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ストレスについて

心療内科2012/04/23

 ストレスによってさまざまな精神的不調や身体的不調が起こされることは良く知られています。

 日常のできごと、たとえば死別、離婚、健康上の不安などの不幸なできごとだけでなく、結婚、就職、出産、昇進、子供の独立や、家の新築などの一見幸せなできごともストレスの原因となり得ます。
日常の変化が、ある人にとってはストレスになるということです。
また、例えば「試験には合格したいが、勉強はしたくない」というような心の中の相反する要求やかっとうやさまざまな対人関係、トラウマもストレスの原因になります。
ただし、ストレスのもとがあっても、受けとる人の感じ方が影響するので、ある人は不調になり、ある人はならないということがあり得ます。

 ストレスによって起こる不調には精神的なものと身体的なものがあります。

 精神的な不調としては不安、怒り、抑うつ、燃え尽きなどがあり、ストレスが軽減された後にも長期間続くことがあります。

 身体的な不調としては、血圧の上昇、偏頭痛や筋緊張性頭痛、下痢、便秘、胃のびらんや胃潰瘍、ある種の関節炎、大腸炎、乾癬(かんせん)、鼻炎などが起こります。

 対処方法としては薬物療法のほか、自己コントロールが必要です。例えば、緊張、不安が強い場合にはリラックス・トレーニングという方法があります。
拳を握って緩めると筋肉が緩むのを感じることができますが、それを全身の筋肉に応用します。
また、過去のリラックス場面を思い浮かべる、イメージを使う方法もあります。
次に、「完全にできなければ意味がない」など、自分が苦しくなるような考え方やマイナス思考を変えていくことが必要となる場合が有ります。
また、「(直面している)問題を解決できない」と思い込んでいるだけの場合がありますので、その際には問題を解決する訓練が適しています。

 その人のストレスの特徴に合わせた対処が必要となります。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2012年4月23日 「北海道新聞夕刊」掲載)

うつ病①(身体症状)

心療内科2011/04/25

 「うつ」はもっとも広く見られる精神科の症状の一つです。
「赤ちゃんもうつになる」と言われるくらいですから、赤ちゃんから後期高齢の方に至るまで、うつにならない年代は無い、と言えるでしょう。 うつの症状には精神的なものと、身体に現れるものとがあります。
精神的にはマイナス思考になる、考えが進まない、過去のことをクヨクヨと考え続ける、ゆううつ、など、良く知られているものです。 一方、うつ病では、ホルモン、自律神経、免疫を介して、多くの身体的な問題が現れます。
自覚的には頭痛、めまい、のどが詰まる、耳鳴り、口が渇く、苦みを感じる、味がしない、頚部や肩のこり、息苦しさ、胸の圧迫感、動悸、胃のもたれ、腹部の膨満感、食欲低下、頻尿や排尿困難、四肢の冷感、ほてり、発汗、頭痛や頭に何かかぶった感じ、など実に様々な症状が起こることがあります。
このほか、痛みが生じたり、痛みに対して敏感になって、元々あった痛み(腰痛や下肢痛など)を強く感じる、ということも起こることがあります。 これらは一般的な症状ですが、「胸のあたりが重苦しく、かたまりがあるようだ」、「(うつが)このあたりに限局している」、などの変わった表現になる場合があります。
身体的な感覚が典型的なうつ病をあらわすことがあり得るのです。 実際の身体的な変化としては、唾液の分泌低下、胃の緊張低下、便秘、体重減少などが起こることがあります。
また、ある種の癌にかかりやすい、糖尿病にかかりやすい、狭心症や心筋梗塞にかかりやすい、かかった場合にその死亡率を高める、というようなことも起こります。 大切なのは、精神的な問題と身体的な問題が同時に起こり、それらが互いに影響しあうということです。
心と身体は結び付いていると言われますが、うつ病はまさしくそれを表していると言えます。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2011年4月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

