認知症の早期発見、早期治療
どんな病気も早く、軽いうちに治療する方がいいに決まっています。
ですが、最近、認知症を「早期に発見する」難しさを痛感しています。病気の診断には、まず医療機関で診察してもらう必要があります。
ところが、誰だって「認知症」と宣告されたくありません。
だから、患者さん本人も、その御家族もなかなか医療機関に行く決心はつきません。
症状の軽いうちは、本人は「何ともない」と思っているので(病気の自覚がなく)、家族に受診を勧められても拒否します。
家族は家族で、おかしいと思いながらも「年のせいだろう」と考えたりします。
結局、多くの場合、病院や診療所にやってきたときには病気は進んでしまっています。MRIをはじめとする画像検査など、認知症の診断方法も進歩しています。
また、ご存知でしょうが、認知症の中には「正常圧水頭症」のように手術で治るものもあります。アルツハイマー病を治す方法はまだ確立されていません。
昔は、医師でさえも「どうせ治せないのだから、病院にかかるのは無駄だ」と考える人が少なくありませんでした。
しかし、現在では、「根治」はできなくても、進行を遅らせる薬があります。
さらに、新しい薬が続々と承認申請されています。
ワクチンなども研究されています。
今は治せなくとも、数年先には全く新しい治療方法が出現する可能性も十分あります。
「進行を遅らせる」ことは無意味ではありません。治らないと諦めず、また、今は治せない病気だからこそ、早期発見早期治療が重要だと考えます。
是非、「怪しい」あるいは「不安」だと思った時には、医療機関にご相談いただきたいと思います。「上医治未病」。これは中国の古くからの言葉だそうです。
「上医」とは良いお医者さんの意味で、「良い医師は、病気になる前に治す」という意味と聞きました。
「上医」にはまだなれませんが、何とか出来るだけ早く病気を見つけて治したいと、日々考えています。
刺青
刺青とは入れ墨のことです。
欧米では刺青はかなり一般的で、俳優、歌手、スポーツ選手などにも多く見かけます。
また、日本でも多く見かけるようになりました。
昔のような暗いイメージではなくなってきているようです。しかし、日本ではまだ欧米ほど社会的に認知されてはいないようで、銭湯、温泉、プールなどで、入場を制限されることもあるようです。
入れ墨を消したい方も形成外科の外来に来られます。刺青を取るのは、入れる時ほど簡単ではありません。
刺青はレーザーで簡単に取れると思われがちですが、レーザーが効くのは黒い色だけです。
しかも、1回で取れるものは、自分で入れたような本当に浅いものだけです。
1回レーザーを当てると一度やけどのような状態になるので、次にまたレーザーで治療できるのは2〜3ヶ月先になります。
ですから1年に数回しかできません。
機械で入れたり、彫り師が手彫りで入れたようなものは深いので、何年もかかることがあります。
しかも、黒い色が取れたとしてもまったく普通の皮膚になるわけではなく、白く抜けたりして刺青の形が残ってしまうこともあります。
レーザーで、色だけを消して、きれいな皮膚にするのは難しいのです。レーザーで取れないもの、早く取りたい場合には外科的な方法もあります。
小さいもの、細長いものは切除して、縫い合わせる方法が簡単です。
大きなものは植皮といって皮膚を植える方法もあります。
外科的な方法では必ず傷跡が残りますし、ある程度の時間もかかります。
また、刺青の除去は、基本的に保険の対象外で、治療費は自己負担となります。
美容外科・形成外科
美容外科は顔や体の外観をレーザー治療や外科手術によってきれいにする外科です。
形成外科は病気や事故で顔や体に生じた外観の異常や醜形をできるだけ正常な形にもどす外科です。
よくテレビで美容整形という言葉が使われますが、整形外科は骨・関節・筋肉の病気や機能障害を扱う外科なので、俗語としては使われますが正式名ではありません。
美容外科は女性にとって興味はありますが、遠いクリニックです。
最近では意識に変化がありますが、他の国とは違い、日本人には服装でも化粧でも周りの人に対し、意識的に自慢することを好まず、控えめをよしとする文化が無意識のうちにしみこんでいるからでしょうか。
ですから、美容外科を受診するのにじゃエネルギーが必要なようです。
でも、美容外科・形成外科はなぜ必要なのでしょう。
私たちは感情を抑える理性という高度な頭脳を持っていますが、一方で、動物と同様に“きらびやかなものや鮮やかな色”に引き寄せられていく遺伝子的な習性(行動)を持っています。
私たち人間は理性をもって動物的な“美しさに引き寄せられる”この習性をコントロールすることはもちろん可能ですが、油断をするとやはり美しさに引き寄せられます。
“美しさの必然性”をなかなか否定することはできないのです。
