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アニキサスをご存知ですか?

内科2014/11/30

 衛生環境がよくなって蟯虫(ぎょうちゅう)や蛔虫(かいちゅう)など、昔はよくいた寄生虫もあまりみられなくなりました。
寄生虫という言葉自体なじみのないものになっていますが、今でも割とよく見る寄生虫がいます。
名前はアニサキス。
聞いたことがあるという人もいるかもしれません。
長さ2cmくらいで半透明の少し太めの糸のような虫で、主に白身の魚や青魚の内蔵にいます。
魚のおなかの中にいるときには渦巻状態になっていることもあって、慣れていないとなかなか見つけにくい寄生虫です。
サバ・サケ・ニシン・ホッケ・タラ・マス・サンマ・スルメイカなどを生で食べた時にアニサキスがついていて、生きたままおなかの中に到達した時に、胃や腸の壁に侵入することがあります。
そうすると、多くの人は大体8時間以内に激しい腹痛が起こります。
じんましんや吐き気などの症状を伴うこともあり、小腸の壁に侵入すると、腸閉塞になることもあります。
人の体の中では育つことはできないので、数日たつと死んで自然に排泄されますが、それまでは症状が続きます。
多くの場合は胃の中にとどまっているので胃カメラで取ることができますが、小腸まで到達して腸閉塞などを起こした場合には入院して治療を受けなければならないこともあります。
予防としては加熱処理が最も効果的ですが、マイナス20度で48時間以上冷凍することでも死滅させることができます。
残念ながら酢や塩では死なないので、しめさばなども注意が必要です。
アニサキスは魚が生きているうちは内蔵の中にいますが魚が死ぬとだんだん身の方に侵入してくるので、刺身で食べるときにはなるべく早くさばいて内蔵を取り出してしまったほうが安全です。
また、白子や卵などについていることもあるので、生のまま塩漬けやしょうゆ漬けにして食べるときには気を付けましょう。
刺身やしめさばなどを食べた後から急激な胃の痛みを感じた時はアニサキスかもしれませんので消化器内科の病院を受診をしてください。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美 院長( 2014年12月号 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

C型肝炎が、飲み薬で治る可能性があるって本当ですか?

内科2014/11/25

  はい、本当です。
今年の9月より、ダクラタスビル、アスナプレビルという2種類の薬が発売されました。
それぞれC型肝炎ウイルスに直接働き、ウイルスの複製・増殖を阻止する薬剤です。
この2種類を併用し24週飲むことで80~90%(※1)の方がウイルス学的に治癒しているという画期的な薬剤です。
しかしながらC型肝炎の患者さん全員にはまだ使えません。
使用できるのは、ウイルスのタイプがセログループ1(ジェノタイプ1)型で、C型慢性肝炎・C型肝硬変(代償期)の患者さんだけです。
そのなかで対象者は、
①インターフェロン治療ができない人(貧血・血小板減少症・うつ病・高齢など)
②インターフェロン治療を行ったが副作用で治療を中止した人
③インターフェロン治療を行ったけど効果不十分でウイルスが消えなかった人です。
副作用については、使用した患者さんは、インターフェロン治療より非常に楽だったと話されています(風邪症状、頭痛、肝機能異常、発熱等がありますが、インターフェロン治療よりはるかに副作用は少なく弱いものです)。
 
また、87%(※1)の患者さんが治療を中止することなく完遂できています。
ただし、弱点もあります。
治療前のC型肝炎ウイルスに変異があると効果が半減することが分かっています。また、インターフェロン治療と同様に高価な治療であるため、国からの補助があります(ウイルス肝炎インターフェロンフリー治療の申請が通れば、1か月の治療費の総額が1~2万円で収まります)。
また、今後さらに新しい薬の開発も行われており、期待されております。
ただし、現状肝機能障害が進行している患者さんで今回の条件に合わない方は、現在のインターフェロン・リバビリン・シメプレビルの3剤併用療法で90%(※1)近い効果がありますので、やみくもに新薬を待つのではなく、インターフェロン治療を受けることをお勧めします。

