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コラムを読む

白内障

眼科2017/10/30

 白内障は、目の中の「水晶体」が濁る病気です。
おおまかに、加齢によるものとその他の白内障に分けられます。
圧倒的に多いのが加齢性の白内障で、早ければ40歳代から始まり、70歳ではほぼ全員に白内障がみられます。

「水晶体」はカメラのレンズに相当する器官のため、これが濁ることによりまぶしく感じる、明るいところで見づらい、逆に暗いところで見づらい、霧がかかったようにぼやける等の症状が現れます。
ただ視力に関しては、濁り方の違いにより初期から視力が下がるタイプや、進行しても視力が良いタイプまでさまざまです。

 「白内障です」と言われたら、何もせず経過観察するか、点眼薬または手術による治療を選ぶことになります。
点眼薬は進行を遅らせる効果は期待できますが、決して進行を止めるものではありません。
各自の日常生活において不便を感じるようになったら手術を考える時期です。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利

寒くなると涙目? 乾き目?

眼科2017/10/23

 冬場は空気が乾燥してきますが、それに加え暖房を入れるとなおさら室内の空気が乾燥します。
そうすると目が乾く、ショボショボするという患者さんが急に増えてきます。
乾き目=ドライアイの患者さんには2種類あります。
涙が根本的に少ないタイプと涙は普通の量なのに乾き目になってしまうタイプです。

 前者は重症になるとシェーグレン症候群と呼ばれ、涙の他に唾液も少なくなって口も渇く病気です。
治療は、保湿成分のヒアルロン酸や涙の量を増やす点眼液をさします。

 後者は結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言って、白目の表面の皮=結膜がだぶついてくることによって涙が目の表面で安定しなくなり蒸発しやすくなってしまうという病気です。
治療は点眼薬を用いますが改善しない場合は、だぶついた結膜を引っ張って伸ばして縫い付ける手術をします。

 乾き目には、ドライアイ用のメガネも有効です。
スキーのゴーグルのようにレンズ・フレームと顔の隙間を埋めるパッドがあり涙の蒸発を防いでくれます。
また、加湿器の役目をする水タンクが付いて目を潤してくれます。

 逆に冬場は涙目になるという患者さんも増えてきます。
涙点が小さくなってしまう病気「涙点狭窄症(るいてんきょうさくしょう)」の患者さんは、冷たい風に当たると涙が増え、それが目の外に捨てられなくなるので涙があふれてしまうのです。
また、涙点だけではなく、目頭から鼻にかけて通っている涙の下水管=鼻涙管(びるいかん)自体が詰まってしまっている病気が「鼻涙管閉鎖症(びるいかんへいさしょう)」です。

 これらの場合、まず涙を減らす目薬を使ってみますが、効き目が少ないようならば、涙点切開術や涙道チューブ挿入術などの涙目の手術をする必要があります。
涙目を軽減するために目に冷たい風を当てないという意味では、前述の縁の付いたメガネも有効だと思います。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶(2017年10月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

動脈硬化から身を守ろう

内科2017/10/23

 心臓から拍出される血液を全身の隅々まで送り届ける血管が動脈です。
動脈壁は本来しなやかで弾力性がありますが、加齢とともにしなやかさを失い硬くなっていきます。
これが文字通り「動脈硬化」です。

 動脈硬化は避けられない老化現象の一つですが、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満そして喫煙といったリスク因子のある人ほど、その進行は加速します。
やがて動脈壁へのプラーク沈着により動脈が狭窄(きょうさく)して狭心症や下肢末梢(まっしょう)動脈疾患を生じ、突然プラークが破綻して心筋梗塞や脳卒中を引き起こすこともあります。

 平成27年の統計によると、心疾患、脳血管疾患、大動脈疾患を合わせると日本人の死因の約25%を占めており、がんとほぼ同じ数の人々が動脈硬化に関連した病気で亡くなっているといえます。
さまざまな臓器障害の原因となる動脈硬化ですが、怖いことに初期にはほとんど自覚症状がなく、症状が現れたときにはすでに重症化していることもあります。
動脈硬化が「サイレントキラー」といわれるゆえんです。

 動脈硬化の程度は血圧脈波検査、超音波検査、CT検査などで調べることができます。
胸痛、足の痛み、薬が効きにくい高血圧といった症候が既にある場合には、早めに循環器専門医を受診するのが良いでしょう。