現実に、自分の外見上の悩みを解消すると呪縛から解放され、自分に自信が出てきて生活が楽しくなったり、性格が明るくなったりします。
今、美容外科においては手術による治療からレーザー治療に変化し、最近では光治療(IPL)や高周波治療(RF)により傷をつけない、ガーゼや絆創膏をつけずに化粧ができて普段の生活ができるような治療に徐々に変化しています。
老化がいまや社会問題になり女性はしみ・しわが問題になっていますが、美しさや清潔感など品位を感じる感性は老化しないといわれています。
年をとっても“美に対する追求”は続くのです。
妊娠とウイルス感染
妊婦さんから「子供が水ぼうそうになったが、お腹の子は大丈夫でしょうか?」「おたふくかぜになったのだけど…」等と質問されることがあります。今回はこれらのウイルス感染症の妊婦への影響についてお話します。妊婦さんが感染した時の話であり、妊婦のどの時期で感染したかにより、話は変わって来ます。ウイルス感染症の胎児への影響でよく知られたものは、風疹です。風疹は5〜10年ごとに流行し、1992年以来流行していないので、そろそろ流行るのではといわれていますが問題は予防接種の副作用で中断の時期があり、また1995年から個別接種となりワクチンをしていない人が、生殖年齢となってきています。妊婦さんが風疹に感染すると、妊娠11週まではほぼ100%の異常が発生がみられ、18週まで率は減っていきますが障害の発生がみられます。心疾患、難聴、眠症状、発育障害などです。サイトメガロウイルスの感染は、児に難聴、視力障害、脳性麻痺、精神発達遅延などの障害がでます。単純ヘルペスウイルスの感染は、児に奇形の発生はありませんが、分娩時に発症していれば児への感染を予防するため、帝王切開となります。「水痘」。帯状疱疹ウイルスは、妊娠20週以前に感染すると先天性水痘症候群といわれる異常が1〜2%出現するといわれていますが、日本ではまだ報告されたことはありません。肝炎ウイルスはB型、C型ともに奇形を起こす事はありませんが、キャリアとなり、将来肝癌となる可能性があります。パルボウイルスの感染「伝染性紅班、りんご病」は20週以前の感染で10%の胎内感染がおき、胎児水腫や胎児死亡となります。「流行性耳下腺炎」。はしかでは先天異常はおきないが、子宮内胎児死亡がおきることがあります。インフルエンザでは先天異常はおきません。発熱や発疹などの症状がでた時には産科医に相談することが大事です。
スタイル
最近、部分痩せで話題となっているメソセラピーについてお話します。
メソセラピーは自分が痩せたい部分に1.5〜2cm間隔で少量の皮下注射を2週間に1回、5回程度行っていく方法で、今まで行われていた脂肪吸引と比較して安全で、日常生活に支障がない方法です。
効果が出現するまでに2ヶ月程度必要ですが、脂肪吸引のような数ヶ月間の患部圧迫など、施行後、毎日の大変な管理はありません。
メソセラピー(部分痩せ)を行うと、脂肪の減少・脂肪細胞の周りの微細血管・リンパ管の循環を改善し、脂肪が溜まらない環境になります。
よくある問い合わせの中に、メソセラピーを行ったらたくさん食べても太りませんか?という質問があります。
メソセラピーでは部分的な循環は改善し、部分的には良好な環境になりますが、年齢とともに、体の中は食べたものが円滑に消費されない状態になりつつあるので、不適切な食事は肥満を誘発します。
食べても、太らないダイエットはないのか?こんにゃくなど栄養価のないものを摂ること、これは筋肉を細くして、一時的には痩せたように思うかもしれませんが、エネルギーを消費する筋肉までなくなるので、リバウンドとして食べたものが消費できずに脂肪に変わり、必ず太ってきます。
そして、筋肉が細り脂肪が増えて輪郭がぼやけて、メリハリのないスタイルになります。
若い頃のスタイルを維持したい、若い頃のイメージ(記憶)から抜け出せない、納得できない方は、メソセラピーなど部分的なスタイルの修正をしながら、極端なダイエットをせず、適切な運動、食事を摂ること、そしてサプリメントを適切に摂ることをお勧めします。
最後に、スタイルを維持するには運動は欠かせません。
一日に30〜45分、できれば週に3〜4回、そして、有酸素運動(歩行・軽いランニング)と無酸素運動(ウェイトトレーニング)の割合は、有酸素運動は一日30分、筋肉量を高めるためには、有酸素運動を行った後に無酸素運動をすることが効果的ですが、トータルで45分以上することはマイナス効果になります。
当院では、メソセラピーを行うと同時に老化予防としての肥満対策、ダイエット(食事の摂り方)、適切なサプリメントの摂り方も指導します。
夏に向けての美容形成
五稜郭大村美容形成クリニックって何をやっているのですか???
