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コラムを読む

X線検査

整形外科2012/03/19

福島の原発事故で改めて放射能放射線に対し不安をもった方も多いと思います。
最近X線検査をはじめ医療被曝に関してご相談を受けることがあります。
X線は電磁波の放射線で画像診断検査にはX線写真CT透視シンチグラフィーPETなどがあり、また癌の治療に用いる放射線治療があります。
X線検査は病気を発見診断し治療を行うため大変重要な情報を提供してくれます。

X線被曝は確かに人体に有害ですが一方で患者さんに大きな利益(メリット)を与えてくれます。
逆にいえば患者さんの利益が放射線による障害やリスクより十分に大きいと考えられる場合のみX線検査は実施されます。
我々は大地空気食べ物や宇宙線から年間平均2.4mSvの自然放射線を浴びながら問題なく日常生活を送っています。
200mSv以上のX線を1度に全身に浴びない限り身体に何らかの症状は現れません。
これはX線検査でありえない線量ですし例えば手のX線検査で他の内臓への影響はほとんどありません。

医療被曝に関しては(A)被曝量(B)被曝の影響が重要です。

(A)被曝量:X線検査で正面の頚椎0.03mSv(以下同単位)腰椎0.49股関節0.55大腿骨0.05胸部0.05程です。

(B)被曝の影響
①ある程度の線量(しきい線量)を超えると影響が出るもの≪確定的影響≫:影響の種類臓器によって異なり白内障、白血球減少などがあります。

胎児への影響は臓器が作られる妊娠2~8週に100~200mGy被曝するとありえます。
通常のX線検査でこれを超えることはありませんが妊娠の可能性がある女性は事前に必ず医師にお申し出ください。

②≪確率的影響≫:被曝線量に応じて影響がありうるもので発癌、白血病、遺伝的影響などが考えられていますが今のところ通常検査の被曝で明らかな影響がでた確実な報告はありません。
もちろん医師や医療機器メーカーは医療被曝を軽減させるため真剣に努力すべきですし慎重でなければなりません。

X線検査を受ける前に少しでも不安や不明な点があれば遠慮なく医師にご相談ください。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2012年3月16日 「青いぽすと」掲載)

手のしびれについて

整形外科2011/10/24

上肢のしびれの原因は多岐にわたり、脳から脊髄の中枢神経、さらに頸部から手までの末梢神経のいずれの部位の異常でも「しびれ」は生じます。ただ手に限った「しびれ」であれば「手根管症候群」と「肘部管症候群」が頻度も高く、代表的な疾患です。「手根管症候群」は女性に多く、手作業の多い職種の方によく見られます。
母指(親指)から示指(人差し指)、中指のしびれが主症状ですが、急性期には痛みを伴うこともあります。
正中神経が手関節の掌(手のひら)側で圧迫されることが原因です。「肘部症候群」は男性に多く、重労働の職種で変形性肘関節症を合併している場合が多くあります。
小指のしびれから始まり、進行すると握力の低下や手指の運動障害が生じます。
尺骨神経が肘関節内側で圧迫されることが原因です。
両疾患とも正しい早期診断と手指の機能障害を来さないように適切な治療が必要です。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2011年10月24日 「みなみ風」掲載)

ロコモ(ロコモティブシンドローム、運動器症候群)

整形外科2011/10/04

 整形外科は運動器を主な対象としています。
運動器は、手足や背骨など体を支えて思い通りに動かす(運動や移動)、骨・関節・靭帯・軟骨、脊椎・脊髄、筋・腱、末梢神経、脈管系などから成る運動に係わる器官で、身の回りのことを含めて社会生活を送るために不可欠なものです。ご存じの通り日本は65歳以上の人が人口の20%以上を占める高齢化社会を迎え、今後この比率はさらに増加すると予想されています。運動器の障害で整形外科を受診される65歳以上の方は少なくありません。ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは、主に加齢による運動器障害のため、移動能力の低下をきたして(足腰が弱った状態)要介護になる危険が高い状態です。
要介護や寝たきりになった方の4人に1人は運動器障害が原因だと言われます。
ロコモをきたす代表的な疾患は

