がんの検査
日本人の死亡原因の第1位はがんで、統計によると約30%の人が、がんで亡くなっています。
また、一生のうちにがんにかかる確率は男性54%、女性41%で、男女とも約2人に1人は生涯で一度はがんにかかる可能性があるということになります。
内訳を見ると、男性は胃癌・大腸癌・肺癌が多く、女性は乳癌・大腸癌・胃癌にかかる人が多くなっています。
一昔前は、がん=死の病でしたが、治療の進歩により、早く見つければ治すことができる病気になってきています。
がんを早く見つけるためには、がん検診を受けることが大事です。
40歳以上の全ての人は、胃癌・大腸癌・肺癌の検診を1年に1回、受けることが推奨されており、20歳以上の女性は2年に1回子宮癌検診を、40歳以上の女性は2年に1回乳癌検診を受けることが推奨されています。
このような検診は、公的補助が出る場合もありますが、それとは別に、ある種のがんでは、血液検査で、がんになるリスクを推測することも出来るようになってきています。
たとえば胃癌では、ピロリ菌に感染しているかどうかと、胃が長期的に炎症を起こしているかどうかを血液で調べることで、胃癌になる可能性がどのくらいかを調べる、ABC検診が注目されてきています。
また、蛋白(たんぱく)質の元になるアミノ酸という物質の種類を組み合わせて調べることで、がんにかかっている危険度を、数種類のがんについて調べることも出来るようになってきています。
ただし、これらの検査はあくまでもがんにかかる危険性がどのくらいあるかを調べるもので、結果がよかったからといって、絶対がんにはかからないということではないということを理解しておくことが大事です。
また、人によっては検査が出来ない場合もあるので、検査を行っている病院に問い合わせてみてください。
胃がんになりやすい人って?
漠然と「胃がんになったらどうしよう」と考えたことはありませんか?
最近、どの程度胃がんになりやすいかを検査できるようになりました。
胃がんリスク検診=ABC検診といいます(健康保険は対象外)。
現在、群馬県全域・東京都の一部の区で実地されています。
血液を調べて,胃がんの原因といわれるピロリ菌に感染しているかどうかと、胃の老化をペプシノーゲンⅠ・Ⅱという物質で検査します。
A群:ピロリ菌もいない・胃の老化もない状態。この場合ほとんど胃がんの発生がありません。
B群:ピロリ菌がいるけれど、胃の老化は始まっていない。この場合1000人に1人の割合で胃がんの発生があるといわれます。
C群:ピロリ菌がいて、胃が老化しているものでは、400人に1人。
D群:ピロリ菌が住めないくらい胃の老化が進んでいるものでは80人に1人と言われています。
この検診で胃がんリスクを考え、A群の方は5年に1度程度、B群は3年、C群は2~1年、D群は毎年胃カメラでの精密検査が推奨されています。
この検診結果から分かるように、基本的にピロリ菌に感染しているならば、まず除菌することが勧められます。
ただし、除菌治療は胃潰瘍や十二指腸潰瘍など健康保険で賄(まかな)えるものは限られており、自費で行われる方が多いのも事実です。
また、この検診でA群と診断されても実はピロリ菌に感染していた方も混入することもあったり、胃がん以外の悪性腫瘍(2%前後)、ピロリ菌の感染が背景に無い胃がんがごくわずかに存在することもあります。
この検診は、今胃がんになってるかどうかの判定ではありません。
あくまでも胃がんのなりやすさであり、結果を鵜呑みにすることなく、何か症状があったり不安であれば消化器科専門医に相談してくださいね。
春の検診で視力の用紙をもらったら
新学期を迎え、我々眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。
視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供達は学校から頂いてきます。
その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。
小学校一年生にとって視力という検査は初めての経験で、やり方も良く理解出来ないかも知れません。
そのため検査結果が眼科で測る時より悪くなることもあります。
しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視のお子さんも多く見受けられます。
そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。
簡単に言うと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目にはいるので弱視になることはありません。
それに対し強い遠視の場合は近くも遠くもピントがあわず、常にぼやけてしまいます。
いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。
そのため放置するとメガネで矯正しても視力がでない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。
小学生の視力低下にまれに見られるのが心因性視力障害です。
お友達がすてきな眼鏡をかけている。
「自分もメガネがほしいなぁ」と言うように強く思うだけで視力が出なくなってしまう場合もありますし、お友達とけんかをして「学校に行きたくないなぁ」、などという気持ちが目に表れてしまうこともあります。
そういう場合にはご両親はもちろん学校の先生ともよく話し合うことが必要なことがあります。
健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。
飛蚊症(ひぶんしょう)
実際は何も無いのに、視界のなかにふわふわ邪魔なものがみえる症状が飛蚊症です。
細かなゴミのようだったり、点やひも、又はうすい雲の様だったりと、形はさまざまです。
飛蚊症のほとんどは、40~60才代に多くみられる後部硝子体剥離という治療の不要な加齢現象です。
悪化しませんが無くなることもなく、付き合っていかなければなりません。
しかしまれに、網膜剥離(緊急に手術しないと失明する)の前段階である網膜裂孔や、適切な治療を要するぶどう膜炎、硝子体出血などの危険性があるため、精密眼底検査を受けて確認しておくことが必要です。
精密眼底検査では、散瞳剤を点眼して瞳孔をひろげます。
散瞳効果は点眼後3~4時間持続し、その間眩しく感じたり、焦点があわずものがみづらくなりますから、細かい作業や運転をしないでよい準備をしたほうがいいでしょう。
ノンクラスプデンチャーについて
審美性に対する要求は、年齢、性別に関係なく、入れ歯を使用していると気付かれたくないという思いは多かれ少なかれ持っていると思います。
今日は“ノンクラスプデンチャー”についてお話ししてみようと思います。“ノンクラスプデンチャー”という言葉は全く耳慣れない言葉だと思いますが、ひと言で表現すれば、金具(クラスプと言います)のない部分入れ歯のことを言います。
金具がないので見た目にも入れ歯とはわかりにくく審美性に優れており、インプラントのように手術を必要とはせず、年齢や患者さんの全身状態にかかわらず作製する事ができます。
日本国内で薬事認可を受けている“ノンクラスプデンチャー”は4種類ありますが、当院では金属床(特にチタンという金属アレルギーが少ないと言われている金属、人工関節やインプラントにも使われています)と併用を考えて作製している“ノンクラスプデンチャー”(商品名はスマートデンチャー)について少し説明いたします。
床(歯ぐきにあたる部分)は、ペットボトルの材料(ポリエチレンテレフタレート:略してペット)を使用しています。
この材料の特徴としては、柔らかいため弾力があり破折がしにくく、そのため厚みも薄くできて違和感が少ないという点にあり、ペットボトルにも使用されているので安全性についても問題ありません。
保険での入れ歯では設計にも制限がありますが、今述べた材料を使い、適切な設計をし実際に使っていただいている患者さんを見ると見た目もさることながら(審美的にも美しく)よく食事ができているように思います。
保険がきかない入れ歯ですが、こういう付加価値をもった入れ歯もありますという紹介でした。
なお、最近では国外生産で安価なものも出回ってると聞きます。
もしこのような入れ歯を希望するのなら安全な国産製品で作ってもらってください。
不整脈とめまい
めまいを起こす原因はいくつかありますが、不整脈でもめまいを起こします。
不整脈のために起こるめまいは失神の寸前であり、時には突然死の前兆を意味することもあります。
脈が非常に遅くなってしばらく心臓が止まる場合や、脈が速くなる不整脈の場合にも起こります。
こんな時には、血圧が急激に低下するために脳に血が廻らないのと、全身の脱力が同時に起こり、血の気が引く感じがします。