神経性大食症

「神経性大食症」はほとんどが女性に見られ、文字通り「過食」を症状とするものです。
何かのきっかけから起こることが多く、例えば急激なダイエットから起こったり、ストレス、不安を感じている時に楽になれるということから過食になる事もあります。ある研究によって、急激なダイエットに伴う危険性が明らかになっています。
この研究は、食事の摂取量をいきなり一定期間半分に制限するとどうなるか、というものです。
結果として、次のようなことが起こることが分かりました。
食べることを考え続けるようになるため、日常行動に集中することが困難になる、台所用品やあるいは食べ物と関係の無い物も収集する、自己抑制を欠き、むちゃ食いをする、自己嫌悪、抑うつ、不安、いらつき、ごみ箱をあさる、万引きをする、社会的不適応など、様々な問題が起こることが分かったのです。
特に注意が必要なのは、急激なダイエットをすることによって、かえって食べることに注意が向き、過食を誘発してしまうということです。
そのため、過食しては自分で嘔吐し、また過食をするという繰り返しにおちいる場合も多く見られます。
また、自分の体型に対する評価が厳しすぎる場合や、自分に対する価値観を、主として体重をコントロールすることで保とうとすることもあります。残念なことに、現在の所、薬物療法はあまり効果があるとは言えません。
文献では認知行動療法などで、効果が得られるとの報告があるのですが、実際の臨床場面では困難を伴うことが多いようです。うつ病の方の多くが受診に至らないのと同じ様に、神経性大食症の方の多くが受診せず、苦しんでいるものと推定されます。
ポイントの一つは過食と嘔吐の悪循環を何とか断つ事です。
リラックスする、何か他に興味のあることで気をまぎらわす、自尊心を高める方法を見つける、前向きの考え方をする、などの工夫により、多少なりとも良い影響を期待できる場合があるものと思われます。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2010年10月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

側頭葉(そくとうよう)てんかん

心療内科2010/04/26

 「てんかん」は脳における神経細胞の過度な興奮が広がることによって発作が起こる病気です。
意識を失って倒れる、けいれんが起こる、子供に発病する、というのが一般的な印象かもしれませんが、必ずしもそうではありません。 「側頭葉てんかん」はその名が示す通り、大脳の側頭葉に発作の起源がありますが(人間の大脳は前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉という風に分かれています)、その発作の症状が非常に多彩であるという特徴があります。
けいれん発作で発症すると診断がつき易いのですが、けいれんは見られることと、見られないことがあります。
また、意識のくもりを伴うこともありますし、伴わないこともあります。
けいれん以外の発作症状で典型的なものは、「自動症」と言われるもので、口をモグモグ動かしたり、服をまさぐったりする動作が見られたりするものです。
吐き気、動悸(どうき)などの自律神経症状や身体の感覚の異常、幻聴や幻臭(きなくさい臭いなど)などの幻覚症状、恐怖感や抑うつなどの情動体験、自生観念(考えが浮かんでくる)、記憶障害など、実に多彩で、精神科で見られる症状のほとんどすべてが発作の症状として現れる可能性があると言っても過言ではありません。
有名な発作症状として、「夢のような感じで、(現在自分が居る所とは)別の所に居るように感じられ、なつかしい感じがする」というようなものがありますが、これは昔ある患者さんが表現した通り「夢幻状態」と呼ばれています(患者さんの言葉がそのまま医学用語として使われているのです)。
もちろん一人の人にそれほど沢山の症状が見られるわけではありませんが、かなり多くの症状が見られる場合もあります。 てんかんの中で側頭葉てんかんが占める割合は比較的大きいものです。
また、側頭葉てんかんの発症年齢は高い傾向にあり、成人以降の発症も比較的多く見られる傾向にあります。 治療は薬物療法が主体です。新しい薬も出てきており、かなりの効果が期待できますが、難治性の場合には外科手術が適応となる場合もあります。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2010年4月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

軽症うつ病が増えていると聞きますが、従来のうつ病とどう違いますか?