(※1)日本肝臓学会2014年9月ガイドラインより抜粋


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2014年11月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

高血圧の基準値の変更に伴う混乱

内科2014/10/06

 今年の4月に、高血圧の基準値の変更に関して二つの学会からそれぞれの発表がありました。一つは日本高血圧学会、もう一つは日本人間ドック学会からでしたが、この二つの学会が示す基準値の意味には大きな相違がありました。ところが、一部のマスメディアがこの相違を説明することなく「血圧はもっと高くでも大丈夫だ」と思わせるような報道をしたため、高血圧治療中の患者さん達に大変な混乱を引き起こしてしまいました。

 日本高血圧学会が新しく改訂した高血圧治療ガイドラインで変更した点は、主に若年・中年者(65歳未満)と後期高齢者(75歳以上)の降圧目標値でした。これまでの降圧目標値は、若年・中年者は130/85mmHg未満でしたが、新ガイドラインでは140/90mmHg未満へ緩和されました。また後期高齢者は140/90mmHg未満でしたが150/90mmHg未満へ緩和され、降圧による悪影響が無い場合には140/90mmHg未満を目指すこととなりました。

 一方、人間ドック学会が発表した「健康者の血圧の上限は147mmHg」という値は、2011年にドック健診を受けた人の中から、その時点で健康な人(約1万5千人)の血圧の分布範囲の上限値が147mmHgであったという事実を示したにすぎない数値でした。つまり、ここまで下げれば将来の脳卒中や心筋梗塞などの発症を減らせるという数値ではありませんでした。

 高血圧の治療の目的は将来起こる疾患を予防することですので、「今は健康である」という人の血圧の上限値は降圧目標値にはなり得ません。日本高血圧学会のガイドラインの基準値は、世界や日本で行われてきた一般住民の科学的な長期的追跡調査の結果から導き出された最新のものですので、その降圧目標値の信頼性は高いものと考えて良いでしょう。


Text by 関口内科 関口 洋平(  「函楽」掲載)

過敏性肺臓炎という病気をご存知ですか?

内科2014/09/24

 一般的な肺炎は細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染することによって引き起こされる炎症ですが、過敏性肺臓炎はそれ自体病原性や毒性を持たないカビや、動物性蛋白質などの有機物・あるいは化学物質などを繰り返し吸い込んでいるうちに肺が過剰反応を示すようになり、アレルギー性の炎症が生じて引き起こされます。
過敏性肺臓炎の症状は発熱や咳・呼吸困難感・だるさなどです。喘鳴(呼吸のたびにぜいぜいする)を伴う方も多く、レントゲン写真上は淡い炎症像を認めます。
抗原の多くは患者さんの自宅や職場に潜んでいるため、その環境から離れると症状が軽快・消失し、再びその環境に戻ると悪化します。
このような状態が続くと肺に繊維化と呼ばれる不可逆的な変化が生じ、慢性的な咳や呼吸困難感で悩まされることになります。
日本でよくみられる過敏性肺臓炎には以下のものがあります。

①夏型過敏性肺炎:高温多湿になる夏季に発症しやすく、冬季にはみられません。湿気の多い古い家屋を好むトリコスポロンというカビが抗原です。
②農夫肺:北海道や岩手県などの酪農家にみられ、干し草のなかの好熱性放線菌というカビが抗原です。
③換気装置肺炎(空調肺、加湿器肺):清掃を怠ったエアコン(空調)や加湿器に生じたカビ類を吸い込むことによって発症します。
④鳥飼病:鳩やインコなどの鳥類を飼育している人、あるいはその周囲で暮らしている人に発症します。抗原は鳥類の排泄物にふくまれる蛋白質といわれています。
⑤職業性の過敏性肺炎:キノコ栽培業者がキノコの胞子を吸入して生じる過敏性肺炎やポリウレタンの原料であるイソシアネートを吸入して生じる過敏性肺炎などが知られています。

