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コラムを読む

肘内障(ちゅうないしょう):子どもの腕が急に動かなくなった時

整形外科2008/08/13

 肘内障は8歳未満の幼小児に起こりやすい障害で、整形外科では2~3歳が半数を占めています。
少し大きい子供たちと遊んでいたら急に手を使わなくなったとか、親が手をひいて歩いていたら急に痛がったとか、明らかな外傷がないのに痛がる。

 そして、肩が痛いとか手が痛いと訴えることも多いのです。
まるで「肘が抜けた」状態になり、腕を下げて動かさなくなります。
橈骨(とうこつ)という前腕にある骨の一つで肘関節を形作るこの骨の頭の部分が輪状の靭帯からはずれかけて、その靭帯が関節にはまり込んだ状態です。単純X線では骨折なく、また神経症状がありません。

 治療としては、肘を曲げながら親指が外へ向くように捻ると整復されます。
整復操作後しばらくして手を使い出すことを確認します。
動かさないときは整復が不充分か、骨折などが隠れている場合もありますので再検査が必要となります。


Text by 函館渡辺病院 増岡 昭生(  「」掲載)

ヒアルロン酸とは?

整形外科2008/08/13

 体内で重要な働きをしているヒアルロン酸ですが、体のどこに多く存在しているか、ご存知ですか? ヒアルロン酸は、関節、皮膚、目の硝子体(しょうしたい)に多く含まれています。

 膝などの関節では、加齢や病気により、ヒアルロン酸の濃度は減少し、関節液の粘度も低下します。

 では、低下したヒアルロン酸をどのように補充したらよいのでしょうか?

 経口摂取(けいこうせっしゅ)によるヒトでの有効性については信頼できる科学的裏付けは見当たりません。(引用:国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報)

 内服したヒアルロン酸は、ほとんどが消化管で分解され、一部が血中に吸収されますが、病変部位である関節軟骨や関節液に移行するかどうかは確認されていません。

 加齢による膝の痛み(変形性膝関節症)にはヒアルロン酸の関節注射、下肢筋力訓練が効果的といわれております。膝の痛みにお悩みの方は専門医にご相談ください。


Text by 大村病院 大村 健久(  「」掲載)

手のしびれについて

整形外科2008/08/13

 「手のしびれ」の原因は様々ありますが、整形外科で多いものとしては肘部管(ちゅうぶかん)症候群と手根管(しゅこんかん)症候群の2つの疾患があります。

 肘部管症候群は多くの場合、変形性肘関節症と合併し、肘の内側を通る尺骨(しゃっこつ)神経が圧迫されて発症します。症状は環指(かんし=薬指)、小指のしびれと握力の低下、手指の繊細な動きの障害などで、徐々に進行します。日常生活に支障が出る場合には神経の圧迫を除去する手術が必要です。

 手根管症候群は手仕事をする女性に多く、母指、示指、中指のしびれを主症状とします。手関節の掌側で正中神経が圧迫されることが原因です。急性期には疼痛(とうつう)を伴い、神経の圧迫部位を刺激すると指先に放散痛も生じます。

 再発をくり返す場合には、掌側手根靭帯を切除し、正中神経の除圧手術を行ないます。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

この冬、転倒しないためのアドバイス

整形外科2008/08/13

 この冬は例年より降雪量が多く、除雪や日常生活にご苦労されていると思います。冬道で転倒しないためのアドバイスを整形外科の立場から少し申し上げたいと思います。

 まず靴が大切です。靴底のすべり止めは当然ですが、外反母趾(がいはんぼし)の方は特に足型に合った靴を選んで下さい。ブーツは足関節の動きが制限され、転倒しやすくなります。

 歩行中には眼から道路や車の動きの情報を分析し、耳で音の情報、平衡感覚のバランスを取りながら、歩行運動をしているわけです。このことから下半身の筋力を強化するだけでは当然ながら転倒予防の効果は少ないのです。

 そこで、バランス感覚を強化する方法として、1本足で立つ練習が効果的です。その状態でさらに、つま先立ち、膝を軽く曲げる(ハーフスクワット)運動を追加すれば、さらに効果的です。

 外出の機会は少なくても室内で5分でも転倒予防運動をしましょう。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

整形外科における予防医療について

整形外科2008/08/13

 生活習慣病と同様にこれからの整形外科においても、予防医療として次の3点が重要となります。

(1) 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防
(2) 歩行能力を中心とした全身の筋力維持
(3) 肥満の予防

 高齢化社会では(1)が最も大切です。
骨折したり、腰が曲がってしまう前に、まず正確な骨量測定が必要です。骨量が低い方は50歳代からの早期治療が効果的です。

 (2)ではウォーキングを中心としたスポーツを積極的に行なうことが必要です。

 (3)では50歳以降には、基礎代謝が減少しますので10年ごとに摂取カロリーを10%ずつ減らしましょう。

 (2)(3)はスポーツの実践によって同時に効果が上がりますので、自分に適したスポーツを長く続けることをお勧めいたします。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