 近年は狭心症、末梢動脈疾患などに対するカテーテル治療が盛んです。
これは、手首の橈骨(とうこつ)動脈や足の付け根の大腿動脈から直径2ミリほどの管(カテーテル)を挿入し、狭窄や閉塞した血管をバルーンやステントで拡張するという、体への負担が比較的小さい治療法です。
再発が少ないカテーテル治療を受けるためには、十分な知識と技術を備えた経験のある医師を選ぶことが大切です。

 動脈硬化は全身に生じますので、一度動脈硬化による病気になってしまったら、動脈硬化の進展阻止が再発予防に重要です。
そのためには禁煙をはじめとする生活習慣の是正と適切な薬物治療の実践が何より大切です。


Text by 国立函館病院 今川 正吾(2017年10月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

自覚症状が出てからでは遅い

眼科2017/09/28

 眼科の目標は視覚障害を防ぐことですが、現在、すべてを治せるわけではありません。
今回はその中の一つ、糖尿病網膜症についてです。
糖尿病を発症すると血糖値が高くなり、血管の壁が障害されます。
血液循環が悪くなり、網膜の細胞に必要な酸素や栄養が不足します。
さらに、老廃物の回収が滞ります。

 初期の単純網膜症から中期の前増殖網膜症、末期の増殖網膜症へと進む過程で、自覚症状が出るのは末期になってからです。
増殖網膜症では眼球の内部構造が変化しているため治療しても完全に元通りにはならず、何らかの後遺症が残ることがあります。
そのため、自覚症状がでる前のできるだけ早くからの加療が必要です。

 自覚症状がある人、健診で高血糖を指摘されたのについつい内科に行きそびれている人、内科での治療を中断してしまった人、血液検査を何年もしていない人はできるだけ早く受診しましょう。
「糖尿病が疑われる人」は国内で約1,000万人と推計されています。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利(2017年9月30日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

鼻のホクロの切除

皮膚科2017/09/25

 ホクロの手術法は普通は紡錘形(ぼうすいけい・木の葉のような形)に切除して縫合します。また小さいものでは、くり抜くように切除してそのまま治したり、焼いたりします。ホクロの部位や大きさによって切除の方法も異なってきます。皮膚が厚い部位では紡錘形よりも円形や楕円形にくり抜いて縫合した方が傷が短く目立たないこともあります。

 鼻はホクロの切除としてはちょっと特別な場所です。鼻の部分は鼻根部(鼻の上部、目の間)鼻背部(鼻すじ)鼻尖部(鼻のとがった先端部)鼻翼部(小鼻)に分けられます。

 鼻根部は皮膚が薄いので普通通り紡錘形に切除して縫合します。鼻背部、鼻尖部は皮膚が厚いので円形や楕円形にくり抜いて縫合します。その方が傷が短くなり皮膚の盛り上がりも少なくて目立ちにくくなります。鼻翼部は鼻の穴の縁になるので、鼻の変形がもっとも目立ちやすい場所です。そこで、縫合の方向を変えて変形が起こりにくいようにします。また、三角形に切除して縫合するなど周囲の変形が少ないような縫合法を行うこともあります。

 このようにして、鼻のホクロとして最も多い3~7ミリくらいの大きさのホクロを切除できます。それ以上の大きさのものに関しては周囲から皮膚を移動させたり、皮膚を移植する植皮の必要が出てきます。また、小さいものに関してはくり抜いてそのままにしたり、焼いたりします。

 また、ホクロに似た悪性腫瘍として、悪性黒色腫(メラノーマ)があります。

 その識別も必要になります。
(保険が適用されない場合がありますので、病院にてご確認下さい)


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡(2017年9月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

リハビリのコツ?