北海道では農夫肺・キノコ栽培者の肺炎が多いです。
治療法は抗原からの回避とステロイドホルモン剤です。
頻度の高い疾患ではありませんが熱や咳などの症状が繰り返される方は過敏性肺臓炎を起こしていることがあります。


Text by ききょう内科クリニック 蓮沼 晶子 院長( 2014年8月19日 「青いぽすと」掲載)

肝臓が悪いと言われたら

内科2014/08/25

 健診の結果で「肝臓が悪い」と言われたことのある方もいらっしゃると思います。
同時に「精密検査を受けてください」とも言われると思いますが、それにはれっきとした理由があります。

 肝臓が悪くなる原因は数多くあります。
脂肪肝、アルコール、薬剤などが代表的な原因ですが、最も問題となるのはB型肝炎・C型肝炎などの肝炎ウイルスが原因の場合です。
わが国ではB型肝炎ウイルスに130万人、C型肝炎ウイルスに180万人が感染しているといわれています。
これらのウイルスが感染して慢性化すると長年にわたって肝臓を痛めつけ、肝炎から肝硬変へと進行した末に肝臓がんが発生します。
肝硬変は肝臓全体ががん発生の予備状態になっているため、がんは1個ではなく複数個できる場合もあります。
したがって、感染していることをできる限り早期に発見して、その一連の進行を食い止めることが極めて重要なのです。

 これらのウイルスは主に血液を介して感染します。
母親からの出産時の感染、輸血、入れ墨、薬物乱用、性行為などさまざまな経路がありますが、実際にはいつどこから感染したのか経路がはっきりしない場合も少なくありません。
感染は一過性で終わる場合もありますが、慢性的な感染状態になっても厄介なことに数十年にわたって症状を現わさないため、採血での肝臓の数値異常から偶然発見される場合も多いのです。
精密検査を勧められながら「肝臓が悪いのはお酒のせい」などと自己判断で放置すると、重大な結果を招くことになりかねません。

 精密検査は採血で肝臓のより詳しい状態と肝炎ウイルスの有無を確認し、さらにエコー・CT検査で肝臓の形の異常や腫瘍の有無などを評価して総合的に診断します。
万一肝炎ウイルス陽性だった場合はウイルスの種類や肝障害の程度、患者さんの年齢などを勘案して抗ウイルス療法を検討することになります。
精密検査を勧められた時は決して放置せず、必ず消化器内科専門医を受診しましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2014年8月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

尿酸値と生活習慣病

内科2014/07/22

 「先生、いったい尿値はどのくらいまで下がればよいですか?」と、高血圧と糖尿病で通院しているAさんは神妙な顔で聞いてきました。
どうやら、以前に痛風の病歴があり整形外科の先生から尿酸値を下げる薬を処方してもらっているのだが、もう足は痛くないので薬をやめてみたいとの相談でした。

 尿酸は体の中で産生されて尿中へ排せつされることによって、その量は常に一定に保たれています。
しかし、産生と排せつのバランスが崩れ血液中の尿酸値が上昇し7・0㎎/㎗以上の状態が持続すると、尿酸は関節内に結晶として出現し、蓄積した尿酸結晶は激痛を伴う痛風発作を引き起こします。
尿酸は温度が低いほど血液中に溶けきれなくなるので、足先などの体温が低い部分の関節に痛風発作が多いわけです。
体温が35度以下になっても尿酸がしっかり血液に溶けている状態を維持するためには、尿酸値を6・0㎎/㎗以下にすることが勧められます。

 また、尿酸は血管壁を障害するため、動脈硬化による疾患(心筋梗塞や脳梗塞)、腎臓病、心不全などとも関連しています。
尿酸値の高い人が高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合わせ持っていると、尿酸による血管障害をさらに増悪させることが分かっています。
しかし高血圧や糖尿病では、尿酸値が低すぎても心筋梗塞や脳梗塞の発症が増加すること(Jカーブ現象)も知られています。
そのため、尿酸値の管理目標値は5~6㎎/㎗とするのが最適です。

