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体重減少性無月経

産科婦人科2011/02/24

 最近若い女性に、急激なダイエットにより月経がなくなる方が増えています。
TV、週刊誌にあふれるダイエットの宣伝。
スリムであることが可愛いという考え方。
社会生活の変化による過食、美食、運動不足による肥満の増加等が無理な、あるいは不要なダイエットを強いているようです。 女子高生の調査では標準体重[(身長-100)×0.9kg]の10~20%少ない方のうち4割、20%以上のやせの方の1割が「まだやせたい」と思っています。
このように若年女性のやせたいという願望は、極めて強い反面、それに伴う月経不順についてはあまり知られていません。 神経性食欲不振、ストレス、環境の変化、美容上の理由による本人の意志での減食等により急激(3ヶ月~1年)な体重減少(標準体重の80%以下)で、今まで順調であった月経周期が、不順あるいは無月経となった場合を体重減少性無月経といいます。
但し内科的な疾患による場合は除外します。 体重減少性無月経は、ダイエットによるものを単純性体重減少性無月経、精神的なものが主体の神経性食欲不振症。
その違いは、食行動の異常(過食、拒食、隠れ食い)があれば食欲不振症、なければ単純性と診断されます。 治療は共に第一は体重の回復で、90%以上に回復すること。
性ホルモンの補充療法で排卵誘発を行います。
月経が回復するのに一年以上かかることも多く、早期に、また、気長に治療を続ける事が大事です。
但し、神経性食欲不振症では、精神的なものが強くあり、体重回復の指導に抵抗する事が多く、
心療内科や精神科の治療も必要となります。


Text by 松浦 敏章( 2000年 「タウン情報誌JAM「教えて、先生!!」」掲載)

ペットボトル症候群

内科2012/08/20

 糖尿病の急性合併症の一つに糖尿病ケトアシドーシスがあります。
ケトンという酸性の物質が体の中にたまって血液が通常より酸性(アシドーシス)になった状態で、嘔き気(はきけ)・嘔吐(おうと)や倦怠(けんたい)感が出たりします。
放置すると意識障害を起こし、命にかかわることもあります。
糖尿病の患者さんが糖分を含む清涼飲料やスポーツドリンクなどを大量に飲むと、血糖値が上昇するため喉の渇きが強まり、さらに清涼飲料を飲んで血糖値が上昇するという悪循環に陥ります。
その結果、著しい高血糖とケトアシドーシスを来します。
糖尿病の人はもちろんですが、糖尿病の自覚のない隠れ糖尿の人にも起こることがあり、この人達がペットボトル入りの清涼飲料をたくさん飲んでいたことからペットボトル症候群と名付けられました。

 特に肥満の若年男性に多いといわれています。ご注意を!


Text by みはら内科クリニック 三原 真美( 2012年8月20日 「みなみ風」掲載)

白内障

眼科2017/10/30

 白内障は、目の中の「水晶体」が濁る病気です。
おおまかに、加齢によるものとその他の白内障に分けられます。
圧倒的に多いのが加齢性の白内障で、早ければ40歳代から始まり、70歳ではほぼ全員に白内障がみられます。

「水晶体」はカメラのレンズに相当する器官のため、これが濁ることによりまぶしく感じる、明るいところで見づらい、逆に暗いところで見づらい、霧がかかったようにぼやける等の症状が現れます。
ただ視力に関しては、濁り方の違いにより初期から視力が下がるタイプや、進行しても視力が良いタイプまでさまざまです。

 「白内障です」と言われたら、何もせず経過観察するか、点眼薬または手術による治療を選ぶことになります。
点眼薬は進行を遅らせる効果は期待できますが、決して進行を止めるものではありません。
各自の日常生活において不便を感じるようになったら手術を考える時期です。


Text by くどう眼科クリニック 工藤 勝利(  「」掲載)

まぶたが腫れました

眼科2012/10/29

 瞼(まぶた)が腫れましたと眼科を訪れる患者さんは非常に多くいます。
一番多いのはやはりものもらいでしょう。
瞼の縁には脂肪の分泌腺がいっぱい並んでいてそこが炎症を起こして赤く腫れて痛みを伴います。
これを霰粒腫(さんりゅうしゅ)または麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいますが、特に函館では〈めっぱ〉といい、関西地方では〈めばちこ〉というようです。
腫れ始めて2〜3日のうちにお薬を使うとお薬だけで引く場合もありますが数日たってしまったものは切開して膿を出さないと引かない状態になってしまいます。
一度炎症を起こしたけれど引いてきたので放っておいたところ内側(赤目の方)にでこぼこした物が飛び出してくることもありますが、これは霰粒腫性の肉芽(にくげ)といい、痛みが無くてもお薬では引かないので切除が必要になります。

 突然瞼全体が腫れて痛みや赤みが無く、少しぷくぷくした腫れ方をQuinke浮腫(クインケふしゅ)といいます。
血管からの水分が異常に漏れ出すのが原因で抗アレルギー剤を使うと引いてきます。

 朝瞼が腫れたけれど昼から少し引いてきたという方に意外と多いのが、いつもより枕が低かっただけということもあります。
足のすねも腫れているという時には内科的な病気がないかも調べてみる必要があります。