肘(ひじ)関節の障害について

整形外科2008/08/13

 肘関節の障害で最も重要なものは変形性肘関節症とそれに伴なう肘部管症候群です。前者は長期間の過酷な労働により発症しますので、農業、漁業、林業やその他の重労働に携わる男性がほとんどです。

症状としては痛みと徐々に進行する可動制限です。変形性関節症がさらに進行すると、内側にある尺骨神経が圧迫され、肘部管症候群という状態になります。症状としてはまず小指、環指のしびれから始まり、握力の低下、手指の繊細な動作が不自由になります。

特に母指と示指の間の筋肉(第一背側骨間筋)が委縮してしまうと書字、食事動作も困難となってしまいます。これらの症状は自然に軽快することはなく、むしろ少しずつ悪化します。根本的治療として手術が必要です。肘関節形成術と尺骨神経前方移動術を同時に行うことにより、関節機能、手指運動機能は改善します。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

成長期のスポーツ障害と外傷について

整形外科2008/08/13

 成長期(10~15歳位)といわれる時期は、身体はもちろん、精神的にも大きく発達し、人間形成にとって非常に大切な期間です。スポーツ活動の効用は単に体力の向上だけではなく、勉強だけでは得られない色々な経験をすることにより、忍耐力や協調性などの社会性を訓練するという面もあります。成長期の骨が成人の骨と大きく異なるは、骨端線や骨端核という骨の成長を担う部分があることです。ほとんどのスポーツ障害はこの部分に対する過度の負担によるものです。

 最も代表的なものが一般的に野球肘といわれている障害で、内側型、外側型、後方型と色々なタイプがあります。肘関節には骨の成長する部分が集中しており、特に10~12歳の投手に発生率が高くなっています。投球時の痛みが最初の症状ですが、それを放置して無理を続けると骨や軟骨の壊死を生じ、関節の可動域も悪くなります。壊部分が小さければ回復し後遺症は残りませんが、進行すると関節は変形し機能的にも障害を残すことになってしまいますので、指導者や保護者が早期に異常を発見してあげることが最も重要です。

 次に腰椎分離症についてお話しします。分離症はジャンプを伴うスポーツ(バレーボール、バスケットボール、バドミントン、陸上競技のジャンプ系種目)などで多く発生します。これは腰椎の上下のかみ合わせの関節の近くが繰りされるストレスにより疲労骨折を起こし、離れたままになった状態をいいます。分離症も早期であれば、スポーツ活動を中止し、三~四ヵ月のコルセット固定をすることにより骨癒合します。

 最後に手の外傷の中で最も多い「つき指」について説明します。「つき指」は指先が急激に曲げられた時に発生し、関節が自力で伸展できなくなった状態をいいます。伸筋腱自体が断裂した場合と骨片を伴った二つの場合があり、前者は普通四~六週間の外固定で治りますが、後者は骨片を固定する簡単な手術が必要です。「つき指」は軽いケガと見られることが多く適切な治療を受けないままに放置される方が意外と多いので御注意ください。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

高齢になっても元気で自立した生活をするために

整形外科2008/08/13

 日本は今や世界一の高齢化社会です。年金問題が話題になっている様に、高齢化社会では単に医療的なことに留まらず、政治経済、社会保障など、全ての面において新しい対応を迫られています。

 整形外科においても、これからは生活習慣病と同様に、普段の健康管理や予防医療が大切になります。予防医療として特に私が重要と考えていることは次の三点です。

(1)骨粗鬆症の予防
(2)歩行能力、関節機能の維持
(3)肥満の防止

 (1)の「骨粗鬆症の予防」については食事や栄養管理、適度の運動がまず基本です。さらに骨粗鬆症の程度に応じての治療が必要になります。

 女性の場合は40歳代後半から急激に骨量が減少し、70歳代では若い頃の約半分になってしまいます。骨量は外見からは分かりませんので45歳位から年に1回位は検査し、長期的に治療方針を立てなければなりません。

 次に(2)の「歩行能力、関節機能の維持」についてですが、日常生活において最も重要な運動能力はやはり歩行でしょう。人間だけの特徴である二足歩行は簡単な様に見えて実はかなり高度な運動であることを認識すべきです。

 安定した歩行をするためには下肢の筋力だけではなく体幹を保持する筋力や平衡感覚、視力の助けも必要です。平衡感覚とバランス保持のテストとして片脚で立位保持が可能かどうかやってみて下さい。どちらか一方でも15秒以下の方は要注意です。