 まさにAさんのような場合は、高血圧と糖尿病などの生活習慣病の治療と並行して尿酸値のコントロールがとても重要です。
夏場は水分を多めに取ること、野菜や海草を取り尿をアルカリ化させること、アルコールやプリン体を取りすぎないこと、適度な運動をして減量することなどに努め、必要時には適量な薬剤を服用し、食生活、運動、薬物治療などの総合的な治療管理を継続していくことが大切です。


Text by 関口内科 関口 洋平( 2014年7月22日 「北海道新聞夕刊」掲載)

65歳を過ぎたら肺炎予防

内科2014/07/14

 肺炎は、日本人の死亡原因第3位です。

 しかも、肺炎が原因で亡くなる方の95%以上は、65歳以上なのです。
65歳であれば、現役で働いている方も多く、まだまだ若いと思ってはいても、年齢とともに身体の抵抗力は確実に低下しています。
規則正しい生活やバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心掛けましょう。

 また、誤嚥(ごえん=食べ物や飲み物がむせてしまうこと)を防ぐため、慌てて飲んだり食べたりしないことが大切です。

 日常かかる肺炎の原因菌で最も多いのは「肺炎球菌」です。

 肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎を予防し、重症化を防ぎます。
このワクチンの持続効果は5年程度といわれており、接種後5年以上たつと再接種が認められています。

 肺炎は、冬に限らず1年中起こり得る病気です。

 65歳を過ぎたら肺炎予防をお勧めします。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2014年7月14日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

機能性ディスペプシア

内科2014/06/30

 胃の痛みや胃もたれなどの症状が長く続いたり、しつこく繰り返したりするのに、胃カメラなどの検査をしても、特に異常ありませんと言われたことがあるという方は、少なくないのではないでしょうか。
実際、ピロリ菌が原因で起こる萎縮性胃炎や、胃液の逆流による食道炎などが見つかる事もありますが、見た目には全く異常がないこともあります。
血液検査やほかの検査をしても異常がないのに、慢性的に胃の痛みや胃もたれなどの腹部症状を呈する病気を、機能性ディスペプシアと言います。
この病気にはいろいろな要因が関係していると言われています。
私たちが食べたものは、一旦胃の中に貯められて、そこから少しずつ腸へ流れていくようになっているのですが、食べた物がうまく貯められなかったり、逆に貯めた食べ物が腸へスムーズに流れていかなかったり、胃の感覚が敏感になりすぎていたり、胃液がたくさん出すぎていたりで症状がでることもあります。
さらに、ストレスや不安などの心理的なものや、アルコールや喫煙などの生活習慣、細菌感染症、胃の形なども関係しており、これらの要因がからまりあって症状が出ていると思われます。
また、逆流性食道炎や過敏性腸症と合併していることもあります。
その人によって原因も様々なので、治療方法も様々です。胃酸を抑える薬や胃腸の動きを改善する薬などがよく使われますが、最近では漢方薬でも高い効果があることが示されています。
また、飲酒や喫煙、食生活の乱れなど、生活習慣を見直して改善していくことも大事です。
ピロリ菌の検査で陽性だった場合には、除菌の治療をしただけで症状が改善することもあります。ストレスや不安などが関係しているときは抗不安薬や抗うつ薬などが効く場合もあります。
ただし、胃癌や食道癌、胃潰瘍が原因になっていることもありますから、症状があるときにはまず、胃の検査をすることをお勧めします。


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( Array 「ダテパー Dr. Dr.プリーズ」掲載)

検診結果が引き出しに入れたままになっていませんか?

内科2014/06/23

 食生活の欧米化などにより、右肩上がりで患者数が増加している生活習慣病。あまりにも身近な存在になりすぎて、脳梗塞や心筋梗塞といった命を脅かす病気の原因になることもある、怖い病気であることを忘れてはいませんか?

