定により接種は9歳以降となっています。
20歳ぎりぎりの人は、公費接種が4回すべてできないということがありますが、残りを有償でも接種するようにしてください。
4回行うことで有効な免疫を獲得することができるからです。
すでに任意接種で接種したお子さんは残りの回数を公費で行います。
かかりつけの先生とよく相談して進めていきましょう。
特別な事情のあるお子さんは6カ月から接種も可能ですので、これもかかりつけの先生と相談してください。

 10月になるとB型肝炎ウイルスに対するワクチンも今年の4月以降に生まれたお子さんを対象に公費接種になります。
2カ月から1歳未満で3回の接種が必要です。
このワクチンは将来のB型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝臓がんを予防するのが主たる目的です。
2カ月のヒブや肺炎球菌ワクチンと同時に始め、3カ月時に2回目、1回目の20~24週後を目安として3回目を行うというものです。
10月から始まりますので4月に生まれたお子さんは、タイトなスケジュールになっています。
10月になってすぐ始めないと、最後の1回が1歳を超え有料となる場合がありますので、注意してください。

 ワクチンで予防できる病気はワクチンで予防するというのが、子どもにとって大切なことです。
あなたの大切なお子さんをワクチンで守ってあげてください。小児科医からのお願いです。


Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝( 2016年6月27日 「北海道新聞夕刊」掲載)

結膜下出血

眼科2020/06/22

「結膜下出血」という病気をご存じでしょうか。結膜(白目を覆う透明な膜)の下の細い血管が切れて出血し白目の部分が真っ赤に染まる状態のことです。症状としては軽い痛みや異物感を訴える方もいますが無症状のこともあります。原因は、せきやくしゃみ、目の周りのケガなどさまざまですが思い当たる誘因がない場合も多いです。治療としては目薬などをつけるといったことはせずに血液が自然に吸収されるのを待つことになります。1〜2週間ほどで出血は引きますが、出血量が多いと時間がかかる場合があります。

基本的に眼科にかかる必要はない状態ですが、①強い痒みや痛み、目やになどの症状が強いもの。②外傷によるもの。③頻繁に出血を繰り返すもの。これらに当てはまる場合は眼科での診察を受けてください。


Text by 江口眼科病院 友寄 乃裕( 2020年6月22日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

運動の秋、食欲の秋

 味覚が楽しめる秋、自然にご飯がすすむ。昭和30年代の食事に戻ると、肥満や糖尿病は1/3に減少するという。青味の魚や繊維質の多い野菜など、正しい食事が健康の基礎。

 運動すると血中の脂肪や糖分を消費されるだけでなく、筋肉が鍛えられ、肺や心臓や自律神経の機能も強まり、メタボリックシンドロームなどが改善され健康が守られる。

 シュークリーム1個と約40分のウォーキングのエネルギー量はほぼ同等。誠に運動に分の悪い話だが、しかし、肥満などの改善に運動は欠かす事はできない。運動によるエネルギー消費は、運動時だけでなく、安静時のカロリー消費も増加する。筋肉量が増すと安静時の基礎代謝が増加して、脂肪がよく燃え、締まった体がつくられる。

 運動は「両刃の剣」。メタボリックシンドロームの方は、危険回避のため運動の「種類や量」を主治医やスポーツドクターに必ず相談してから始めてください。


Text by 大村病院 大村 和久(  「」掲載)

新型コロナワクチンと集団免疫

内科2021/12/22

 日本ではコロナ感染者が急増(8月中旬執筆時点)し、緊急事態宣言も延長となりました。2月に始まったワクチン接種はコロナ禍終息の切り札と期待され実際7月以降は高齢者の感染や死亡は減少しましたが、まだ決定的な効果とは言えないようです。その原因として、緊急事態宣言の長期化やオリンピックにより人流の抑制ができなくなっていること、ワクチン不足による若年者層への接種の遅れ、水ぼうそう並の感染力を持ちワクチン効果が低下するとされるデルタ株のまん延、など複数の要素があげられます。

 海外に目を向けると、ワクチン接種率が75%と高いイギリスでは接種による「免疫の壁」を試す実験としてすべての行動制限の解除が行われました。開始2週間後の時点ではデルタ株の感染者が急増したものの死亡率の低下が続いており、ワクチン効果の表れと考えられています。

 一方感染予防効果については、アメリカで発生したクラスターの分析ではデルタ株が9割を占めさらに感染者の7割がワクチン接種終了者でした。変異株に対するワクチンの感染防止効果については報告によりばらつきがありますが、ファイザー社は先日同社のワクチンの3回接種によりデルタ株に対する中和抗体価が大幅に増強される研究データを公表しました。イスラエルでも感染の再拡大が止まらずファイザーワクチンの3回目接種がすでに始まっています。ドイツも9月から開始の予定で、日本でも来年の追加接種に向けて検討が始まりました。有効な治療薬が開発されるまではワクチンに期待するしかありませんが、はたして狙い通り集団免疫が獲得できるか否かはまだ不透明な状況と言えます。

 コロナ前の生活に早く戻りたいと誰もが願っていますが、ワクチン接種率が上がっても当面はマスク・手洗いなどの個人防護策は続ける必要がありそうです。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2021年8月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

魔法の注射?