 両上瞼の目頭寄りがぽこっと腫れている方も多くありますが、これは年齢的なことが多くあります。脂肪の付き方でそう見えることが多いのですが、黄色く平坦なものは仮性黄色腫というものもあります。

 1〜2mmの小さい白いつぶつぶが瞼にいっぱい出来ている方があります。
稗粒腫(はいりゅうしゅ)といってケラチンという白いラードのようなものがたまっています。
一見ものもらいのように腫れていて切った物を検査に出してみると腫瘍、特に高齢者の場合悪性腫瘍ということもありますので、あまり放っておかずにまず眼科で診てもらいましょう。


Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶( 2012年10月29日 「北海道新聞夕刊」掲載)

肝臓が悪いと言われたら

内科2014/08/25

 健診の結果で「肝臓が悪い」と言われたことのある方もいらっしゃると思います。
同時に「精密検査を受けてください」とも言われると思いますが、それにはれっきとした理由があります。

 肝臓が悪くなる原因は数多くあります。
脂肪肝、アルコール、薬剤などが代表的な原因ですが、最も問題となるのはB型肝炎・C型肝炎などの肝炎ウイルスが原因の場合です。
わが国ではB型肝炎ウイルスに130万人、C型肝炎ウイルスに180万人が感染しているといわれています。
これらのウイルスが感染して慢性化すると長年にわたって肝臓を痛めつけ、肝炎から肝硬変へと進行した末に肝臓がんが発生します。
肝硬変は肝臓全体ががん発生の予備状態になっているため、がんは1個ではなく複数個できる場合もあります。
したがって、感染していることをできる限り早期に発見して、その一連の進行を食い止めることが極めて重要なのです。

 これらのウイルスは主に血液を介して感染します。
母親からの出産時の感染、輸血、入れ墨、薬物乱用、性行為などさまざまな経路がありますが、実際にはいつどこから感染したのか経路がはっきりしない場合も少なくありません。
感染は一過性で終わる場合もありますが、慢性的な感染状態になっても厄介なことに数十年にわたって症状を現わさないため、採血での肝臓の数値異常から偶然発見される場合も多いのです。
精密検査を勧められながら「肝臓が悪いのはお酒のせい」などと自己判断で放置すると、重大な結果を招くことになりかねません。

 精密検査は採血で肝臓のより詳しい状態と肝炎ウイルスの有無を確認し、さらにエコー・CT検査で肝臓の形の異常や腫瘍の有無などを評価して総合的に診断します。
万一肝炎ウイルス陽性だった場合はウイルスの種類や肝障害の程度、患者さんの年齢などを勘案して抗ウイルス療法を検討することになります。
精密検査を勧められた時は決して放置せず、必ず消化器内科専門医を受診しましょう。


Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男( 2014年8月25日 「北海道新聞夕刊」掲載)

自宅で血圧を測りましょう!

 病院や健康診断でドキドキして測る血圧~これだけでは高血圧の診断・治療は不十分です。病院だけで血圧測定をしていると、白衣高血圧と呼ばれる病院で測定するときだけ高くなる現象や、逆に仮面高血圧と呼ばれ、病院では正常であるが自宅で血圧が高い状態を見逃してしまいます。その結果、正しい血圧を知らないで薬を飲むと血圧が下がりすぎたりしてめまいを訴えたり、逆に血圧が正常だと思っていても実は不十分だったということになりかねません。

 2004年の日本高血圧学会のガイドラインでも、この家庭血圧測定が大きくとりあげられています。装置は上腕カフ・オシロメトリック法を用いたものが推奨されています。

 測定部位は、手首や指先のものではなく、上腕部分で測定するものが良いです。測定時間は朝と夜の1日2回。朝は、起床一時間以内、排尿後、服薬前、朝食前に座位1~2分安静にしてから測定。夜は、就寝前に座位1~2分安静にしてから測定します。腕の高さは、枕やタオルを使ってできるだけ心臓の高さに合わせましょう。測定回数は、朝晩少なくとも1回ずつ、できるだけ連日測定しましょう。ここで問題なのは、測定回数が決まっていないことです。朝1回だけ測るのか、2~3回測定して平均値を出すのか?

 この疑問については、未だ学会でも答えが出ていません。ですので、血圧の数字を直接高い低いと一喜一憂するのではなく、朝と晩でどちらが高めか? いつもより高くなっているのか? というような傾向を見ることが大切です。

 また、自宅で測定する血圧で、135/80mmHg以上は確実な高血圧として降圧治療の対象とする、となっています。昔に比べ血圧を低めに維持することが非常に大切であるというのが現在の高血圧治療の考えです。僕が医師になったときは血圧が160/90mmHgを超えたときから治療開始することになっていましたから意外に厳しい数字ですよ!

 「血圧が高めだけど…病院へ行くのは…」というそこのあなた!

 まずは、自分で血圧を測ってみてはいかがですか?