  1. 脊柱管狭窄による脊髄・馬尾・神経根障害
  2. 変形性関節症・関節炎による下肢の関節障害
  3. 骨粗鬆症それにともなう骨折

などがあります。
背骨や関節の変形は加齢とともに生じ、運動痛や関節の働きの低下をきたし、そのまま進行すると寝たきりになることもあります。
そしてこれは、けがや疾患と異なり、程度の差こそあれ年齢を重ねればすべての人に起こりうる問題です。以下の項目のどれかに該当すればロコモです。

  1. 家の中でつまずいたり滑ったりする
  2. 階段を上るのに手すりが必要である
  3. 15分ほど続けて歩けない
  4. 横断歩道を青信号で渡りきれない
  5. 片脚立ちで靴下がはけない
  6. 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
  7. 家のやや重い仕事(掃除機、布団の上げ下ろしなど)が困難である

ロコモの予防としては各種のトレーニングが大切ですが、運動器はやり過ぎると損傷され不足しても衰えてきます。
内容や程度が大事です。
心当たりの方は我々整形外科医にどうぞご相談ください。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2011年9月16日 「青いぽすと」掲載)

ヒアルロン酸

整形外科2011/09/13

 最近“ヒアルロン酸”という言葉をよく耳にします。
 ヒアルロン酸(ヒアルロナン)はN-アセチルグルコサミンとグルクロン酸が繰り返し連結した構造をして数百万の高分子量をもっています。
保水力に優れ、1gで2~6リットルの水を保持します。
また、非常に強い粘性(ねばりけ)と弾性(元の形に戻ろうとする性質)を持っています。 人体の中では関節、へその緒、皮膚、目の硝子体に多く存在しますが、年齢と共に減少します。関節内の関節液、関節軟骨にはヒアルロン酸が多く含まれています。
潤滑作用(滑りをよくして曲げ伸ばしを楽にする)、緩衝作用(クッション)があり関節の働きを助けます。ヒアルロン酸に関する最近の研究で、①軟骨に直接作用して軟骨の破壊進行の抑制や修復・再生に役立つ ②関節液中の炎症物質や軟骨破壊酵素を抑制して間接的に軟骨を保護するなどの働きが明らかになっています。 これらの性質を利用して、我々整形外科では、変形性膝関節症、五十肩、関節リウマチの関節痛の治療に(厚労省の認可した医薬品として)ヒアルロン酸の関節内注射を行っています。
炎症や痛みを和らげたり、変形の進行を抑制する効果があります。関節内に注射されたヒアルロン酸は約48~72時間で関節内から消失してリンパ・循環系を経て肝臓で分解され呼気中に排出されます。
しかし、関節内の滑膜・軟膏・半月板・靭帯などの組織に長時間残存して効果を発揮します。 最近、“飲むヒアルロン酸”に関する質問をよく受けます。
問題は口から摂取したヒアルロン酸が確実に関節の中まで届いて有効に働くかです。
現時点では、痛みの自覚症状が軽くなったという報告は一部あるものの、X線検査や動物実験などの科学的データーに基づいた有効性は(関節内注射薬と違って)まだ明らかではありません。
そのため現在、飲むヒアルロン酸は薬として認可されず、健康食品、サプリメントとして販売されています。
まだまだ今後の研究が必要で、服用に関しては“ご本人の判断におまかせします”というのが現状です。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2011年3月15日 「青いぽすと」掲載)

スポーツでケガをした場合に気をつけるべきことは何でしょうか?