 「糖尿病」「脂質異常症(高脂血症)」「高血圧」は、患者数の多さから3大疾患と呼ばれる生活習慣病の代表格です。その他心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血、がんなども生活習慣病に入ります。

 心臓病や脳卒中(脳梗塞・脳出血)は、私たち日本人の死因の3分の1を占める病気であり、これらの大きな引き金になるのが「動脈硬化」です。
生活習慣病になると、自覚症状がないまま、この動脈硬化が急速に進行し、血液の流れが悪くなるだけではなく、重症化すると血栓(血のかたまり)ができて血管をふさいでしまうことがあります。
その結果、ある日突然、脳梗塞や心筋梗塞を起こすといった、最悪の事態を招きかねないのです。

 そこで重要なのが検診です。

 働いている方は職場での検診、退職後や働いていない方は「特定検診」を利用するのも1つの方法です。
40歳以上が対象の特定検診は、生活習慣病予備軍といわれる「メタボリックシンドローム」の発見を目的としたものです。

 また、検診を受けた方も、検診結果をきちんと読み解くことが大切です。
毎回の結果に一喜一憂するのではなく、過去の結果と比較して、数値がどのように変化してきたかを観察することです。

 また、もう1つ忘れてはならないことは、検診で全ての異常が見つかるわけではないということです。
例えば、検診では空腹時の血糖値を調べますが、糖尿病には「隠れ糖尿病」と呼ばれる、食後にのみ血糖値が上昇するタイプがあります。
ほかにも、検診時の血圧は正常でも、家庭や職場で測ると高くなる「仮面高血圧」があり、いずれも検診で発見することはできません。

 また、様々ながんも進行がんにならない限り、検診だけでは発見できない場合も多々あります。

 自分の健康状態にマッチした、より実践的なアドバイスを求めるなら、検診結果を持参して、かかりつけ医に相談してみましょう。


Text by 鈴木内科外科クリニック 大原 眞理子( 2014年6月23日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

春からのダイエット

内科2014/05/26

 冬が終わり、春物の服を着た時に「あっ」と思ったあなた!

 サンサン(3・3)運動を知っていますか?

 「体重3kgの減量・3cmのウエスト短縮」。
2006年の日本肥満学会の宣言です。
この妥当性は、メタボリックシンドロームからの脱出率の差で理解することができます。
3kgの減量ができた方はメタボから76%脱出(未達成は46%)、ウエスト3cm短縮達成者は73%(未達成者は45%)です。
また、血圧・血糖・脂質の併存疾患ゼロへの改善は、3kg達成群で46.9%(未達成群13%)3cm短縮達成群では44%(未達成群では11%)とかなり良いデータを示しています。

 医学では、BMI値25以上を肥満といい、そのうえで健康障害(高血圧等)を合併しているときに肥満症と呼びます。
BMIとは、体格指数(Body Mass Index)といい、体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったものです。
体重68kg、身長1.65mでは、68÷(1.65×1.65)=25となります。
食事療法については、主にエネルギー制限食と糖質制限食があります。
エネルギー制限食とは、バランスの良い食事を全体的に量を減らして食べる方法です。
BMIが25~30では25Kcal×標準体重、BMI30以上なら20Kcal×標準体重で摂るべきカロリーを求めます。

 糖質制限食とは、最近注目を集めている食事療法で、ごはん・パン・うどんといった炭水化物(糖質)を非常に少なくしてタンパク質・脂質を主体にして食事をする方法です。
たとえば、食事量に制限をせずに糖質を制限しただけの方が、脂質を少なくカロリーも制限した食事よりも体重減少に成功したという報告もあり、短期的には効果が良い報告が多いようです。
しかしながら、いまだに脂質異常の悪化や長期的なデータについては懐疑的な部分が多く、極端な糖質制限は現時点では勧められません。
私見としては、一時的に糖質制限を利用し、少し減量できたらカロリー制限に移行するのが良いのかもしれません。

 3kg・3cmと数字を聞くと、なんとなく達成できそうな気がしますね。

 いずれにしてもダイエットに王道なし!

 今日からがんばりましょう!


Text by はら内科クリニック 原 信彦( 2014年5月26日 「北海道新聞夕刊」掲載)

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