たいていは数秒間でもとに戻り、動悸や冷や汗がでます。数秒で戻らないと意識を失って倒れ、30秒以内に意識が回復します。
もっと長く続くと突然死に至る可能性が出てきます。
脈が遅くなる不整脈は多彩にありますが、代表的なものは洞機能不全症候群や高度な房室ブロックで、心臓の電線が切れて心室が動かなくなる状態です。
3秒以上心臓が止まるとめまいがしてきて、5秒を超えると失神するようになります。
10秒くらいの心停止ではけいれんも始まります。
自律神経のアンバランスなどの一時的な原因なら治ることも多いのですが、進行する心臓病の場合にはペースメーカー(心臓を電気刺激して動かす機械)を植え込む手術が必要なこともあります。
心臓は全身に血液を送り出す水鉄砲のようなものと考えてみてください。
たっぷりと水を吸い込んでギューっと押し出すと、たっぷりと水をとばすことができます。
これをすごく速くすると、吸う時間もなくなれば押し出すこともできないので、水を飛ばすことはできません。
1分間に200回以上の脈になると心臓も血を送り出せなくなり、めまいを起こします。
心室頻拍、心室細動と呼ばれる心臓がけいれんするような不整脈では、すぐに自然停止しなければAEDでの電気ショックが必要であり、突然死の原因になってしまいます。
正確に診断するためには、めまいの原因に不整脈を疑うことから始まります。
心電図や、ホルター心電図と言う24時間の心電図検査が欠かせない検査です。
突然の失神で骨折して何年もたってから不整脈に気付くこともあります。
このようなめまいや失神には注意をしてください。
地域に根差した整形外科を目指して
整形外科は、上肢・下肢・脊椎の3つの分野に分かれています。
治療技術は日進月歩で、それぞれの分野で治療方針は多岐にわたるため整形外科医の中でも上肢・下肢・脊椎に専門が分かれています。
上肢は肩から手まで、下肢は股関節から足まで、脊椎は頸から腰までといったように分かれていますが、症状は様々な部位に出るため、一概に一つの分野だけで治療を行うことは難しいです。
代表的な疾患を挙げると、上肢では肩周囲炎(いわゆる四十肩、五十肩)、肘部管症候群・手根管症候群(手のしびれ)、ばね指等。下肢では、変形性関節症(動き始めの膝、股関節の痛み)、捻挫やスポーツによる膝、足首の靱帯損傷。
脊椎では頸椎症(くびの痛み)、腰部脊柱管狭窄症(何分か歩くと足がしびれる)、急性腰椎症(ぎっくり腰)、首や腰のヘルニア等が挙げられます。
保存的治療(内服薬、外用薬、リハビリ等)で改善が認められない場合は、かかりつけ医の先生と相談していただき、一度、専門としている整形外科の先生を受診してみてはいかがでしょうか?
今日からあなたも正しいレンズケアを
コンタクトレンズによる眼障害を防ぐための正しいレンズケアを、現在、最も普及している2週間交換タイプのレンズと、洗浄すすぎ、消毒、保存を一剤でできるMPS(マルチパーパスソリューション)をとりあげ、今一度再確認しましょう。
微生物はどこにいるのか?
レンズケアの最大の目的は、眼に微生物をいれないことにあります。
微生物はあなたの手や指、レンズや保存ケース、ケア用品、水道水にひそんでいます。
手指の洗浄
レンズを着脱する前に必ず手を洗います。
石鹸をよく泡立てて、手の平や甲だけでなく、指の間、指先、手首までしっかり洗いましょう。
その後、ペーパータオルや清潔なタオルでふきとって下さい。
こすり洗い
はずしたレンズには汚れや微生物が付着しています。
十分な量のMPSですすいだ後、レンズを約20回、やさしくこすり洗いして下さい。
MPSの消毒効果はこすり洗いなしでは不十分です。
すすぎ
こすり洗いしたレンズは、MPSですすいでからケースに保管します。
MPSをたっぷり使うことが重要です。
ケース管理
レンズを取りだしたケースは流水(水道水)ですすぎ、さらにケース内を指でこすり洗いした後、自然乾燥させます。
ケースは1.5ヶ月毎、理想的には1ヶ月毎に新しいものに替えるのが安全です。
装用前のすすぎ
ケースから取り出したレンズをそのまま装用してはいけません。
レンズ装用直前にMPSでしっかりすすいで下さい。
ケース内でレンズが汚染されていた場合、この装用直前のすすぎが重要になりますから、念入りにすすぐことが大事です。
また、レンズの汚れで最も多いのは化粧品です。
レンズの装用は化粧する前です!