整形外科2011/03/09

ちょっとした痛みでも自己判断は禁物です。
早期復帰のためにもスポーツドクターの受診を
 骨折・肉離れ・靱帯損傷などのスポーツ外傷は、応急処置とその後の適切な治療、さらに早期からのリハビリテーションによってスポーツ活動へのよりスムーズで良好な復帰が可能となります。 また、使いすぎなど痛みを主症状とする慢性外傷(野球肘・ジャンパー膝・アキレス腱炎など)の予防には、筋肉の状態(張り・硬さなど)や自分の体の特徴(O脚・X脚・偏平足など)をよく知り、事前にそれらを修正する手段を講じることが重要です。 たとえば、シューズのヒールの外側が減っていませんか?
 つま先立ちになった時、第2趾(人差指)ではなく外側の第5趾(小指)よりに体重がかかっていませんか?
これらに該当する場合、足関節を内がえしに捻りやすく、アキレス腱の外側にも痛みが出やすいといえます。
腓骨筋(スネの外側の筋肉)を強化するための外がえし運動やシューズのインソールの工夫、さらにテーピングで機能を補助しながらの正しい動きの学習をすることによって、よりよい状態でスポーツに参加できることでしょう。 スポーツの現場において、テーピングは広く用いられるようになり、ドラッグストアには以前に比べ、多くの種類の材料が並んでいます。
日常、よく経験する足関節靱帯損傷の場合、ギプス固定と松葉杖での安静期間を置くと筋肉がやせ細り、関節の可動域制限が著明で、スポーツ復帰に時間を要していました。
テーピングも当初はギプスに代わる固定手段の意味合いが大きかったようですが、必要以上の固定は、運動機能を低下させるだけでなく、逆にテープを早く緩ませてしまうため、近年では機能の補助として使用し、正常な関節運動を早期から学習させるのが主流となっています。
すなわち、損傷部にとって悪い動き(側方不安定性)は抑制し、足首の上下の動きは可能な限り許すことで、動きやすくかつ緩みにくい巻き方になっています。 いずれにしても自己判断は禁物で、ケガの発生機序を正しく見極めたうえでの治療が大切です。
肉離れの選手に指導者が筋肉がつったと判断し、ストレッチをしてしまい、断裂部を悪化させ、治療期間が長びいたケースがありました。
この場合、逆に筋肉を収縮させるトレーニングを行うべきです。
また、アキレス腱の痛みがあっても走っているうちに治ると思ってそのまま続け、日常の階段昇降や歩くのも大変になってしまったケースもあります。
この場合は、どこにどのような伸長ストレスが加わっているかを判断し、テーピングや足底板などで対応すべきです。
やはり自己判断せず、何か支障を来した時はスポーツドクターに相談することをお勧めします。


Text by 今整形外科 理事長・院長 今 均( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

脊柱管狭窄症は治りますか?やはり手術が必要でしょうか?

整形外科2011/03/09

軽症や早期治療により保存療法でも改善
手術もスタンダードな方法が確立され安心です
 腰部脊柱管狭窄症は、加齢による骨や椎間板の変形、靱帯の肥厚が原因で、脊柱管という神経の通り道が狭くなり、中を通る神経が圧迫されたり傷つくことで腰や足に痛みやしびれをもたらす状態をいいます。
症状は、歩いていると徐々に足腰が重だるくなり、痛みやしびれが生じ、立ち止まって少し休むとまた歩けるようになりますが、長く持続して歩くことが困難になる間欠性跛行(かんけつせいはこう)というのが特徴です。 治療は、保存療法を基本に消炎鎮痛剤などの内服薬や湿布、腰の牽引や低周波治療など、リハビリによる物理療法を行います。もともと神経の通り道が狭い方など個人差もありますが、症状が軽ければかなり改善されます。
場合によっては、神経の回復を手助けする点滴治療を行うこともありますが、それでも効果が見られない場合は、2~3カ月程度を目安に手術も一つの選択肢として考えてみることをお話して専門的治療を行える病院を紹介します。
手術と聞くと不安や抵抗感を持たれる方も多く、ある程度の改善が見られれば保存療法を続けられる方もいますが、現在はCTやMRIなど高度な画像診断機器の進歩により、脊柱管の状態を詳細に調べることが可能で、背骨のどこの骨を一部切り除けばよいかも手術前にはっきりわかりるなど、安心して手術が受けられる態勢が整っています。 具体的には、神経の通り道を広げるため、椎間関節の内側だけを削り取る「内側椎間関節切除術」、あるいは「後方除圧術」という切開手術を行います。
これは、狭窄によって神経を圧迫している骨の一部や靱帯を削り取ることで神経に加わっている圧を取り除く方法で、腰部脊柱管狭窄症に対するスタンダードな手術となっています。
さらに腰部脊柱管狭窄症でも、腰の骨の不安定性が強くなっている患者に対しては、除圧術に加えて不安定な骨と骨を固定する「脊椎固定術」を併用して行われる場合もあります。 手術は、神経の通り道を広げ神経自身が治りやすい環境を整えるもので、完全に回復するまでには個人差もあります。
長年にわたって神経に負担がかかった状態が続いていた方ほど回復に時間を要することにもなるので、我慢せずに早めに治療を受けることが大切です。 また、足の動脈硬化で血流が悪くなると、腰部脊柱管狭窄症と同じ間欠性跛行が起こる場合があり、逆に整形外科を受診して動脈硬化が発見され心臓血管外科に紹介するというケースもあるため、的確な診断や早期治療のためにも早めの受診は大切といえるでしょう。