 最後に(3)の「肥満の防止」ですが、これは達成することが一番むずかしい課題かもしれません。とにかく病院での治療よりも皆様の自覚、日々の努力が必要だからです。「二十一世紀の医療は肥満との戦い」とも言われています。ダイエットについては、テレビや雑誌に取り上げられている様な、近道や楽な道はありません。

 (1)から(3)の課題はお気付きの様にかなり共通した面を持っています。それはスポーツをすることによってかなり効果が期待できるということです。40歳代以降から自分の体力、内科的状態などをよく考慮し、高齢になっても可能なスポーツを見つけ、元気で自立した生活を目指してください。


Text by 八木原整形外科クリニック 八木原 一英(  「」掲載)

オグスット病(成長期の膝のスポーツ障害)

整形外科2008/08/13

近年、広く多くの人々が種々のスポーツを楽しむようになりました。成長期である小・中・高校生のスポーツ活動も学校や地域で益々盛んになっています。小さい頃から高いレベルでスポーツの練習や大会が運営されています。一方で成長期のスポーツ障害で整形外科外来を受診される方も増えています。 その代表的な疾患の一つがオグスット病です。

成長軟骨(骨端線)の骨化によって骨格は成長します。脚の成長の70%は膝を挟む大腿骨遠位・脛骨近位骨端線で行われます。このため、大腿四頭筋を始めとする膝周囲の筋肉・腱の緊張は発育期の急激に増加します。大腿四頭筋は大腿の前方の膝を伸ばす筋で、膝蓋骨に停止し、更に膝蓋腱に続き骨端線を介して脛骨に付着します。走ったり、ジャンプしたり、ボールを蹴る時には大腿四頭筋が働いて脛骨粗面の成長軟骨に大きな力が加わります。スポーツなどの使いすぎで脛骨粗面生じる骨端症が、“オグスット病”です。症状は脛骨粗面の疼痛と膨隆で、痛みは運動後に痛みが生じる程度から階段昇降など 日常生活に支障を生じるまで様々です。X線写真でも異常を認めます。他の膝関節痛をきたすスポーツ損傷・障害の鑑別診断も大切です。

治療は、運動後のみ疼痛がある程度の軽症であれば、運動後のアイスィングで十分ですし、運動中の疼痛や日常生活にも支障があればスポーツの制限・中止が必要になります。制限期間は疼痛やX線所見で判断します。また、装具の使用も有効です。

オグスット病は、スポーツが好きで一生懸命に練習をする子供に発症します。我々、整形外科専門医・スポーツ医は、予防の点でも、1日も早く良い状態で競技に復帰できるよう、常に競技者の良き理解者、協力者でありたいと考えています。

いつでもお気軽にご相談ください。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道(  「」掲載)

転倒防止

整形外科2008/08/13

 骨粗鬆症は骨量が減少し、柱や梁にあたる骨の微細構造が壊れて脆く骨折しやすくなった状態です。脚の付け根(大腿骨頚部)、背骨(胸腰椎)、手首(とうこつ・尺骨遠位端)、肩の付け根(上腕骨近位)は、骨粗鬆症の代表的な骨折です。骨粗鬆症の治療目的は骨折の予防と言い換えることができます。

 若い人の骨折が転落や交通事故など大きな外力が原因であるのに対して、お年寄りの骨折の原因は転倒が多いようです。1年間に家で暮らすお年寄りの約10~20%が転倒され、一般に転倒の約5%に骨折が生じています。また、お年寄りの転倒はつまずいた、滑った、ふらついたなどの些細なことで生じて、室内発生例が多いようです。

それでは、どんな人が転倒しやすく、その防止には何に注意したらよいのでしょうか?

1.膝や足の痛み(変形性膝関節症、外傷後)
2.麻痺や歩行困難(脳梗塞、パーキンソン病等)
3.めまい
4.目、耳の障害(白内障、視力、聴力障害)1~4に関しては各専門医で原因疾患の治療をぜひ受けてください。
5.薬(睡眠薬、精神安定剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、降圧剤等の眠気やふらつきをきたす薬)必要な薬はもちろん服用すべきですが、自分がどんな薬を服用して、どんな影響があるのかを把握しておくことは大切です。
6.運動(筋力、平衡感覚、反射神経の維持)
7.住まいのチェック 段差をなくす、照明、手すりやすべり止めの設置、整理整頓(電気のコード、床の新聞等)
8.動きやすい服装 衣類のすそがからまったり、脱げやすいスリッパなどにはご注意ください。
9.杖の使用
10.ヒッププロテクターの装着 (それでも転びやすい人には大腿骨頚部骨折の予防には有効です。)骨粗鬆症の治療と転倒防止、いずれも骨折を防ぐためには重要です。

ご心配な点があれば、我々、整形外科専門医にご相談ください。


Text by こが整形外科クリニック 古賀弘道(  「」掲載)

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