Text by はら内科クリニック 原 信彦(  「」掲載)

化膿した粉瘤(ふんりゅう)の治療

皮膚科2016/03/28

 粉瘤というのは、皮膚の下にお粥(かゆ)のようなあかが貯まった袋ができる良性の皮膚腫瘍です。
体中どこでもできますが、多いのは顔、背中、お尻、脚のつけ根などです。
化膿していなければ、コロコロとした丸い塊が触れるだけで痛みもありません。
皮膚の表面に小さな穴があると、押すとそこから悪臭のある内容物が出てくる事もあります。
化膿していなければこの小さな穴と、中の袋を取って縫合すると再発はしません。
でも、化膿してしまうと、中に膿(うみ)がたまって急に大きくなって赤く腫れてきます。
さらに痛みも出てきます。
そして、痛みが出てから来院される方が多いようです。
しかし、こうなると化膿して膿がたまっていますから、中の袋を取ることはできません。
そこで、局所麻酔をして、皮膚を切開し、中の膿を出すだけになります。
切開は皮膚の表面の小さな穴がはっきりしていれば、その穴を含めて皮膚を一部切除して穴を開けておきます。
そうする事によって膿が中にたまらず、きちんと外に出てくれます。
そして、粉瘤の袋が残っていれば可能な限り取り除きます。
これを残すといつまでもジクジクして、治りが悪くなったりします。
縫合はできません。
そして、週2~3回程度時々通院しながら炎症が治まって小さくなるのを待ちます。
消毒しなくて良くなるのには、大きさにもよりますが、10日から2週間位です。
元になる小さな穴が残っていると、再発してくる事も考えられます。
また、炎症が治まらないうちに切開した入り口が閉じてしまうと、中で肉芽腫といってくすぶった状態が続き、炎症を繰り返す事もあります。
ですから、粉瘤は化膿しないうちに取ってしまう方が、簡単で早く治る方法なのです。


Text by すどうスキンクリニック 須藤 聡( 2016年3月28日 「北海道新聞夕刊」掲載)

脱毛症

形成外科2015/12/07

 脱毛症と発毛障害の原因はそれぞれ異なっている事があり、それぞれ適応した治療があるため、脱毛症にはどんな種類があるかを知ることが大切です。

 びまん性脱毛症は女性に多い脱毛の一つで、頭部全体が均一に薄くなり毛根は正常ですが、アミノ酸やビタミンなどの栄養素が十分に供給されていません。
遺伝子性脱毛症は男性ばかりではなく女性にも生じますが、男性の場合は早い時期から始まり、見かけも顕著です。
症状は男女で異なり、男性は額の生え際と後頭部に生じますが、女性は前頭部に生じます。
原因は内因性のホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に対する毛根の過敏性反応です。

 主な原因は感染症、血行障害、ストレス、アレルギー、栄養障害、ホルモンの変化などいろいろありますが、治療において大切なことは専門医と相談、診断を受け、原因を特定して治療を受けること、治療薬には副作用もありますので専門医の十分な説明を受けて行いましょう。


Text by 五稜郭大村美容形成クリニック 大村 勇二( 2015年12月7日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

心配ないです 結膜下出血

眼科2008/08/13

 少しチクッとした後で、鏡を見たら白目が真っ赤になっていてびっくりしたことはありませんか?

 これは結膜下出血といって、結膜(白目)の血管が破綻(たん)することにより結膜下に出血が拡がってしまう疾患です。出血は眼の表面だけであり眼内の出血、例えば、眼底出血とは異なり視力に影響を及ぼすことはありません。ほとんどの場合、1~2週間で出血は自然に吸収されます。多くの方がビックリされて眼科を救急受診されますが、心配しなくて大丈夫です。

 しかし、結膜弛緩(しかん)症といって白目が弛(ゆる)んでまぶたの縁(ふち)に乗り上げてしまう様な症状があると、出血を頻繁に繰り返すため、手術加療を行います。

 また、目やにが出たり、下まぶたの裏側まで赤く充血している場合は、結膜炎や他の病気を伴っている場合もあり、眼科受診と治療が必要です。


Text by 江口眼科病院 江口 秀一郎(  「」掲載)

新しいニキビの外用薬が承認されました

皮膚科2015/04/20

 日本はニキビ治療の後進国と呼ばれていましたが、少しずついろいろな薬が承認され、今年4月に、欧米では1960年代より使用され標準治療になっている、過酸化ベンゾイル製剤(BPO)が加わりました。
BPOは、ピーリング効果で毛穴の詰まりを取り、ニキビの始まりである白ニキビ、黒ニキビを治療し、ニキビ菌が嫌いな酸素を発生させることで、ニキビ菌が増えてしまった赤ニキビを改善します。
近日中には、少し濃度が高いBPOと抗生剤が一緒になった外用剤も承認予定で、よりニキビへの効果が期待できます。
しかし、副作用として、赤み、乾燥、刺激感が出ることがありますので、肌の状態を診て使用できるかどうかを判断します。
ただ、ニキビ痕には効果がありませんので、ニキビ痕になる前の赤・白・黒ニキビの段階で、皮膚科専門医を受診してください。


Text by うめき皮膚科 梅木 薫( 2015年4月20日 「北海道新聞みなみ風」掲載)

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