心療内科2010/03/18

頭痛や腹痛など身体的症状を訴えて、
実は軽症うつ病ということがあります

 近年、うつ病は増加傾向にあり、中でも軽症のうつ病(仮面うつ病)が話題になっています。
これまで典型的なうつ病患者は人口の3〜5%、約500万人ほどといわれていました。
それに軽症のうつ病を含めると、10%以上、10人に1人はうつ病を発症しているといわれています。
その原因として注目されているのが、脳の中の神経伝達物質(セロトニン)の機能異常によるというものです。
この物質が不足しているとうつ状態になり、過剰になると躁状態になるといわれています。 うつ病は原因もなく突然起こる場合が一番多く(内因性)、他には悲しい出来事などによる心因性のもの、疲労が蓄積してストレスに対する抵抗力が落ちたとき、また糖尿病や心臓疾患、脳疾患などを抱えた身体的要素、さらにステロイドや血圧降下剤などの薬によって発症することもあります。
これらいろいろな要因が重なって、うつ状態になると考えられています。 軽症うつ病の場合は、頭痛や動悸、背中や腰が痛いなど、身体的症状がまず表面にでてきます。
意欲がなくなる、悲しい気分といった典型的なうつの症状は仮面に隠れているわけです。そのため、身体疾患とまちがわれ内科や外科を受診するのですが、検査をしても異常が見つからず、最後に精神科を受診するといったケースが増えています。 またこれまで、うつ病の発症年齢は40代、50代が中心となっていましたが、最近は20代、30代など若年化が進んでいます。
小学生や中学生にもみられます。
引きこもりや登校拒否など行動障害として現れてきたり、腹痛などの身体的症状を訴えることもあります。
周囲からは怠け者と見られがちですが、うつ病が隠れている場合もありますので注意が必要です。 改善には休養と薬物療法が治療の中心となります。
最近では副作用の少ない非常に効果的な薬がありますので、できるだけ早く受診することが大切です。
うつ病の半数は一生で1回のみの発症ですみますが、残りの半数の人は再発を繰り返します。
ですからきちっとした治療を受けることが必要です。
また抗うつ薬には痛み(頭痛・腰痛ほか)にも効果があります。
実際の痛みのほかに、精神的なことで痛みを倍増させていることもあるのです。 うつ病は本人よりも周囲が先に気づくことがあります。
あまり話をしなくなった、元気がないなど、家族や会社の上司などが気づいて精神科を受診するよう勧めたり、一緒に訪れることもあります。
軽症の方は治りは早いといえますので、やはり早期の受診をお勧めします。


Text by 富田病院 植田 裕之( 2010年3月 「ホームドクター 健康新常識」掲載)

パニック障害について

心療内科2009/10/26

 身体的には問題が無いのに、呼吸が苦しくなる、息苦しくなる、窒息感、身体のふるえ、発汗、動悸(どうき)、しびれなどが発作的に起こり、不安、恐怖感を伴う、と言うのがパニック障害です。
これには大まかに二つのタイプがあります。
一つはパニック発作があるが、その時以外はほとんど問題がないタイプ、もう一つは発作が起こることに対する恐怖、不安から外出が困難になるというタイプです。
パニック障害はどちらかと言うと治療効果が得られ易い方ではありますが、一般的に後者の方が治療的には難しくなります。

 原因としては大脳辺縁系などの脳内における神経伝達の異常が考えられています。

 治療には薬物療法と心理療法があります。
薬物療法ではある種の抗うつ剤や精神安定剤が効果的です。

 心理療法としては認知行動療法などの治療法がありますが、例えば次のような考え方、対処の仕方が効果的です。

 発作の前後、及び発作中には様々な考えが浮かび否定的な言葉を自分自身に語りかけているということが多いものです。
例えば、「また苦しくなるだろう」、「どんどん悪くなって、倒れてしまうだろう」、「倒れたりしたら大変だ」、「死んでしまう」、「やっぱり具合悪くなった」などです。そのような話しかけにより身体の感覚に対する注意が集中して発作が起こり易くなり、悪循環ができることになります。