その他2017/09/25

 先日、もうすぐ還暦の親しい医師(A氏とします)が椎間板ヘルニアの顕微鏡を用いた手術を受け、今もリハビリと格闘しています。その様子を見聞きしながら、脊椎の病気のリハビリのコツ(?)を考えてみました。

 手術直後は、術前とは見違えるような調子の良さで、手術の効果に感心しました。しかし、医者が患者になると、なまじ知識があるため、最低の患者になるといいます。A氏の場合、リハビリのために入院期間を少し延ば
すよう勧められましたが、早く診療に戻りたいと、術後4日で退院、復職しました。

 通常、脊椎の手術では術後に、背中の安静を保つためにコルセットなどを使用しますが、背中の固定により筋力が低下し、体も硬くなります。A氏も、コルセットを着けていた間は絶好調でしたが、1カ月後にコルセットを緩め始めたところ、腰を中心に体幹の筋肉が衰え、足が上げられず靴下も履けなくなりました。手術直後の好調さは消え、悪戦苦闘することとなりました。そばで見ていても、僅かな期間で体力が衰えることに驚きました。ご高齢の方なら、もっと弱ったでしょう。
 さて、A氏の療養生活から気づいたリハビリの注意点は以下の4点です。

①主治医や理学療法士の指示をよく聞く(我流は禁物) 
A氏は退院する際に、理学療法士からリハビリのメニューや注意を書いたものを渡されましたが、十分に利用しませんでした。

②焦らない
「過ぎたるは及ばざるが如し」で、回復を焦って強すぎる運動をすると、病気の再発の危険性が高くなる上、いわゆる「揉み返し」による余計な筋肉痛や関節痛が回復の邪魔をします。

③3歩進んで2歩下がる
回復の道は長く、真っ直ぐではありません。小さな尾根を上り下りしながら頂上にたどりつくイメージです。

④気長に毎日続ける
前二つと通じますが、「千里の道も1歩から始まること」を信じて、継続することが大事です。「365歩のマーチ」の歌詞みたいですが、結局、リハビリに近道はないのです。


Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税(2017年9月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

睡眠が及ぼす歯への影響

歯科2017/09/15

 健康を保つために、良好な睡眠の確保は欠かせないものです。
スマホやパソコンのブルーライトが睡眠に悪影響を与えると言われており、寝る前のスマホ操作を控えておられている方もいらっしゃると思います。
また、睡眠不足が溜まっていくことを「睡眠負債」と言われており、免疫機能の低下や認知症、癌など深刻な疾病につながる可能性が指摘されています。

 睡眠の質を高めることは大切で、睡眠が浅いと歯ぎしりが起こりやすくなります。
歯ぎしりはいわゆる就寝中にギリギリと歯をこすり、その大きな音のため周囲の人の睡眠もさまたげるものです。
この時の咬合力は強く、歯が擦り減ったり、欠けたり、割れたり、詰め物が取れたり、知覚過敏を起こしやすくなり、虫歯になりやすく、歯質そのものに大変なダメージを与えます。
また、歯質だけではなく周囲の歯周組織にも悪影響を与えて歯周病が悪化したり、さらに顎関節にも負担が及び、顎関節症が生じることがあります。

 睡眠が浅くなる要因のひとつに、いびきや睡眠時無呼吸症候群があります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まることで睡眠が浅くなると言われており、自動車運転時に強い眠気が生じ、事故の原因となり大変危険です。
その他の要因にストレス、寝酒、喫煙(ニコチンの覚醒作用)、逆流性食道炎があげられます。
歯ぎしりに対してはこのような要因を改善すると効果があります。

 また、歯や顎そのものを守るためには、ナイトガードと言われる就寝中に装着するマウスガードも効果的です。
ナイトガードの装着は歯ぎしりによる強い咬合力を分散させ、さらにナイトガードは歯よりもやわらかい素材で作られるのが一般的ですので、歯ぎしりが起きたとしても歯に対する外傷的負担は減らすことができます。
歯ぎしりでお悩みの方は歯科医院でご相談されることをお勧めいたします。


Text by 北斗歯科クリニック土永 浩史(2017年9月15日発行号 「青いぽすと」掲載)

緑内障の早期発見・早期治療

眼科2017/08/28

 緑内障という病気を聞いたことはあると思いますが、どのような病気か知っていますか?