漠然とした質問ですが、一番大切かもしれません。
治療の対象は小さい子供のあざやケガからご高齢のしみやしわ、たるみ等…そして抗加齢治療(肌の老化予防)です。
治療はまず、ご本人のお話をお聞きしてから、治療方針のお話をして、保険治療・自費治療・年齢・仕事・生活形態によって治療の方針が異なります。
はじめての診察では約30分程度かかります。
では、年齢別にどのような治療をしているかお話をしましょう。
小さい子供は青あざ・赤わざなど、中学生から高校生になってくると、ニキビ・多汗症・ワキガ・二重まぶた。
成人・大学生は脱毛・ピアス・ニキビ・ニキビ跡・毛穴ケアー・多汗症・ワキガ・二重まぶた。
30〜40才代は脱毛・しみ・しわ・毛穴ケアー・多汗症・ワキガ。50才からはしみ・しわ・たるみなど最近話題になりつつあり、これから一般的になっていくアンチェイジング治療(抗加齢治療)が行われています。
また、徐々に暑くなってくるこれからの季節は脱毛や多汗症・腋臭症の治療が多くなってきます。
脱毛は最近、フォトRFやレーザー脱毛が主体で、ワキなどは両側で10分程度で安全・迅速に行えます。
同時にフォトRFは肌の美白などスキンケアーにもなります。
そして、ワキの多汗症・腋臭症に関して効果はほとんどですが、傷がなく、短時間で治療ができ、日常生活に支障をきたさない電気分解法や同様に短時間でできるBTXA(眼科で斜視、整形外科では斜頸などの治療に使用されるボツリヌスA型毒素)を使用した安全で無麻酔の多汗症の治療がよく行われるようになって来ました。
十分な効果を期待する方は、どうしても1〜2週間の安静固定が必要な治療方法になります。
『しみ・しわの治療はレーザー治療、何でもレーザー治療』というのは過去のお話で、現在様々な医療機器を用いた治療や優秀な機能性化粧品を使用したスキンケアーが行われ、これからはアンチェイジングを中心に健康維持と老化予防を柱とした楽しみながら行う多角的な一環治療が行われていくでしょう。
おりものの話
最近おりものが多い。臭いが気になると言って受診する方が増えてきています。
おりものとは、外陰・膣・子宮・卵管などからの分泌物、漏出液・浸出液が生理的に、あるいは病的に増加したもので、診察して多いなぁと思っても気にしていない人や、何もないのに多いと言う方もいて、感じ方に個人差があります。
規則的に月経がきている成熟期の女性では、膣は主に卵胞ホルモンの働きで酸性になっていて、細菌の増殖をおさえています。
これを膣の自浄作用といい、頸管炎などによる粘液の増量・精液・月経血・過度の膣洗浄等で低下します。
おりものには、生理的な排卵・妊娠・ピルなどホルモン剤の服用・子宮膣部ビランによるもの、病的な炎症性の性感染症である淋病・クラジミア感染症・トリコモナス症・性器ヘルペス・尖圭コンジローマ他、細菌性膣炎・卵管炎・バルトリン腺炎・腫瘍性の子宮頸膣部癌・子宮体部癌・外陰癌・頸管ポリープによるものがあります。
おりものが多い時、それが異常かどうかの判断は、色は白い、膿のよう、水のよう、赤い、臭い他、かゆみ、痛み、腹痛、腰痛等はあるのかというところから検査をすすめます。
小児期のおりものの異常は、外陰・膣の炎症に伴っておき、外陰の不潔・下着の刺激・外傷・膣内異物などが原因でおきます。
更年期から老年期の女性にみられるおりものの異常は、ほとんどが卵胞ホルモンの低下による性器の萎縮によるものですが、子宮癌によることもあり、放置せず検査を受けることが必要です。
妊娠中のサプリメント「葉酸」
妊婦さんに、サプリメントについて質問されます。
実家から送られてきたのですが飲んでもよいでしょうか。
夫が買ってきたのですが、カルシウムを摂るように、鉄を摂るように等々です。
今は飽食の時代と言われており、余程の偏食の方以外は太りすぎのための難産が問題になっているのですから殆ど必要ありません。
但し葉酸だけは別です。
2000年12月28日に、厚生労働省から先天異常『神経管閉鎖傷害』の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性に対する葉酸の摂取に係わる適切な情報提供の推進についてという通達が出されています。