 パニック発作というのは循環器や呼吸器の病気ではなく、身体の感覚、不安の問題ですから(発汗など一部の自律神経異常が実際に生じますが)、生命に関わるようなことはありません。
ですから、「発作が起こるとは限らない」、「苦しくなっても死んだりすることは無い」、「良くなってきた」、「発作が起こってもコントロールできる」、「発作が起こるとは限らない」などの肯定的な言葉を自分に語りかけたり、楽なイメージを浮かべたりすることが効果的なのです。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司( 2009年10月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

『強迫性障害(きょうはくせいしょうがい)』について

心療内科2009/04/24

 日常、頭の中にはいろいろな考えや、記憶、イメージが浮かんでは消えているのが普通です。
何かに集中している時には浮かびにくく、そうでない時には浮かびやすいものです。
一時的にはいろいろな事が頭の中に浮かびますが、特に気に留めるひまもなく消えて行っているわけです。

 しかし、ある考えがくり返し浮かんできてしかもそれが容易には消えず不快に感じられる時、その考えを「強迫観念」と言います。
たとえば「(バイ菌や汚れ、洗剤、殺虫剤などに)汚染される」、「鍵をかけ忘れたのではないか」、「ストーブの火を消し忘れたのではないか」、「誰かを傷つけてしまうのではないか」、「不吉な事が起こる」など様々な考えが頭の中を占めてしまい、不安、心配、恐れ、罪の意識などを感じることがあります。
一般的にはこのような考えがあまり現実味のないものであり、不合理であることはわかっているのですが、どうしても浮かんでしまうというのが普通です。

 そしてこれらの考えにもとづく不快を何とか楽にしようとして行う行動(くり返し手を洗う、何回も鍵を確認したり、ストーブの火を確認する、誰かを傷つけていないかくり返し聞く、など)を強迫行為と言います。

 これは多かれ少なかれ誰にでもあることかも知れませんが、日常生活に支障があるほど強い場合には「強迫性障害」と呼ばれ、治療の対象になります。

 治療には薬物療法と心理療法があります。薬物療法としては、ある種の抗うつ剤、精神安定剤が使われます。

 心理療法としては、不快を避けようとせずに耐える訓練をしたり、不快を感じさせる観念とそれに伴う不快をむしろ意識的に細かく観察し、積極的に体験する方法などがあります。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司(  「」掲載)

『偽薬』について

心療内科2008/10/22

 薬が効きやすいかどうか、副作用が出やすいかどうかは体質のほかに、「偽薬効果」が影響します。例えばブドウ糖などでも、「不安を抑える薬」だと思って飲むと不安が小さくなることがあります。
また、困ったことに、その「薬」本来の副作用があらわれてしまうこともあります。

 この時、ブドウ糖などのことを「偽薬」、その作用のことを「偽薬効果」と言います。実際に薬を飲む場合にも、事情は同じですから、「偽薬効果」によって薬がより効きやすくなったり、副作用がより出やすくなったりすることがあります。
「めまい」、「頭が痛い」、「ふらつく」、「眠気」などの副作用に関する言葉、あるいは考えが実際に実現してしまうということです。
言葉や思考が発達しているため、人間にはこのような仕組みがそなわっているようです。

 実際誰にでも”たいけん”できることですが、「右腕があたたかい」という言葉(考え)を頭の中で繰り返すと、練習の仕方によっては、ほとんどの人が右腕にあたたかさを感じることができるようになります。

 偽薬効果は広い診療範囲に見られるものですが、やはり、精神科、心療内科というような分野でより多く見られるようです(鎮痛剤の効果が最も有名ではありますが)。

 薬を飲む時には良い言葉を繰り返すほうが良いし、悪い言葉は繰り返さないほうが良いということになります。
薬の効果は大きくし、副作用は小さくするようにしたいものです。

 ただ、必ずしもこうはいかない場合もあります。良い言葉(考え)によって、かえって反対の現象が起きてしまうことがありますし、また、自分では気がつかないうちに言葉(考え)が浮かんでは消えるということを繰り返している場合もあります。
このような時には心理療法が必要となることがあります。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 久保田 修司(  「」掲載)