 緑内障は眼圧上昇や神経の脆(もろ)さによって網膜の視細胞が障害され視野が欠け、視力が低下する病気です。

 緑内障は現在日本の失明原因の第1位です。
疫学研究によると、日本人の40歳以上の緑内障の有病率は約5%との報告があります。
また、緑内障と診断された患者のうち、約80%は自覚がなく、治療を受けていないといわれています。

 最近、検査機器は目覚ましく進歩しており早期発見、早期治療が可能になってきています。
その中でもOCT(光干渉断層計)というものが、緑内障の早期発見の役に立ちます。

 緑内障は視神経に障害が起きて視野障害が起きる病気です。
OCTはその神経細胞の厚みを測定し、緑内障が進行しているかどうかを診断できます。
 
眼底に緑内障を示唆する所見があるが、まだ視野障害が起きていない状態を前視野緑内障といいます。
これはOCTが行われるようになってから確立された概念です。

 この状態に対して現在の緑内障のガイドラインでは原則的に治療せず経過をみるということになっています。
しかし高眼圧であったり、緑内障は遺伝もリスクファクターになるため、例えば近親者に緑内障の方がいたりする場合などは積極的に治療を検討する場合があります。

 医療は日々進化しており、今まで治療の対象とならなかったものも、治療したほうがよいのではないか、という議論がでてきております。

 緑内障は決して珍しい病気ではありません。
何か気になることがあれば眼科を受診してみてはどうでしょうか?


Text by 江口眼科病院 仲嶺 盛(2017年8月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

脂肪肝から肝臓がんへ?

内科-2017/08/28

 肝臓がんはこれまでB型・C型肝炎ウイルス感染者からの発症が約90%と大部分を占めていました。
従ってほとんどの肝臓がんはウイルス感染者を適切に経過観察していれば早期発見・早期治療が可能でした。

 しかしその状況が2000年頃から変化してきており、肝炎ウイルス感染のない方の肝臓がんの発症が2倍以上に急増しています。
その中の原因で最も多いのはアルコール性肝疾患(お酒の飲み過ぎ)ですが、注目すべきは、次に多い原因がアルコールを飲まない方の脂肪性肝疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患と総称します)だということです。

 非アルコール性脂肪性肝疾患とはあまり聞き慣れない病名だと思いますが、分かりやすく言うと「脂肪肝」と、それに炎症が加わった状態の「脂肪性肝炎」を合わせたものです。
「脂肪肝」は人間ドックのエコー検査などで20%前後の方が診断される頻度の高い疾患ですので、耳にしたことのある方や実際に診断された方も多いでしょう。

 肝臓がんはもう一方の「脂肪性肝炎」から発症しやすいと考えられていますが、ここで大きな問題は、現時点ではその両者の区別はエコー・CT検査や血液検査のような簡便な方法では難しく、肝生検といって肝組織の一部を採取して顕微鏡で調べるしか手段がないということです。
つまりこれは、人間ドックのエコー検査で「脂肪肝」と診断された方の中にも肝臓がんを発症するリスクのある「脂肪性肝炎」の方が混在している可能性があることを意味します。
一方で肝生検は局所麻酔をかけ体に針を刺して行う侵襲(しんしゅう)性の高い検査で、術後の出血リスクもありますので適用は慎重に考えねばなりません。

 「脂肪肝」は従来良性疾患と考えられてきましたが、今後は必要に応じて「脂肪性肝炎」でないか精密検査を受け、もしそうであれば肝臓がん発症の可能性も念頭に入れた定期的なチェックを受けることがますます重要になってくると思われます。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男(2017年8月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

40歳を過ぎたら、眼底検査を!!

眼科2017/08/24

 「目を見ればその人が分かる」と言いますが、これは本当で、眼底は体の中で血管を直接観察できる唯一の場所です。
体がメタボならば、目にも高血圧・高脂血症・糖尿病による合併症が出現する可能性があるのです。
イギリスの若者対象の調査によれば、肺がんや脳卒中よりも失明が一番恐怖という結果が出たそうです。
瞳孔を広げる点眼薬をつけて眼底検査を行えば、目の重要な病気を早めに見つけることができます。

 また、40歳以上の日本人の5%は緑内障で、疑いのある人を含めると、さらに多くの方が緑内障と気付かずにいると言われています。
緑内障は進行性で日本の失明原因1位の病気ですが、早めに発見し眼圧を下げる治療を行えば、進行を遅らせることができ、老後も身の回りのことができる視野を保てる可能性があります。
緑内障も眼底検査と視野検査・眼圧測定で見つけることができます。
早期発見のために気軽に眼科を受診しましょう。


Text by 藤岡眼科 藤岡 聖子(2017年8月24日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

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