Text by たき整形外科クリニック 滝 健児( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

膝の靱帯を切ってしまうと、もうスポーツはできませんか?

整形外科2011/03/07

再発予防のためのアスレチックリハビリなども実施。
手術後のスポーツ復帰は可能です
 膝関節の中心にある前十字靱帯の損傷は、バスケットやバレーなどのジャンプや着地動作、あるいはサッカーなどのフェイントで体と膝が反対方向に動いた際に生じます。
これらの場合、ほとんどが非接触型損傷で、他人と接触して損傷することはまれです。 急性期には膝の腫れ、痛み、曲げ伸ばしができない、歩行困難などの症状が現れますが、時間が経つと腫れや痛みが取れるため、軽い捻挫と勘違いする方がいます。
しかし、放置してスポーツを続けると膝崩れ(膝が抜けるような症状)が生じ、それを繰り返すうちに膝関節の軟骨や半月板まで損傷し、日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、自己判断せず早期受診が大切です。
また高齢者では、加齢による変形性膝関節症による痛みと診断される場合もあります。 前十字靱帯損傷は手術が必要な場合が多いです。
まったくスポーツを行わない中高年以降の方は、保存療法で様子を見てもいいですが、趣味程度でもスポーツをされる方や日常生活でも膝崩れが生じる方は手術を考えるべきでしょう。 手術は、太ももの裏側で主に膝を曲げる機能を補助している半腱様筋腱や、薄筋腱を採取して移植する再建術が主流です。膝の前部分に2カ所切開(約8)し、1カ所から内視鏡、もう1カ所から器具を入れて手術を行います。
麻酔専門医による麻酔で、約1時間程度の低侵襲な手術です。半月板に損傷があった場合でも1時間半程度で済む、いわゆる最小侵襲手術(MIS)の先駆けといわれています。
術後の回復も早く、翌日か2日後には少しずつの歩行や膝を動かす練習を行います。
膝を保護する装具をつけた状態で120度まで膝が曲げられ、日常生活が送れるようになれば退院となり、当院では10日間ほどの入院で済みます。
ただし完全なスポーツ復帰を目指すためには、まず日常生活を十分に行えるためのリハビリを約12週間行います。
その後、スポーツ復帰のための訓練となるアスレチックリハビリを行います。前十字靱帯損傷ではケガをしやすい体質や体型といった素因があると言われています。
したがって、このリハビリプログラムには通常の筋力訓練のほかに再損傷や、反対の膝のケガを予防するためのプログラムも含まれています。
当院では3次元動作解析装置なども活用しながら治療を行っており、最短で術後約6カ月で競技復帰が可能となっています。


Text by 函館整形外科クリニック( 2011年3月 「ホームドクター」掲載)