それは妊娠1ヶ月前から妊娠判明後3ヶ月の間、毎日食事で摂取する葉酸“通常、食事では200マイクログラム”に加えて400マイクログラム葉酸を摂取することで、神経管閉鎖傷害の発症リスクを低減することが期待できる。という情報です。
葉酸とはほうれん草から分離された、ビタミンB群の一種で体内で代謝され細胞増殖や成長に不可欠な補酵素として働きます。
盛んに細胞分裂を繰り返し成長を続ける胎児にとって重要な栄養素です。
葉酸は生体内では産生できないため、必要な量を対外から摂取しなければなりません。
また体内では非常に不安定なため毎日一定量以上の補充が必要です。熱に弱く、食物を加熱すると含有量が減少してしまいます。
葉酸の不足によって起きるのは神経管閉鎖傷害ですが、妊娠中毒症、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児発育遅延、口唇、口蓋裂等の妊娠合併症にも関与していると考えられています。
神経管閉鎖傷害とは無脳症、二分脊椎、髄膜瘤、脳瘤、等です。
他に動脈硬化、心筋梗塞、血栓症、脳血管障害、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、白血病との関連も指摘されています。
なかなか治らないニキビ「ピーリング&レーザーピーリング」
ニキビ治療は抗菌剤含有のローション、ジェル、クリーム、時には少量のステロイド含有の軟膏を皮膚に塗り、抗菌剤、ビタミン剤を内服することが一般的に行われている治療です。
20歳以降のなかなか治らないニキビ、特に顎や首に局所的に発生したニキビの多くは、ダイエットによる偏食などによる貧血や女性ホルモン異常、ストレスなどに原因があります。
美容皮膚科的ニキビ治療は、ニキビ自体を治すだけでなく、ニキビ治療の後、黒くデコボコの肌にならないようにする治療です。
このようなニキビ跡(黒くデコボコの肌)が起こらないようにすることで、できるだけくすみのなく、早く化粧のりの良い肌に近づけます。
ピーリング治療は、一般的に治療ではなかなか治らない方やニキビ治療時から美白を考えている方への治療で、また、ニキビ治療後にできるだけニキビ跡が生じないようにする治療です。
そして、レーザーピーリングやメソローラーによる治療は、ニキビ後に生じてしまった黒ずみや陥没した肌を軟化させて改善し、化粧のムラを解消させる美白治療です。
ニキビ治療は保険治療から自費治療までいろいろあります。
また、ピーリングやレーザーピーリング治療でも数回の施術が必要になります。
カウンセリングをお受けになってから、治療後の経過、注意事項をお聞きになった上で、生活様式に合った治療法をお選びください。
目の下のくまや頬のたるみの治療、自分の血液で治療する皮膚の再生治療「セルリバイブジータ」
セルリバイブ・ジータ(皮膚再生治療)は、自分の血液を採って注入まで40分程度で行え、効果持続時間が2〜3年と、今までのアヒルロン酸やコラーゲン注射(6ヶ月程度)と比べ、数倍持続することが特徴で、現在一番よく行われている方法です。
この方法の特徴は、2日程度の軽度の赤みはありますが、化粧は施術後2時間後よりできて、日常生活に影響が少なく、腫れも軽く、効果も徐々に現れ、急激な変化による不自然さがなく、自分の血液を使用するため安全性が高い方法です。
セルリバイブ・ジータの中には各種の血小板内の成長因子が存在して、肌のたるみや色つやを改善する作用があるので、化粧をするときに気になる目の下のくまや頬のたるみの若返り治療に最適です。
治療の流れはまず、施術前に施術後の経過説明を受け、その後、採血をして頂きます。
そして、施術部位に麻酔ジェルを塗り、15分程度待つ間に血小板濃縮処置を行います。
麻酔ジェルを拭き取って、最後に気になる部位に注入します。
痛みは麻酔ジェルを使用しているため軽度です。
注入時間は範囲によって異なりますが、3〜10分程度です。
治療と治療行程、経過、効果、今後の予防についてアンチエイジングの立場から説明致します。
治療を受ける場合は、十分に治療計画を聞き、納得した上でご判断下さい。