MPSの管理
MPSは開封後徐々に消毒効果が低下していきます。
MPS内から微生物が検出された報告がありますから、MPSは開封後長くても1.5ヶ月以内に使い切るように。
つぎ足しでの使用は大変危険です。絶対にしてはいけません。
定期検査
トラブルを最小限に抑えるために、眼科での定期検査は必須です。
コンタクトレンズを安全に使用するためには正しいレンズケアと3ヵ月毎の定期検査を受けましょう。
ホワイトニングについて
皆さんは自信を持って歯を見せて笑えますか?
毎日の歯磨きで予防できないものの一つが歯の黄ばみや着色です。
コーヒーやワイン、お茶などに含まれる色素が歯に沈着し、蓄積されていくと普段のお手入れでは落ちなくなってしまうのです。
そのような色素を取り除き、歯を白く明るい色にするのがホワイトニングです。
ホワイトニングには色々な種類があります。
1.ホームホワイトニング
ご自宅で行います。専用のマウスピースを作製し、専用のジェルを付け2〜6時間程はめて頂きます。期間は1ヶ月が目安です。時間はかかりますが、後戻りしづらく綺麗な白さになります。
2.オフィスホワイトニング
歯科医院で行います。専用の薬剤を歯の表面に塗布し、専用のライトを当てて行います。1時間程度で通院回数は1〜3回が目安です。短期間で終わりますが、後戻りしやすく、白さにも限界があります。
3.デュアルホワイトニング
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用して行います。結婚式が近いなど短期間で白くしたい方にお勧めです。
4.ウォーキングブリーチ
神経を取って歯が黒ずんだ場合に行います。歯の中に直接薬剤を入れて漂白します。1週間に1回薬を交換し、1ヶ月が目安です。他のホワイトニングと併用する場合もあります。
歯が白くなると、どの方も笑顔が綺麗になります。
そのため自分に自信が持てるようになり、内面的にも明るくなります。
いつも笑顔でいるとキラー細胞という細菌やがん細胞を殺す免疫細胞が増えるという研究結果もあります。
またホワイトニングすることにより、歯への意識が高まり、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
定期的にクリーニングすると白さも長持ちしますので、興味のある方はお近くの歯科医院に相談してみて下さい。
イントラレーシックを賢く受けるために
今回は、イントラレーシックを受ける時に知っておいて欲しいポイントがあるので、その辺のことをご紹介していきましょう。
まずは、イントラレーシックがどんなものなのかですが、これについては何度か原稿を書いていますので簡単に説明すると、コンピューター制御のフェムトセカンドレーザーを用いてフラップを作る方法で行なったレーシックのことを言います。
メリットは、従来のレーシックより視力矯正率が高くなり、目標の視力までの回復が早く、合併症がおこりづらくなったことなどがあげられております。
このフェムトセカンドレーザーというのは特に最近その進歩が著しく、飛躍的に可能性が広がっており、眼科領域では角膜移植・白内障手術にも応用されております。
そのほかではガラスやダイヤモンドの加工などにも応用されているそうです。
次に、治療を受けるにあたり良いポイントだけではなく、良くないこともしっかり把握しておきたいものです。
まず、ひとつめにドライアイの症状が出る可能性があげられます。
次にハロー・グレアです。ハローとは街灯などの光源周辺にボワァ~と滲んだような光の輪が見える現象で、グレアとは照明の光がギラギラ見える現象を言います。
これらの症状は時間の経過とともに数ヶ月で改善されます。
この外にもまれですが不正乱視やフラップのトラブルなどが起こる場合もあります。
そして最後に、賢く受けていただくために一番重要となるコストが気になるところでしょう。
しかし、ここでご紹介しておきたいのは手術料金ではなく生命保険や医療保険の利用です。
自費診療であるレーシックを受ける場合でも手術給付金というお金がもらえることがあります。
最近ではレーシック手術に対して保険が下りる会社が減ってきていると聞きますが、それでも出ている方がいることも確かです。
保険加入している方は適用出来るか確認してみるのが良いでしょう。
場合によっては手術代分の給付金が出たというケースもあるそうですよ。
そのほかに、医療費控除でも該当になる方がいらっしゃると聞きますので、そちらも確認してみるのも良いかも知れませんね!
より安全に、より負担が少なく治療を受けられればそれに越したことはありませんからね。
さぁ~これを読んだ賢いあなたならイントラレーシック、どうなさいますか?