こどもにみられる精神的問題について

心療内科2008/08/13

 こどもは大人とは違い、常に心身の発達を続けている特殊な存在であり、両親との関係を中心とする家庭内での対人関係や、学校などの環境の影響にも大人とは異なる特殊性があるので、大人の精神科とは違った見方が必要になります。

 こどもの精神症状の現れ方には大人とは違った特徴があります。具体的には

(1)

感情を言葉で表現する力が未発達なので、行動の障害やからだの症状で表すことが多い。

(2)

心身ともに発達の途上にあるので、精神症状がその後の正常な発達に影響を及ぼす可能性がある。

(3)

両親、とくに母親あるいは母親の役割を負っている人との影響を受けやすい。

などがあげられます。

 こどもにみられる精神科的な問題で代表的なものとしては、小児自閉症(しょうにじへいしょう)をはじめとした、広汎性(こうはんせい)発達障害、注意欠陥多動障害、分離不安障害、チック、摂食(せっしょく)障害などがあります。

 その他、頻度としては低いですが、統合失調症(とうごうしっちょうしょう)、気分障害などの、大人にもみられる疾患が起こることもあります。不登校の児童の中には、まれにこれらの精神疾患が隠れていることがあります。

 こどもは言語発達が未熟なゆえに、ご本人から症状や自分の体験を聞くことは困難なことが多いので、診察の際は親、とくに母親や日常の世話を主に行っている方に同伴していただき、その方から得られる情報が重要になってきます。治療には親子関係をはじめとした、その子をとりまく環境の調整が必要になることが多く、環境調整だけで症状が落ち着くことも少なくありません。チックや多動などで症状が強い場合、友達関係の悪化や学校生活への不適応などといった二次的な弊害(へいがい)を避けるため、薬を使用した方が良い場合もあります。

 いずれにしろ、まずはその子についての十分な情報を得ることが必要になってきますので、こどもの精神科診療では、時間を取ってゆっくりとお話を聞くことから始めることになります。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 池田 智恵美(  「」掲載)

社会不安障害について

心療内科2008/08/13

 不安という言葉は、日常的には何か悪いことが起こりそうな気がかりな気分を指し、医学用語としては「漠然(ばくぜん)として対象がない恐れの感情」を意味します。もちろん珍しいものではなく誰でもが持つ感情ですが、それが質、量ともに健康な人と異なる状態のとき、それを不安障害と呼びます。

 不安障害の中には、強くて持続的な「全般性不安障害」、発作的な「パニック障害」、手を洗わなければ気がすまないなどに代表される「強迫性(きょうはくせい)障害」、そして、強いストレス状況の後に発生する「外傷後(がいしょうご)ストレス障害[PTSD]」等といったものがありますが、対人場面、社交場面で強い不安が生じ、過度の緊張、苦痛を感じてしまう「社会不安障害」もその中のひとつです。

 「社会不安障害」という名前は比較的新しいもので、これまでは対人恐怖、社会恐怖などと呼ばれていたものです。この障害を持った人たちが苦手なのは例えば次のような状況です。「よく知らない人に電話する」、「店に物を返品する」、「レストランなど家の外で食事する」、「幾人かを前に報告する」、「他の人たちが既に着席している部屋に入る」、「会議で発言する」等々。

 このような場面では、自分でもおかしいと思いながらも強い不安を感じてしまうため本来の能力を発揮できませんし、何とかこのような状況を避けようとするため不自由な毎日を送らなければなりません。

 「恥ずかしがり屋」とか「内気すぎる」といわれるような人は、大体この診断に該当してしまいます。その程度にもよるので全員が治療が必要なわけではありませんが、あまりつらい状況をそのままにしておくと、「うつ病」や「アルコール依存症」といった別の問題が起きてしまうことも少なくありません。

 「性格のせいだから」と諦めずに、困っている方は精神科医へ相談してみることをお勧めします。


Text by ゆのかわメンタルクリニック 高田 和彦(  「」掲載)

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