ビタミンDは転倒防止に効果あり

整形外科2011/02/21

 我が国の65歳以上の高齢者の年間転倒発生率は、男性10〜15%、女性15〜20%程度といわれています。
転倒原因には様々な要素が複雑に関連していますが、その1つとして活性型ビタミンD不足の影響が注目されています。
転倒した人(転倒群)は転倒しなかった人(非転倒群)と比べて血中の活性型ビタミンD値が低く、さらにこの転倒群にビタミンDを投与する事により転倒を減らす効果があったとの報告があります。 ビタミンDが転倒を減少させるしくみについては明らかではありませんが、ビタミンD受容体を介して筋肉と神経の協調性を高め、身体の重心動揺性を減少させるとの仮説があります。
高齢者では低栄養、肝臓、腎臓の機能低下によりビタミンD不足となりやすいため、薬としての活性型ビタミンDを十分に摂取する必要があります。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英( 2011年2月21日 「みなみ風」掲載)

ヒアルロン酸とは? (2)

整形外科2011/01/11

 膝(ひざ)などの関節や皮膚では、加齢や病気により、ヒアルロン酸の濃度が減少します。また大人の皮膚では赤ちゃんの20分の1といわれております。関節液の粘度も低下しますので、ヒアルロン酸の体内での働きはより重要となってきます。 20年前からヒアルロン酸は医療用医薬品として使用されています。関節内に直接注入することで、加齢などにより減少したヒアルロン酸を補い、さらにヒアルロン酸の産生を高めることにより、関節の動きを良くし、関節の痛みを抑えます。通常1週間に1回、連続5回注射します。なお、症状によってはさらに注射を継続することもあります。 注射1回あたりの窓口負担は、約200円です(保険1割負担の場合)。1ケ月800円程度となります。注射時の痛みは、普通の注射と同じくらいの痛みです。 加齢による膝の痛み(変形性膝関節症)にはヒアルロン酸の関節注射、下肢筋力訓練が効果的といわれております。 膝の痛みにお悩みの方は整形外科にご相談ください。


Text by 大村病院 大村 健久( 2011年1月11日 「みなみ風」掲載)

こむら返り

整形外科2010/12/09

 筋肉は多数の筋細胞からでき、更に筋細胞は多数の筋原繊維からできています。
筋原繊維は太いフィラメントと細いフィラメントが交互に規則正しく配列され、細いフィラメントが太いフィラメントの間に滑り込むことで筋肉は収縮します。
また筋収縮にはカルシウムの存在が不可欠です。
筋肉は手足の骨格筋や表情・咀嚼筋などの自分の意思で動かせる随意筋と心臓や消化器など内臓を作る不随意筋に分類されます。
日常動作は実にたくさんの随意筋を収縮・弛緩させて実行されます。
これは脳が実行器である筋肉に適切な行動を起こすよう指令を出して制御されます。 この一連の調節がうまく機能しないと筋肉は収縮したままになり、ひどい痛みを生じます。
これがふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)に生じた状態を“こむら返り”といいます。 こむら返りの原因は未だに特定されていませんが、運動時の準備運動不足、大量の発汗や筋肉疲労が原因になるものや、夜寝ている時、足を伸ばして起こすことがあります。
なかには病的原因で生じるものがあり≪脱水(下痢、嘔吐、利尿剤など)、カルシウムなど電解質異常、腎不全(透析)、下肢静脈瘤、甲状腺・副腎疾患、糖尿病、脊髄疾患、多発性神経炎、等≫、あちこちの筋肉に頻回に起こす場合には、検査をお勧めします。
 こむら返りを起こしたら、つま先をゆっくり引き寄せながらふくらはぎの筋肉を伸ばします。
予防には運動前後の十分なストレッチ、発汗時の水分や電解質の補給が大切です。
軽いマッサージや温めることも有効です。
また、漢方薬(勺薬甘草湯)が有効な場合もあります。病的な場合は原因疾患の治療が必要です。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道( 2010年9月14日 「青いぽすと」掲載)

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