脳神経外科2013/03/25

 突然ですが、ボールを投げる動作を思い出してください。
投げる方の腕は円を描くように伸び、反対側の腕は肘を曲げて折りたたまれています。
このようにある動きをするとき、左右の手足は無意識にバランスを保った動きをします。
さらに、関節の曲げ伸ばしにも、曲げる筋肉と伸ばす筋肉が同時に働きます。
肘を曲げる時には、脳は「曲げろ」という命令を腕の前側(力こぶを作る筋肉)に出す一方、腕の後ろ側には「伸ばせ」という指示を出します。
これにより動きがスムーズになります。このように脳が、左右のバランスや、曲げ伸ばしのように相反する動きの調整をしています。

 多くの脳卒中では、体半分が動かなくなる障害(片麻痺といいます)が残ります。
このとき、単に片側の手足が動かないだけではなく、左右のバランスや、曲げ伸ばしの調節も変化して、片麻痺からの回復に影響します。
典型的には、病気になった腕は肘が曲がり、足は伸びて突っ張ったような形になり、アチコチの筋肉は固くなります(痙縮[けいしゅく]といいます)。
痙縮は、その後の回復を妨げ、日常生活にも差し支えます。

 片麻痺は、リハビリテーションにより改善しますが、発症から半年を過ぎると回復の速度は鈍り、ほとんど回復が止まります。
この原因の一つが痙縮です。
半年以上経った脳卒中後の麻痺が、ボツリヌス菌という細菌から作った注射薬で再び改善していく様子がテレビで放送され、その「注射」についての問い合わせが増えました。

 テレビでも、薬の作用は説明していましたが、「改善」が「治る」というように解釈され、あたかも注射だけで片麻痺が治ると考えられているようです。
注射は「痙縮」には有効ですが、麻痺を治す「魔法の注射」ではありません。
固くなった手足を伸ばし、リハビリを行うことで、再び改善する可能性が出て来ます。
注射とリハビリの組み合わせが大切です。
この注射をどこで受けられるかはインターネット上で調べられますので、「脳卒中後遺症、痙縮」で検索してみてください。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税( 2013年3月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

コロナウイルスワクチン接種について

内科2021/12/15

いよいよ65歳以上の方のワクチン接種がはじまりました。ここで、現在使用されているワクチンについておさらいしましょう。まず、接種間隔は、3週間が基本です。2回目を打ちそびれた場合はできるだけ早く打ちましょう。1回目の接種と2回目の接種では、副反応の発生頻度に差があります。先行接種の全年齢集計では①37.5度以上の発熱について、1回目3.3%2回目38.4%(中には38度以上の方もいます)と高率でした。発熱する場合は、翌日が一番多く3日目にはほぼ解熱しています。②接種部位の痛みについて、1回目2回目ともに90%程度と高率です。これも接種翌日が、最も多く3日目には改善してきます。③疲労感・倦怠感については、2回目で全体で7割。④頭痛は、2回目で5割の頻度となります。若年・女性に頻度が多くみられました。65歳以上の2回目接種時は、副反応は発熱9%・頭痛20%・全身倦怠感38%となりました。

これらの副反応はワクチンが免疫をつけるための反応といわれています。発熱については、当日から翌日にかけて上がり通常数日以内で治ります。一人暮らしで心配な方は、発熱・疼痛に備えてかかりつけの先生や薬局で熱冷ましや痛み止めを処方・購入し、食欲低下等に備えレトルトパックの食材やスポーツ飲料等をあらかじめ購入しておき脱水を予防しましょう。

医療機関もがんばっています。通常外来・発熱外来・ワクチン接種は、院内で15分待機・病院内を混まないよう等努力していますので、接種予定がまだの方も今しばらくお待ちいただくようお願いします。

原稿を書いている5月15日現在、最新の話題は、横浜市立大学医学部の発表で、このワクチンは、現時点での変異ウイルス英国型・南アフリカ型・ブラジル型・インド型に対しても中和抗体ができるそうです。期待して待ちましょう。


Text by はら内科クリニック 院長 原 信彦( 2021年5月24日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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